2021年を振り返る

 

かつて年末最終日はその年に書いた記事を読み返し
感想つけて振り返るということをしていたけれど
昨年は止めたので今年も止める。
ほんとうは挑戦したけど挫折した。
つらい。ほんの数か月前の自分が書いた文章なのに読み返すのがつらい。
進歩か退歩かどちらにしても、人間日々変化はしているのだなあと思う。

 

今年も昨年に引き続き感染症で大変な年でした。
はたしてマスクをつけずに外出できる日は再びくるのでしょうか。
マンガやアニメやゲームではなぜマスクをしていないのかと
こどもたちが不思議に思う時代もすぐに来そうです。
世界的にいろいろ物品供給の乱れがありテレワーク自宅勤務もあり
PS5本体がちっとも店頭に並ばないしゲーム開発も遅れまくりらしい。
ゲーム販売店自体にここ2年行っていないしゲームも開発していないので
実感としてはよく知らないけれど。聞いた話。
発売から1年過ぎて未だに売っていないとか
この流れの速い現在時代にと驚く他ありませんが
でもPS5専用作品があんまり出ないのはコロナ関係ないと思うんですけど。
PS4用コントローラが永久に品切れで困るんですけど。
やっぱ互換機は駄目だわ耐久性がダンチ
純正は高いだけあるなあとこの歳になってまた学びました。


今年はどういうゲームが出たっけと、ゲーム情報サイトを見に行ったら
年末恒例のゲーム開発者アンケートが載っていました。
流し見て目に付いたのは「シリーズ何周年」をうたう作品たち。
そういう年節目の振り返り記事だから当然の表現ではあるけれど
沢山のゲームが何十年の歴史を持つようになったのだなあと思うと共に
ここ20年くらいの時の速さよ。
あのシリーズがもうそんなお歳。あらやだ私も歳を取るわけねえ。
そして売り上げランキングを見てそっ閉じ。
みごとに殆ど全部遊んでいない。
ほぼNintendo Switch一色。どういうゲームなのかは大抵わかるけれど
買って遊ぼうとは思わないものばかり。
任天堂製ゲームも銃を撃つゲームともそりの合わないひとの居場所がない。

 


では自分は今年どういうゲームを遊んだかというと
いろいろ遊んだつもりでも結果感想書いていないのはご覧の通り。
FF14』『三國志14』の他には『デス・ストランディング』とか
大逆転裁判1&2』『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク
『ドーナドーナ いっしょにわるいことをしよう(PC18禁)』などとか。


遊んだとは言えないさわったレベルであれば
基本無料アイテム課金ゲームには沢山さわりました。さわっただけだけど。
でも『プロジェクトセカイ』にも1円も払っていないなそういえば。
ゲームも「良いものを作れば売れる」とかそういう素朴な段階でなく
いかに沢山のひとに知ってもらって
中にまれにいるお金を払ってくれる「お客さま」を捕まえるかの勝負であり
つまりわたくしお客でない。タダ乗りだけの賑やかし。
何千円出して買ってきてもろくに遊ばず積んだままがある一方で
年百時間と遊んでもビタ一文払わない。
上ものだけで凄い金額稼ぐ相対的に見てゴミとしか言えない作品もあれば
遊べば絶対的に楽しいのにまったく触られず埋もれていく作品も山の数。
けれど、遊ぶひとにとってはそれが面白いかではなくそれで楽しめるかであって
やはり周囲や大勢が遊んでいる方がその質より重要なのであり。
今とこれからのゲーム商売って大変だなあと、他人事ながら思います。

 

 

ここから遊んだけれど感想書かなかったゲームの感想。

 

『DEATH STRANDING』は、いかにもいかにもこの製作者らしい作品。
太陽エネルギーで吸血鬼を倒す。隠れて敵基地に潜入する。
そして頼まれて荷物を運ぶ。
ごく単純な主題から「面白さ」を際立たせてひとつのゲームに昇華する。
未知なる場所へ山越え谷越えロープを這わせ梯子を掛けて荷物を運ぶ。
その一事によくぞゲームとしての面白さを見出したものと感心させられるし
ひとつの着想を操作して楽しい現実に落とし込む在り様は
ゲーム開拓期には当然だったかもしれないけれど、一周周って目新しい。
荷物を運んでいることがなぜか楽しい。動かしている手触りが感じられる一品。


一方で不満点も従来と変わらない。
手触り良く出来ていて操作が上手になる手応えは感じられるつくりだけれども
何度も遊び直したくなるような味わいはお話の部分に比重が高い。
アクションゲームの気持ち良さは極端に言えば道路開拓のみに偏っており
邪魔もの要素を避け撃退するところに面白味が薄く繰り返しに向かない。
演出は流れの速さが重視されていて興味ある人だけ浸って欲しい作りであり
ゆえにお話についていけないひとや好みではないひとは
全てが鼻に付いて好意が裏返る在り様だろうと思う。
字が小さいとか依頼内容が無駄な情報多く解りづらいとか演出がしつこいとか
細かいところが気になってくる。
そういう全体通した色付けが製作者の価値観で整理され統一感がある一方で
綾為された色合いがゲームとしての幅広さや取りつきやすさより重視されている。


好きな人は好きな、着想が光る作品として長く回顧される名の有る一作であって
広く開かれた無個性さと真逆。いわばNintendo Switch色ではない。
これが小島秀夫作品なんだと言えばそうですねと言う他無いので
ではなぜ『メタルギアシリーズ』はあれだけ幅広く支持されたのか
逆に不思議に感じられる。
『MGS1』はこんなゲームも在りなのかという新しさから面白さを感じたけれど
なぜ以降の作品があれだけ受容されたのか理解出来ないのでなんとも不明。
メタルギア』にも本作にも新しい面白さが確かにあるが
より幅広い層が繰り返し何度も遊べる面白さにも出来たのではないかと
不満もある。
と対案出さず文句だけ付けるのであった。
次回作の普遍な新しさにも期待しております。

 

 

大逆転裁判1&2』は2015年と2017年に
3DSで前後編に分割販売されたもののセット版。
シリーズの『4』以降は賛否分かれる評判でしたが
これはおおむね賛で良いのでないの、という世評通りかと思います。
シャーロックホームズがもうひとりの主人公で
助手のワトソンと合わせて良いキャラクタをしています。
ヒロインの大和撫子なキャラクタも絶妙。
読者には決して広く受け止め難いであろうそれを
上手く包み込むカプコン独特の丸いデザインは、まことにひとつの至芸。


ゲームとしては安定のつくり。
自分は探偵役なのにまったく事件の全貌が見えず
けれど裁判でムジュンを指摘しているうちに
一気に視界が開けていく本シリーズ独自の快感は変わらず素晴らしい。
小説でも映画でも為せないビデオゲームだからこそのミステリ。
何十年後も遊ばれて欲しい後世に残す価値あるシリーズと言えましょう。
これで『4』から『6』の迷走がなければ言うことなかったけれども。
あとは読み進めていくテンポがまだまだ固いところが残念。
映像作品のように制作側が見せたい流れの早さがあるのだろうけれど
ゲームは本のように読み手の好きな速さで楽しめるべきだと思う。
それではゲームとして売れない、成り立たないのかとも思うけれども。

 

 

『プロジェクトセカイ』はスマートフォン専用リズムゲーム
従来の『Project DIVA』と違ってクリプトン所属ボーカロイドだけでなく
高校生たち複数のバンドグループのキャラクタたちも登場し
相俟ってお話が展開されるのが大きな違い。
リズムゲームに如何に課金してもらうかへの業界長年苦心の結晶というべきか。
まあ課金していないのでその点については感想述べる資格ないですけれど。


どんな内容だったら課金するんだよと言われ自問してみると、
やはり1区切り2000円くらいで
ゲームの進行が継続的に楽になる的なのなら払うだろうか。
『艦これ』の拡張ドックとか、キャラクタ所持数上限の拡張とか。
新しい強い最高レアが手に入る可能性があるくじ引き参加料金だと
どんな性能で絵で声であろうとも、
そのゲームに対価を支払う意義を感じていても、払うのは難しい。
けれどこの種のゲームに沢山払っている優良顧客の志向と異なるのは明らかで
参考にならないことでしか参考にならない。
ではあるけれど、これだけ楽しませてもらったのだから対価を払いたいという
意志もあるし払う能力もある相手に対し
いかに払うに値するゲーム内価値を提供するかも考えるべきではなかろうか。
そこに限られた工数割いても結果として売り上げは変わらないどころか
新規キャラの絵を描くのに比べて成果が見合わなすぎるという結論が
既にあるのかもしれないけれども。
あと払う能力がない人まで体験するだけでなく参加できてしまうのも宿す業。
他者に自制を求めることの道義における説得力の儚さよ。


ゲームとしてはリズムゲームでしかないので、
スマートフォンでなく専用コントローラで遊びたいというのに尽きる。
なんでこんな小さい画面で無理やり遊ばなあかんねん。
お金は払うからもっと快適な環境で遊ばせて欲しいと願うばかり。
むしろ鍵盤にディスプレイつけてこのゲームつけた方が売れるのでは。
タイピングゲームが成り立つのだから鍵盤アクションゲームだっていけるはず。
どっちもkeyboardだし。耐久性でやっぱ純正が最高なとかここに書きそう。
やはりどうやって集金するか、
数ある娯楽の中から如何に存在に気付いてもらい、選んでもらえるかが
畢竟最大の課題なのだろうか。
スマートフォンのアプリとしてしか成り立たない劣化品質商売。悲しい。

 

 

『ドーナドーナ』はアリスソフトのPC18禁ゲーム。
『ランス10』でこの分野は完結した感じがすごく漂っているなか
『ランス01』『ランス03』を制作したメンバーによる新規作ということで
かなり結構それなりに期待していたものの、つまづきな出来栄え。
アリスソフトはそもそもごくごく小規模のゲームメーカーであり
限られた製作総力しかないにも関わらず
戦国ランス』のように『信長の野望』に匹敵するかのような規模を
巧妙に創り出していたのだなあと、過去作品へ逆に感心します。


本作で最大の問題は、
バトルを繰り返してレベルを上げてお話を進めていく部分と
「ドナドナ」して「ハルウリ」する部分が噛み合っていないところ。
大悪司』くらい割り切ってしまうとタイトルの意味が無いので
そこにゲーム容量を割くのはまったくかまわないのだけれど
経営ゲームとして解法求め試行繰り返し数字増える歓び味わう甲斐が少なく
何よりお話を進めていく部分に対しターン経過フラグ以上の必要が無い。
バトル部分もキャラクタやお話ありきであり
「ドナドナ」するのがしなければならない作業になっているので
そもそもなぜ戦っているのか分らなくなってくる。レベリングか。
もっと他に方法はあったのでは。
ランスならもっと道なき荒野を突き進んだのではないのかと比較してしまう。


従来とのアリスソフト作品との差別化、この製作者ならではの独自色の面で
いろいろ頑張って作られてはいるけれど
あにはからんや果せるかな大事なところが噛み合っていない。
個々はそれなりに磨かれて魅力あるのだけれど、
繋がっておらずどれも中途半端で全体としての面白さが少ない。
なんとも惜しい。
そして肝心のそこ、遊んで面白いかどうかがこの調子では
今後も難しいかなと感じさせる出来ばえ。残念。

 

 


さてなぜこれらの感想を書かなかったのか。
今考えてみればこれは面白かったと感想を書きたい気にならなかったから、
ということになる。
心からこれは良かったと思える作品ばかりでは残念ながら中々無い。
もちろんそれは作品側だけに責があるのではなく
選び遊ぶこちら側次第の部分も大きい。
過去に絶賛した作品をいま遊び直して同じように楽しめるかと言えば
そうもいかない作品も沢山在るだろうし
であれば、過去に面白がれなかった作品も
いま機会があれば楽しく遊べるかもしれない。
絶対価値以上に相対評価
そのとき自分がどうだったか、どう遊べたが、どう遊んだかの一期一会。
ただただその結果をこうして記すほかないのである。


嘘です今考えました。ほら今考えたって書いてあるし嘘じゃないよ。
一回分の記事に相応しいほど書くことが思いつかなかったからがより正しい。
それだけそのゲームに愛が湧かなかったということではあるけれども。

 


つぎ『FF14』のその後。
世界一売れているオンラインRPGの『World of Warcraft』が自滅したとかで
今月追加パッケージも発売されて人が溢れログインもままならないので
広告新規出稿を停止するほどの好調の模様らしい。
らしいつまりもう遊んではいないのですがまあそういう業界ネタはともかく、
ドラクエ10』もそうだけれど
オンラインでなかったとしてもシリーズ中でもっとも楽しく遊べたので
騙されたと思ってぜひ遊んでみて欲しい。
FF7』は認めるけど『FF10』は認めず『FF12』最高派の言質が信用できれば。
ただヒーラーは楽しいけどタンクとDPSはあんまり楽しくないと思う。
タンクはまあまだパーティで遊んでいる感じがするけれど
DPSは1人で遊ぶのと何が違うのか。1人で遊んでいるほうがむしろ面白いのでは。
パーティ組んでエンドコンテンツに挑むのなら違うのだろうか。


ドラクエ10オフライン』には、とっても複雑な心境です。
オンラインなら無料で遊べる部分を
一万円以上出して買う人がいるのが信じがたいのですが、
ストーリー部分を遊ぶだけなら完全に1人で遊べるからといくら言っても
遊ばないひとは遊ばないし
オンラインというだけでそういう情報も目に入らないのだろうし
情報が無い、気づかない、得られないって怖いことだと思う。
ゲーム制作側にとっても、遊びたい人に遊んでもらえないので
わざわざ手間をかけてオンラインで無くなくする無駄を掛ける徒労感。
どちらにとっても喜ばしくない悲劇という喜劇。どうしてこうなった。


DQ10』と『FF14』の大きな違いはレベルを上げる必要さ。
FF14』はいわゆるメインストーリー、脇道に一切触れずまっすぐ突き進んでも
戦わなくていい敵と一切戦わずともレベルが最大まで上がります。溢れます。
クラスごとにレベルがあるのでサブクラスで遊ぶなら育てる必要はあるものの
これもとても容易。
レベルが上がる過程はあくまでチュートリアル、そのクラスの練習で
レベル最大、カンストからが本番というつくり。
装備も同様で、他のプレイヤーより際立って優秀な装備は存在しない。
誰でもほぼ最高の装備を安価で手に入れられます。
では製作職の意義は何かというとみため。他者との差別化もみため。
性能ではなくみためをどうするかにしか装備アイテムの価値は無いので
すなわち戦う上での能力差は一切無い。
事前予習しての大縄跳び。一人ミスすると全員失敗やり直し。それが『FF14』。
もちろんギスギスしているのは一部の高難度バトルだけで
普通に遊ぶ分には過剰におびえる必要はありません。
まあいろんな人がいるのは現実と同じですが
同じゲームを楽しむ共通項があるだけむしろ現実より優しめ世界であり
それゆえに居心地よく感じる人も多いのではないかと。
一方『DQ10』はレベル上げも装備強化も時間と手間が掛かります。
エンドコンテンツの参加には知識だけでなく長期的な育成が必須。
とっても敷居が高い。だからこそ希少アイテムの価値があるし
能力値のわずかな高低に価値を感じられるとも言える。


どちらが現在人気なのかという結果からひとつの「正しさ」は導かれるけれど
何年も何年も同じゲームを遊び続け、協力し合う際に能力格差が生まれることの
過程のひとときに在る「正しさ」。
普通のゲームとは尺度の違う大いなる実験風景。
同じゲームで何年も協力しながら競い合い続ける果てしなさは理解を越えるし
誰にも行きつく果ての見えない境地という他無いので、参加はしないけれど
見ていてまことに興味深い。

 

 

あとこの2か月ほどは1年半ぶりくらいにゲームセンターに行きました。
生存していましたゲームセンター。それなりには潰れたようではあるけど
あの感染爆発状態でもお客は皆無でなかったのね。
まあパチンコ屋も潰れていないし推して知るべしではあるけれども。
三国志大戦』を久しぶりに遊んでみるとマッチング待ちが長い。頻度高い。
日曜昼間に行ったのに遊び終えるまで他に誰も居ないこともありました。
この辺りに少ないクレサ店なのに。わざわざ片道40分かけて通っているのに。
まさに斜陽産業。
スマートフォンで無料でポチポチできるのに
はるばる遠くまで通ってこないと遊べないゲームに価値はないのか。
まあ平日仕事の後に時間かけて通えるかとか
土日の昼間からゲームセンターに籠れるかとか考えれば
当然の帰結のような気もする。
亭主元気で留守が良く休みは家に居場所が無くてパチンコ通いと何も変わらない。
PC18禁ゲームと同じく完全に無くなることはないと思うのですが
希少で高価な限られた遊びになるのかもわかりません。
とにかくゲームセンターが近くにないと遊びようがないのは
もうどうしようもない。
果たして5年後10年後のアーケードゲーム業界や如何に。

 


ということで今年も終わろうかと思います。
いまのところ次に遊びたいゲームが特に無い。
『真女神転生5』は同『4』があの内容だったしあまり食指が。
久しぶりにテイルズシリーズでも遊ぼうかしら。
題名通り息せき切ってゲームを遊ぶひとではないので
来年もぼちぼち遊び、これは面白いと思うゲームがあったら
感想を書いていきたいと思います。
何が面白かったのかというならまず『三国志大戦』。
FF14』か『DQ10』でも許す。
これらを遊ばずにゲームを語るとかおこがましいのではと
過去にも書いたけれど本年本日も思っていますよ。
ではまた来年。良いお年をお迎えください。

 

 

 

 

蛇足。今年読んだ本で数年ぶりにこれは布教しなければという一冊があったので。

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