「ユーゲーNo.17」

 発行:マイクロマガジン社 1月20日発売 ¥890
 公式サイト http://www.microgroup.co.jp/ug/

・なんだか久しぶりの「ユーゲー」感想文です。

・今回は「クインティサウンドトラックCD付きの特別定価。
 このあたりの事情はやはり罰帝さんの「罰記。」(http://d.hatena.ne.jp/baddy/)を
 見ていただきましょう。

 1月15日 http://d.hatena.ne.jp/baddy/20050115
 1月23日 http://d.hatena.ne.jp/baddy/20050123

・今回罰帝さんはパズルゲーム特集の大部分も書かれており大活躍です。
 また「例の箱」こと、こちらについても。

 「レジェンド オブ ゲームミュージック プレミアムボックス」(ASIN:B0006ZJB1S
 サイトロン公式サイト  http://www.webcity.jp/ds/detail.php?pid=SCDC-00410
 CDジャーナル紹介記事 http://www.cdjournal.com/main/news/news.php?nno=8294


サイトロン、マジヤバイ。

・と平野耕太先生のように叫びたくなるすごい内容です。
 DISC8枚組み。ナムココナミカプコンセガタイトーときて
 デコ、アイレム、SNK、ジャレコ、UPL、コナミMSXですよ。
 さらに「グラディウス」「SDI」「魔界村」「R−TYPE」の全一級DVD付。

・この企画をして実現させるとは、サイトロン、マジスゴイ。
 3月24日発売、限定2000セット。Amazonで予約受付中。
 裏話は上記「罰記。」や
 「超兄記。(w」(http://d.hatena.ne.jp/WizardOfPSG/)をどうぞ。



・いきなり話がずれましたが
 今回の特集は
 「悠久のゲームメーカー F・O・Gのすべて」
 「帰ってきた! 外伝ゲームの逆襲」
 「パっと遊べてズルズルはまる パズルゲーム特集」。


・最初はメーカー特集。
 いつものシリーズ特集の特別拡大版といったところでしょうか。

・「FOG」(http://www.fog.jp/top.htm)は
 以前「ミッシングパーツ」のときに少し取り上げましたけれども
 (http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20040326の下のほう)
 96年12月に設立して9年、
 「美少女花札紀行みちのく秘湯恋物語」「久遠の絆」「風雨来記
 「ミッシングパーツ」そして今年一月発売の新作「リムランナーズ」、
 計5本の作品を出しているメーカー。 

・まあ、マイナーなメーカーであります。
 「久遠の絆」が唯一、すこしは知名度ある作品ですけれども
 それも数あるギャルゲー、ノベルゲーのなかの1作品。
 フォグは前回も書いているようにプログラムやデザインは外注、
 シナリオも外注のようなので、ディレクションがお仕事のようです。
 ごく小規模な会社。だからこそ寡作でもやっていけるのであり
 また、熱心なファンもついているのでしょう。

・それはつまり、好き嫌いが分かれるメーカーでもあるということでもあります。
 「久遠の絆」もその荒削りな文章が受け入れられるかどうかが
 なかなか高い壁。
 「ミッシングパーツ」は値段も高いですが。
 そのおかげもあり知る人ぞ知る、
 別の言い方では、ファンのみが褒め称えるメーカーです。

アドベンチャーゲーム、ノベルゲームはゲームシステムがどうのこうの、
 出来不出来よりもまず、お話の好き嫌い、文章の合う合わないのほうが大きい要素。
 それはしかたのないことだし、悪いことでもありません。
 音楽、絵画、料理なども同じ。
 アイドルの歌が下手かどうかは人気と比例しないし
 シュールレアリズムと子供の絵の見分けがつかないこともあるし
 吉野家の牛丼を本格焼肉屋の味と比べても意味のない話。
 上手いか下手か、質の高低でなく、好きか嫌いか。
 そこに評価基準があるのです。

・「ミッシングパーツ」は良く出来ています。
 けれど、システムの面でいえば旧来どおりの総当りアドベンチャー
 それでも良い、無理に新奇なものを取り入れる必要はない。
 そういうメーカー、作品もいつまでもあっても良いし
 それをささえるユーザーがいるならば、外野が何もいうことはありません。


 参考;PlayStation mk2(http://psmk2.net/)より
 ミッシングパーツサイドA http://kyoichi.mods.jp/ps2/soft/avg/mpa.html
         サイドB http://kyoichi.mods.jp/ps2/soft_04/avg/mpb.html



・第二特集は外伝ゲーム。
 とにかくタイトルに「外伝」がついているものをかき集めました特集。
 その統一感のなさはとてもユーゲーらしくてまことに結構でございます。

・ところで今、Googleさんで「外伝」を何の気なしに検索してみたのですが
 ろくな結果がでない。なんだか最近Googleさんの調子がおかしいような。


・今回の取り上げられている作品では「聖剣伝説」「NINJA GAIDEN」
 「レッドアリーマー」「グラディウス外伝」あたりが素直に褒められるもの。
 他には「ダライアス外伝」「アレスタ外伝」「シレン外伝」、
 ついでに、忠臣蔵外伝四谷怪談セクシーコマンドー外伝、カムイ外伝

・GBの「レッドアリーマー」は本当に良く出来たアクションで
 「スーパーマリオランド」よりよほど熱心に遊びました。
 今遊んでどうか、といわれるとちょっとわかりませんが
 「洞窟物語」(http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20041226)が
 あれだけ楽しめるのだからアレンジ次第では充分遊べますよ。
 だれもそんなことはしてくれないでしょうけど。


・「聖剣伝説」はリメイク版「新約聖剣伝説」(ASIN:B0000843ZI)が
 一昨年GBAで発売されたものの、GB版を遊んでいたひとたちから大不評。

・「新約」は普通のアクションRPG。
 携帯機でアクションRPGを作ればあのようなものにしかならないでしょう。
 「旧約」、というとメガテンのほうから怒られそうですが
 GB版はそんなにすばらしかったか、というと
 当時としても、そして今から見ても、それほど特筆すべき作品ではありません。
 14年前のソフト、過去の思い出を美化しすぎと思います。
 SFC「聖剣伝説2」がイメージがすべてで
 他はその影を引きずっているだけ。

・聖剣シリーズの今後はどうなるのか。
 ブラウニーブラウンhttp://www.br2.co.jp/)はどうなのか、
 出すとしてスクェアエニックス側にメリットがあるのか。
 どのみちアクションRPGにはならないのでは、とも思いますけれど。


・「NINJA GAIDEN」は外伝というには違う気もしますが一応がいでん。
 そのあたりは海外版のサイトのヒストリーを見るとうかがえます。
 http://www.xbox.com/assets/en-us/Flash/games/ninjagaiden/index.html

テクモは海外向けのサイトの方が明らかに力が入ってます。
 リュウハヤブサはもちろんアヤネさんもGAIDENのほうが格好よいです。
 とても奇怪な水着でビーチバレーしているかたにはみえません。

・ゲームの内容のほうですが、本作、04年3月発売。
 ユーゲーにのっているので誤解しそうですが昨年発売のゲーム。
 なので別の機会に。
 私は「メタルウルフカオス」よりこちらのほうが好きです。


・最期に「グラディウス外伝」。原田さんの文章を読んでNGMの記事を思い出しました。
 NGM「グラディウスシリーズを遡って遊んでみた」
  http://ngm.web.infoseek.co.jp/2004_10_01_archive.html#109753495503259029

・原田さんの「グラ外」評と
 NGMの「グラ4」の感想が重なっているのが興味深いです。
 「グラ外」は「3」「4」の間にあたるGB作品。
 「グラディウス」シリーズ迷走真最中。

・「外伝」は辞書によると
 1.正史からもれた伝記や逸話 2.正統的な注釈とは異なる注釈
 正史、正統的「グラディウス」というものがあるからこその「外伝」。
 「グラディウス」にとっての正史は「1」「2」、MSX「2」となるでしょう。

・それと比べて、劣っている、ではなく、異なるもの、だからの外伝。
 正統後継とはみとめられないけれども、外伝なら許される。
 いわば実験作、挑戦的な作品が許される。
 けれどもそれは最初から逃げを打っているようにも見えてしまいます。

・ゲームでは「ダライアス外伝」が良い意味で「外伝」という場を活用した作品。
 マンガですが「カムイ外伝」も同じく外伝であることを活かしています。 

・「天外魔境外伝 風雲カブキ伝」などは明らかな逃げ。
 「シレン外伝アスカ」は複雑な大人の事情でしょうか。


・あまり数のない「外伝」ゲーム。
 けれどもどれもその意義を考えれば、なかなか面白いです。



・3つめは「パズルゲーム特集」。
 罰記。でも書かれているように、あまり有名でない作品紹介が中心。


・パズルゲームを文章で説明するのは難しいです。
 「テトリス」は
 上から落ちてくるいろいろな形のブロックを隙間なく積み重ねていくゲーム。
 「ミスタードリラー」は
 途中にあるアイテムのエアーを取りながら下へ向かって掘り降りていくゲーム。
 落下したブロックが同じ色のものとぶつかれば消滅する。
 「パネルでポン」は
 下からせりあがってくるランダムに並んだブロックを
 左右に入れ替えることで3つ続きで揃えて消すゲーム。

・知っているからわかりますが、知らなければ
 それのどこが面白いのか、ということになります。
 他のゲームもそうですけれども、パズルはまさにアイデアのかたちそのもの。
 ひらめいてかたちがあれば自明ですが、うかばなければ理解不能


・けれど、実際に遊んでみればすぐわかる。
 それがパズルゲームの面白いところで
 また、テレビゲームとしても好適なジャンルでもあります。

・それが現れているのがアーケード、ゲームセンター。
 パズルゲームは素人お断りの格闘、カードゲーム、STGなどと異なり
 誰でも気軽に遊べます。
 ルールがわかりやすいこと、必ずしもすばやい操作を必要としないこと
 熟練を要さなくともある程度楽しめること。
 ひとめみて、どうすればいいのかがわかりやすい。

・知らなければ一生思い浮かびもしない
 思考のきれはしが、目の前で明確につながる。
 自分が思いつくわけではないですが
 新しいルールを理解し、自分の物とする喜び。
 それをはっきりとした形で楽しめるのが、パズルゲームの素晴らしさです。



・さてさて、各ゲームについては実際に読んでいただいて
 ここでは、パズループ問題について。
 これもNGMにまとめられています。

 NGM「ZUMA」は「パズループ」のパクリ?
  http://ngm.web.infoseek.co.jp/2004_11_01_archive.html#110164395259326073


・例えば、以下の作品はお試し版、機能制限版をWEB上で楽しめます。
 ナムコもじぴったんうぇぶ 
  無料お試し版もじぴったん http://namco-ch.net/mojipittan/index.html
 ZOOKEEPER http://jp.shockwave.com/games/puzzles/zookeeper/zookeeper.html
 THEいつでもパズル まっすぐそろえてストローズ
  ビーワークス(http://www.beeworks.co.jp/)内体験版ページ
   http://www.beeworks.co.jp/seihin_03.html


・パズルゲームはアイデア勝負。
 ごく初期の携帯アプリや、おもちゃのようなキーチェーンゲームに
 「テトリス」コピーが使われていたように
 低機能な機器でもゲームとして楽しめる、ゆえにまたコピーも容易である。
 
・ただ面白いゲームを遊びたいだけなのに
 このような問題があるのは残念ですが、心に留めておく必要はあるのです。



・今回のユーゲーも面白かったです。うむうむ。
 ただクインティはゲーム自体を手に入れるのが大変でありますよ。


・最期にゾルゲさんにはエンドレスにがんばっていただきましょう。
 PCエンジン編は一回で終わってしまいましたが
 SFCはしつこく繰り返しで。セガの素晴らしさを世に知らしめるために。