・ファミ通に時々掲載される「やり込み大賞」という企画を
読んだことがあるでしょうか。
様々なゲームのやり込みプレイを読者から募集するもので
なかなかレベルが高く人気ある企画。
・「やり込み」とはどのようなものか。
「やり込み大賞」では第一回発表時、「ファイナルファンタジー（＝ＦＦ）６」を例に
以下のように説明されていました。
・ＦＦ６は戦闘で全滅すると直前のセーブが自動的にロードされるシステム。
つまり一度もセーブせずにレベルを最高の９９まで上げ
わざと全滅すると最高レベルのままオープニングから始まります。
「驚きの画面、なんと開始時からレベル９９」
・これは「やり込み」ではありません。
時間さえ掛ければ誰にでもできることは「やり込み」とは言わない。
このような例は「やり込み大賞」の評価対象にならない、
とされていました。
・「やり込み大賞」は今も続く企画ではありますが
労力の割りに取り上げられるページが少ない、
編集者がそのゲームに詳しくなく、正当な評価が受けられない不安がある、
などの理由から、ネットで自らのプレイを公開されている方も多いです。
・その究極ともいえるのが、やり込みプレーヤーさんたちの共同運営サイト
アルティマガーデンです。
ＵＬＴＩＭＡＧＡＤＥＮ http://ultimagarden.net/
・アルティマガーデンでは定期的にやり込みプレイを募集、
管理人さんたちの審査を経て人気投票により決定する形で
ＵＬＴＩＭＡＧＡＲＤＥＮ ＣＵＰ、通称「庭杯」を行っています。
今回、その第四回が決定しました。
・最優秀賞はＭＳ−０６さんの
「ドラゴンクエスト７ 真・レベル１ボス撃破」。
いわゆる低レベルプレイです。
・低レベルプレイには「低レベル攻略」と
「低レベルボス撃破」の二種類があります。
・「低レベル攻略」は通常考えられる、倒さなければならない敵だけを倒し
経験値配分を調整、できうる限り低レベルを目指すというもの。
・一方「低レベルボス撃破」とは
ボスをできるだけ低レベルで倒すことにこだわったもの。
ややわかりにくいですが
低レベルのキャラクターがボスを倒す。
当然そのキャラクターには経験値が入りレベルアップ。
そのためボスを倒したことを確認した時点でリセット。
再度プレイし直し
今度は別の普通にレベルを上げてあるキャラクターでボスを倒して
先程低レベルでボスを倒したキャラクターに経験値が入らないようにする。
・つまり、絶対に入ってしまうゲーム全体の総経験値を
パーティー間で配分し平均低レベルを狙うのではなく
使わないキャラクターに集めてさらに極限低レベルクリアを目指す、
というもの。
・この「低レベルボス撃破」はＭＳ−０６さん自身が
４年前、今回と同じ「ドラクエ７」で初めて発案したもの。
発売から４年、格段に進んだ研究の成果を生かし
さらにハイレベルな攻略を実現しています。
特にラスボスとの激戦は美しい。
あらゆる手段を尽くし、レベル１のマリベルが一人でラスボスを倒す様は
まさにやり込みの真髄。すばらしいです。
・第二位はdqmaniacさん＆ＭＳ−０６さん共同の
「ドラゴンクエスト５ 極限低レベル攻略」。
dqmaniac's Homepage http://www.geocities.co.jp/Playtown/9563/index.html
・’９２のＳＦＣ版「ドラクエ５」発売から１２年。
その集大成とも言うべき内容です。
職業、アビリティもなく属性も無いシンプルに見える「ドラクエ５」が
その実、奥深いゲームシステムによって構成されている様が
窺えるのではないでしょうか。
まさに「ドラクエ５」の究極解析。
・ＰＳ２版もすでにやり込みを開始されているようです。
５/２９にＰＳ２版「ドラクエ５」のリアルタイムアタック大会が
東京大学五月祭にて予定されています。
予想タイムは８時間半程とか。ああ恐ろしい。
・第三位はおてうさん＆ＭＳ−０６さん
「ドラゴンクエスト４（ＰＳ版）極限低レベルボス撃破
oteu.net http://oteu.net/
・従来の８逃げでなく、新しく発見された「馬車殴り」を
見事使いこなしている点が見所。
「馬車殴り」はドラクエ３にあった「防御攻撃」の発展系のような
コマンドキャンセル技。
馬車の外で犠牲となるキャラクターが必ず一人いるために
低レベルプレイに活用するのは難しそうなのですが
ＰＳ版からのメガザルの腕輪と組み合わせることでその威力を発揮。
その他の点も相当に極められた攻略です。
・第四位はマサムネさんの
「 ファイナルファンタジー６ 低レベルセリス一人全ボス撃破」
マサムネさんのサイト；向日葵は枯れない http://2style.net/namix/index2.html
・実に独創的な「ＦＦ６」攻略。
考え付いても普通はやりません。
・魔石投げ２ヶ月。スロット４ヶ月。費やした期間６ヶ月。
「ＦＦ６」もこれだけ愛されれば幸せです。
・とにかく「理論上可能だが事実上不可能」と思われていたことを
成し遂げてしまったわけです。
誰にも真似出来ない記録です。もはや言葉もなし。
・第五位はにゅすけさんの
「ロマンシングサガ ノーセーブノーダメージクリア」
にゅすけさんのサイト；ふにゃ！？ http://nyusuke.s15.xrea.com/
・低レベルと並ぶやり込みの柱、ノーセーブ。
ノーセーブは、すなわちリアルタイムアタックでもあるわけです。
長時間のプレイで集中力を切らすことなく一気に最期までプレイ。
さらに難易度の高い「ロマサガ１」でノーダメージクリア。
ハヤブサキャンセルとオブシダン譲渡を使用しているので
戦略的にはあっさりしているようにみえますが
解説には詳細に書かれていない、
ハヤブサキャンセルで確実にノーダメージで戦闘するポイントの選定こそが
このやり込みの眼目といえるでしょう。
・以上、今回の上位作品について簡単に紹介してみましたが
もちろんこれ以外の作品もどれもが素晴しいものばかり。
ゲーマーならば一つ一つに目を通すだけで
他では得がたい情報、戦略の数々に魅了されてやまないでしょう。
・あまりそのゲームに詳しくなくとも
内容の凄さが伝わってくるものとしてお勧めなのは
第二期最優秀賞の木村昌弘さんによる
「ファイナルファンタジー７ 低レベルひとり戦闘プレイ」。
解説がわかりやすく
またやり込みの醍醐味である、
独創的な、より勝率の高い戦術を次々に試していくさまが
良くわかると思います。
・アルティマガーデンはＲＰＧばかりになってしまっていますが
ジャンルを問わず募集中。
腕に覚えのある方は是非チャレンジを。
・さてゲーマーの皆さん。
一通り目を通したところでゲームプレイ意欲が
大いに高まったことと思います。
・やり込みプレイヤーの皆さんは一般にバランスが悪い、
とされるようなゲームでも
実に楽しんで、苦しんで、
そしてやはりとても楽しそうにプレイしています。
・彼らのように一つのゲームを徹底的に楽しむのもいいし
様々な良作ゲームを遊んでみるのもいい。
・ゲームは面白い。
受身で人の意見に唯々諾々と流されるのでなく
能動的にゲームに向き合ってみるのも
新しい発見があるのではないでしょうか。
