やり込みとはコロンブスの卵である


・4/21にドラクエ5は否やりこみゲームである、と書きました。
 ([ゲーム駄文]RPGの王道を征くは「やりこみ」にあらず
     http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20040421

・今のゲームにはボリューム感、
 クリアしたあとも遊び込めるような要素が必要である、
 と言われています。
 この面白いゲームをもっと遊んでいたい、というプレイヤーの要求と
 一つのゲームを長く遊んで欲しいという開発者の希望の所為でしょうか。

ドラクエ5にもそのような「やりこみ」要素がいくつか用意されています。
 しかしその「やりこみ」とは
 上で紹介した低レベルプレイ、ノーセーブプレイなどの
 「やり込み」とは別のものです。
 その違いとはどこにあるのか。


・文頭に挙げたファミ通の「やり込み大賞」の例。
 時間をかければ誰にでも出来ることは「やり込み」とは言わない。


・アルティマガーデンの数々の作品を見て大いに驚いたかと思いますが
 なんだこんな方法なのか、と思う面もあったのではないでしょうか。

・「ドラクエ7のレベル1クリア、
  そんなことは考えるまでも無く無理に決まっている。
  ラスボスの一撃でレベル40まで上げていても
  100ポイント以上のダメージを受けるのに
  どうしてレベル1でクリアできるんだ。」

・けれども方法がわかればマジックの種明かしのごとく
 それが至極自明のこと、
 自分にも時間さえあれば当然出来うるものと考えてしまう。

・自分は違うという方は
 「タクティクスオウガ ノーセーブノーダメージクリア」は可能ですか。
 答えは残念ながらネットにはありません。
 これを成し遂げファミ通「やりこみ大賞」にも掲載された
 「現代やり込みの基礎知識」さんはネット上では活動していないからです。
 さてその方法は考え付きますか。


コロンブスの卵。
 卵を立てるには底をへこませればいい。
 なんだそんなことか、それなら誰にでも出来る。
 でもあなたには出来なかったではないか。


・「やり込み」の価値とは、その独創性にこそあるのです。



・誤解ないようにお断りしておきますが
 「やりこみ」を否定するものではありません。
 「ディスガイア」「BUSIN0」「真・女神転生3」など
 よく出来た「やりこみ」ゲームもまたゲームの楽しさの重要な面です。

・「ドラクエ5」はその本質において、万人に楽しめる否やりこみゲームであり
 かつやり込みプレーヤーに愛される奥深いゲーム性をもっています。

・FFシリーズは決してとっつきのよいシステムでなく
 またそのゲームバランスも奇形的ですが
 様々な要素を重厚に重ねることで奥深いゲーム性をつくり上げています。


・どちらが優れているかではなく
 そのようなゲームであるという認識が欠けているのが問題です。
 RPGを始めてプレイする人に「ドラクエ」と「FF」のどちらをすすめるか、
 という観点からあまりに盲目なのでは。
 面白さは第一のゲーム基準ですが
 それは絶対評価基準ではないと思うのです。