グラディウスⅤ

kodamatsukimi2004-08-05


 コナミ PS2 7月22日発売 ¥7,329 初回版特典あり
 
 公式サイト http://www.konamityo.com/gra5/

 紹介ムービー http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20040607/grav.htm
 ゲームウォッチレビュー http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20040802/grav.htm

コナミの伝統的STG(シューティングゲーム)、グラディウスシリーズ最新作、
 「グラディウス5」の感想です。


・初代グラディウスは’85年、アーケードに登場。
 翌86年、FC(ファミコン)に移植、
 その素晴らしい内容で、横スクロールSTGの代名詞ともいえる存在。
 「上上下下左右左右BA」という通称「コナミコマンド」をご記憶の方も多いいでしょう。
 
グラディウスシリーズは歴代、様々な機種で発売で発売されています。

 参考サイト;グラディウスの歴史 http://www8.big.or.jp/~ani/gra/history.html
(「Web Pages for GRADIUSers」より)

・本流のナンバリンググラディウスを並べると以下の通り。
      
 1     AC  ’85    FC  ’86/4/25
 2                MSX ’87/8/22
 Ⅱ     AC  ’88/3   FC  ’88/12/16
 3     AC  ’89/12  SFC ’90/12/21
 4     AC  ’99/2   PS2 ’00/4/13(3、4のセット)
 5                PS2 ’04/7/22

        注;AC(アーケード)は稼動時期が日付単位で確定しません

 2が二種類あるのは、先に出たMSX版と
 後から稼動されたアーケード版、その移植FC版との内容が異なるからです。
 MSX版がアルファベット数字「2」、AC版がギリシャ数字「Ⅱ」と区別されています。
 
・ナンバーの付いてない「沙羅曼蛇」「外伝」「ネメシス」「ソーラーアサルト」、
 自己パロディとも言うべき「パロディウス」関連まで含めると
 数多のSTG中でも、指折りの数がでているシリーズと言えるでしょう。
  
・この中で特に評価が高いのが1、2、Ⅱ。
 AC版はもちろん、当時明らかに性能が劣っていたFCへの移植版も
 見事なアレンジ移植で評価が高いです。
 PS(とSS)でデラックスパックとして1、2が一本に収録されたものが出ており
 PS2の3、4収録版もベスト版が出ていて、容易に過去作品が楽しめます。
 もちろんPSの「外伝」「パロディウス」も中古などで手にしやすいでしょう。



・本作「5」の開発はトレジャー(http://www.treasure-inc.co.jp/index01.html)。
 社員32名(サイト内会社概要より)の小メーカーながら
 アクション、シューティングのジャンルでマニアから高い支持を受けている会社。
 
 サイト内作品紹介 http://www.treasure-inc.co.jp/product/sakuhin.html

 製作してきたほとんどのソフトが、名作。傑作。
 品質においては一流のメーカーと言えるでしょう。

・トレジャーは社長の前川正人さんらを中心に
 コナミから独立したメンバーにより設立された会社。
 「5」の公式サイト、そしてパッケージのどこにもトレジャーのロゴが見当たらないのは
 トレジャーの名を購入動機とする層を切り捨てているわけで
 商売第一、といった印象を受けるコナミには
 そんな事情もあるのかな、と勘繰ってみたりもするわけです。

・STGでは「レイディアントシルバーガン」「斑鳩」の二作。
 どちらもSTGの歴史に残る作品。
 「シルバーガン」はSS末期に発売されたこともあり
 定価¥5,800のものが、中古相場は倍以上。
 ¥10,000から¥15,000の値段が付いています。
 中古価格それすなわちソフトの質ではありませんが
 高い値段を出しても惜しくない作品であることは確かです。

・ちなみに、「シルフィード ザ・ロスト・プラネット」という作品もあるのですが
 これは往年の有力メーカー、ゲームアーツhttp://www.gamearts.co.jp/)の下請け。
 ゲームアーツ、トレジャー夢のタッグと、メガドライバーを中心に期待を集めましたが
 残念ながら「シルフィード」とトレジャーは合わなかった、という結果に。
 トレジャーも完璧ではない。
 「ひっぱリンダ」をみるに、3Dでトレジャーが新作を出すことは当分なさそうです。
 
・余談ついでに、私も初め勘違いしていたのですが
 「シルバーガン」は「レディ」アントではなく「レイディ」アント。
 「輝ける銀銃」の意。「蘇る金狼」みたいだ。


・さて、この「5」は「シルバーガン」「斑鳩」製作をした
 井内洋さん率いる開発メンバーが製作。
 「斑鳩」の開発コードネームが「RS2」(RADIANT SILVERGUN 2)と
 呼ばれていたこともあり
 トレジャー井内組、トレジャーSTGのファンにとって
 「5」は「RS3」とでも言うべき存在。
 大いに期待してしまいます。
 
 参考サイト:トレジャー関係者の仕事 http://fripper.fc2web.com/staff_tre.htm
(NEXT SPACEより)




・「グラディウス」は横スクロールSTG。
 オプション、レーザー、そして独自の選択型自機パワーアップ要素。
 モアイ、火山、クリスタルなどに代表される様々な地形ギミック。
 そして編隊を組み襲いくる敵機、遮蔽版とコアを持つボスたち。
 それらの要素から組み立てられる、安全地帯、安地の発見、復活パターン。
 様々な独特の要素が組み合わされ
 そして素晴らしいゲームバランスを作り上げています。
 
・パターンSTGといわれる通り
 型にはめて、パターンを作り上げクリアしていくSTG。
 最初は難しいですが、何度もの挑戦の末
 先に進み、自らのものとすることができるゲームです。


・「5」も間違いなく「グラディウス」。
 お馴染みの敵、豊富な地形ギミック、そしてレーザーとオプション。
 こちらの圧倒的火力と、それを上回る無双の敵要塞。
 少しづつ積み上げるようにして道を切り開いていく過程。
 
・新システムオプションコントロール
 新しいギミックではあるものの
 従来の「グラディウス」での自機操作を再確認させるものでもある。
 
・それらすべて
 まさに横スクロールSTGを代表する「グラディウス」のプレイ感覚。 


・一方で、トレジャーSTGの色も強く感じます。
 「シルバーガン」「斑鳩」とも縦スクロールSTG。
 でありながら、弾幕STG、無数の弾幕を見切っていくSTGではありません。
 まず、地上地形との当たり判定がある。
 それを利用したギミック、敵編隊構成。
 独自のバリエーションを持つ自機とボス敵の攻撃パターン。
 これらの要素は「グラディウス」の横スクロールパターンSTGのもの。
 横トレジャーSTGが「グラディウス」なのか。

  
・ところで、CAVEに代表される弾幕STG。
 これは、パターンSTGではないのでしょうか。
 敵はどちらも同じタイミングで出てきます。同じ動きをします。
 ならば攻略を最適化、パターン化でき
 そしてそれはパターンSTGなのではないか。

・各ソフト、独自のゲームシステムを持っていて一概にいうことはできませんが
 解答として
 否パターンSTGであるゲームのひとつの特徴は
 スコアの最適パターンと、生き残りの最適パターンが明確に別であること。
 弾幕をしのぐのがスコア稼ぎ、潰すのがクリア優先の生き残りパターン。
 2つの最適パターン間、その「あそび」がゲームの幅をつくり
 そこにバリエーションが見出せます。 

・パターンSTGである「グラディウス」は
 いかに最適に敵を潰し、敵弾を出させないか、
 が解法であり、スコアを伸ばすには長く生き残ること。
 生き残り最適パターンがまた、スコア最適パターンとほぼ重なる、
 といえます。 


・「シルバーガン」は自機成長のため稼ぎが必要なシステムとなっていて
 独自のゲームパターンでしたが
 「斑鳩」は生き残り、スコアの両パターンは明確に分けられています。
 「シルバーガン」もSS版では自機成長をセーブできるアレンジモードがあり
 そこでは、生き残りに徹することができて、大幅に難易度が低下しています。
 
・トレジャーSTGは縦STGでありながら
 「グラディウス」に習うパターンのためのギミックを用意し
 かつ、独自の稼ぎシステムを用意し、パターンSTGにない幅を作っている。
 
・完成度の高さはもちろん、トレジャーSTGが歴史に残る作品であるのは
 弾幕でもパターンでもない、新しいSTGを提示しているからでもあります。


・「5」は「グラディウス」でありパターンSTG。
 トレジャーSTGでありながら、「RS3」ではなく、「グラディウス5」である、
 というべきでしょう。

 
・「1」「2」の時点で既に高いレベルで完成されており
 横スクロールSTGの規範となった「グラディウス」。
 それゆえに「3」「4」では新しさを打ち出せずに迷走してしまった感がありますが
 トレジャーが製作することで、新しい「グラディウス」の形を出すことができた。
 
・パターンSTGでありながら、パターンに陥らない幅をもつこと。
 スコアのための最適パターンが生き残りの最適パターンでありながら
 それが解法はひとつではない、ということ。
 
・オプションコントロール
 トレジャーの持ち味である、自機、敵機の豊富な攻撃バリエーションを
 伝統の「グラディウス」に持ち込んだ新しい発明。
 


・新しい「グラディウス」。
 「5」は高い完成度と
 自身によってつくられたパターンSTGの殻を破る力を持った作品です。  
 



参考

他サイトさんのグラディウス感想 
 ポップ・コラム GAMERS、BE AMBITIOUS
 http://pop-site.com/column/col038701.htm
 A.B.;無銘のグラディウス              
http://ab.txt-nifty.com/ab/2004/07/post_2.html

攻略、その他
 GRADIUS V RECONQUISTA http://www.geocities.jp/bgr44gsl/
 2chグラディウススレまとめページ     http://wyv.dyndns.org/gradiusTemplate/