『サルゲッチュ3』

 ピポサルドットコム http://www.piposaru.com/(『3』公式サイトは音でます)
 ASIN:B0009Q0DMU
 プロデューサーインタビュー http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20050727/saru.htm

・この夏はゲーマーとしても注目作が大量に出るなかで
 『地球防衛軍2』も『虫姫さま』もむしして遊んでいたのがこちらでございます。

・このシリーズ、良作という評判は聞いていたもののいままで手を付けず。
 ソニーだし。『ラチェット&クランク』とか『ジャック&ダグスター』なども
 安いからと買っても積んだまま。なぜならソニーだし。

・大量のゲームから何を選んで買ってシュリンクを解いてディスクトレイに入れるかの
 生存競争は
 それこそ時の運とその日の気分。
 『サルゲッチュ3』を遊んだのもたまたまです。
 もちろん買うか買わないかの逡巡には良作であろうという憶測や評判が必要ですけれども。



・『サルゲッチュ』は3Dフィールドに散らばって隠れていたりするサルたちを
 網で捕まえるゲーム。鬼ごっこです。

・特徴は3Dスティック2本を使ったその操作。
 通常左が移動、右が視点変更が3Dアクションゲームのお約束ですが
 キャラクター後方へのカメラ戻しをL1にして
 右は網を振り下ろす動きに当てているのが独特。

・○×■△のボタンは振り下ろすアイテムの選択。
 棒でひっぱたいてピヨらせてから網。
 ジャンプ一番空中でお縄、でなくお網。
 背後からほふく前進、忍び寄って「ゲッチュ」。スネークも絶賛。


・操作はプロデュサーインタビューからうかがえるように練られていて軽快快適、
 とてもよくできています。
 ステージ構成、カメラ追尾もストレスを感じない優れたデザイン。
 複雑な操作、余計な要素を入れずに
 ただ網を振り回してサルを捕まえるだけのゲームとして割り切った仕様。
 ステージを分けてただそれだけを繰り返して飽きさせない。
 背景ステージ、キャラクター演出も丁寧、バリエーションも豊富。

・1日1ステージ。
 そういうように遊んでいくゲームで
 コナミが作っているかのようにそつがなく
 昔の任天堂が作っているかのようにシンプルなゲームです。



・アイテム要素も注目。
 『ゼルダ』を踏まえたパチンコやタケトンボでのステージ踏破あたりは当然として
 ラジコンカーが面白い。
 左スティックでキャラクターを動かし、右スティックでラジコンを動かす。
 なるほど、当たり前のようながら遊んでみると実にしっくりきます。
 ラジコンを走らせるジオラマの上に透明板を置いて
 キャラクターがその上を追いながら操作するステージがあり
 これはこれだけで一本作れる楽しさです。

・『Gunroar』もそうですけれど
 『ファミリーサーキット』はアナログスティック対応で
 まったく違うゲームになりましょうよと感じ入り。
 10年早かったのだなあ。


・変身要素もアクセントが効いていて良いです。
 やること、目的が単純明快なだけに『ムジュラ』よりもその効果が際立っていて
 使わなければならないのではなく、テンポよく使い分けていく楽しみがあります。

・いくつかのステージごとにボス戦が挟まるのですが
 敵のHPゲージが非表示なように、とにかくひっぱたいていれば勝ち。
 変身は使わなくても倒せるけれど、使ってみると楽ですよ、という
 明示的でないけれど親切なチュートリアルになっています。 
 いや良くできている。



・逃げ回るサルを網で捕まえるゲーム。簡単なルールのゲーム。
 主人公キャラクターが小学4年生というところからし
 小学校低学年を主要顧客と定めたゲームなのでしょう。
 カメラの回りこみの遅さもそれを踏まえた調整。
 3D酔いしやすいひとにもかなり優しいと思います。


・けれど見事です。
 奥は深くない。クリアしたあとも続けて楽しめるゲームではない。
 そう割り切って
 子供が1度だけ遊ぶという体験にだけ最高に楽しめるよう丁寧に作られたゲーム。
 任天堂のアクションゲーム、昔の『マリオ』が持っていた単純な楽しさを
 作り直したゲーム。
 『マリオ』のように、いつまでも遊べる名作ではないけれど
 複雑になって、
 3Dとなった以降の『マリオ』がなくした明快な楽しさを持ったアクションゲームです。