「A列車で行こう7」発表


 ゲームウォッチ記事 http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20041119/a7.htm

 最新作となる今作のコンセプトはA列車の持つ本質的なゲーム性の追求にあります。
 シリーズの中で最も高い人気を誇った「A4」直系の続編を目指して制作しています。


・公式サイトには動作環境について現段階では記述されていないのですが
 スクリーンショットを見る限り、かなりの高負荷になりそうです。


・「A4」が一番売れた、ということですが
 ゲームとして一番バランスが良いのが「A3」。
 アートディンクのサイトにも「A3」紹介文に
 「これぞ、シミュレーションゲームの最高峰」と書いてありますよ社長。

・「1」「2」は鉄道をつなげる、シミュレートとパズル要素を組み合わせたものでしたが
 「3」から都市開発シミュレーションに。
 「4」では立体化。「5」で3D化。複雑システムになっていきます。 

・類似の「シムシティ」と違う点は、電鉄企業シミュレーションであること。
 「シムシティ」が市長として税金から収入を得、都市を開発するのに対し
 「A列車」は企業として鉄道を引き、
 駅前の土地に建てた建造物の資産価値が上昇したところで売却して企業利益を上げる
 日本的な西武東武東急京王などの電鉄会社シミュレーション。
 「桃鉄」とはリアリティが違います。大人です。土地神話、バブルです。



・「A列車の持つゲーム性」は
 都市開発、鉄道路線の両シミュレーションの2本立て。
 日本的な鉄道沿線、郷愁の狭苦しい町並み、そして「鉄道ファン」。


シミュレーションゲームの「ゲーム性」とは
 自分で作る、創る楽しさ、リアリティ。

・リアリティは大きな武器です。
 何十ページの世界観設定を前提とするファンタジー世界(指輪物語)に対し
 説明不要、身近で愛着、物理シミュレートなどしなくとも
 そういうものだ、と認識してもらえるデフォルメされたこの現実世界。
 ルールが解りやすい。ついでに作りやすい。

・リアリティは重要ですが、リアルではなくともいいのです。
 デフォルメーションというお約束の世界だから。ゲーム世界だから。
 逆に変に一部だけリアルだとお約束が崩れます。

・「A5」以降には
 「列車からの主観視点「車窓モード」による箱庭での乗車体験」
 というものがあります。
 「A列車」の車窓モードはリアルでしょうか。
 自分の創った街の中に入り込んで眺めることができる。
 ジオラマを作り鉄道模型にカメラを積むのと同じことのようですが
 違います。
 ジオラマならばそのままの景色が見える。デフォルメされた世界。
 車窓モードで見えるのは、ジオラマを神の視点から眺めていたものとは違う世界。
 その落差がリアリティという曖昧なものを壊してしまいます。


・「A列車」の欠点はゲームではなくシミュレーター志向であること。
 グラフィック、見た目のリアリティを重視してゲームのテンポが悪いところ。
 PC性能の違いに寄りかかる処理システムのため
 時の標準より遅い機器では時間が進まずまったくゲームにならない。
 さりとて皆同性能の家庭用機ならどうかといえば
 スクリーンショットにも現れているように
 これもPCディスプレイの微細な見た目の美しさが売りのデザインで
 テレビ画面では魅力半減。


・ゲームとしての面白さを損ねてはいけない。
 面白くなければいけない。
 リアリティとゲームとしての面白さのバランスがシミュレーションゲームの要諦。

・「A列車に求められるゲーム性」は「シムシティ」にはない「日本の都市シミュレーション」。
 しかし、アートディンクの意向はやはりそこにはないようです。
 なぜ「A3」が高い評価を受けたのか。製作者が解っていない。
 残念です。