至高のスタンダードRPG


・RPGとは「ドラゴンクエスト」のようなものだ。
 すなわちRPGのスタンダードは「ドラゴンクエスト」である。


・スタンダードは標準、そして模範の意。
 RPGは「ドラクエ」を標準として競い模倣し、人気ジャンルとなっています。
 しかし「ドラクエ」が寡作でありながら’86年の登場以来20年近くに渡り
 模範となり続けているのはなぜか。
 それは他のRPGが劣っているから、標準に達していないから。
 誰もが楽しめるRPGという点で「ドラクエ」を超えるものはありません。



・「ドラクエ」のどこが優れているのか。
 「ドラクエ」足らしめている点は何か。
 堀井雄二のシナリオ、すぎやまこういちの音楽、鳥山明のデザイン、
 いずれでもなく、構成要素間のバランス、完成度にこそ、それはあります。
 感動のお話でもなく、素晴らしい音楽でもなく、きれいな絵でもない。
 ひとつひとつの要素の、集まりとしてのまとまり。それが重要。
 けれどそれはとても難しい。


・例えば先の錬金釜の情報の与えかた。

錬金釜をプレイヤーがどの程度利用するのか。
 その時点でどれくれいの強さ、レベルとスキルと装備と所持金なのか。
 店の品揃えと値段と種類と、何より各アイテムの性能は適正か。

・さまざまに影響しあう変数の重なりのなかから
 より多くのプレイヤーを納得させられる、楽しませる、
 適正標準値を見つけ出す。


・RPGをつくる戦闘と成長というシステムにおいては
 処理プロセスだけでなく、入力初期値を与えなければシステム自体が機能しない。
 優れて適正なシステムと、システムを生かす適正入力値。
 戦闘成長「バランス」というのはそういうこと。
 複雑である必要はない。
 出力結果が万人にとって適正と感じられるものであれば良い。

・複雑でない式に適当な数値を代入。
 その結果は「ある範囲内」に納まっていること。
 それがバランスが取れているということ。
 難しい。けれども、当たり前にできていなければシステムが成り立たない。



・当たり前のことを自然にこなす様が「ドラクエ」の真髄。
 優れたシステムだけでなく、それを操るゲームバランス。

・「神のゲームバランス」。
 神のサイコロがないように、それは存在しないもの。
 しかし「ドラクエ」が持つ優れたゲームバランスは
 究極でなくとも最高至高。
 神の手による奇跡偶然ではなく、製作者の知識経験実力そのものの表れ。
 凡百のRPGと比するとそこに神は見えるのか。


・至高のスタンダード「ドラゴンクエスト」。
 究極のものではなく、批判対象でもなく、模範として
 「ドラクエ」が存在しているのは当たり前なのかもしれません。




・でもベギラマヒャダルコより使えないのはどうなのか。
 あとヒャダインが好きだ。