ゲームは誰がつくっているのか


・この「我が竜を見よ」、先週7月30日発売のファミ通ではかなりのベタ記事扱い。
 発売元はSCE。開発会社不明。
 どこに注目要素があるかといえば「桝田省治」の名前。



・ゲーム雑誌を眺めると毎週10を下らない数のゲームが発売されていきます。
 どれを買ったらいいのか。
 どこに注目すればいいのか。
 
・その指標として考えられるのが
 前作はどうだったか。
 どこが作っているのか。
 つまり誰が作っているのか。
 ゲームに限らず、小説でもマンガにも映画でもいえることです。


・小説であれば、普通、著者が一人で書きます。
 著者の過去作品を読めば、新作の内容、傾向、買うか否か、注目すべきかどうかは
 推し量れるでしょう。

・マンガもほぼ同様。絵こそアシスタントの手を借りることで質の上下はありますが
 そのマンガ家の価値は単体で見て取れます。


・わからないのが映画やテレビ番組。多人数で製作するからです。
 名の通った監督作品であれば一定の期待はもてますが
 「スピルバーグ監督」なのか「スピルバーグ総指揮」か、
 「宮崎駿監督」なのか「スタジオジブリ作品」かで違ってくるわけです。

・ゲームは映画に似ていますが、なおわかりにくい、
 事前にどのレベルの作品が出てくるかわからない。
 
・ゲームも単純シンプルなものは少人数、極端にいって一人でつくれます。
 しかし、大多数のゲームは十数人、数十人、大作RPGともなれば数百人規模で製作。
 映画ほどではないにせよ、一人の監督がすべてをみ、
 ソフトの質をコントロールするのは大変そうです。
 このゲームは誰が作った、といえるものではありません。


・誰が作ったかわからない。
 ではどこが作ったのか。
 
・ゲームは発売する会社と、開発、製作する会社が違うことがよくあります。
 任天堂発売ソフトはすべて任天堂が製作しているわけではないのです。
 同じシリーズ作品でも製作会社が違うことも当たり前にあります。
 前作の評判が直接新作の質とは関係なくなるわけです。
 誰が作ったか、どこが作ったかはどうすればわかるのか。


・たとえばこの「我が竜を見よ」は誰が作っているのか。
 発売元はSCE。桝田省治が関わっている。
 それだけのことしか、公式サイトからはわかりません。

・発売後のソフトではどうか。
 これはお手元のいくつかのゲームを見ていただくとわかるかと思いますが
 発売元の名前のみのもの、開発会社のマークがあるソフト、
 説明書に製作者名が一覧に掲載されているゲーム、
 いろいろです。

・多くのゲームではエンディング後のスタッフロールで確認することができます。
 逆に言えば、そこでしか確認できません。
 映画と同じ。
 一人で作るのではなく、皆で作り上げる作品である、ということでしょう。


・販売会社によって、またソフトによっても
 製作会社、作っている人をどの程度前に出してくるかは違います。
 音楽の作曲であるとか、キャラクターデザインなど、個人が明確なパート。
 このようなみためわかりやすいところは、メーカーも外部の有名な人に参加してもらい
 作品の売り文句にしたりします。
 あるいは自社内の製作者でも、半宣伝塔として雑誌に積極的に露出させます。

・「我が竜を見よ」では「桝田省治の名前」が大きなセールスポイントであることが
 公式サイトからも窺えます。



・本作の場合、前述の通り製作者の桝田さんが自身のサイトで積極的にコメントしており
 これらをみればもう少し「誰が作っているのか」がわかります。
 
 http://www.linda3.co.jp/cgi-bin/bbs/making/cgi-bin/article.cgi?Id=15
 http://www.linda3.co.jp/cgi-bin/bbs/making/cgi-bin/article.cgi?Id=19など
           (マーズサイト内 我が竜を見よ専用BBSコーナーより)

・こういった製作者の発言、雑誌記事のインタビューなどを信じるならば
 (疑って掛からなければ済まないのがマニアたるところですが)
 すくなくとも、あのゲームのあの部分はあの人が作ったようだ、
 そうするとこの作品のここもこの程度のものであろう、
 と推測できるわけです。


・ゲームは誰がつくっているのか。
 部外者には窺い知れないところ。
 前作を信用すればいいのか、
 その開発会社を信用すればいいのか。
 ソフトに関わっている開発メンバーを信用するか。


・そうして踊らされたあげく、発売日に意気込んでゲームを買い
 素薔薇しい出来に涙で枕を濡らすわけです。
 
・どんな優れた製作者にも出来不出来はある。
 誰が作っているのか。
 ことゲームにおいては、
 それはゲームマニアの事前評価の情報、
 次回作の期待材料でしかないのかもしれません。
 


・とりあえず桝田作品、「我が竜を見よ」。
 これはどうでしょうか。
 
・桝田さんの手がけたゲームは代表的なところでは

 「桃太郎伝説1」「桃太郎電鉄1」「天外魔境1」「天外魔境2」「メタルマックス
 「リンダキューブ」「俺の屍を越えてゆけ」「暴れん坊プリンセス

(参照 マーズサイト 過去に手がけたソフト http://www.linda3.co.jp/mars/profile2.html
 
 といったところ。
 関わり方はそれぞれ様々のようですが、下段三つが自身の作品、といえるもののようです。
 そしてこの3作とも開発はアルファシステムhttp://www.alfasystem.net/)。
 各作品に言及したいところですが、それはまた機会を改めて。
 

・今回はアルファシステムではない(と思われる)、という点がどうでるのか。
 桝田さんのゲームシステムにアルファシステム以上にあっているのかどうか。
 明らかに足を引っ張っていた前作と比べてどうなのか。
 
・期待して発売日を待ちましょう。