「パソコン批評 vol.51」

kodamatsukimi2004-03-06


 (株)マイクロマガジン社

・「パソコン批評」が3/3発売の4月号、通巻51で休刊。

 公式サイト http://www.microgroup.co.jp/pch/
 スラッシュドットジャパン  http://slashdot.jp/articles/04/03/03/1523206.shtml?topic=75

 
・’95年、ウインドウズ95発売の年創刊されたパソコン批評。
 ゲーム批評と同じく、メーカーの提灯記事を載せないことを理念に
 これまで様々な提言を行ってきた同誌ですが、ついに休刊。

・休刊の理由は、単純に売れなくなったこと。
 最終特集「パソコン批評は必要だったのか?」として
 現状のパソコン業界についてまとめています。

・雑誌の質はゲーム批評のように下がっているわけではありません。
 なぜパソコン批評は必要とされなくなったのか。


・創刊時の95発売当時、パソコンといえばNECのPC98シリーズ。
 95は様々な媒体で大きく取り上げられ
 仕事で使うもの、マニアの玩具だったパソコンは
 急速に身近なものになりました。

・現在、パソコンは一家に1台以上。
 当然の様に普及したものの
 その進化は行き詰りをみせています。


・パソコンとは何に使う物なのか。
 何にでも使える魔法の箱である。
 そのように古くから喧伝され
 実際に普及するまで、いや、現在も「何かに使えるだろう」の考えが
 新規ユーザーの購入理由になっています。
 では、パソコンは何に使われているのか。

・「インターネット」「メール」「ワープロ」「データ整理」
 それ以上に使いこなしてる人はごく一部。
 「ゲーム」は主要目的ではありえません。
 ゲームのためだけに買う人はそれこそマニア。
 それ以外の理由を自分に吐けているはず。

・これらの題目は’96年頃からまったく変わっていません。
 「インターネット」「メール」は携帯電話があれば用が足りる。
 するとパソコンは何に使うのだろうか。


・答えは未だ見出せず。
 P2Pなど個々のユーザー間での接続は
 マニアの層を超えてパソコンに新しい意味をみいだせるのか。
 現状ではまだ先の話でしょう。


・意味付けこそ変わらないものの、中身は直線的には大きく進歩しました。
 動作速度、安定性、導入の容易さ、省スペース、値段。
 どれも格段に進歩しています。
 十分過ぎる程に。

・まだ速度が遅くていらいらするものの
 それは内部で無駄な処理をしているからで
 間違いなく速度は上がっています。

・XP以降になってようやく、起動中の突然停止という
 他の家電製品では考えられない現象は少なくなりました。
 当然過ぎる改善です。

・ネット接続に手間取るものの、95時代のネットとは明らかに違います。
 これもほぼ家電並みになったと言えるでしょう。

・デスクトップではなく主力はノート。モバイルパソコンなどと
 重い精密機器を持ち歩く幻想は、携帯の進歩に打ち砕かれました。

・そして値段。性能を考えないでも安くなりましたが
 性能以上に激烈に向上しているのがこの点。
 メーカーは本体だけでは利益を生み出せない所まで安くなりました。


・つまり、パソコンは家電並に普及することで
 中身もまた家電同様になったのです。
 マニアの持物、業務用専門機器でなく、どの家にでもあるものに。


・と、いうことで、パソコンのもつ意味が曖昧になった、
 家電同様当たり前のものになった、
 だから批評が必要とされなくなった、としています。
 


・批評誌の役割とは、その業界の質的向上のための啓発活動です。
 しかし出版者がどのような考えであろうとも
 多くの読者にとってはバイヤーズガイドと
 その知識付けのための副読本だったのです。

・パソコン批評が売れなくなったのは
 パソコンを元々使いこなしているマニアの読者にとって
 その価値がなくなったから。

・中身は複雑になって、必要以上の知識が要求される。
 性能の向上により、皆実用上同じ性能になってしまった。
 よって中身がまったくのブラックボックスでもたいした問題ではない。

・そして個々の細かい新しい情報はネットで知ることができる。

・パソコンを買うときにパソコン批評は必要でなくなったのです。


・しかし批評誌はバイヤーズガイドではない。
 その役割はネットの情報が果たしていくわけですが
 無料であるネット情報が、有料出版物を超えていくことができるのか。

・批判、議論は出来ても批評は出来ないのではないでしょうか。 



・ゲーム業界はどうでしょう。
 パソコン以上に批評が求められているはず。
 ゲームは子供のおもちゃ以上のものにはなりえないので。
 

ゲーム批評や関連会社のユーゲーの現状を見るに
 素人考えながら、編集部の増員をするべきではないか、
 と思うのですが。
 
・もっと質を上げてくれないと、買う気が起きなくなりますよ。