『ゲーム批評vol.67』

  ISBN:B000EBEGOQ

XBOX360は素晴らしい。なんといっても『ジオメトリウォーズ』が面白すぎる。
 『リッジレーサー6』も「リッジレーサーズ2」と言って申し分ない出来。
 まる。ぐっど。ぐれいと。

・しかし売れていないのでありますは、その商品ラインナップ見れば、それは売れないよなと
 買った私も納得です。XBOXより売れないのわかります。セガがいないし。
 『ラジルギ』や『アンダーディフィート』をドリームキャストに取られてどうするマイクロソフト


・今回の『ゲーム批評』、表紙巻頭『デッドオアアライブ(DOA)4』特集とか。
 総力ついていますが振りのみ。前回に続いて360ソフト。なぜ『DOA4』。

・いままでの『ゲーム批評』さんであれば「XBOX360はなぜ失敗したか」とか
 「XBOX360はゲームをころし(以下自粛)」とか煽るのがお得意であったのに『DOA4』。
 少しばかり向かう方変えてきた風。
 それともページ数からしても唯の客寄せか。だとしたら大した者。



・その『DOA4』でありますが、『1』をセガサターンで遊んで以来手をつけずな私からは
 対戦格闘ゲームとしてみてその出来や如何、とかして分りません。
 「打撃」「投げ」「ホールド」の三すくみが素晴らしい、という褒め方が
 このシリーズお定まりですが、もちろん「投げ」もあるが、と断っていますけれども
 だから他と比べてどうなのか。『バーチャ』も『スト2』も三すくみであろに答えていない。

・つまり普通に良く出来ている、までは良いとして、それ以上分けて説明する言葉がない。
 『バーチャ』と『鉄拳』と『DOA』はどこがどう違うのか。
 もちろん幾らでも違うところはあって挙げられるけれども
 対戦格闘をあまり遊ばないひとにも届く説明が付かないことを
 表して掘り下げる記事と読みました。


・他のプロレスゲームと比べた『ランブルローズ』の様に
 堂々とそちら向けですよにはっきり明瞭表明してくれると書くほうもし易いであろうに。
 テクモコナミの器の違いか。
 もちろんテクモは充分に商売上手だし力もあるからこその『DOA』である、
 という前提なのですけれども。

・『DOA』は商品力があります。金はあるけれど看板がないアルゼとか欲しいのではないか。
 もしくはタイトースクウェアエニックスのうちのエニックス辺りとかが。



・続けて「'05年末タイトルスペシャルレビュー」と題し、いつものライター陣ではなく
 各界様々な方々にゲームをレビューしてもらう企画。

・これが中々に興味深い。いつものソフトレビューより面白いと言い切れるので
 毎回行って欲しいですが
 これほど見事なメンバーを毎度集めることがまず難しいでしょう。
 引っ張ってきた人脈こそが凄いです。


・まず声楽家錦織健さんによる『バイオハザード4』。
 ディープなバイオマニア。発売されたら泊り込みで攻略本なしノーセーブクリア。
 凄い。『4』など答え分っていても半日かかりそうですけれども。
 加山雄三さんもかなりの『バイオ』ファンであると聞いた覚えがありますが
 何ですか、『バイオ』にはあまり普段ゲームを遊ばない層にも
 『バイオ』だけはと指示される吸引要因があるのか。浸かりきっている層からは見えません。

・その内容、いつもの通り一遍紹介記事ここが凄い素晴らしい調読み流せるレビューと違い、
 ファンとしての独特見地であり目新しい。
 『バイオ4』は客観視点FPSでガンSTGのオリジナリティが斬新云々駄文書き連ねる、
 どこかのサイトと違います。

・「某大作RPGの映像作品」というと、レンタルなしで100万本売れたあれでしょうか。

 「急にオリジナルのゲームをやりたくなって、一週間ほどプレイしましたが本当に楽しかった。
 昔の友人と話をするような喜びがゲームにはあります。」(P24より引用)

 ゲームはしみじみ素晴らしい。


・次はセガウェーブマスターの「スギヤマ!」こと杉山圭一さん(http://www.fiberjelly.com/index.html)。
 『ローグギャラクシー』をゲームサウンドの面から。

・ゲーム自体の面白さ云々でなく、そのゲームの音声演出まわりはどのような感じであるか、
 という斬新なレビュー記事。これまた普段見ない切り口であり面白い。
 業界内で他社のゲームに正面切ってどうのこうの言うのは
 お為ごまかし以外しようがないのは当然である中で、上手い所もって来ました。
 なるほどなるほど。


・他に「生まれた意味を知るRPG」こと『テイルズジアビス』をライター梅宮貴子さん。
 『DOA4』をライター松井悠さん(http://straydog.seesaa.net/)。
 止めは『マリオカートDS』をゲームスタジオ(http://www.gamestudio.co.jp/home.html遠藤雅伸さん。

・このお三方は普通のレビュー記事。手堅い。
 これならいつものライターの皆様でも同じ様なものが書けるわけであるし。
 そして『DOA4』が対戦格闘としてどうなのかは、やはり良くわかりません。



・次は前号引き続いての崩したニュース記事、ゲームメディア時評。
 ゲーム業界噂のゲーハー板における真相の巻風味。
 読み捨てるには充分面白いのですが、ネットの個人ゲーム情報サイトで代替可能、
 けれどありそうでないからプロが金をとっても成立するわけ。
 ゲーハー板まとめサイトを書籍化するでも歴史資料価値付いて売れると思います。買います。

・「ゲームセンターへ行こう!」では『アイドルマスター』と『三国志大戦』。
 次は『戦国大戦』かと思ったらば『2』の模様。
 (GAME Watch「AOU2006」レポート http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20060217/aou_sg.htm
 そちら担当は『天下人』(http://www.sega.co.jp/ps2/tenkabit/home.html ASIN:B000E0XN7I)か。
 「大戦」といえば「サクラ」の方をそういえば話聞かないような。



・「『龍が如く』が売れたワケ」と、いつものゲーム批評らしい記事。
 (セガ的3DRPG『龍が如くhttp://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20051211
 それに絡めてゲームプロモーションの現状について記事。

・23万本と、セガとしては久しぶりの家庭用機オリジナル作品立ち上げ成功慶賀の至りでありますが
 本作24億制作費をかけたと、実際どうだか存じませんが、話ネット上にありますが
 23万本で24億回収は無理なのでは。それで売れたといえるのかとか。


・いろいろ記事書かれていますが実際どのような層が買ったかセガ内にしか情報ないのだから
 いつものように、ではないか、で終わる憶測お約束。
 プロモーションについて語るなど10年早いんだよと、電通とかゲームショー仕掛け人とか。
 マイクロソフトXBOX360に見る拙さはあれよ、全米NO.1大ヒットアナウンス効果
 時代経過弱体化関係かとかと。

・件の制作費回収は
 『シェンムー』70億同様他タイトルもしくは続編へ技術波及効果見込んでの遣り繰りですよ、とか
 いやいや売れたことが重要であってこの際利益率は関係ない。アーケードで搾り取る。
 話題性ある家庭用機でブランド高めることがまず重要である、という里見会長の声。
 小口社長も以前ファミ通のベストゲーム企画に『ペルソナ2』とかお答えなっていて
 メダルゲーム『ダービーオナーズクラブ』カードゲーム分野立役者アーケード畑ながら
 こういうあれが好きなのよな、とゆるめセガマニアは邪推述懐。


・『Shinobi』も世間一般的におおむねオリジナルで20万売れた、とありながら
 現状続編共々ワゴンの山ですからここはひとつ慎重に進めていただきたい。
 が、セガはそのあたり絶妙に下手なことは歴史が証明しているのであった。



・続けて「e-Sports」というゲームでお金を稼ぐプロゲーマー世界について。
 良い記事です。

・日本では根本的に盛り上がらず話題にならずのこの分野、
 アーケードにおける「見返りのない非ギャンブルゲームであることの意義」は、
 風営法からの要請だけでなく、日本人的心象に拠る、のでなく単にパチンコがあるからか。

・ゲームが多すぎて追いかけるのに夢中、ひとつをしつこく遊ばない、
 ゲーム知識の多なるを良しとする風潮は現状多大にあり。
 しかしゲームの上手いひと、ひとつに夢中になれるひとは、
 そういう見えない最先端求めて浅く広く表面撫でているだけの輩から見て、
 純粋にゲームを楽しんでいるように見え、羨ましく、また尊敬の対象であるのです。



・と駆け足ながら以上のような感じ。
 次号予告によるとまた大幅リニューアルとか。
 前号から明らかに今まで10年と変えてきている上さらに。

・今号、いろいろ文句を付けたくなる記事もありますが、総体色々幅あって
 多様連載記事中に読み応えあるもの拾えてかなりの充実感。
 良いです。独自色。ますます変わる次号にさらにますますの期待感。