成人向けゲームについて


ショートショートで知られるSF作家、星新一さんは
 自らの著作に、時事話題を採らないとともに
 エログロ暴力官能描写を書かないやりかたを採っていました。
 その理由についてエッセイで以下のように述べています。
 「高邁な考えがあるわけではない。
  希少価値を狙ってのものである。」




・様々な表現作品、ヒトの手でニンゲンについて描かれたもの。
 現実の、リアルなヒトの姿を、様々な方法で描かれています。
 ルノワールのように光り輝くうつくしい世界もあれば
 何の思想も思考も読み取れない暗く黒く狭く汚く愚劣なモノ、と見られるものもある。


・暴力も性も、どちらもヒトの姿の確かな一側面。
 善悪好悪に関係なく確かにあるものです。


・そしてそれは魅力的なもの。
 悪徳。
 他人に迷惑を掛けてはいけない。ヒトヲコロシテハイケナイ。
 理性に良心に道徳に規則に否定されるほどに
 暗く陰ある現実だけれど自分には関係ない世界であるからこそ
 それはより魅力的にあるのです。

・だからそれはどこにでもある。
 暴力も性描写も少年向けから大人向けまで程度の差こそあれ様々にある。



・だからといって、広く許されるわけではない。
 18歳以下に禁止するのは正しいです。
 子供は判断ができないからではない。責任が取れないから。
 強盗も殺人も誘拐も
 児童ポルノも児童買春も、現実にこの世界にあるのです。
 

・だからといって、暴力描写、性描写をすることが禁じられるわけではない。
 表現の自由からではない。それは現実にあることだから。
 あることをないことに、人間を人間でないものに描くことはできない。



18禁ゲームも同じです。
 殆ど全て大多数は、高邁な思想があるわけではなく
 そこに求めるひとがいるからこそ作られる。
 ゲームにもそれはあって当然であり、また子供に規制するのも当然のこと。


・成人向けゲームは、当然あるものだ。
 ただ、その成立理由からし
 ゲーム好きに合わない作品ばかりではあるのですけれども。