『ユーゲー No.19』

 発行:マイクロマガジン社 5月3日発売 ¥860
 公式サイト http://www.microgroup.co.jp/ug/

・『ユーゲー』は今号から発売日が奇数月20日から奇数月3日に変わりました。
 『ゲーム批評』が偶数月3日発売なのでちょうど1ヶ月置きにでる形。
 1月はどうするのでしょう。
 このサイトも1ヵ月後くらい、皆様が次の号を買い前のものを忘れた頃に
 感想を書くことにいたします。

・今回はそのような事情でいつもより日程厳しめの上に新編集長が入院されていたようで
 なかなか大変であったようです。
 特集は「ゲーム&ウォッチ誕生25周年記念!!ハンディゲーム機グラフティ」、
 「マス目の数だけドラマがある!3Dダンジョン 探索の達人」。
 それから『メタルサーガ』制作者インタビューなども注目。



・「携帯ゲームとは携帯アプリであり、ゲームボーイなどはハンディゲーム機なのである」
 初代ゲームボーイの外箱にはハンディゲーム機と書かれている。うーむトリビア
 PSPとDSに浮かれる世間を尻目に懸けて
 こちら『ユーゲー』は時代を逆走する雑誌に相応しく
 今回はGBAより前の「ハンディ」ゲーム機を特集。


・『ユーゲー』はなぜか『ゲーム批評』より¥100高い。
 多分想定顧客がそれくらいで減りはしないだろうというマーケティングなのだろう、
 実際そうなのでしょうけれど、そのためか巻頭18ページ程カラーになっています。
 毎回おそらくここをそのように使うか頭を悩ませているのではないでしょうか。

・今回はそこがとても上手くいっていて、とても良い感じです。
 ゲーム&ウォッチのクリスタルスクリーンはやはりカラーならでは。
 リンクスのゲーム画面をカラーで見れるのは『ユーゲー』だけ。


ゲームボーイ以前のものについてはこちらのサイトを参考にされたようです。
 「電子ゲームの世界」http://homepage3.nifty.com/lsigame/index.htm
 どれも素晴らしい。リンクも充実。
 けれどSS『ゲーム天国』は名作ですよ。あのチマチマ感が良いのです。
 『エクセリオン』も充分有名。あの慣性のついた動きは独特です。


・上記サイトからもリンクされていますが、レトロゲーム紹介サイトで
 特にお勧めなのはこちら。
 「CLASSIC VIDEOGAME STATION ODYSSEY」http://www.ne.jp/asahi/cvs/odyssey/
 凄すぎです。思わずうっとり。
 アカデミック文章系ではこちらを。
 「Classic 8-bit/16-bit Topics」http://d.hatena.ne.jp/hally/
 生きて行く上で何の役にも立たない知識。だがそれがいい


・戻って、続けてGB以降の各ハードについても紹介。
 『ユーゲー』としては基本的なところの紹介で新規読者を意識したものか。
 「NO.11」(http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20040203)でも一度やりましたし。
 「たまごっち」や「ポケットステーション」、というより『どこでもいっしょ』は
 携帯アプリのほうが水にあっているように思います。 


・ゲーマーとしてはどのようなものでしょう。
 GBAがあればそれで充分な気もいたしますが。

ゲームギアは遊ぶものがないし、PCエンジンGTはお金持ちの飾りだし
 リンクスは市場在庫自体がないし。
 ネオジオポケット格闘ゲーム専用機。
 ワンダースワンは『ロマサガ』専用機、でしたけれどもういらないかも。

・罰帝さん&「9bit confusion」(http://gmk.9bit.org/note05q1/050225-gamegear.htm
 推薦の『GGアレスタ』ですが
 コンパイルSTGの権利は今誰が持っているのでしょうか仁井谷社長。
 『ZANAC』はアイキ(http://www.aiky.biz/)が引き継いでいるようですが。
 是非『アレスタ×アレスタ』をお願いします。 


・やはり今はPSPとDSに期待いたしましょう。
 そしてゲームボーイミクロは携帯アプリとどのようにぶつかり合うのか。

・とりあえず任天堂さまにおかれましては
 『ゲームボーイギャラリ−』のDS対応版を可及的速やかに出すべきだと思いますよ、
 マニアを捕まえるには。
 もっともマニアは要らないのかもしれませんけれども。



・2特集の前に『メタルサーガ』制作者インタビューについて。

・故データーイーストの戦車を操るRPGメタルマックス』シリーズ。
 '91年FC『1』、'93年SFC『2』、'95年SFC『リターンズ』と順調に発売。
 
・製作はクレアテックhttp://www.crea-tech.net/)、宮岡寛さん。
 堀井雄二さんが「ゆう帝」として書かれていた週刊少年ジャンプファミコン神拳」の
 「ミヤ王」として有名。「キム皇」こと木村初さんはどちらへいかれたのでしょう。
 桝田省治さんも『1』に絡んでいて当時の状況について書かれています。(http://www.linda3.co.jp/mars/profile2.html


・ところがデコが'99年和議申請、'03年6月倒産。
 クレアテックアスキーがDCで製作していた『メタルマックスワイルドアイズ』は
 アスキーの都合で'00年に開発中止。

・一方、その'03年6月20日クレアテックには知らされずに
 ナウプロダクションhttp://www.nowpro.co.jp/)より
 『メタルマックス2 改』(ASIN:B00009ATV5)が発売。
 「改」は「改悪」の「かい」だったようで評判は散々の駄目なゲームです。
 ナウプロダクションの他のゲームを見ればわかります。これは微妙だ。

・それにしても、いままでの製作会社に知らせないで他の会社に放り投げるとは
 デコも凄い会社です。さすがデコ。これがデコ。
 データーイーストについてはこちらも参照。http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20040930


・倒産のどさくさに『メタルマックス』の商標は別の会社にとられてしまう。
 そのあたりの経緯はこちら(http://www.crea-tech.net/news01.html)。
 新宿エクスプレスという会社はこちら(http://www4.ocn.ne.jp/~express/index.htm)。
 おとなの世界は複雑怪奇でございますことよ。


・そして今週6月9日発売の『メタルサーガ 砂塵の鎖』。
 製作はサクセス(音が出るので注意;http://www.success-corp.co.jp/)。
 『メタルマックス』の名前が使えないので揉めたようです。

・さらに今回の宮岡寛さんへのインタビューで
 またしてもデコが勝手にサクセスに作らせていたことが判明。さすがデコ。それがデコ。
 いい加減すぎ。
 サクセスもデコが倒産するまでクレアテックと連絡を取っていないという点、
 相当に怪しい。


・さてはて『メタルサーガ』、果たしてその出来やいかに。
 過去のサクセス作品を見るに、とても安心して見ているというわけにはいきません。
 もっとも復活しただけでも喜ぶべきでしょうか。SFCは電池切れですし。
 せめてファンにフリスビー扱いされない程度の出来であることを祈っております。



・2特集は3Dダンジョンゲーム。
 RPGに限らず、3Dダンジョンを用いているもの皆に関する内容。
 3Dダンジョンは主観視点、自キャラクターが画面に映らない見た目、
 いまでいうとファーストパーソンによるダンジョン探索もの。

・『ポートピア』と『ファミ探』で激しくプレイヤーを悩ませたあれです。
 『ドラゴンボール』は簡単で良かった。
 視点が引き気味でないと、動かないでの方向転換や平行移動でわけがわからなくなる、
 マップを書かずに突き進んで出られなくなってリセット。
 『メガテン』にマニア向けイメージを付けるためにあるもの。

・さらにいうと『マイトアンドマジック』。
 初代のFC移植を学習研究社、いわゆる学研が行っていまして
 小学生向けの「科学と学習」に「まんがサイエンス」の流れからか
 あさりよしとおさんによる解説販促マンガを掲載していました。

・小学生に『マイトアンドマジック』は危険すぎる。何を考えているんだ学研。
 これと『ウルティマ』は、売り方を根本的に間違えていたといってよろしいでしょう。
 あの時代、まだまだ試行錯誤が続いていたわけです。


・さて記事のほうは、ここぞ『ユーゲー』の本領発揮、一般にマイナーなゲームばかり。
 といってもこのジャンル、国内でも名が通っているのは
 『ウィザードリィ』『女神転生』『DOOM』位で仕方のないところかもしれません。
 『ダンジョン・マスター』はピーター・モリニューだから傑作なのだ、
 といわれてもやはりマイナーはマイナー。
 見た目難しそうで実際難しく、「洋ゲー」であって取りつき悪く、
 PCゲームを中心としてマニアのためにあったジャンル。


・PS、SS以降のポリゴン箱庭世界により、このジャンルの存在自体もあやふやになります。
 『ダン・マス』から『キングスフィールド』へ。
 『マリオ64』に見える広大な3D世界は
 もはや『マイトアンドマジック』の表現しようとしていたものを無意味にしている。

・けれど2DSTGやアクションがなくなりはしないように
 このジャンルもなくなるわけではない。
 けれど今のままではマニア向けのまま。変わらなければならない。


・といったあたりを次回に書きたいと思います。