『スクリューブレイカー 轟振どりるれろ』

kodamatsukimi2005-09-23


 公式サイト(音注意)http://www.nintendo.co.jp/n08/v49j/index.html
 ASIN:B000AMCV5K

ゲームフリークhttp://www.gamefreak.co.jp/)久々の新作、GBAでの2Dアクション。
 武器はドリル。突き刺してぶち抜いて、破壊豪快気分爽快。

・『パルスマン』と『モンスターワールド』そしてトレジャーアクション。
 「あのころ」のゲームフリークとそして任天堂。面白くないはずがなく
 もちろん期待通り面白く。

・ドリルアクションは新しくけれど、昔からあるゲーム。
 動かすことが楽しい、単純明快アクションゲームの新作が今も出続けることが
 何よりも嬉しくなる作品です。



・いまやすっかり『ポケモン』ばかりになってしまったゲームフリーク
 作品リスト http://www.gamefreak.co.jp/about03.html
 けれど『ポケモン』が出た頃には小学生でなかったゲーマーにとって
 その名と代表 田尻智さんに思い浮かぶのは『クインティ』や『マリオとワリオ』などの
 こだわって作られたアクションゲームです。
 (関連 http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20040313

ゲームフリークのこだわりは、ゲームデザインにあるのでしょう。
 様々なゲームを遊び、その中から新しく面白いゲームの仕組みを見つけ出し作りだす。
 『ポケットモンスター』もまずデザイン、設計図ありき。
 初めから完成形への確信を持って作られているゲームです。

・アクションやSTGにこだわるトレジャーと『ポケモンゲームフリーク
 セガ任天堂。天然と理知的。
 実際どうなのかは存じませんけれど、そんなように受ける印象の違いがあります。



・『ポケモン』でない新しいゲームとして作られた本作『スクリューブレイカー』。
 それは今やGBAにしかない昔の2Dアクションゲーム。


・2Dアクションといえば『マリオ』です。
 宮本茂文法、ダッシュとジャンプからの一連のアクション。
 空中でも軌道制御身体操作が可能である、ゲームのためにデザインされた動作。

・それを踏まえて、ファミコン時代を中心に様々なメーカーが多彩なアクションの形を作りました。
 ジャンプによる移動と回避に加えて、剣を振る、鞭を振るう、銃を撃つなどの攻撃アクション。
 機器の性能向上により、格闘アクションも実現できるようになりました。
 話す調べるなどの探索アクションを加えてアクションアドベンチャーに行くものもあり
 ひとでなくメカを操作させて、人体にないアクションを楽しませるものもある。


・そんな中で、移動するというアクションに対し
 ジャンプとダッシュだけでない、新しいしかたを加えたのが
 ワイヤーアクションというジャンルです。
 『ヒットラーの復活』『海腹川背』『チェインダイブ』『スパイダーマン』。

・高機動ロボットであるとか戦闘機で画面全体、重力がなかったりする世界を
 縦横無尽に飛び回る、万能自在空間征服感もアクションの楽しさです。
 けれど移動に制限があって、行けそうで行けない、届きそうで届かない、
 崖っぷちを見上げ見下ろす、行動の制限から生まれる探索と発見の楽しさも
 現実では現実的でなくゲームにおいて表現しやすいアクションの楽しさです。

・ワイヤーをのばし巻きつけくっつけ引き寄せて
 ジャングルの王者、あるいはコンクリートジャングルの王者として
 地べたを這わず、自在に空間を飛び回る楽しさ。優れて見事な発明です。


・本作のドリルアクションも攻撃ではなく
 ワイヤーを範としての移動アクション動作にまず、存在を置かれています。
 突き抜け慣性。順回転と逆回転による引き抜き反動。
 ダッシュジャンプにひとの手足にある自由はなく、けれどドリルにしか出来ないことがある。 

・加えて壁でも地面でも破壊して突き進むのが「ドリル」。
 鈍重な外観は、重厚高質量、軽快でなくとも豪快自在であるアクションのためにあります。
 敵要塞をぶち抜いて突き進む我がドリルの雄雄しさよ、といったところ也。

・回転する破壊のための錐。ねじ込み喰らいつくための錐。
 作用反作用を無視して全てを破壊していくドリル。
 ワイヤーアクションほどの自由はないけれど、重厚なアクションにも
 新しさが確かにあります。



・ドリルアクションという新しい2Dアクションを見せてくれる。
 けれどその中身内実は、昔ながらの質実剛健たるステージ構成で固められた固いゲーム。
 移動探索に重きを置いている。であればこそでもあるでしょう。
 解法を見つければクリアは容易。
 「簡単」なゲーム、\3,800という価格もいうシンプルなゲームです。

・優れているところはそれを判っているところ。
 様々なアクションを使い分けて攻略していくゲームではない。
 シンプルに、『マリオ』のように、唯一つの解法に駆け抜けていくゲーム。
 さすればゲームフリーク、流石は任天堂
 この手をして隙はありません。



・新しく昔のゲーム。豪快爽快ドリルアクション。
 けれど最期の戦いでの一撃は
 ゲームフリークがここで終わるわけではないことを見せてくれるものと思います。
 見事ゲームフリーク。そして次なる『ポケモン』でない新作に期待です。

・いや『ポケモン』もいうまでもなく良いゲームです。
 けれど大人がひとりで遊ぶには困るゲームでありますことよ。



・すこし追記。
 本作は『マリオルイージRPG』などと同様ゲームボーイプレイヤーに対応しており
 GCでも振動付きで楽しめます。
 GCコントローラーの十字キーは位置的に使い辛いことこの上なしですが
 アナログスティックが意外に使える。
 このあたりさらにひと工夫して
 レボリューション従来ゲーム用コントローラーを作っていただくと良いかもしれず。

・DSは使いづらいというか重いです。疲れます。