「ユーゲー No.12」

kodamatsukimi2004-03-22


 キルタイムコミニュケーション 3/19発売 ¥860

 公式サイト http://www.microgroup.co.jp/ug/


・今回の特集は「ユーゲーAWARD 2003」と
 「熱血硬派くにおくんシリーズ」。
 どちらも良い出来です。


・昨年までは、ナイスゲームズからの流れで
 半年ごとのベストゲーム紹介だったわけですが
 今回から1年区切り(2003年1月から12月末まで)ということで
 タイトルも「ユーゲーAWARD」に。

・2/29に紹介した「コンティニュー」と違い、とくに順位は付けられていません。
 選定基準は「面白い」ことはもちろん「埋もれた」ゲーム。
 たとえば「ウイニングイレブン」や
 「真・三国無双」などは入らないわけですね。

・選定タイトルを順にご紹介。


・ACG部門「ビューティフルジョー」 GC カプコン 6/26発売
 廉価版「リバイバル」は12/16 ¥3,980

 公式サイト http://www.v-joe.net/

カプコンによる新機軸アクションゲーム。
 「バイオハザード」の「三上組」がGCに独占提供、という流れの一本。
 他は「P.N.03」や「キラー7」などですね。

・見た目は怪しいですが、かなり硬派のジャンプアクション。
 「ズーム」「スロー」「マックススピード」という
 3つの特殊能力が新しい。
 これにより従来の横アクションにないゲーム性が出ています。
 ザコ敵ですら、これら「VFXパワー」を使わなければ倒しにくい、
 一方で極めればボスも一撃という手ごたえのあるシステム。

・この新しいシステムを生かす敵、ステージなどの完成度も見事。
 廉価版にはベリーイージー、ベリーハードも追加されているので
 2Dアクション好きは是非押さえたい一本。

 

・SRPG部門「魔界戦記ディスガイア」 PS2 日本一ソフトウエア 1/30 

 メーカーサイト http://www.nippon1.co.jp/index.html

・「マール王国」「ラ・ピュセル」に続いて
 ついにメジャーのマニア層にもヒットした「ディスガイア」。

・タクティクスSRPGのキャラ育成の楽しさを前面に押し出したシステム。
 時間をかければかけるほど、キャラクターは圧倒的に強くなる、
 いわゆる「やりこみゲー」の代表格。
 システム周りも前作よりだいぶ改善されてきています。
 今年1/22には、同様のやりこみSRPG「ファントム・ブレイブ」も
 出ています。が、こちらはいまのところ評判いまいちのよう。
 キャラ育成の作業性を楽しさに変換できる方には、たまらないゲームです。



・携帯機部門「ASTRO BOY 鉄腕アトム アトムハートの秘密」
  GBA セガ 12/18

 公式サイト http://www.hitmaker.co.jp/game/astroboy_ver01/
 開発はヒットメーカーとトレジャー。2Dアクション。

・これはユーゲー的には必然の選定。もっとも出来も素晴しいですが。
 トレジャーの横アクションながらハードがGBAということで
 前評判も薄く、売れ行きも残念な結果に。
 おそらく全国の数少ない(売り上げからみるに三千人位か)
 トレジャーファンしか買っていないのではないのでしょうか。
 実にもったいない、素晴しい出来のゲームです。

・システムはトレジャーの「エイリアンソルジャー」風の
 ダッシュ&ジェット中の無敵時間が重要、
 昔ながらのやればやるほど上達する2Dアクション。

・ストーリーも題材をうまく生かし、手塚キャラクターを活かす上手い展開で
 衝撃の2週目、格好良すぎる天馬博士など
 手塚ファンも文句の付けようがない出来。痺れます。

・とにかく完成度という点では完璧な本作。全ゲームファンにお勧めです。

 

・STG部門「ボーダーダウン」 AC/DC グレフ 9/25

 公式サイト http://www.grev.co.jp/border_down/bddc00.html

・これはちょっと意外な一本。たしかに悪くはないですが。
 と思いましたが、前号募集の読者投稿で1位になったからのようです。

・ちなみにその順位は「ボーダーダウン」「R−TYPE ファイナル」
 「GTA3」「ミッシングパーツ3」「怒首領蜂 大往生」
 「キャッスルバニア」「真女神転生3」「Zガンダム(エゥティタ)」
 「MOTHER1+2」「メイドインワリオ」、票数不明。
 なんともユーゲー読者らしい順位で突っ込みがいがありますね。
 といってもきりがないので、また次回にでも。

・話を戻してこのボーダーダウンですがタイトーSTGの流れをくむ
 横パターンSTG。
 開発メーカー グレフhttp://www.grev.co.jp)は
 タイトーから独立し、「どきどきアイドルスターシーカー」で小銭を稼ぎ
 念願のSTGを作った、というマニア泣かせのエピソードを持つメーカー。
 そこまでしてSTGを作ってくれるなんて。
 タイトー駄目、グレフ最高。となるわけです、か。

・STG業界はCAVEを代表とする弾幕STGが
 かろうじて生き残っている状態で
 本作もそれを見越してごく一部のシューター専用のこだわったつくり。
 残機つぶしをしなければクリア不能なバランスは
 はじめから初心者お断りな世界。

・むしろ「R−TYPE ファイナル」のほうが難易度的にもお勧め。
 STGに自信がある、という方のみお試しください。


・レース部門「F−ZERO GX」 AC(はAX)/GC 任天堂 7/25

 公式サイト http://f-zero.jp/

・開発はセガアミューズメントビジョン。
 SFCの無印、N64のXに続く本作。
 開発こそセガですが
 F−ZEROの名に恥じない内容。
 ニルファニード・フォー・スピードアンダーグラウンド)と並び
 2003年を代表する快速RCG。

・その内容の割りに、マリオカートなどど比べても売り上げは意外に低く
 かなり安く売られています。
 レースゲームはかなり人によって好き嫌いが分かれ、難しいところですが
 値段分の元はとれるはず。
 一度お試しを。


・特殊入力部門「剣神ドラゴンクエスト 甦りし伝説の剣」 スクウェア・エニックス 9/19

・テレビゲームではないわけですが
 「太鼓の達人」や「鉄騎」などがありならば
 これも「あり」といえるのでしょうか。

・PS2でもGCでもない本作が採用しているのは
 新世代株式会社http://www.shinsedai.co.jp)のXaviX(ザビックス)。
 本作以外にも、トミーの「evio」など
 様々な「おもちゃ」に搭載されているようです。

 参考 ゲームクエスト「evio」紹介記事 http://www.mainichi.co.jp/life/hobby/game/eyes/2003/cedar-05.html

・この新世代株式会社
 任天堂出身者によって作られたとか。
 資本金の多さ、創業から9年で社員100名と順調な成長振りは
 任天堂の後ろ盾があるのか、とか邪推してしまいますが
 まあどうでもいいことですね。

・話がまたそれましたが、所詮「おもちゃ」とばかにできない出来。
 ドラクエ1の世界をかなり再現しており
 剣を振るうにしても、特殊な振り方で必殺技が使える、
 防御・呪文も出せるなど侮れない。
 お値段¥6,980(アダプタ別売)。

・大人が一人でやるのは抵抗ありますね。
 人には見せられない姿です。


・SIMPLE部門「THE 地球防衛軍」 PS2 D3パブリッシャー 6/26

・コンティニューの際に紹介したので略。
 ちなみにこのソフト決して大ヒットというわけではなく
 売上ランキングのトップ200にも入っていないです。
 マニアのメジャーは世間のマイナーなり。


・3D格闘部門「ガチャフォース」 GC カプコン 11/27

 公式サイト http://www.capcom.co.jp/gotchaforce/

・「連邦VSジオン」のシステムを受け継いだ3Dロボアクション。
 「連ジ」のガンダム縛りをとるとこんなに面白いのか、
 という驚きが大きいですね。

・機体バリエーションから来る面白さが眼目のわけですが
 一方で「演出が子供向け」「やりこみ要素がイヤ」
 「視点が接近しすぎて見づらい」などの意見もあるところ。
 次回作に期待、といいたいところですが
 ユーゲーが取り上げる=売れてない、
 ということで3Dアクション好きは是非お試しを。

・とはいっても「アーマードコア」「カスタムロボ」も
 新作が出たばかり。少ない顧客を食い合っているわけですが。
 「バーチャロン」はみごと撃沈しましたが、こちらは次回作はあるのか。
 Dr.ワタリやいかに。


・特殊販売部門「パックマン VS.」 GC ナムコ/任天堂 11/27

 公式サイト  http://www.nintendo.co.jp/ngc/pacman/
 入手方法   http://www.nintendo.co.jp/n10/news/031017.html

・特殊販売、というか非売品のこのソフト。
 店頭には置かれていない、さらに一人用モードがないという大胆さ。
 「パックマン」を4人で遊ぶとこんなに面白い、というわけですが
 正直この選定には疑問。
 多人数で遊べばどんなソフトでも面白いし
 非売品、言うなれば無料で配っていたソフトをほめるのは
 どうでしょうか。

・他にも多人数で遊ぶソフトはたくさんあり
 確かにこのソフトはGBAとGCを連動させることによる
 新しい楽しさを生み出しているわけですが
 それならば、その完成形であろう「ゼルダの伝説 4つの剣+」の方が
 よいのでは。

・そのようなわけですが、いまから入手したい方は店頭に無残な値段で
 おかれている「R : RACING EVOLUTION」に
 同梱されていますのでそちらをどうぞ。

・むしろ「ゼルダの伝説 4つの剣+」。
 こちらを買うべきです。
 一人用でも「神々のトライフォース」のように
 遊べますし、もちろん多人数対戦も。
 いまなら「ゼルダコレクション」もおまけ。

・このようにせっかくのソフトを
 何かの付録のように扱うのはやめて欲しいものです。
 ソフト単体の実力で売るべきではないですか任天堂さん。
 「タクト」、「4つの剣」のやり方、おまけで客を釣るとは。


・PS部門「ゲゲゲの鬼太郎 逆襲!妖魔大血戦」 PS KCEJ 12/11

 公式サイト http://www.konamijpn.com/products/gegege/ps/

・このように思い切り埋もれているソフトを取り上げてこそのユーゲー

・いまさらPSで、そして高難易度2Dアクション。
 そして鬼太郎。

・やるなコナミ、よくやったKCEJという感じです。
 鬼太郎の世界観を生かした、いい感じのゲームになっている模様。
 ”FCの「妖怪大魔境」(バンダイ)以来の悪夢を断ち切るために”という
 紹介文に感じるところのある方、要チェックです。
 これは是非押さえておかねば。


バカゲー部門「ハチエモン」 GBA ナムコ 7/4

 公式 http://www.namco-ch.net/hachiemon/
 参考 ちどりあしゲーム寸評 http://cgi32.plala.or.jp/higpen/plover/hachiemon.shtml

バカゲー扱いなので迷うところですが一応紹介。
 というか「ハチエモン」というのは関西限定のキャラクターのようで
 全然わからないのですが。
 そもそも他の地方で売ってるのでしょうか。

・関西以外の方には訴求力ゼロなソフトですが
 ナムコ製作の良作2Dくちびるアクションとか。
 うーむ、なんともかんとも。
 GBA、GBにはマニアも知らない埋もれたゲームが
 まだまだ、山のようにあるのでしょうね。



・以上11ソフトがユーゲー的2003ベストゲーム。
 すでに見知っているタイトルも多いかとおもいますが
 ひとつひとつのタイトルの魅力を丁寧に紹介しているので
 プレイ意欲が湧いてきます。
 今年のゲームまとめというとで、目を通してみては如何。



・第2特集は「熱血硬派くにおくんシリーズ」。
 
・’94に倒産してしまったテクノスジャパンの「くにお」シリーズ。
 「熱血高校ドッチボール部」や「ダウンタウン熱血行進曲」など遊んだ方も
 多いのでは。

・このシリーズは同社の「双戴龍(ダブルドラゴン)」シリーズとならび
 カプコンファイナルファイトに先駆けてベルトスクロール型アクション、
 (説明が難しいですが奥にも移動できる「アーバンチャンピョン」、
  いやよけいわからないですね。「ゴエモン」とか「水戸黄門」とか。
  ああ、ろくなものが思い浮かばない。)
 という形式の先駆者であり、最高峰の完成度をもつシリーズです。

・また、それを応用した「ドッチボール部」「アイスホッケー」などの
 システムも完成度が高く、必殺シュートで相手の体力を削る、 
 という面白さは他の連打、タイミング命のスポーツゲームとは
 一味違う楽しさ。

・ちなみに旧テクノススタッフの一部は、ミリオンという会社で
 「爆熱ドッチボールファイターズ」や「虹色ドッチボール」という
 ソフトを手がけているようです。


・さて、ユーゲーの記事ですが
 ソフト個別に愛のある紹介がされ、かなりの力の入れよう。
 ライターの藤井宏幸さん、いい記事を書いています。

・また今年、3/5に発売されたばかりの「ダウンタウン熱血物語ex」の
 レビューもあり。

 公式 http://www.atlus.co.jp/cs/game/gbadvance/downtown/

・「熱血物語」(’89/4/25 FC)は、くにおシリーズの3作目で
 RPG要素を加味したくにおシリーズのスタンダート。

・その移植版ですが、再現度も良好、さまざまな改良も加えられており
 シリーズ最高傑作とのこと。
 開発はもちろん前述のミリオン。これは買いです。
 とにかく買わずにはいられない名記事。すばらしい。

・「ex」は第2のくにおシリーズの石礎として育ってほしいものです。


・そんなわけで長くなりましたのでこのあたりで。
 2003ベストは年度末で出揃ったのようなので
 再度まとめたいと思います。
 気長に期待せずにお待ちください。