ギャルゲー周辺に関するまとめメモ

・一般に男性向けの「ギャルゲー」、基本的に女性向けの「乙女ゲー」、
 そしてそれら類似ジャンルの
 テレビゲームにおける位置づけのメモです。

・メモゆえに書き直すかもしれないし、メモだからそのままかもしれない。

・前回後半も参照下さいませ。


・前提として。
 「ギャルゲー」は男性から女性をみたもの、
 「乙女ゲー」は女性から男性をみたもの。
 しかしプレイヤーがどちらの性であっても、どちらになりきって遊ぶことも可能。
 よって男性が女性同士の関係をみるものも成り立つし、逆もある。
 したがって2つは同じジャンルで、表現方法に差異があるもの、といえる。


・以上、以下「乙女ゲー」あるいは「ボーイズラブ」「百合ゲー」も全て
 「ギャルゲー」に含みますよ、との断り書きでした。

定義その1 何がギャルゲーの価値といえるか

・描いているものは、恋愛または友情である。
 キャラクターに価値があり、その関係に価値がある。
 作品性、及び商品性双方に有用な価値である。

・その価値根拠は、「異性間とのつながり」という関係性に代表される、
 ひととひとの関係にある普遍的価値。

・プレイヤーにとって、「キャラクター間の好ましい関係」が、これらゲームの価値。
 その「好ましい関係」にプレイヤーが関われることが、これらゲームの楽しさ。

定義その2 何をもって「ギャルゲー」とすべきか

・「キャラクターの関係が持つ価値」は
 おおよそほとんどのゲームが持つもの。「ギャルゲー」と呼ばれていないものでも。
 『エムブレム』はギャルゲーなのか。『サクラ大戦』はギャルゲーだ。
 『ガンパレード・マーチ』はどうか、『ときめきメモリアル』はどこがそうか。
 どこからがギャルゲーで、そうでないといい得る境はどこか。

・それは明確でなく程度の差であり、見るひとの主観による。

・あるいはゲームの設定に明示されたルール、
 「悪を倒す」「恋人を作る」「世界を救う」などによって、仮に決まるもの。

分類その1 表現構成からの分類

(1)テーマを表現するためにストーリーがあり、そこにキャラクターを配し演出する。

(2)設定があればキャラクターがあり、あれば恋愛友情などの関係性が生まれる。
 そこからストーリーが生まれる。テーマは後付けであることが多い。

分類その2 ゲームジャンルからの分類

・定義その1から、プレイヤーの立ち位置に注目して分類します。
 (0)を小説、映画として軸上に並べた形。ゲームブックは0.8くらいか。


(1)ノベルゲーム型;
・プレイヤーが物語を読み味わうもの。
 キャラクターは見る愛でる対象。もっとも演出が容易。分類1-(1)。 
 例 サウンドノベルビジュアルノベル、多くのPCギャルゲー。

(1.5)アドベンチャーゲーム型;
・プレイヤーが選択肢を選び物語を読み解くもの。
 例『逆転裁判』、古典的PCアドベンチャーゲーム

・(1)(1.5)の違いは攻略性を持たせるための演出の違いで、同じもの。


(2)RPG型;
・プレイヤーが役割を演じるゲーム。
 物語がありそこにキャルクターに決められた役割を演じるもの。分類1-(1)。
 例『ウィザードリィ』『ドラゴンクエスト』『サクラ大戦』『ときめきメモリアル

(2.5)テーブルトークRPG型;
・プレイヤーが用意された設定のもと脚本を作りながら演じるゲーム。
 例『ガンパレード・マーチ』『ロマンシングサガ』『ジルオール

・映画のようなゲーム『ファイナルファンタジー』などでは
 プレイヤーでなく、キャラクターが演技をする場面を持たせることで
 (1)に近い演出がとられている。
 『ウィズ』が(2.3)、『FF』が(1.9)くらいといえるかもしれない。


(3)SLG型;
・プレイヤーが物語を構成するゲーム。
 キャラクターを操作して物語を構成する。
 ボードゲームに類するゲームシステムがあり
 それに設定がつけられキャラクターがのったもの。分類1-(2)。
 例『ファイアーエムブレム』『オウガバトル』『街』『セプテントリオン
  『俺の屍を越えてゆけ』『不思議のダンジョン』『シム』シリーズ

・(2)(2.5)との違いは、プレイヤーのキャラクター間の関係を眺める視点が高い点。

・「SRPG」は(2)(3)の中間寄り。 
 本来『シム』シリーズに代表されるようにストーリーはないが
 そこにキャラクターを配したことで、プレイヤーの操作を神の視点に置き換えて
 RPGのシステムを取り入れ、深いテーマを演出したのがSRPG。

・またオンラインRPGもそれぞれが、(2)と(3)の中間にある。


(4)その他;
・ゲームとしての演出、設定、キャラクターのみがあり、ストーリーはないもの。
 プレイヤーは操るひと。
 例『ランブルローズ』『DOA』『シスタープリンセス』『トゥルーラブストーリー

・ギャルゲーにおいては萌え要素、古いいいかたならばお色気要素。「脱衣麻雀」。
 物語でなく、シチュエーションを味わうもの。
 ナムコでいえば『ローリングサンダー』。ケイブでいえば。いわずもがな。

・アクションゲーム、STGなどは全てここに分類。
 設定、キャラクターのないゲーム、ゲームルールとそのための演出のみのものも
 ここに含まれる。


(5)ゲームではないもの;
・テーマ、ストーリー、そしてゲームルールからの演出がないもの。
 例「ポストペット」『どこでもいっしょ』。

・プレイヤーとキャラクターとの関係性は、
 「わたしとあなた」ではなく、「わたしともうひとりのわたし」。
 そしてゲームの中のキャラクターではない、誰か。 


・ゲームを離れての、ゲーム設定の考察、攻略本や設定資料集、
 2次創作、ファン活動などに向き合うプレイヤーの立ち位置はここ。




以下補足メモ


・定義1の「キャラクター同士またはプレイヤーとの、好ましい関係」を
 表現することばが「萌え」。
 プレイヤーはその関係に含まれて心動かされたり
 操った気になり全能感を味ってみたり
 または、見ている、愛でているだけだったりする。
 参考;はてなキーワード「萌え」http://d.hatena.ne.jp/keyword/˨%a4%a8
    AB2//MEMOPAD:「萌え」に関する今まで学んだことの整理メモhttp://blog.goo.ne.jp/ab_2/e/dfaa61f0d7c5fb4d9361fa469909b2d2

・「なんだか知らんがとにかくよし!」と葉隠散さまがいっているのを見るに
 従来使用されている「燃える」の転倒とも思えます。


・また、言葉の意味は、どんなものであっても常に変容します。

・「役不足」の正しい用法、正しい日本語であるという根拠は
 元の意味はこうだから、語源はこうだから、いままでもそのように使われれてきたのだから。
 しかし、現在半数以上の日本語使用者が本来と違う用法をしているならば
 もとはそうであったけれど、今はこうとも言う、といって良い。
 50年前、100年前、現在の日本人の喋り言葉が江戸時代と全く同じであることなど有り得ない。

・言葉は時代とともに変化する。
 「萌え」という新しい言葉は現在明確に定義は定まらず、だから何が誰が正しいとも言えず
 それは各人の相対的な定義、自分の考えに近いかどうか、であり
 そして、これからも徐々に意味を変えていく。

・2次元キャラクターへの関心をさす言葉であった、ということは
 語源辞典かトリビアとしてしか残らないかもしれません。
 参考;文化庁日本語世論調査http://www.usfl.com/Daily/News/03/06/0619_000.asp
  「「役不足」の意味は、本来の「力量に対し役目が軽すぎること」とした人が28%。
   「役目が重すぎる」と逆の意味を選んだ人が63%に上った。」
   文化庁サイト 以下のページ5項http://www.bunka.go.jp/1kokugo/14_yoron.html




・表現構成要素のゲームに置いての意味合いについて。


・設定

・おおよそ全てのゲームにある。
 ファミコンなど昔のゲームほど少ないため、時代の要請と思われる。
 囲碁将棋などのボードゲーム類などがわずかな例外。

・ただこれにも商品性のため『柿木将棋』などのブランドが付いたり
 「ヒカルの碁」ブランドを日本棋院が使用したり(http://www.rakuten.co.jp/nihonkiin/473325/
 歴史上の人物(ろーぽりごん)がなぜか異空間で麻雀をしていたりする。
 さらに『トライジール』のような話題性狙いと思われる例外もある。
 (参考;http://gmk.9bit.org/note05q2/050407-trizeal.htm


・キャラクター

・設定を作るのが人間である以上、必然的にそこにはひとを模したキャラクターが配される。

・例えば「ブロック崩し」ならば設定がないので誰もいないが
 『スペースインベーダー』ならば「自機」と「敵」という「キャラクター」があって
 自機の中にいるのは地球人が遊ぶ場合、地球人か、その製作によるオートコントロールAI。

・「キャラクター」はかならずしも「人間」ではない。
 「擬人化」されたものであれば全て、
  ひとが感情移入してその関係性を評価できる「キャラクター」となりえる。
  例;擬人化萌え(参考;http://d.hatena.ne.jp/keyword/?%a4%a8%b5%bc%bf?%bd
    綿の国星(http://kan-chan.stbbs.net/manga/watakuni/

・戦闘機や電車もマニアにとっては、設定だけで充分にキャラクター性を持っている。
 「ガンダム」「ディズニー」などのキャラクターゲームも
 同列の要素を持つものとして考えられる。

・逆にキャラクター化をあえて必要としない表現も、もちろんある。


・ストーリー

・分類その1-(1)ではではテーマを語るためのもの。
 商品として優れたキャラクターさえあれば束縛は少ない。
 評価も大概されないので手をかける必要が最も薄い。
 ただし、この点と演出の2点だけでも優れていれば自己をマニアと持するマニアが絶賛する。

・分類その1-(2)では設定とキャラクターから作られるもの。
 キャラクターだけで労なく作成されるほど、そのキャラクターが「立っている」と評価される。
 その場合エンディングにきちんと収束しないと市場評価が下がるのは、小池一夫原作がよい例。


・演出

・表現作品においてもっとも重要なもの。
 ゲームにおいては、ルールの表現としてあるものと
 ストーリーのためにあるものと、2種類ある。

・演出が容易なものは製作も容易。


・テーマ
 ストーリーが表現しようとするもの。深いほど優れていると誤解されがちだが
 単純でも、ストーリーと演出でいかに上手く表現できるかのほうが重要。

まとめ

・ギャルゲーとはキャラクターの価値を活かしたゲームであり
 キャラクターゲームといわれるものと同じです。
 それがどう呼ばれるか、どのように区別されるかは
 遊ぶひとが、それをどう思うか次第。
 好みしだい、興味を持つかどうか。

・キャラクターの価値に面白さが寄りかかっているほど
 遊ぶひとの好みに左右され、つまりはひとを選ぶものになる。
 好みとするひとにはキャラクターがあるだけで価値をもち
 そうでなければ、興味のない要素が多いいほど面白さを感じにくい。

・ゲームの面白さ。それに別の価値を加えるもの。
 それは物語を構成し、プレイヤーに大きく揺さぶりをかけ得る。
 あたりか、はずれか。
 それを構成する個々の要素の演出と
 ゲーム自体の面白さの組み合わせ次第といえましょう。


・と、いうわけでおおざっぱに
 ギャルゲーをやらないひとが、ギャルゲーについてまとめてみました。
 
・次は各論。
 といっても同じようなノベルゲームで睡魔と戦うよりも
 私に合ったゲームで書いてみたいと思います。
 とりあえず「ロマンシングサガ ミンストレルソング」で。
 E3のその後にでも書く予定。