テラリア

テラリア - PS3
PC版 http://store.steampowered.com/app/105600/
PS3・Vita版 http://www.spike-chunsoft.co.jp/terraria/


何度か書いたように
ここ何年か「オープンワールド」がはやり。
ムービーばかりでお話すすむのは冒険している感じでない。
誘導されるのでなく
広い舞台が与えられたら、あとはそこで自由に振舞うこと、
これが今までにない新機軸。
でもそれって「オンラインRPG」の1人用なのではないか。
もちろん周りのみんなが主人公だけの方を向いて
いつまでも待っていてくれるよう作り変えてはあるけれど。


そこで「オープンワールド」に変わる新しい新しさとして
このごろはやりとされるのが
砂場とかそういう意味の横文字「サンドボックス」。
オープンワールド」は縦文字日本語だと「箱庭」となり
箱は周囲壁だし、庭は日本では狭いものなので
ぜんぜん「オープン」ではないではないか、
だからなのかどうか存じませんが、今度は砂場。
広さはもはや重要ではないということを訴えたいのだろおか。




『マインクラフト』などがその「サンドボックス」代表らしい。
https://minecraft.net/
動物番長』のようなみためですが
これはどういうゲームかというと
おもちゃの『レゴブロック』。あれである。
ゲーム内主人公周囲の木や地面や動物は立方体ブロックで出来ている。
それを加工して、組み立て再配置して、いろいろなものを作るゲーム。
ゲームというか遊び。


みためが角ばったブロックで出来ているので
技術の未熟だったころのようなゲームの印象を受けるけれど
そして文化の違いを感じるけれども
『レゴブロック』が角ばって単純な形の組み合わせから成るのは
組み立てにそのほうが便利だから。
そして『マインクラフト』が
なんといっても『レゴブロック』より優れているところが
新しいブロックを追加で買う必要のないこと。
お金持ちのお子様でなくとも楽しめます。
一度買えば無料で遊べちまうんだというわけです。




本題『テラリア』は、『マインクラフト』が3Dなのに対し2D、
昔のアクションゲームみたいに横からみた画面という
大きな違いはあるけれど、中身は似たつくり。
木を斧で切ると「もくざい」になり
地面をツルハシで掘ると「土ブロック」になる。
鉱石を掘ってきて武器や防具に加工し
レンガブロックを作って家を建てる。
武器振り弓撃って敵排除しつつどんどん進んで
また新たな材料を集める。


『マインクラフト』とみためだけでなく違うのは
舞台をすみずみ探検する楽しさが主のところ。
多くの敵は「土ブロック」や「石ブロック」を通り抜けられないので
敵前に積めば隙間から攻撃したりできる。
地面を掘っていくと洞窟になっていて
洞窟の壁もどんどん掘り進められ
足場を作ったり照明を灯したりデコボコを均したり
底が抜けて落ちてくる水を防いだり溶岩池に蓋したり
未開地を探検しつつも、足元固める作業も楽しいのだ。


回復や倉庫のための拠点としての家は地面の上だけでなく
空中にも足場を積み重ねてつくれるし、地下深くにあっても良い。
舞台は自動生成で、同じキャラクタに何度でも新しく用意できる。
敵を排除することより、広くいくらでも用意された舞台を
自分の快適なように、かつ格好良く整える、
「箱庭」づくり「砂場」あそびが、楽しいゲームなのである。




ゲーム外箱には「モノづくりアクションADV」と書いてあるけれど
鉄道会社経営での都市開発シミュレーションである
A列車で行こう』のような楽しさに近いものがある。
敵の攻撃をブロック配置して防ぐのは
火の鳥 鳳凰編 我王の冒険』の鬼瓦であったし
ブロックを再配置して進んでいくのは
ソロモンの鍵』などのパズルアクションゲームで既にあった。
けれど、奇抜な何かでなく同じ仕組みを使って
地下洞窟を自分なりに整地すること、
ダンジョンの最奥を目指すアクションゲームというだけでなく
舞台を、機能とみため兼ね備えて自分のものとすること、
ダンジョンを整地育成もするアクションゲームであるところが
この作品の面白さ。


ダンジョン掘る掘るダンジョン育成アドベンチャーこと
『仙窟活龍大カオスシード』ともまた違います。
また、『大神』の「筆しらべ」とか『ひっぱりンダ』とか
3Dだと同じようなことをしようとしても難しい。
2Dで横から洞窟も断面全てを見渡せるからこそのもの。
そこが『マインクラフト』と違って
『テラリア』が2Dである必要でもある。


同じようなみための『洞窟物語』のように
操作の巧緻や解法を知ることや事前準備での有利がないところで
アクションゲームとして劣るし
「つかまりフック」の存在が特異過ぎるし
アイテム作成時の所持数表示とか細かい不満はあるし
大きく、目的に対してつくりがはっきりしている
『マインクラフト』『A列車』に比べて
いろいろできそう、さらに発展できそうに止まる作りではある。


けれど既存の名作と伍して楽しいゲームであることが何より大切。
オープンワールド」だの「サンドボックス」だのどうでもよく
従来のゲーム作法に、舞台構成物の量が加わることで
『マインクラフト』の遊びができたように
『テラリア』の楽しさも
今までに有った洞窟探検アクションともパズルアクションとも
同じだけれど活用が違う、面白いゲームであるところがえらいのです。