『ブームブロックス』と『エレビッツ』

kodamatsukimi2009-01-27


・今回も前回に続いて、昨年遊んでいなかった人気作をあそんでみたの回。
 どちらもWiiリモコンコントローラを活かしたアクションゲームであります。


・まず『ブームブロックス』。
 公式サイト(音注意) http://boomblox.jp/ ASIN:B0015RFI72

・紹介ムービーを見ていたければ雰囲気つかめると思いますが
 積み木にボールをぶつけて少ない回数で倒すことを競ったり
 ジェンガhttp://ja.wikipedia.org/wiki/ジェンガ)のように
 崩さないように引き抜いたりをするゲームであります。
 単純です。対象年齢が任天堂も悔しがるほど全年齢。

・操作はリモコンのポインタで行います。
 ボールを投げる場合、着玉点にポイントを合わせ、ボタン押して照準固定、
 コントローラを振ると狙ったところに飛んでいきます。
 弓なりとかでなく一直線に正確。
 振りにより玉の勢いが変わります。
 力任せに叩きつければ良いわけではなく、落とすと得点マイナスされるブロックは
 落とさないよう勢いを加減することもまた重要。


・『ドラゴンクエストソード』などの場合でありますと
 剣を切りつける対象を選択し、剣に見立てたコントローラを振ることで
 戦場で剣を振り回している感覚を操作するのですが
 わざわざ対象を選択しなくとも振ったらその軌道上が斬れれば良いのに、
 DSのタッチペンならそれができるのに、
 という不満があるわけです。

・剣を振る位置を決めてから、振る。2操作。
 これがガンSTGだと、弾を撃つ位置を決めて撃つ。することは2つですが
 決めた照準に弾を撃たないということはないのであれば
 シューティング、撃つゲームという名前でありながらすることは
 敵との軸を合わせ、敵機敵弾との軸を外すゲームであって常に撃っており
 常に撃っていないのと変わらないということになりかねない。

・そこで弾数制限を付けたりチェーンコンボを付けたりしてSTGにするのですが
 『ブームブロックス』の玉投げは、狙った所に玉を打つのは同じでも
 その力加減を調整するところがガンSTGとも異なるところ。
 クレー射撃もアーチェリーもボウガンも
 区別がつかなかった従来のものと比べて区別がつく。
 またDSのタッチペン操作とも、この方法は区別がつくわけで
 つまりWiiリモコンコントローラをまともにきちんと使いこなしている。
 任天堂社長作のゴルフゲーム操作方法とも
 『ファミスタ』『パワプロ』ともガンSTGとも違う
 投げゲーオリジナル操作法と言えましょう。


・玉投げではなく、ブロックをつまんで引き抜いたりするモードも前記の通りあり。
 操作対象ブロックをポイントしてロック、リモコンのうごきやひねりで
 ブロックを操作するのですが
 画面に対して手前や奥にブロックを思い通り操作するのは難しい。
 視点位置をぐるぐる変えて、操作しやすい位置にもってくるのがゲームのコツ。
 対象をポイントしたまま離さず動かすので、タッチペン操作と要領は同じ。
 ひねり操作を活かせると独自のものになったかもですが
 そうなると人の腕回転稼働範囲を超える操作ができる、ネジコンのような
 回転した時点で角度をロックできる操作がわかりやすく行える仕組みがまだないか。


・充実したステージエディットモードがあるのにWi-Fi通信不対応なのは不思議な欠点。
 見た目のキャラクターはデカルチャーなカルチャーギャップを感じずにおれませんが
 向こうからすればPC18禁を擁するカルチャーが何を言うかということであり。

・そんなことよりこのゲーム最大の問題は、ゲーム自体が素朴すぎて
 大いにまねされる危険がとても凄くありそうだということです。
 著作権上の類似性が認められないのではあるまいか。
 そもそもゲームルール自体が著作物として認められないのではなかろうか。
 つまり積み木崩しでしかないのだし
 リモコンコントローラの操作方法が創作的表現であるとは言い難いし。

・またパズルゲームの独自性はあまり認められがたいという懸念もあるわけです。
  『ZUMA』は『パズループ』のパクリ? - NGM+その他の欲望 http://d.hatena.ne.jp/msrkb/20041128
 『ZUMA』は360のライブアーケードで現在も堂々と売られておりますし。
  Xbox.com | Xbox LIVE アーケード - Zuma http://www.xbox.com/ja-JP/games/z/zumalivearcadexbox360/ 
 もっともこのあたりは声の大きさというか政治力の問題であるかもですが
 任天堂とハドソンが『マリオパーティ』に
 『ブームブロックス』そっくりのゲームを入れてきたら
 エレクトロニックアーツは文句を言ったりするのだろうか。 



・次は『エレビッツ』。
 公式サイト http://www.konami.jp/gs/game/Elebits/ ASIN:B000FJ6FLY 
 昨年どころか2006年のゲームであって今さら感バリバリ。

・このゲームは、画面上を逃げ回る「エレビッツ」をリモコンポインタで
 指して撃つことで捕まえるゲーム。つまりガンSTGですが
 「エレビッツ」は逃げ回るのでなく、はじめ物陰に隠れています。
 ステージは家の中などで、戸棚や本や箱などさまざまな物を
 ポイントしてつかみ、動かしてその陰に、「エレビッツ」がいないかを探したり
 つかんだものを振り回したりして中に隠れている「エレビッツ」を出したりして
 捕まえるところがミソ。
 このつかんで振り回す感じは『ひっぱリンダ』を思い出させます。黒歴史黒歴史


・実際は『塊魂』的な3Dアクションゲームとしての構成。
 ある程度「エレビッツ」を捕まえると、物をつかんで動かす力が段階的に強くなり
 次第により大きく重いものが動かせるようになっていく仕組み。
 ステージ内に「エレビッツ」が初期配置されている場所はおおよそ決まっており
 制限時間内に物をひっくり返しまくって
 出来るだけ多くの「エレビッツ」を捕まえるのが目的なのですが
 無軌道に物をひっくり返していると
 そのばらまいた物陰にエレビッツが逃げ込んでしまう。 

・リモコンでポイントして遠く離れた位置にある重く大きなものを
 つかみ動かし自在に操作できる楽しさが強調されていて
 しかしそれに振り回されると
 本来の目的である「エレビッツ」捕獲が次第に難しくなっていく。
 とにかく巻き込んで大きくなることが強さである『塊魂』と違い
 整理整頓を心がけながらステージをかき回す緻密なパズルであるところが面白い。

・つかみ能力上昇を含めたステージ構成が、かなり硬派なできでして
 『EXIT』のように機械のごとく正確な正解ルートに
 操作が最適化されていくのが楽しい、という種の
 ガチなコナミ製アクションゲームであります。ナマコとは違うのだよナムコとは。



・『ブームブロックス』は、積み木崩しゲームと、
 ジェンガ風の積み木崩さないゲームの2つからできています。
 エントロピーをできるだけ少ない手数で増大させる楽しさと
 対象にできるだけ増大させないようエナジー注力して操作する楽しさ。
 『エレビッツ』は一見、物を手早くひっくり返して混沌の巷と化すが正解のようで
 その実、秩序を保ち正確に術式を遂行することが、高得点なのではなく
 より正確に近いという逆転が面白いゲーム。

・どちらも、対象を指し、撃つかつかんで、操作することで
 構造全体の調律を操作するゲーム。
 できること、することは明快単純にわかりやすいく、動かしているだけで楽しく
 3Dパズルゲームとして奥深く面白い。

・そしてまた、どちらも現実で代替可能であるけれど
 ゲームで遊んだ方が面白い。
 どちらも良くできたゲームです。面白い。