「ユーゲーNo.18」その1

 発行:マイクロマガジン社 3月20日発売 ¥860
 公式サイト http://www.microgroup.co.jp/ug/

・今回の特集は「ユーゲーAWARD2004」「8BIT! アクションゲームズ」。
 ただし時間の都合によりアワードのほうだけにさせていただきます。
 2特集の方も面白いので来月あらためて。


・昨年のベストゲームを決めるユーゲーアワード。
 前回2003年分はこのような結果。
 http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20040322

・「鬼太郎」や「ハチエモン」などが入っているあたりがユーゲー
 けれど1回目ということもあってか従来のナイスゲームズと比べても
 割に有名どころを押さえた選び方だったように思えます。

・今回はよりユーゲーらしく。
 「コンティニュー」はゲーマーからみるととても固い選定ですが
 その本線をあえてはずしてのタイトルがおもしろいところ。

・前回の「コンティニュー」との重複タイトルを除いて順に。
 アワードタイトル一覧は公式サイトでご覧いただけます。
 だからネタバレも早めに出来るわけですが。



・「うお 7つのみずと伝説のヌシ」ASIN:B00027XB8O
 公式サイト http://www.playstation.jp/scej/title/uo/

・またマニアック。
 Google先生にお尋ねしてもあまり情報がありません。
 2chにもスレッドがない。いったいどれくらい売れたのでしょう。

・販売はSCEですが、開発はセガワウ。
 AM1研ことワウエンターテイメントと
 「サクラ対戦」「Shinobi」の7研、オーバーワークスとの混合チーム。
 現在はセガ本体に統合されていますけど。
 となると昔から続くバスフィッシングもの関連でしょうか。あるいはシムスか。


・従来の「釣りもの」と違うのはさかな側が主人公であること。
 釣り人に釣られないよう水の中を自由に泳ぎまわり
 他のさかなを食べたり、あちらこちらとめぐっていろいろ集めたり。


・水の中ゲームはいろいろありましてアートディンクの「アクアノートの休日」、
 さかなでなければアリカの「エバーブルー」、
 あるいは「青の6号 歳月不待人」(http://aono6gou.dricas.ne.jp/)などもそうであります。

・水の中を自由に泳ぐのが楽しい、というのが
 この種のゲームの目指すところでしょうけれども
 それをゲームにするのは難しいのかもしれません。

・本作はムービーやレビューを見る限り、アクションアドベンチャーのよう。
 ゲームとしての目標は水中探索、ボス敵とのバトル。
 過去の作品も同様。水中散歩だけでは環境ソフトにしかならず買ってもらえない。
 フィールドは広くて狭い水の中。なかなかに面白いゲームにするのは大変です。


・フライトシミュレーターと「エースコンバット」の関係のようなものですか、
 さかなにニンゲンのようなはっきりした目的はないですから。

・逆に自由に空を飛べるゲームだったらどうでしょう。
 やっぱり同じようなゲームになりそう。PS2の「鉄腕アトム」とか。
 うつくしい環境を泳げるだけ飛べるだけではゲームにならない。
 その題材が、ゲームにして面白いか。そこが難しいところです。



・「バルドフォースエグゼ」DC;ASIN:B0002TB4I6 PS2;ASIN:B0007CVYPG 
  (注;18禁 PC版「BALDR FORCE EXE」ASIN: B000083J1H)
 公式サイト http://www.alchemist-net.co.jp/products/bf_exe/
  (注18禁 PC版サイト http://www.web-giga.com/baldrforce/bf_top.htm

・’03年1月発売のPCアダルトソフトのDCへの移植。
 来月にはPS2版も発売予定。

・えー、
 ゲーマーではありますけれどもさすがにこちら方面には疎いのでございます私。

・調べてみた様子では、PC版はかなり良く出来ているようで
 レビューサイトも多くが絶賛しています。
 ただ、それが家庭用機に移植されても同様の評価なのかどうか、というのはわかりません。
 いまさらDC版を買うかたは、たぶんPC版をふまえたかたがたでしょうし。

・公式サイトの、みるひとがどれくらいいるのか謎である
 PSP、プレイやん用までもが容易されたムービーを拝見させていただきますと、
 なんだか面白そうです。
 セリフまわしがいかにもな感じで背中がぞわぞわしますが。


・斜め上方向からの見下ろし2Dアクション。
 古い、と偉いひとからは言われそうですがゲーマーには魅力の面構え。
 「怒」とか「戦場の狼」、最近だと「ネオコントラ」。
 いやもっと軽快なようなので、えーと。意外とないですねそういう例。
 簡易版「ガチャフォース」といったところでしょうか。いや全然違うか。
 簡単無意味につながる多段コンボの無駄な感じもよろしいです。


・あとはぎゃるのかたがたが我慢できる範囲であれば良いのですが。

・2Dアクションというだけでは商売として成り立たないのでしょう、
 PC18禁ではこのように昔の味のゲームもある、
 いや、そこでなければ作り得ない、というのが本当でしょうか。



・「九龍妖魔学園紀」ASIN:B0002ONEN4
 公式サイト http://www.atlus.co.jp/cs/game/pstation2/9ron/

・「魔人学園」シリーズの最新作。

・このシリーズは住友と角川による大手映画配給会社
 アスミックエースエンターテイメント(http://www.asmik-ace.co.jp/index.html
 によりPSでの第一作「東京魔人学園剣風帖」(ASIN:B00005OVPZ)が
 電撃プレイステーションと多めの広告出量でそこそこヒット。

・固定ファン層をつかみましたがその後の開発は難航、
 ファンディスクやリメイクを繰り返したり
 発売元をアスミックともバンダイともコナミとも相対する
 元セガ社長中山隼雄さん関係のアニメ製作会社
 マーベラスエンターテイメントhttp://www.mmv.co.jp/)傘下の
 元パックインビデオとビクターインターラクティブの
 マーベラスインタラクティブhttp://www.mmv-i.net/)に移したり。

・その後マーべラスとアスミックとでどうしたのだか存じませんけれども
 アスミックエースは昨年5月に
 「転生学園幻蒼録」(http://tensho-go.com/ ASIN:B0001ZDMU4)を発売。
 第一作から監督を務め、ようはファンが付いていく対象である今井秋芳さんの
 SHOUT!DESIGNWORKS(http://www.ny.airnet.ne.jp/shout/)と
 コナミ傘下のアトラスが組んで昨年9月に出したのが本作。
 ちなみにマーベラスが8月に出したリメイクもあり。(ASIN:B00027XLHK
 おそらく今井さんが脚本周り基本設定、表に見える部分担当で
 プログラム、デザイン等ゲーム製作自体はそれぞれのメーカーが行っていたのでしょう。

・熱心なファンが多いシリーズで、レビューサイトの評価もくっきり。
 PlayStation mk2 http://kyoichi.mods.jp/ps2/soft/avg/04.html
 えらく極端な両者の評価。「九龍」は年別ベストでも2位に付けています。
 アマゾンでも「転生」はひどい言われよう。

・アスミックさん、ファンを舐めてはいけませんよ。
 あとDVDの予告映像を飛ばせないようにするのはやめてください。
 といいたいところですが、アスミックの開発スタッフには少し同情します。


・このシリーズは従来、アソベンチャーパートで仲間と会話し
 戦闘はタクティカルSLGという典型的な手のかからないシステムだったのですが
 本作はアトラスの手が大きく入っているようで
 ファーストパーソンSLGだそうです。
 ようは普通のRPGなのではないかと。

・最近アトラスは随分がんばっています。コナミの影響でしょうか。
 レビューを眺めた感じではかなり良く出来ているようです。
 従来の「魔人」ファンをキャラクターやストーリーで満足させつつ
 ゲームシステムも公式サイトだけではさっぱりわかりませんが、
 独特ながらよくまとまっている、との評価。

・もっともいままでの「魔人」はシナリオや演出を除く
 SLGまわりのゲーム自体はそれほど褒められた内容ではなかっただけに
 実際どの程度のものなのかはわかりません。
 「バルドフォース」と同じようなもの。
 ゲーマーのかたの感想も見てみたいところです。



・「プリンスオブペルシャ 時間の砂」

・本作は以下で書いたので省略です。
 http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20040904 

・海外では60万本、国内では2万本程度の売上。
 少なすぎます。
 いや国内で売れないのはわかります。
 なぜ海外で60万本しか売れないのかが不思議です。


・ちなみに初代のプレイ条件ですが
 2つめの剣(時間のダガーでないほうの剣)をとった後、
 すぐ次のステージを抜けた先の怪しい壁を剣で壊すとメッセージが表示されて
 スタートメニューからプレイ可能。
 ファラが奥の土台の穴を抜けてプリンスが中央2つの土台を抜けていく後。
 プリンスが「古代の地下迷宮がこの下にあるんだ」どうたらと前後に脈絡なく言う所です。
 セーブデータで見られるストーリー進行度でいうとちょうど33%。
 初めからだと2〜3時間でたどりつけます。



・「エスプガルーダASIN:B0001TXPAW
 公式サイト http://www.cave.co.jp/amvisual/espgaluda/

・STGマニアお馴染み、ケイブ弾幕STGのアリカによる完全移植。
 今回も完璧な移植とスーパープレイDVD付きで
 アリカの仕事には文句のつけようがありません。
 タイトーとかクロスノーツに是非強く言ってやって欲しいです。

・内容に関しては以下をどうぞ。
 ゲームウォッチレビュー http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20040630/esp.htm
 A.B.「エスプガルーダに関する雑記」 http://ab.txt-nifty.com/ab/2004/06/post_1.html
  (ついでに「ボーダーダウン」 http://ab.txt-nifty.com/ab/2004/03/border_down.html


・以上で完璧。
 ただ、ひとこと付け加えておきます。

・「ガルーダ」は難易度が低めといわれています。
 実際その通りで前半面のバランスはCAVEとしてはかなり緩め。

・ただし、初心者向けではありません。
 STGを好んで遊ぶかたに「初心者」がどれくらいいるのか、
 というのはありますけれども
 「初心者」は複雑なシステムには付いていけない人を言うと思うのです。


・本作では覚聖システム。慣れた人から見ると初心者救剤措置のようにも見えます。
 しかし初心者とはボンバーを持ったまま全滅するようなひとのこと。
 危急の際にボンバーも打てないのに
 普段からバレットタイムをコントロールするにまで神経は回りません。

・ボンバーを必要なときに打てるようになって初心者を脱し
 システムを理解してクリアできるようになって中級者。
 スコアを意識して稼ぎを考えるのが上級者。


ケイブSTGは、初めて遊ぶというひと向けには出来ていない。
 STGを遊んでみよう、というかたにがまず初めに選ぶものとして
 ケイブSTGはお勧めできません。
 
・かといってどれと言われても困るのがマニア向け市場の困ったところです。
 「ストライカーズ」あたりがまともな出来であったならば。
 むしろ「東方」のEASYから始めるのが良いのかもしれません。
 しかし同人ソフトなのが難点。
 中古でPSのストライカーズを探すのが無難でしょうか。



・「3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!」

・本作もこちらで。
 http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20041026

・何か奥歯にものの挟まったかのような言い回しですが
 チュンソフトらしく、しっかりとつくられているけれども未完成。
 ということでしょうか。

・ロールプレイドラマというシステムは実に面白そうなので
 完成版を是非見てみたいところ。
 システム使用権だけ貸して他のメーカーに作らせると良いのでは。
 「街」にしても。



・「ファントムダストASIN:B000654XZW
 公式サイト http://www.xbox.com/ja-jp/games/phantomdust/default.htm
       http://www.xbox.com/assets/ja-jp/games/phantomdust/index.html
 ゲームウォッチレビュー http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20041014/pd.htm
 A.B.「ファントムダスト」:http://ab.txt-nifty.com/ab/2004/10/post_1.html

・ああA.B.があると楽だ。


・もとい。
 売上約6,000本、アマゾンのレビュー数1。
 なんとも報われないゲームです。
 もっともXBOXの主戦場は海外ですから
 日本開発作品の本作も海外向けに作られているのもやむなしでございます。

・内容についてはA.B.をみていてだければ充分ですけれども
 オンライン対戦前提のつくりでありながらシングルプレイもしっかり遊べる、
 充分に良く出来たソフト。カプコンも見習いましょう。


・カードゲームのデッキシステムは
 「カードヒーロー」にせよ「カルドセプト」にせよ報われていません。
 ムシキングhttp://mushiking.com/index_j.html)位に簡単にしないとだめなのか
 そもそもコレクションの楽しさこそが重要で
 カードゲームがテレビゲームにあっていないのか。

・対戦前提、かつやり込みコレクション。
 アーケードでは成功させていますけれども
 家庭用機にはもうすこしアイデアが必要なのでしょう。
 その面でアクション要素を持たせた本作は、新しい展開の一歩となり得るものです。



・「くるりんスカッシュ」ASIN:B0003H2R92
 公式サイト http://www.nintendo.co.jp/ngc/gkqj/

・「バトルガッガ」の旧ライジング、現エイティングhttp://www.8ing.net/)開発。
 表向きは任天堂らしきつくり。

・「BLOODYROAR」「ナルト」も評価されてますし
 エイティングは頑張っております。
 やはりSTGだけではやっていけないのでしょう。

・「THE MADNESS BATTLE GAREGGA」(http://www.tanomi.com/shop/html/items02052.html)、
 買わせていただきました。が、
 まだ初回限定版。発売から4ヶ月近く経つというのにその程度。
 マニアはネット上では声が大きいのでつい錯覚してしまいます。 


・本作は要は「イライラ棒」のゲーム化。といって通じるのもいつまでか。
 N64でそのままのが出ていましたけれども
 携帯版にシンプルにまとめ、操作性まわりを任天堂が調整して出来上がり、
 と予想します。1作目はGBA本体と同時発売でそれなりに売れたようです。

・前2作との違いはハードをGCに移したことで
 アナログコントローラーを使えるようになった点。

イライラ棒のひとの手によるアナログ操作を再現できないので
 回転棒に置き換えたアイデア
 さらにアナログ操作できることで新しいものにする。
 なるほど理にかなっています。

・回転速度も調整できるので待ち時間もなく自由にコントロール可能で
 対戦、タイムアタックが熱いレーシングアクション。
 理詰めの面白さ。
 説明を聞いただけでどのようなゲームか分かるところ。
 そしてブランドの信頼性、しっかりと作られているだろうという安心感。
 実に任天堂らしいゲームです。

・と、買ってもいないのに言うやつ。



・「THEお姉チャンバラASIN:B0002ER69W
 公式サイト http://www.d3p.co.jp/s_20/s20_061.html

・昨年の「地球防衛軍」に続いて再びシンプル2000シリーズより。
 内容は公式サイトのムービーが完璧に説明してくれます。

 参考;NGM「THE お姉チャンバラ」安さと自由
   http://ngm.web.infoseek.co.jp/2004_09_01_archive.html#109571845116052308

ユーゲー記載の製作者コメントがまた揮っています。

 「Vol.61THEお姉チャンバラ」は、
 高貴なエロティシズムと低俗なグロ行為が同居した微妙な作品です。
 ここで誤解しないでいただきたいのは単なるエロ+グロではないということです。
 つまりマニアックなAVのようなエンタテイメントとは異なり、
 世界観やキャラクターが知的興奮をもたらすことができる、
 知的エンターテイメントとしての面白さが備わっていると自負しております。
        (D3パブリッシャー 岡島信幸さんコメント P49より引用)

・D3はゲーム好きとは違うところからパブリッシングしてくるところが
 本当に面白い。
 ゲームはあまりやらないのでしょうけれど
 逆に良く理解しているのかもしれません。



・「ウルトラ警備隊-MONSTER ATTACK-」ASIN:B0002ER6AG
 公式サイト http://www.rocketcompany.co.jp/ultra/ 

・単に「ウルトラ警備隊」というとこちら。
 ムーワールド ゲームの世界 http://www010.upp.so-net.ne.jp/muu-word/acultra.html
 懐かしい。というかこのサイトすごいです。ちょさくけんが。


・アマゾンやレビューサイト、2chスレッドでも評価は高いです。
 http://gba-mk2.com/slg/ultrakeibitai.html

ウルトラマニアック。それはマンガですが、マニア歓迎の作品のようです。



・単にゲームとしてよく出来ている、だけでは採り逃がしてしまう
 このようなソフトを紹介してこその「ユーゲー」。
 そのあたりが「コンティニュー」と違うところ。
 「ユーゲー」の良いところです。



・以上。
 後半に行くにしたがって適当です。
 私としては「九龍」「くるりん」を遊んでみようと思います。
 「バルドフォース」は様子見またはワゴン待ち。
 

・さて果たしてあと数日でまとめができるのか。
 年度末、忙しいのに時間があるのか。
 どうなりましょうか。私も知りません。