「ペーパーマリオRPG」

 GC アクションRPG 7月22日発売 ¥5,800  ASIN:B0002ER6BA
 発売;任天堂http://www.nintendo.co.jp/
 開発;インテリジェントシステムズhttp://www.intsys.co.jp/

 公式サイト http://www.nintendo.co.jp/ngc/g8mj/index.html


・開発のインテリジェントシステムズ任天堂とは別会社ながら
 ファミコン初期時代から様々な任天堂ブランド製品を
 共同、あるいは単独で開発してきたメーカー。
 ソフトだけでなく開発機材も製作しているようで
 任天堂との結びつきは強固。
 製作してきたゲーム一覧をみれば、その実力のほどがうかがえます。

 開発に携わったゲームソフト http://www.intsys.co.jp/company/game/index.html 


・GCは現在かなりの苦境。
 今後の発売予定をみても、「ゼルダ」「エムブレム」の新作以外には
 全ハード展開のエレクトロニック・アーツ製品などしか見当たりません。
 チュンソフトの「HOMELAND」はどうなったのでしょうか。

 「Nintendo iNSIDE」内 発売予定表 http://www.nintendo-inside.jp/release.html


・日本でもっとも人気があるジャンルはRPG。
 GCが不調なのはRPGが少ないから、かどうかはなんとも言えない所ですが 
 任天堂には、これといった看板RPGがないのは事実。
 N64、GCでの苦戦の原因のひとつであるのかもしれません。
 
・さて、そんななか、タイトルに堂々RPGとうたう「ペーパーマリオRPG」。
 看板キャラクター、マリオが主役。
 任天堂のRPGとはどんなものなのか。


・「ペーパーマリオ」は「マリオRPG」シリーズの3作目。
 ’96年3月発売、SFCの「スーパーマリオRPG」、
 ’00年8月、N64「マリオストーリー」に続く作品です。

 マリオストーリー公式サイト http://www.nintendo.co.jp/n01/n64/software/nus_p_nmqj/index.html

・前作「マリオストーリー」の公式サイトと、
 「ペーパーマリオ」のサイトを見比べてみると、なんだかそっくりです。
 シリーズものであれば、当然といえば当然ではあるのですが。

 
・1作目の「マリオRPG」はスクウェア任天堂の共同開発。
 発売時期はちょうどスクウェアがPS参入を明らかにしたすぐ後。
 「ファイナルファンタジー(=FF)6」(SFC)の発売が’94年4月。
 PS発売が’94年12月。
 「FF7」(PS)が’97年1月。
 スクウェアはPSのみでソフトを発売するようになり
 任天堂、N64の敗北、PSの勝利を決定付ける大きな要因となりました。
 
・共同開発の後、なぜ袂を分かつことになったのか。
 N64のロムカセットと、PSのCD−ROMの容量の違い、
 ゲームの開発理念の違いが、協力して製作する中で明らかになったから。
 様々に言われましたが、本当のところはわかりません。

・「マリオRPG」はそのような両社の関係もあって話題になりましたが
 その内容はどんなものだったのか。
 当然ながら、「マリオRPG」シリーズの1作目という他ない作品。
 システムまわり、なによりアクションRPGとして、
 「ペーパーマリオ」と変わりません。


・いつものようにピーチ姫がなにものかにさらわれ、マリオが助けに行く物語。
 マリオらしくフィールドや、土管の中の地下世界を駆けまわり
 ゆくてをさえぎる様々な仕掛けの謎を解き
 ボスを倒し、さまざまな世界をクリアして姫を助け出す。

・RPGですから、マリオは敵と戦い、経験値を得て成長します。
 とはいえ「ドラクエ」のようにマリオが剣と盾を持ち
 怪物に切りかかるわけにはいきません。
 
・マリオらしくジャンプからの踏みつけ、
 (残念ながら空中に土台がないので下からたたいてひっくり返すことはできません)
 そして、ハンマー攻撃。
 (マリオでハンマーといえば「レッキングクルー」、ファミコンミニで’96の登場はまだですか)

・アクション要素がなければマリオとはいえない、ということで
 攻撃、防御においてタイミングよくボタンを押すことで
 それぞれ高い効果が得られます。

 
・以上が変わっていないところ。
 マリオらしさをRPGというジャンルでどのように表現するのか。
 当時、任天堂スクウェアが考え出したシステムを、そのままに
 本作でも用いています。
 

・グラフィックは大きく進化。
 GCの本領発揮とばかりに多数のキャラクターが動き回り
 3次元と2次元の間、ぺらぺらの紙世界、動く絵本で大芝居。 
 マリオシリーズらしく、それでいて美しいステージの数々。
 「スーパーマリオブラザーズ」のワールド6を思わせるステージなど
 青空だけではない、不思議世界を感じさせてくれます。 

・操作性は、メニュー周りがやや使いづらいところがあるものの
 背景との当たり、タイミングコマンドのレスポンス、
 様々なフィールドアクションもストレスなく、隙はなし。 
 
・万事が細かいところまで作り込まれています。
 RPGのタイトルに振り回されることなく
 長すぎず、テンポのよい展開。
 謎解き、アクションも難しくなく、子供だましでなく
 誰でも考えればクリアできるバランス。
 さすが任天堂
 

任天堂謹製に恥じぬ良質のゲーム。
 しっかりと作られた完成度の高さ。
 万人にお勧めのゲームです。



・それで、すれたゲーマーに対してはどうなのか。

・プレイしていて感じるのは、簡単ゆえの単調。
 戦闘において、すこぶる負けにくいようになっています。
 しかし、戦闘のシステムによく注目してみましょう。

・防御時のスーパーガード(防御プラス反撃)。
 攻撃時の「レンゾクジャンプ」(コマンドをミスするまで敵を連続で攻撃)。

・これこそはわれらが「ベイグラントストーリー」のチェインアビリティ。
 世界観は確かにまったく違う、何より難易度が違う、
 「チェイン」を使いこなせば最期まで戦闘に苦戦することはないでしょう。
 使いこなすまでもなくクリアできるようになっています。
 フィールドアクションも簡単。
 散々苦しめられたライムストーン運搬溝やキルティア神殿の
 キューブパズルもありません。 
 
・簡単すぎる「ベイグラントストーリー」。
 ちょっと極言ですね。
 チェインをつないでいるだけで楽しいのか、
 といえばそうなのですが。
 駄目ゲーマーだ。
 

・もとい、単調で簡単であるシステム、
 そこかしこにみられる「子供向け」の演出、
 先の見える予定調和のストーリー。

・あくまで上質。任天堂らしく完全。
 文句のつけようのない、このマリオ世界を楽しめるか否か。

 

任天堂は一流のゲームメーカーである。
 「ペーパーマリオRPG」はその期待を裏切らず
 「子供向け」であることをわかっているならば
 まちがいなくゲーマーを含む万人に薦められる、優れたゲームです。



参考 POP−SITEゲーム批評 究極の映像美と痩せた物語 GC「ペーパーマリオRPG」
             http://pop-site.com/column/col038901.htm

攻略 極道(http://yusaku.s58.xrea.com/)内
   「ペーパーマリオRPG攻略」 http://yusaku.s58.xrea.com/mario/M_P/index.html