「第8回 CESA GAME AWARDS」授賞作品決定

 CESAサイト http://awards.cesa.or.jp/release/041027.html
 (トップページ http://www.cesa.or.jp/index.html

・CESA(社団法人コンピュータエンターテインメント協会)主催のゲーム賞。
 CESAはゲームメーカー団体の集まりで
 東京ゲームショウ主催、「ゲーム白書」などのデーター集発行、
 CEROなどの倫理規定を策定しているところ。

・年一回発表されるこのゲーム賞ですが
 受賞したからと言って売り上げが上がるわけでもなく
 書籍の文学賞ほどの権威はないようです。

・いままでの受賞作品はこちら。
 http://awards.cesa.or.jp/history/
 各回の大賞
 ’96年 「サクラ大戦」(SS)
 ’97年 「ファイナルファンタジー7」(PS)
 ’98年 「ゼルダの伝説 時のオカリナ」(N64)
 ’99年 「どこでもいっしょ」(PS・ポケットステーション
 ’00年 「ファンタシースターオンライン」(DC)
 ’01年 「ファイナルファンタジー10」(PS2)
 ’02年 「太鼓の達人」(PS2) 
      「ファイナルファンタジー11」(PS2、PC)


・今回は「モンスターハンター」。
 CESA会長がカプコン会長であるのにはあまり関係ないと思います。たぶん。
 「鬼武者3」はどうかと思いますが。

・選考は一般からの投票(サイトhttp://awards.cesa.or.jp/2003-2004/ゲームショウ会場など)、
 そして選考委員による選定。
 選考委員は「養老孟司氏(北里大学教授、東京大学名誉教授)を委員長として、
 マスコミ関係者、流通関係者、クリエイター等の有識者で構成。」

・今週のファミ通桜井政博さんの連載コラム「ゲームについて思うこと」でも触れられていました。
 桜井さん自身も選考委員であり、選考過程は秘密のようで
 詳しくは明かせないとのことでしたが、
 やはり基本となる一般投票の影響も大きいとのこと。
 売り上げもそれなりに伴っていないと受賞は難しい、とも書かれていました。

・例として挙げられているのが、このサイトでも何度か取り上げた
 「ASTRO BOY 鉄腕アトム アトムハートの秘密」(GBA)。
 文句の付けようのない2Dアクションの傑作。
 「へたれゲーマー駄文」のような酔狂なサイトを読む時間があるなら
 これを今すぐ買おう。と言いたくなるほどの作品ではありますが
 桜井さんも推したものの、やはり売り上げ的に厳しいところがあったようです。

・前回の「鉄騎」(XBOX)も3万本程度でかなり売れていないほうですが
 「アトム」は国内で1万本にも到達していないと思われます。
 うーんやっぱりカプコン、いやいやいや。


・この賞はそのような内実からか、かなり無難なところが選ばれるのが特徴。
 そんな中でも
 ’00年に「高機動幻想ガンパレード・マーチ」が選ばれた際は意外で話題になりましたし
 ’99年の「どこでもいっしょ」や前回「太鼓の達人」あたりにも目配りを感じ
 なかなか選考の悩ましさが伝わってくるところです。 

・今回もうまくバランスをとった受賞作品ラインナップといえるでしょう。
 大賞の「モンスターハンター」は確かに昨年の中から一本といわれれば、の選定ですし
 グローバル賞の「エキサイティングプロレス5」「ニードフォースピードアンダーグラウンド」も
 上手いこと名づけた賞名。
 納得の内容です。


・今回新しいのが「GAME AWARDS INDIES」。
 「未製品化作品」に対して与える賞だとか。
 このゲーム賞の対象は「家庭用ゲーム機(据え置き型、携帯型他)対応の作品、
 パソコン対応の作品等、全てのコンピュータエンターテインメント作品」で
 およそコンピュターゲーム全てが対象ということですが
 過去の受賞作にアーケード作品はひとつもありませんし
 パソコン作品は「FF11」「リネージュ」「DIABLO2」
 「Age of Empires2」「ウルティマオンライン」で
 かなり偏りを感じます。
 もっとも国内パソコンゲームに碌なものがないのも事実ですが。
 「未製品化作品」、つまりフリーゲーム(あるいは同人ゲームも含まれるのかもしれませんが)
 ということでしょうが
 メーカー団体であるCESAが主催する賞としては意外。

・今回同賞を受賞したのが「バーガーメーカー」

 「バーガーメーカー」サイト http://mclover.net/Program/BMaker.htm
 作者生島 大さんのサイト;メタリッククローバー http://mclover.net/

・デコ、ナムコの「バーガータイム」を髣髴させる内容ではありますが(ちょっと違う)
 ミニゲーム系の作品。
 あまり考えることなく素早い判断でこなしていくのが楽しい、「フリーセル」のような、
 携帯アプリにありそうな作品です。
 
・これがおもしろいか、というと疑問なところ。
 以前話題になったフリーゲームとして「ZOOKEEPER」(http://jp.shockwave.com/games/puzzles/zookeeper/zookeeper.html
 がありましたが
 この種のゲームは面白さがすこし違うところにあるのかもしれません。
 むしろこちらのサイトでは「フロントライン」(http://mclover.net/Program/FLine.htm
 のほうに面白さを感じます。
 武器の斜線を考慮した立ち位置調整、武器の使い分け。
 考える所の少ない「バーガーメーカー」と
 戦術性と的確な操作が大切な「フロントライン」。
 どちらが面白いと思いますでしょうか。

・さて一番の疑問はなぜこの作品が賞を受賞したのか、ということです。
 謎です。
 製品化してお金の取れそうな内容とも思えないですが
 いったいCESAにとってどのような意味があるのか。
 
・桜井さんに是非解説をお願いしたいところ。


・「GAME AWARDS FUTURE」は相変わらず無意味です。 
 メーカー同士の内輪向け賞ですから
 文句を付けられる筋合いはないのでしょうけども。