『エンドオブエタニティ』

 End of Eternity Platinum Collection - Xbox360
 PS3版 ASIN:B0046ECA68
 公式サイト http://www.tri-ace.co.jp/

・発売はセガですが作ったのはトライエース
 「END OF ETERNITY」のエタニティはETERNALとどう違うのかというと
 より使われることが少ない言い回しなのでかっこいい。

トライエース製作品ともなかなか縁がなく
 遊ぶのは『スターオーシャン』の2作目とか
 『ヴァルキリープロファイル』の1作目とかあれら以来。
 調べたらこれら10年前の作品である。PS1だし。
 がしかしこのサイトも8年続いていることを思えば
 そんなに昔でない気もしないでないかもしれない。かもしれない。
 当時これらを遊んでいたひとは皆もういい年齢と、思えば遠くへきたものよ。

・そんな昔の印象から、記憶しているところによれば、
 スクウェアエニックスあたりと組んでRPGばかり作っているところであり
 差別化なのか素なのか、『ドラクエ』や『FF』と並ぶような作品ではなく
 その小規模相似でなく、変化球を狙ってくるような感じの製作会社。
 今回、本作を遊んだ感想もそういうふうで、
 やはりセガらしさはなくトライエース製の香り濃厚の
 RPGというより戦場がマス目で区切られたSRPGのようなゲームであります。
 もっとも最近のセガらしさといってもよくわからないですけれども。



・舞台設定は文明の発展の末に人類は衰退しました未来。
 武器は剣や魔法でなく銃や爆弾。
 敵はテロリスト風のひとたちとか暴走した機械とか。
 戦闘の仕組みはかなり特徴的ですが
 基本はごく普通に、
 すばやさで行動順が回ってきたら近づいたり離れたりして銃を撃つゲーム。

・ただ、銃なので遠くでも届くけれど
 狙う相手から離れるほど発射に時間かかる仕組み。
 よほど念入りに照準合わせしているのかもしれませんが
 舞台が未来だけに、ナムコ製なんとかワン戦闘機搭載ミサイルの
 発展系てくのろじーであり、コスモガンでありサイコガンでありつまり弾無限。
 ゆえにその代わり引き金引いても弾即出ず、
 エナジーチャージにタイムが必要という仕様、なのかもしれない。
 まあとにかく銃が武器なのですが、FPSとかの銃撃つゲーとは完全に別物。


・そして、銃以上に未来なのが主人公御一行様の戦闘能力。
 敵の銃爆撃受けても戦闘終われば全快していることに比べれば些細ですが
 その攻撃能力もなかなかです。
 HPとは別枠で、必殺技ゲージとかともまた違い、
 近いところを探すなら『ロマサガ』の「ライフポイント(LP)」のような、
 「I.Sゲージ」とかいうものを消費することで
 敵攻撃に対し無敵になり、移動しながら複数回攻撃できる、
 「インビッシブル アクション」とかいうものを使用可能。

・この「見得ない攻撃」というのは
 弾がゆっくりみえる「バレットタイム」の上位版みたいなものか。
 覚醒剤で覚醒視界のニュータイプ魔女スキルとして
 アクションゲームでちらほらみられる演出でありますが
 ターン制のRPG、すなわち「だるまさんがころんだ」状態では
 あたりまえのような気がしないでもないですな改めてみると。


・この特殊攻撃が「SRPGのようなマス目区切りの戦場」風。
 戦場の広さは決まっていて、障害物も用意されている。
 「インビッシブルアクション」は、この規定戦場内で
 敵や障害物にぶつからなければどこまでも、
 1ゲージ消費で1回、直線状に移動しながら攻撃できる。
 長く移動するほど当然たくさん攻撃できるけれども
 しかし標的から遠い位置では時間が掛かって攻撃回数が減る。

・敵の群れを横切るような移動経路で攻撃し
 敵を浮かせて動かしたり自ら跳んでぶつからないよう、
 位置取り調整しつつ味方パーティ内で限られたゲージをを融通しあうパズル。
 敵味方の位置、彼我の戦力から誰が何回攻撃することで倒せ、
 誰がどの敵の攻撃を受けることでしのげ、
 そしてLPの例通り消費することでHPを回復できる「I.Sゲージ」を
 いつどこで誰が使うか。


・そんなようにSRPGのようなパズル風戦闘のおもむきではありますが
 実際はRPGのように、一回ごとの戦闘にかかる時間は少なめ。
 雑魚敵は上の特殊攻撃をうまく使えば短時間で始末できるしくみ。
 ただしゲージは限られているので
 無計画に使い過ぎてすっかり切らすとあっさり全滅しかねない。
 ゲージが増える後半にいくほどこのパズル的な意味合いが欠けてき、
 最初から大概のことが出来るのは、良し悪し難しいところ。

・戦闘の仕組みの要請から必然として仲間人数も3人と少なめ、
 またアクションゲーム的な連携連続攻撃はない。
 ターン制RPGに戦場の広さの意味合いを持たせたところは面白いですが
 実のところできることはかなり限られていて、
 武器入手やゲージ回数増加もRPGらしくお話依存。
 土台も志向とも良いとしても
 施行の手が足りてないのか、こういう作風なのか。



・家庭用ゲームというものは
 値段の元を取るため何十時間と遊べなければならない、
 何十時間と遊べるゲームでなければ選んでもらえない。
 という概念が様々なゲームの形式を縛っているようであるけれども
 それは1人用ゲームの見かたでしかなく
 RPGに限らず、1人用ゲームでないものは、
 それで自分が何十時間遊べるかでなく
 どれだけ自分の周囲がそのゲームに興味を払っているかであり、
 上と同じように逆に言えば
 大勢が遊ぶゲームでなければ大勢に選んでもらえない。
 しかしさらに言うなら
 大勢に選んでもらう必要があるのは大きなゲーム、
 作るのにお金を掛けるものだけなのだから
 そうでないものは何十時間も遊べる必要はないのでなかろうか。

トライエースRPGはそういうゲームだと思うけれども
 それを受け取るひとたちそれぞれ次第であるのも、また違いない。
 そんなふうに思ったゲームでありました。