デビルサマナーソウルハッカーズ

デビルサマナー ソウルハッカーズ - 3DS

今週『真女神転生4』が発売されるというのに
なぜか今月は去年8月に発売された
3DS版『ソウルハッカーズ』を遊んでいたのだった。
最初のセガサターン版は1997年。15年以上前。
それでもそれなりに内容覚えていて
その一方、はてこの悪魔は一度仲魔にしただろうかと
数時間内外前のことが思い出せない。
メッセージ速度と音量調整がないほかは
戦闘周りの処理がはやくなっているらしいのですが
Bボタンダッシュとは指が合わなくてレオン自工3Fが抜けられない。
いろいろ自分の劣化が困ったもの。駄目駄目であります。




女神転生』シリーズも様々に枝分かれして
いまさら15年前のこの作品がその流れにおいて
どういう位置にあるのか意味ないことでありますが
RPGの遊び方が変わり続けた先の途中にある今から見て
改めておおざっぱに言うと
進行上の鍵となるアイテムを手に入れて先の展開を思案するとか
進行により戦力などに新たな要素が加味されて用途を妄想するとか
おつかいの過程の背景奥行きも贅沢に深くて
きれいになった、と思うことです。
ひとつの迷宮にもぐって出てくれば新たな展開が待っている、が
その迷宮にも見かけの進みようがいろいろ取り揃えられている。
レベルひとつ上がることが大きな前進であったものに対し
様々な評価が過程の道しるべとして楽しませる。


この変化は、攻略情報を手に取りやすくなったからでなく
RPGは、一本道のおつかい手法に反する自由度の高さが
面白さに比例するという誤解とも関係なく
ゲームのなかでRPGと呼ばれる手段が遊ばれ重ねられてきたことで
それがだいたいどんな感じかが蓄積されて
わずかな手がかりから広がりを見えやすくなくなった、
遊んでいるこちらの変化にある。
もちろんゲーム側もきれいになっているとは思いますが。
相身互い。目的は違っても目指すところは同じです。


キャラクタの絵があって音声がついて背景が描き込まれて
ゲームを解く手段の多様さとは関係なく
同じ素材からつながり見出し、昔で言えば過剰な深読みを普通にして
ゲームを解くのでなく、様子を眺めるようになった。
ゲームをクリアするのならば時間をかければ良いのである。
では、その時間遊んでいるひとをできるだけ楽しませ続けることが
ゲームの品質。絵で音で話で、こまかな操作応対や待ち時間とらが。
解くために手をとめていろいろ試すようではなく
いろいろみて周っているうちに見えてくる方が偉いのだ。


理不尽だと感じる難しさや、誰でも楽しめ、奥深く多様にも遊べるのは
良いことである。
そうして遊んでいるうちに、遊ぶ方もゲームのほうも
いろいろ変わってきたものである。
ドラクエ』がなぜいまさらも
あれだけ昔から変わっていないのに面白いのか。
ペルソナ3』が従来に対しあの長さで何を変えてみせたか。
そうして少しずつだか着実にだかいつのまにかだかに、
15年たてばそれだけに良くなっていて、感心しました。






もうひとつ、ゲームとは関係ないところで本作面白かったのは
パラダイムX」。


1998年1月に発売された攻略本のスタッフインタビューに
こういうように書いてあります。

―― パラダイムXには素朴な疑問があるんですけど。遊ぶ側は、3Dゲームをプレーする際に、画面のなかには自分の想像力頼みで入り込むんです。でも、パラダイムXをやってる人がモニターを見てやってるという設定だとしたら、そんなに誰もが入り込めるものなのかな、って。ヒ卜ミが最初に「わあ」って見まわしますよね、見回せんのか?と。ここにも道があるから行こうよ、っていいますよね。道があるから行こうといって行けるのか?って。

金子 3Dゲームに慣れ親しんでいる人だと、そういう風に不満に思うかもしれないですけど……。

手元にも本ありますけれど
攻略サイトhttp://bmky.net/data/sh/)にテキストがありましたので
せっかくなので複写貼り付け。
サイト作成者さまには
いつぞや年賀状まで頂いておきながらご無沙汰しております。
ご覧のかたにはせっかくなのでインタビュー全文ご覧いただけると
15年の月日がいろいろ味わい深いです。
著作権は限りなく透明に近いブラック。い、引用やから……(震え声)


続き。
パラダイム(paradigm)」という言葉は
パラダイムシフト」で「みかたが変わる」という意味。
ウィッキペディアのお堅い解説によると

次の二つの特徴を持つ業績の事。
その業績は、他の対立競争する科学研究活動を棄てて、それを支持しようとする特に熱心なグループを集めるほど、前例のないユニークさを持っている。
その業績を中心として再構成された研究グループに解決すべきあらゆる種類の問題を提示してくれる。

1997年に作られて、上のスタッフインタビューにもあるように
そこから「2、3年先」をイメージして
この名前を冠せられてゲームに作られた「パラダイムX」。


では2012年と2013年現在の「パラダイムX」はどういうものだろうか。


VRバーチャルリアリティ Virtual Reality 仮想現実)の表現は
15年でなく確かに25年前くらいには現在と変わらない
ゲームの中に五感入り込んで「見回せる」ものになって欲しい想、
が既にありました。
むしろ21世紀にもなって未だに
想像の枠がそこにあるのが驚きというべきか。
オンラインゲームが思ったより思った通りだったというべきか。


けれどところが身近な現在では、マニトゥチップなくとも
一部の多くのひとは携帯機器を通して仮想現実に没入している現実。
いやいやあんなのは仮想現実でなく現実であって
本来の仮想現実は
AR(オーグメンテッドリアリティAugmented Reality 拡張現実)みたいなのだ、
みたいな論もあります。
仮想現実(二次元)のほうがが現実(三次元)より上等とか
バンダイナムコ任天堂はどちらが大正義なのかとかとか。


でも『ソウルハッカーズ』で
主人公の台詞が、音声ないころそのままにないままなので
ネミッサとヒトミが一人二役音声付一人芝居しているのを
眺めてみていて思ったのです。
パラダイムX」の外にもARと同じく仲魔は存在している。
合体素材に何かをすると召喚できなくなるが
悪魔全書登録して召喚資格を証明すれば
マグネタイトと引き換えにヴィクトルが召喚できるようにしてくれる。
神話と伝説に発生した悪魔は
女神転生』だけにも既に何十年存在している。
マグネタイトがなくとも
パラダイムX」というネット上のどこかの場所には
ソウルハッカーズ』というゲームの中でしかたどりつけなくとも
1997年の想像は現実に充分存在している。
1997年に現在が正しく想像できないように
現在から何十年か先は正しく想像はできないけれど
想像はできるし
女神転生』も仲魔も覚えていれば存在できるし
もっと身近にあると想像もできる。
正しく想像できないから想像外に日々面白がれる。
それまではこれまででも日々楽しめる。
ゲームも進歩していないししているし
良くなっているし変わっていないけれど
万全諸手に良くなるかはともかく、変わるのは間違いなく、楽しみです。
とりあえず『真女神転生4』を遊ぶとしよう。