『デッドライジング』と『FF5アドバンス』

kodamatsukimi2006-11-22



・今月末本命の『カルドセプトサーガ』までのつなぎとして
 久しくほったらかしていた360に火を入れるのもかね『デッドライジング』。
 PS3を買うお金などございません。
 けれどわりと早く飽きてしまったので、さらにつなぎとして『FF5アドバンス』。
 というのはこれ。
 東京大学ゲーム研究会 2006駒場祭企画のお知らせ http://www.geocities.co.jp/Playtown-Rook/6615/komaba2006.html

・今週末に開催。今回もレベル高過ぎです。
 『FF5』だけでなく『FF12』『ロマサガ2』『DQ6』のリアルタイムアタック3本立て。
 『剣神ドラゴンクエスト』もマスタークラスの模様であるのでWii発売後も安泰か。
 全国のゲーマーは学業でも遊びでも完敗でございます。
 テストがなく比較されない社会人でよかった。
 代わりに休日出勤というものがあるのだけれども。行けない。無念。



・まず『デッドライジング』(http://www.capcom.co.jp/deadrising/ ASIN:B000FJ6FQ4)。
 国内カプコン製作であるのに、いかにもいわゆる「洋ゲー」風であるようなとか
 暴力描写で18禁Z指定という話題性といったところで
 PS2ごときと比較にならない違いがわかる360所有者の自己存在意義を確かめる方から
 話題になっていたものございます。

・「このゲームはジョージ・A・ロメロ監督の『DAWN OF THE DEAD(邦題:ゾンビ)』の
  権利者または製作者により開発、承認、ライセンスされたもの
  ではありません」
 とパッケージに書かかれていることからもわかりますように
 街にゾンビがわらわら出てくるゲームです。
 あたりに落ちている武器とか使ってなぎ倒します。食べ物拾って回復します。
 襲われている否ゾンビを助けます。
 主人公は報道カメラマンなので劇的な瞬間を撮影。するとなぜか強くなります。
 『セプテントリオン』とか『バイオハザード』とか『無双』とか『激写ボーイ』、
 ノリは主として『ダイナマイト刑事』みたいな、である。

・360であることの意義から、遠くまで広々ゾンビの皆様沢山群がっているが見えます。
 構造分類、アクションアドベンチャーとして普通の出来なり。
 ロードが長い。マップ構造があまりよろしいといえないようだ。ゆえに
 アクションとしての楽しみをアドベンチャー要素が阻害することもある
 『デビルメイクライ』や『ビューティフルジョー』のカプコンらしい仕事。
 おなじGoWでも『ゴッドオブウォー』の方が単純に出来は良いし
 『バイオハザード4』には遠く及ばず。


・それで次に『FF5アドバンス』(http://www.square-enix.co.jp/ff5/ ASIN:B000BRXXVA)。
 この前の『FF3』はDSでしたがこれはGBA。今月末には『FF6』も。
 RPGみたいな長くかかるのを携帯で遊び、腕鍛えるお歳でないゆえ
 GCとしてよりGBA駆動機として活躍するゲームボーイプレイヤーで遊ぶのですが
 これも時代か、携帯ゲームであるのに見た目SFCと変わらないものだ、と感心。
 しかし。SFCの『FF5』は既に持っていたのでなかったかしら。
 よし比べてみよう。感心だ。変わらない。
 360『リッジ6』とPS3『リッジ7』くらいの違いとみた。どちらがどちらか知らないけれど。

・しかし。では何のために新しく買ったのかしら。かしら。とふと悩むけれど
 まあシーフを鍛えなくとも最初からダッシュが使えるだけで良しとしましょう。
 黒チョコボで長老の森に降りてセーブすると詰るバグはどうなっているかしら。
 つまりまだそこまで進んでいないのですけれど。

・中身はだから、あまり書くことないのですが
 偶数はシステム奇数はシナリオと言われていたころの『FF』、
 『FF5』はシステム特化と当時見られていたRPG。その先入観から変わらない。
 お話を追う過程は最近のシリーズにもまして希薄。
 次に何をすれば良いかと立ち止まることなく先に進み
 ダンジョンの奥に待つボスを倒す。倒せなければ全滅THE ENDセーブまでもどる。
 レベルを上げたり装備買ったりジョブアビリティを工夫して、勝てるまで試す。
 謎解き要素がアドベンチャーRPGが役割を演じる遊び、というならば
 雑魚を倒して少しづつ強くなっていく過程を積み上げる喜びという
 RPGとして成り立たせているに良くある土台が希薄なこの過程の楽しさは
 何と言うジャンル名にて呼ぶべきか。これぞ『FF』だ。

・鍛え上げてバーサーカーマスターし、「にとうりゅう」「みだれうち」で楽勝。
 と調子に乗っていたらベヒーモスの断末魔ホーリーで壊滅。
 オメガにあっさり負けて絶望。というのが『FF5』でありました。ああ懐かしい。
 懐かしさだけで眼が曇る。
 


・率直に言って、『デッドライジング』より『FF5』の方が楽しいのですけれども
 良い悪いとは違います。このふたつに良い悪いで点数差を付けられない。
 元人間のゾンビを美しい画面でなぎ倒す楽しさに興味がないことや
 懐かしき昔日への思い、美しきわが記憶の情景、というようなものを振り切り
 客観的に。


・『デッドライジング』は「『ゼルダ』ではないアクションアドベンチャー」である。
 『バイオハザード』や『メタルギア』と同じく。
 お話を遊び手に体感させていく過程を
 謎解きの積み重ねで構成するアドベンチャー
 操作する楽しさであるアクションゲームの方法を付加すると
 『ゼルダ』のようになる。
 もちろん、その前にもそれ以外にもいろいろあるけれども
 2Dでは『神々のトライフォース』か『夢を見る島』に、3D以降なら『時のオカリナ』に
 塗りつぶされて、その殆どは見えない。

・このジャンルに「なんでもできる」という切り口で見せたのが『グランドセフトオート』。
 次に何をすればクリアに近づくかが目的ではない。
 アクションやSTGではクリアすることが目的でなく目標であって
 その過程を楽しむことが主たる遊ぶ目的であるように
 謎解きをしない、効率良く処理する積み重ねが答えではない
 アドベンチャーゲームの形。指示されたお話を追っていくのでなく
 そこを舞台に遊ぶことが目的である点からすれば
 これはRPGである。

・お話を謎解きで進めていく過程を処理する手段のアクションから見せるのが
 シリーズの他に対する『バイオハザード4』の仕組み。
 『メタルギア』はシリーズを重ねるごとに
 楽しさがアクションとアドベンチャーだけでなく
 そこに用意された舞台でいろいろできる仕掛けを増やしている。

・「なんでもできる」のと「無駄がない」のはどちらが正しいでもない。
 『ガンパレードマーチ』に最初抱く感想は
 この構造が拡大し整理されて広がっていくならばどのようなゲームの楽しさも
 そこに内包できるのではないか、という可能性の楽しさだ。
 CAVEのSTGは、どんなにつまらないゲームを遊んだ後でも
 ゲームの楽しさが確かにここにあることを、すぐ思い出させてくれる。


・『デッドライジング』は、その仕組みは有りがちであるようだけれども
 技術的に出来なかった広々した舞台が特色であるアクション重視アドベンチャーであり
 洗練されていないけれども、これから良くなっていく土台を持つゲーム構造。
 「なんでもできる」は決められたことしか出来ないことを逆に強調しもするけれど
 コマンド入力式より選択式のほうが結局より多く「なんでもできる」のだ。
 『メタルギア』は効率良いクリアを突き詰めてビッグボスとなることでなく
 クリアの仕方に幅があるところが良い。
 『ガンパレードマーチ』は目標を複数持てるから良い。
 どこかで閉じているけれど、その範囲で広く遊ぶことが出来る。

・『FF5』は昔のゲームでありながら、RPGの一形態として、ボスを倒す工夫に
 STGのように専門特化して無駄なく美しいゲームだ。
 何かを操作する楽しさというアクションゲームの中でもSTG
 避けて打つということ、それだけしかできず
 けれどその狭い範囲だからこそ、自らを洗練、向上させる様を直接に感じられる。
 RPGの中で、街の住人と話し、建物の違いなどから画面に映る外にも景色を思い浮かべ
 そこに作られる物語を追う事も、それを体験できることも、とても楽しい。
 また同時に、物語の要求する困難へ協力しての勝利に
 筋書きでなく、自身の工夫でそれを成し遂げられるという新しい物語の創造も
 両立する楽しさなのだ。

・どちらが優れているとかではない。
 そのジャンルの枠組みで『FF5』は完成されているけれども、それも14年昔の話。
 14年後の『デッドライジング』は想像もつかない。



・しかしここで大切なのは。
 私が『デットライジング』をあまり楽しめず
 『FF5』も『カルドセプトサーガ』に入れ替えられて途中で放られる運命であり
 そしてお金さえあればその全て放り
 朝から晩まで『三国志大戦』を遊んでいるだろうことなのである。

・この前の大会動画や http://am.sega.jp/utop/news/hagyo_3/
 攻略DVDの宣伝動画を見よ。http://www.famitsu.com/sp/shosei_enbu/
 特に一番下のほうの手元画像付き動画を見よ。
 『三国志大戦』は現時点最高のアクションゲームでもあるのです。
 もちろん駒場祭は仕事なければ見に行きますけれども。
 お金あれば仕事行かなくて良いのに。


・どのゲームを遊ぶべきか、遊ぼうかの優先順位は
 今それを遊んで楽しさを感じる度合いの予想される大きさによる。
 そしてそれこそがゲームに付ける点数。
 しかしそれは今だけ、今日だけ、今晩だけ。
 次により面白さを感じるゲームがあればその点数は変わり
 過去は美化されSFCの『FF5』に付いた点数はこれ以上下がることは、恐らくない。


・ゲームの面白さとは何か。
 それは今遊びたいかどうかでは測れないものなのは確かであるので
 『FF5アドバンス』のように途中で放り出すものまた積み上げられて山になり
 狭い部屋を埋めて、されど処分することはかなわずあたわず。

・仕事から帰って今日一日で満足できるほど遊べるゲームを見出せず
 そして結局手を出さず
 何百本と積みあがったゲームの山を眺めて
 これは面白かった、これとこれを比べるとどっちが上か、と
 延々繰返してサイトに書いてみて満足させて今日を終えるのは
 ゲームを遊んでいるとは言わないが、ゲームで遊んでいるのであり
 ゲームに感じる面白さでは、あるのである。


・けれどそれは東大ゲーム研究会に比べてなんたる空虚、ああ無常。
 豊かさはお金でも時間でも知識でも頭の良さでもない。
 もちろんゲームの上手さでもない。
 社会人ゲーマーから明日はみえない。
 ただ積みゲームに埋もれ果てるのみなのでありました。