『煉獄弐』の全過程終了


 公式は鬱陶しいので無視 ASIN:B000EDC5FG


・このゲームの良い点はすべて、メーカーのハドソンでなく
 おそらく全てネバーランドカンパニーhttp://www.n-land.co.jp/)のおかげ、
 とマニアは当然認識するのであります。実際どうであるかは知らないけれど。

・作りはいかにもネバーランドカンパニーらしい。
 戦闘がロボット系アクションシューティング、
 遠くだとロックオンしていれば弾が確実に当たり近くだと武器でチャンバラというそれ。
 敵の落とす多様なアイテム拾って付け替えるのが主で経験蓄積成長は表に出ない、
 というあたりは『シャイニングフォースネオ』『外伝アスカ』を作ったメーカーであり
 まさに。

・そういう点でなく、既存ゲームの仕組みにある内、単純で効果的なものをそのまま使い
 手間かけずに量を増やせるところには手をかけず、
 手間かかって直ぐ使いきってしまうところに手を付けず、
 つまりごく単純な仕組みに材料ばら撒いて置いて
 全体みてまとめあげるところに力を注ぐつくりこそ
 ネバーランドカンパニーのらしさ、たるところ。

・無駄なくそれなりのゲーム、凄くないけれど面白いゲームを作るメーカー。
 優れているはその種のゲームを遊ぶに、
 どこが欠点と成り得るかを知っているところにこそある。
 と見るがマニアの認識であります。





・敵がでてくる。ボタンを連打しているとわりと簡単に倒せる。攻撃見た目も格好良い。
 アイテムを落とした。装備してみる。見た目も攻撃動作も変わる。
 剣を左手にハンマーを右手に銃を頭にミサイルを胴体に。
 移動速度上昇アイテムを足に付けて無敵になるダッシュで避けたり接近して
 ボタンをたかたか押すと敵を吹っ飛ばせる。
 倒した後もさらに殴っているとさらにアイテムを落とす。
 それをソートして並べて付け替えて悦に入る。


・敵はすべて自分と同じ能力。武器を全身につけていて、殴っているとそれを落としたり
 素手でぱこぱこいつまでもなぐっていると壊れて向こうも素手になって殴りあう。ガチ。
 新しい武器の使い方はまず敵が使って教えてくれるのだし
 複数で襲ってきて同じ能力なのにこちらが勝てるのは
 ニンゲン様が操作しているからこそ、例えそれが適当にボタン連打であってもだ。


・その繰返しで装備集めて殴って攻撃力と体力と防御力挙げて階ごとでてくるボスと戦う。
 ボスは特化型、両手剣持ち、遠距離専門、火炎放射器でオーバーヒート狙いとかであり
 つまりこれも、武器はこういう風に組み合わせて使ってみると効果的であり、
 強力攻撃には必ず予備動作があるので見てから避けられますよ、
 そしてその後の隙をついたり後ろに回り込んだり事前にキャンセル攻撃をしましょう、
 というように、このゲームはこういう仕組みで出来ているのでこう楽しみましょうと
 教えてくれる。


・基礎演習が済んだらば応用だ。
 装備持込禁止ダンジョン。持ち込んで良いけど倒されたら装備没収ダンジョン。
 そしてそのまま入って良いけど敵がやたらと強いよダンジョン。
 戦場では生き残ったものこそが勝者。ずるい卑怯は敗者のたわごと。
 とにかく逃げ回るのだ。空腹度はない。避けるのだ。敵はこちらより鈍足。

・以上をこなせば君は最強の戦士である。全過程終了おめでとうおめでておう。
 あとは煉獄という名のダンジョンから出て友達同士で果てしなく戦いあってくれたまえ。




・こうして見ると、戦うゲームは皆同じで、それをそこから切り取って
 自分が強いことを楽しめるゲームにするか、という違いであることが良くわかる。

RPGは一種過程視点自分。SRPGは一種過程視点俯瞰。RTSSLGは多様過程視点両者俯瞰。 
 対戦格闘は多様過程視点自分。STGFPS等アクションは一種過程視点自分。
 操作アクションに持たせる重みの量は、成長の幅と対。


・『煉獄弐』において、全ての演習を終えた後用意された戦場は通信対戦のみ。
 ゲーム内の敵は全て指導者であり決して対等ではない。
 だから、このゲームを家庭用機でつくるならば『モンスターハンター』のように
 協力して巨大的を倒すゲーム。オンラインRPGのように。となるとどうなのかそれ。

・対戦か協力か。最強の自分に対等な敵は計算機の中にはいないのだ。
 そうでなければ、その過程を楽しむゲームにするより他ない。
 RPGのようにそれで充分面白い。

・しかしアクション要素がもたらす全能感は、STGのように特化して先鋭拡張化する他は
 その過程だけを楽しむことにあるいは邪魔しあうものなのかもしれない。
 SFアクションRPGと銘打って発売予定らしいPS3の次は
 既存有り合わせをまとめあげるだけでしかないネバーランドカンパニーの次を見たい。
 常に新しき戦場を求める、飽きっぽいので、
 ゲームマニアは今日も妄想するのである、ゲームだけが人生か。




 『シャイニングフォースネオ』感想文 http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20050410
 
 AB3: ネバーランド神曲 http://ab-3.net/2006/06/rengoku.html
 ABAの日誌: 煉獄弐(PSP)がけっこう面白い http://d.hatena.ne.jp/ABA/20060531