『三国志大戦DS』

kodamatsukimi2007-01-29


 公式 http://www.sangokushi-taisen.com/ds/ ASIN:B000HDLUZE


・アーケード版には1年かけて30万円以上も費やしてしまいましたこのゲーム。
 つまり、それだけ面白い。
 1年以上遊んでも飽きず、他のゲーム何十本分の金額費やしても惜しくない。
 いや惜しくないということはなくて惜しいのですけれども、いや惜しくない、はず。
 自分は間違ってはいなかったはずだ。たぶん。おそらく。と
 自信がDS版を遊んでいると揺らいできております。


・DS版はとても素晴らしく素晴らしい。いくら遊んでもお金を取られない。
 発売から1週間経っていませんが既に200戦。ゲームセンターでするなら5万円分。
 たちまちの内に元を取りました。
 1年かけて1200戦30万の実績は、今や風前の灯砂上の楼閣。要は無駄だった。のか。も。



・『三国志大戦』をいかに面白がっているかは
 費やしたお金の元を取りたい勢いで今まで何度も書いてまいりましたが
 何度書いたからといっても元など取れませんけれども
 いや、ゲームは儲けを期待する賭け事ではなく
 費やしたお金と時間分、自分が面白がれればそれで良いのでございます。

・さらに率直に言わせていただくと、自分が楽しめていればそれで良い。
 こんなに楽しいから皆様も遊んでみてくださいと書いても
 それを書かれていて自分が果たして遊ぶかと問えば答えは明らか。否。
 三国志大戦は凄く面白がれているゲームですが、誰でも楽しめるわけではない。
 興味を持てないひともいる。自分がゲーム全てに興味を持つのでないように。
 だからしてここでは、いかに自分がそれを楽しんでいるかを唯々書くのみ。
 だから皆も買いましょうとの思いをだらだら垂れ流しつつ、唯々書くのみであります。




・DS版は予想以上に良く出来ています。良くしたぞよセガ
 散々大金つぎ込んだ価値があるというものよ。涙。
 アーケード版最大の特徴である、フラットカードリーダー、
 盤面に置かれたカードの位置を即時読み取る仕組みを
 DSのタッチパネルに良い感じに置き換えています。


RTSなどのように、カードを置いた場所へ、画面内でそのカードが表す部隊が移動します。
 ターン制ではなくリアルタイム。
 『エムブレム』や『タクティクスオウガ』のようなSRPGをターン制でなくして
 早いもの勝ちで自由に動かせ攻撃できる仕組みのようなもの。
 相手の部隊と接触すると画面が切り替わって戦闘シーンになるとかではなく
 そのまま自動的に戦い合います。すぐ決着はつかない。
 その間に他の部隊が助けに行ったり危険そうならおとりにして逃げたりできる。
 リアルタイムで。ターン制ではなく。

・また、カードを置いた場所へ移動していく行動自体が
 例えば騎馬隊なら突撃の動き、槍部隊ならそれを迎撃する動きとなっていて
 そのまま敵部隊に当れば単に部隊がぶつかって戦っているより効率良く攻撃できます。
 それすなわち「遅延を活かしたゲーム」(http://d.hatena.ne.jp/ABA/20050706#p1)。
 カード操作が単に移動先指定のRTSSRPGのようではなく
 このようにアクションゲームとして機能している点こそ『三国志大戦』最大の特徴。


・それでそれをDSのタッチパネルで行う。
 ここが大変良く出来ています。
 タッチペンアクションゲームは任天堂の『ヨッシー』『カービィ』や
 『カドゥケウス』など出ておりますが、それらと比べても上。
 現時点最高のタッチペンアクションゲームと断言するであります。

Wii版『カドゥケウス』はまだなのでそのあたりはまた別に、ですが
 リモコンコントローラーで遊ぶとまた違うのだろうか。
 腕がとても疲れそうですけれども。


・アーケード版準拠で説明しますと、
 槍撃もまとめ突撃も騎馬マウントも自城突撃も無理なくできます。
 カードどかしはできないですが、重ね置き判定が緩いので騎馬マウントはむしろ楽。
 ただ、タッチペンを2本持ちして複数部隊を個別操作、はできない。
 一度に行動指示できるのは1部隊のみであるのでやはり騎馬単はなかなか難しい。
 ただ、複数部隊を指定した後まとめて同じ動作を指定することはできるので
 まとめ槍撃まとめ突撃は可能です。
 画面位置操作ができなく、敵部隊へ弓攻撃が出ているかを
 ミニマップ敵兵力でしか確認できないのは難ですが
 操作タッチパネル画面も表示可能であることを活かして
 自部隊の残兵力を確認することが可能なことで帳尻を合わせているといえましょう。


・アーケード版との表示や操作方法が違うこれらですが
 しかしDSの狭い画面からすれば正しい選択であると思います。

・極力アーケード版をそのまま。最大8部隊8コスト戦場広さも武将能力も全て同じ。
 乱戦時攻撃判定なども感じからして恐らく同じであろうし、移動速度もそうです。
 ただ操作スペースが狭い。ゆえに操作する駒であるカード自体が小さい。
 だからして操作し易さ、という面ではどうしても遅れをとる面も出てくるのですが
 逆に指先でタッチペンを上下するだけで戦場全体を指揮できるわけでもある。
 1度に1部隊しか動かせなく画面が小さいため精密な動きは難しくとも
 画面の中にある広さは同じであり、そして相手にとっても条件は同じ。

・アーケード版と比べて劣る。それは確か。
 しかしDSのタッチパネルでするならば、まず文句ない出来。
 『三国志大戦DS』もアクションゲームであるとはっきり言えます。素晴らしい。



・公平に欠点を挙げておきますと、計略時や落城時などの演出種類が少ないなど
 容量の要請からか、見栄えの方でやや欠ける点。
 武将外見は、せめて勢力別くらい欲しかったところ。
 しかし、もとからアーケード版でも重要視されない点、つまり
 アクションゲームとしての可視性こそが大切であり演出は従であるので仕方なし。
 むしろ、復帰時判断に重要である武将の掛け声は完全再現されており
 いつも力の掛けどころを間違えがちなセガとは思えぬ良い仕事というべきなのか。
 「ここにいるぞ」や「こっそり根回ししておいた甲斐がありましたわ」が
 いつでも聞けるとか。DS版甘皇后とかも狙っております。


・コンピューター対戦、つまり1人用モードはかなり思考劣化しており
 アーケードのver.1のころより酷いかもしれない。
 初心者の方でなければ、まず99%以上の勝率を残せます。すごく弱い。
 アクションゲームとして致命的のようではありますが、しかし許せます。
 無料です。アーケードでは店内対戦使っても2戦300円とられましたが
 今度はただ。文句なし。まったくなし。練習代ゼロ円というだけで全て許せる。
 むしろ兵法育てカード集めが楽であって良いとすら言える。
 ただ商人がいないので戦器集めが相当大変そうではありますが。

・そしてアクションゲームであるのに1人用が練習にしかならなくて良い、というのは
 つまり対人対戦にこそ、リアルタイムカードアクションゲームである、
 このゲームである意味があるのだからして、であります。


Wi-Fi対戦。DSだから任天堂だからできる無料の全国通信対戦。
 場合によっては結構な時間、対戦相手決定までに待たされることもあり
 そしてラグ、通信遅延や通信障害もないとはもちろん言えませんが
 専用回線であるアーケード版にさほど遜色ない程度は気にせず楽しめます。
 充分十分。

・結果。無料で対人対戦が24時間、ゲームセンターに出かけずとも延々遊べる。
 DS本体、ゲームソフト合わせて2万円程度で30万円かけた分が後無料で遊べる。
 そしてその中身は、1年遊んでも飽きないアーケードゲームのアクションゲームを
 操作性こそやや劣るものの、他はほとんど欠点なく移植したもの。



・結論。素晴らしい。あまりにも素晴らしすぎる。
 この感動は、残念ながら文章ではお伝えできません。言葉で表しきれません。
 このゲームはあまりにも安すぎる。
 ゲームという娯楽全体が素晴らしく安上がりである、ということを
 しみじみ感じ入る次第。
 アーケード版が高すぎるのではない。ゲームが安すぎるのです。
 ああゲームは素晴らしい。いつもと違う感心です。
 

・『三国志大戦DS』は、言い表せないほど素晴らしいゲームである。
 セガまぐれ当たりながら最高の傑作。
 アーケード版は5年先取りした先進性ある傑作だと思いましたが
 2年後移植された本作も、確かに仕組みは既存タッチペンアクションと紙一重であるのに
 その中身は他を突き放して、優れているというよりも突き抜けている。

・他のゲームとは同列でないゲーム。
 当時『スーパーマリオブラザーズ』や『ドラクエ』がそうだったように。
 『時のオカリナ』が『FF7』が今までと違っていたように。
 『スト2』で初めて対戦した時や、オンラインRPGへ初めてつないだ時のように。
 これを楽しめないならば、ゲームを遊んでいて実に損だ。そう思います。
 

・それでも遊べないひとがいる。興味をもてないことがある不思議。
 面白さとは、とても玄妙不可思議です。





・蛇足メモ。
 
・長時間手で持って遊んでおりますと、手が疲れるというより酔います。
 アクションゲームであり、1ゲーム約8分間集中して画面左右を見続けるため
 長いこと遊んでいると酔えます。のでゲームスタンド使用を推奨。
 こちら(http://bmky.net/diary/log/1440.html)で紹介されていたものを便乗推奨。
 縦置きもちろん可です。


Wi-Fi対戦は天下の任天堂様が仰るとおり安心安全無料であります。
 アーケード版だと君主名を変更できませんが、こちらはいつでも可。
 対戦中も前後も相手にまったく意志を伝える手段がない。
 それこそ君主名と操作内容くらい。京都の大旦那は過保護すぎるほど子供向きです。


・DS版はアーケードのVer 2.01対応であることに注意し
 カード能力値やデッキ編成については
 こちら(http://www.wikihouse.com/sangokushi/)のWikiを参照のこと。
 1人用で勝率99%を越えるようでないと対人対戦は大変かも。
 弓が多め、方向指定のある計略が主とならない、例えば手腕や天啓、黄布デッキなど
 2年間検証され既に強いと言われているデッキをまずはそのまま素直に使い練習あるのみ。
 上記Wikiトップにあるリンクから見ることができる頂上対決もまめに鑑賞。


・発売同日にアーケード版も大量新規カード追加のバージョンアップ。
 かなり閉塞感じさせる内容で次のVer 2.11で終わりなのでは、と見えます。
 DS版がアーケードでしか楽しめなかったものの、大部分を手元で無料再現した今後
 果たしてどうなっていくのか。
 そのそばで『戦場の絆』が示すように
 家庭用では『ギアーズオブウォー』や『ロストプラネット』が評価されるように
 声を掛け合って協力するチーム対戦ゲーム形式が主流となっていくのかも。
 『三国志大戦』でもチームごとの交流が盛んであり
 センターモニタに今回からチームランキングが載るようになったことが象徴するように。