著者； 日本橋ヨヲコ 小学館 ＩＫＫＩ ＣＯＭＩＸ ISBN:409188301X
堺田町蔵 （Ａ） マンガ家の父に反発。
長谷川鉄男（Ｂ） 夢のために自分を犠牲に、夢を見失う。
菅原久美子（Ｃ） 鉄男の幼馴染。
堺井大蔵 マンガ家（Ｄ）、町蔵の父（Ｄ’）。
阿久田鉄人（Ｅ） 鉄男の父、４話より大蔵の連載するマンガ雑誌編集長。
・１話 ＡとＢの出会い。Ｂ、Ｄのマンガを読む。
Ａ、Ｂの描くマンガを見、Ｄを尊敬すると聞き反発。
Ａの書いた小説（一番大事なもの）をＢに見せる。
Ｂ、Ｄに似ており、より良いとＡに和解の手を差し出す。
・２話 Ｂ、Ａに一緒にマンガを作りたいと提案、Ａ、断る。
Ａ、ＢにＤ＝Ｄ’と知られたくない。
Ｂに認められて嬉しかったがどうすればよいか解らず。
Ｂ、Ａに自作マンガを見せる。Ａ、内容に落胆。
無能だから自分を誘った？
Ｃ、ＢがＡの話を気に入ったのは、昔のＢに似ているからとＡに。
Ａ、Ｂの事情（金必要）を知る。Ａ、Ｂの昔のマンガを見て衝撃。
今の自分でも敵わない。
Ｂ祖父、ＥにＢが書いたマンガを見たＢ母が狼狽、
Ｂは自分のマンガを凶器と思っている。
Ｃ、ＢがＡに興味をもっているのがくやしい。
Ａ、Ｂになぜ昔のようなマンガを書かないのか問う。
Ｂ、自分はもう書くことがない。しかし、Ａはそれをもっている。
Ａ、Ｂは自分同様、
「誰にも（自分を理解してくれる）期待をしていない」。
Ｂは天才かもしれないが、
マンガは才能や技術でない（自分はＤに劣っている）。
組むなら本気で。
もう一度昔のＢのマンガ（いまを超える夢）を見られるならば。
・３話 Ａ回想。Ｄがいう、分かり合えない友達は不要。必要なのは…
Ｂ、今金が要る。Ａ、自分の事情の方が大事ということが、
理解できず。
Ｃ、ＢはＤ＝Ｄ’と知っても、Ａへの評価は変わらないが。
Ａはどうなのかと問う。
Ａ、Ｂが認める父のマンガに興味。Ｄのマンガを読み、
ＢにＤのマンガを誤解していたことを認める。
Ｄ、Ａは自分に似ている。
いつか理解しあえる友ができれば、わかるだろう。
・４話 Ｄ、ＢがＥに描いたマンガの発見時回想。弱気になったときに、
そのマンガを読む。
Ｃ、Ａは自分以外が見えていないと思う。
Ａ、ＢにいまだＤ＝Ｄ’を言えず。
Ａ、ネームを書くがまとまらず。Ｃ、Ｅを発見、
Ａ，Ｂと共に後を追う。
Ｄ、Ｂのマンガについて、書く事の意味が解らなくなった時、
Ｂと出会った。
ＢとＡが重なって見えた。Ｂのマンガの内容に驚く。
Ｂに見てもらうためにマンガを描くと決心。
Ｂ、自分のマンガについてＢ母はＢがＥのように
自分の事情を優先するのだと落胆していると考えている。
Ｃも同意。ＢはＥに会うためにマンガを描くと言う。
Ａ、Ｂを自分のことを心配しろと元気付ける。
Ｅ、マンガ家以外には会わない。Ａいずれ会うと宣言。
Ｂ、Ａの行動に感謝する。
Ａ、Ｃに今書いているネームについて聞く。
Ｃ、自分を助けてくれる人が大切だ。Ａ、理解。
・５話 Ｅ、優れたものほど当然の存在であることが悲しい。
Ｄ、それでいい。編、他人のためでなく、自分のために。
Ａ、Ｂに完成したネームを見せる。Ｂ、その内容に喜ぶ。
Ｃ、ＢのためにＡに助言。自分はＢの母のようだ。
気持ちがわかったと自嘲。
Ｂ、Ａに、Ｅにニセモノといわれた、
空っぽの自分を自分もそう思う、
しかし金が必要なのだからそれでいい、と語る。
Ａ、納得できない。Ｂは本物だ。限界を決めるな。
Ｂ、Ｅは本当のことしか言わない。
Ａ、Ｅに会う。
Ｅ、Ａに、かわいそうに、気づいてしまった、
誰もいき急げと言ってくれないことに。
平和な生活は野望を打ち砕く。
必要なのは絶望と焦燥。知らないふりをしていれば楽だったのに。
それでもこの世界に来るのか
と問う。
・後の話につながる伏線などは省略。
・こうして並べてみると見事に話がつくられているのがわかります。
・マンガは小説などに比べ、再読して理解を深めていくことが容易ですが
このようにメモを取ったり、構成を考えながら読んでみる、
ひねくれたマンガの読み方をしてみると
より深く作品を自分の物にできます。
