公式 http://www.capcom.co.jp/lostplanet/ ASIN:B000ESH6DC
・このサイトでは初代XBOXに冷たく全然書いていないことからもわかりますように
いわゆる「洋ゲー」に偏見があるのであります。
ほらあれら見た目がみんな同じに見えるし。
けれど向こう側からこちらに言わせても同じでございましょう。
変なアニメ絵ばかりでみんな同じに見える。
うむ。まったくその通り。
・見た目以外に、ゲームの中身で「洋ゲー」とはなんぞや、に自ら答えて曰く
主観視点で銃を撃ちまくるFPS。
PCで良く見るマウスでゴチャゴチャ多数のキャラクターを操るRTS。
『GTA』みたいなの。バスケやアメフトなどあまり縁のないスポーツもの。
・それからオンラインRPGも始めはあちら側から来た印象でした。
これのゲームはRPGばかり出ているどこかにはあまり見られないものであり
一時期、今後国内ゲーム会社は世界の潮流に取り残されて全滅するである、
という風にささやかれたほど違っているところ。
なぜにこれほど特徴付けられて分かれたのか、色々言えましょうけれども不思議です。
・お題の『ロストプラネット』は、見た目と違い「洋ゲー」ではなく
こてこて「和ゲー」でありそうな大阪にあるカプコン開発の
FPS風味TPS、3Dアクションシューティングであります。
・対応機種XBOX360。もちろん国内向けだけでなく「洋ゲー」市場にも、
いや「洋ゲー」市場を主として、お膝元にも一応売る種のゲーム。
まあ無視。360なら『アイドルマスター』は気になるけど難しそうなのはパスイチで。
という変なアニメ絵ばかりの市場は割と無視する方向であります。
・そうしないと食べていけないのだよ。
任天堂さまのように時代を掴む体力はないし
スクウェアエニックスが『FF13』等でするように開き直って媚びたりもできない。
『鬼武者』のように中身スカスカでも見た目飾って売るしかないのですよ。
という感じでございましょうか。
本作も相当中身スカスカで、お話は本当に見ていられません。
凄く駄目。とても駄目。もっともアクションなのでそういうところはどうでも良し。
ゲーム部分が良くできているのが良し。
クローバースタジオも潰して残るは
『ロックマン』などで培い永らえさせてきたアクションゲーム作法が生命線か。
・「洋ゲー」食わず嫌いのひとがFPSのようなについて書くはじめの今回は
外堀からあっさり軽めにまとめさせて頂きます。
・ジャンル3Dアクションシューティング。
その中でFPS、TPSとはなんぞや、というあたりについて。
・FPSとは主観視点の3Dシューティング。苦手です。
なぜあのような狭苦しい視界なのだ、後ろから撃たれたら終わりではないか。
ジャンプしたら着地地点が見えないではないか。
3Dアクションゲームはそれなりに慣れてきてはいても、あの見た目は受け入れられぬ。
最初がそうだったからいつまでもそうしているだけの
不完全なゲームシステムなのではないかと疑い疑い。
というのが遊ばないひとの目、FPSの見られ方。
・FPSはなぜ主観視点なのか、といいますと
銃で攻撃する動作をゲーム機のコントローラーで操作しようとするならば
そうするのがわかりやすいから、ということになります。
・銃を撃つ攻撃動作のゲームにおいて
もっとも照準を付けやすい、狙いを合わせやすい、遊びやすい、わかりやすいのは
どのような仕組みか。
これにはテレビゲーム最古の昔から答えがでています。
ガンシューティング。銃の模型を構えて画面を狙い撃つゲーム。
家庭用だとテレビ方式の問題だかとかもあって最近見ないですが
ゲームセンターではFPSなぞとは違い、ゲームに侵されている廃なかたでなくとも
気軽に遊べるそれであります。
・何をすれば良いかわかりやすい。
『太鼓の達人』がタイミング良く太鼓を叩くゲームとすぐわかるように
銃を画面に向けて敵を撃つゲームであるとわかる。
そのためにどのように操作すれば良いかもすぐわかる。
完成された仕組みのゲームです。
・自ら銃を構えて狙いをつける。
本物そのままに同じ。だから銃を撃つゲームでこれ以上優れた操作機器はない。
しかしではなぜFPSとかが存在するかというと
ガンシューティングでは移動操作が行い難いからであります。
できないことはない。銃に移動操作指示ボタンでも付ければ良い。
しかしそうすると狙いをつけている間、移動できないしその逆もしかり。
ならば両手に分けてすれば良い。
というのがWiiのヌンチャクコントローラーであります。
・ところがまだWiiは買えていないのでそれはとりあえず置いて
話を進めたい方向に誘導させていただきます。はい、もとい。
・ここで、ガンシューティングではなくFPSでもない、そしてWiiコントローラーでもない
銃を武器にしているアクションゲームを思い浮かべてみる。
横スクロール、ベルトスクロール、縦スクロール。
『バイオハザード』みたいなの。『エースコンバット』のようなもの。
その銃で、敵に狙いをつけるときどのように操作しているか。
・その多くは狙いをつけておりません。自機の向いている方に弾が飛んでいく。
なぜそうなっているのか。
それは自機を動かして、それとは別で同時に銃で狙いをつけるのは
特殊な操作機器を用いなければ難しいからです。
単純です。操作が難しいからそうしない。
ホーミング性能のないミサイルによる『エースコンバット』。
銃照準補正のない『バイオハザード』。できますができない。
・ガンシューティングの優れた敵を狙い撃ちできる仕組みと
ガンシューティングにできない、敵の攻撃をよけられる仕組みを併せ持つもの。
それは有り得るけれど、とても操作が難しいゲームである。
・例えばそれを、奥行きなくして2D平面で表現したのがマニア大好き伝統の2DSTG。
敵の攻撃をさけて、敵を狙い打つゲーム。
奥行きがないので、狙い撃ちするのは画面の一箇所ではなく軸の位置のみ。
敵の攻撃も画面の奥とか手前からはありません。
ガンシューティングの「狙う」からひとつ引いて「よける」にひとつ足したゲーム。
『罪と罰』などは3-2含めて、そこからさらに半分足して半分引いたようなゲームです。
・2Dではなく奥行きのある3D空間で、2DSTGのようにするととどうか。
STGの上下左右に加えて前後にも動くことができ
前方平面のどこへでもだけではなく、
自身を中心とした周囲のあらゆる方向を狙い撃てるシューティングゲーム。
それが理想。見ていない方向、背中方向に向けてでも現実では銃を撃てるのだから。
・それは無理。理屈では有り得ますけれどもゲーム機の操作機では無理。
『戦場の絆』(http://www.gundam-kizuna.jp/index2.html)のドームスクリーンが
後方足元までカバーしたガンシューティングになってもまだ無理。
そこにヌンチャクコントローラーを持ち込んでもまだ無理。手がもう一本欲しい。
けれどそうなら3本の手で銃を撃つ現実を再現しなければなりませぬ。きりがなし。
・極端に理想を追求するのは無理である。第一にテレビゲームのテレビ画面は平面だ。
であるからガンシューティングと2DSTGでしたように
「狙う」と「よける」を色々配分変えて試すのが妥当。
・自分の見えている範囲ならば狙い撃てる。
見えていない範囲でも前後上下左右に移動できるシューティング。
それがFPSという仕組みです。見える範囲だけ狙えるようにしたアクションSTG。
・なぜ主観視点であるのか。
見えている範囲、狙い撃てる範囲を明確にするため、であります。
操作しやすくするためではあるけれど、
動けるけれど動ける範囲を見えなくすることで「狙う」に集中させること、や
「よける」と「狙う」動作を一致させるため、ではない。
前者は、主観と客観を切り替えるゲームでわかるように
集中しているからではなく動けないから狙いやすいのであり
後者は、照準がなく画面中心に弾が飛んでいく種のFPSがあるように
わかりやすさとして重要ではありますが
「よける」操作の割合が相当に削ぎ落とされていると言えましょう。
・自機も見えるようにし、移動できる範囲をより見やすくする。
移動できる範囲をより明瞭にし、狙い撃つ操作は補正をかける。
TPS、3Dアクションの客観視点は、主観視点より「よける」重視。
「狙う」の操作がしやすくなるよう主観視点にするか
「よける」操作がしやすくなるよう客観視点にするか。
ガンシューティングの狙い撃つ楽しさをアクションゲームに持ち込もうとする際、
これらの配分差異で区別されるのがSTG、FPS、TPSというジャンル名であると言える。
・ああわかり難い。やはりFPSとやらはわかりにくいぞ。
群がってくる敵をかき分けなぎ倒していれば良いゲームの方がわかりやすくて良いぞ。
それはその通りですが
そのゲームにはガンシューティングにある狙い撃つ楽しさがないこともまた事実なり。
・『ロストプラネット』は、主観視点も客観視点も切り替えられ
狙っているとき移動できなくなる状態にも、武器により切り替えられます。
また照準画面中心固定設定も可能。
仕組みとしてはFPS、TPSを内包したアクションシューティング。
銃で狙い撃つ楽しさを中心に置いて、敵の攻撃をよける楽しさを端に置いて
幅を取り、操作しやすい方法を自由に選べる仕組み。
今後はこの種自体が広義のFPS、TPSと呼ばれて問題ない。
・アクションで良くあるダッシュ、ローリングなどの無敵回避行動がない。
防御がない。近接攻撃は一応あるけれどまったく実用的ではない。
敵の攻撃パターンとその間合いを見切り
全てを「よける」ことで圧倒的攻撃力体力差を埋めるゲームではない。
巨大な敵であれば弱点を遠くから正確に「狙う」ことでより早く倒す。
隠れている敵を遠くから正確に「狙う」ことで攻撃される前に倒す。
銃で先手必勝を「狙う」ゲーム。
『ロックマン』であるアクションシューティングゲームです。
そして確かにFPSの楽しさにあるそれ。
・基礎部分はジャンルFPSの積み上げを受けてしっかりしていますが
非対戦アクションゲームの肝であるステージ構成はもうひとつ。
探索要素がなく駆け抜けてステージボスだけ倒せば良い仕組みで
ステージのなかで自由に目的を見つけて遊ぶ方式。
『ロックマン』や2Dアクションの定石としてある
ボスへの導線として雑魚戦が置かれていない、という「洋ゲー」風であります。
しかし遊び場の種類が少ない。難度変えてもあまり変わらない。
このあたりは一人用オフラインはオンラインの練習場であるという位置づけか。
ここは今後への期待展開に、もう少し幅を持たせて充実させて欲しかったところ。
それともこれが限界の実力かと見られるところ。
・操作はXBOXのFPS準拠、『ヘイロー』などと同じ、であります。
XBOX、360の汎用コントローラーにFPSの操作体系を落とし込んだもの。
2本のアナログスティックで移動と照準を行いLRトリガーで射撃。
・ここも迂遠な話をひとつ。
・ゲームセンターにあるFPS、
『カウンターストライクNEO』(http://www.bandainamcogames.co.jp/aa/am/vg/counterstrikeneo/)は
専用筐体であるのにキーボードとマウス操作。
なぜにアクションゲームでキーボード。なぜマウス。であるというのは
RTSと同じく、FPSはPC出身であって
専用も汎用コントローラーもないところから出てきたゲームであるのです。
それに慣れているひとも大勢いる。
それでなければ駄目というひともいるからそうしたのでしょうけれども
専用筐体を用意できるゲームセンターでもそうするとは適当過ぎるぞバンダイナムコ。
タイトーですら『ハーフライフ2』(http://hl2survivor.net/)は
ツインスティックであるのに。
『アウトトリガー』(ASIN:B000069TAU)については
セガのお家芸、時代読み違え無理矢理移植として微笑ましく見ておきましょう。
・といったところで隣りを見ると
アーケード版『ウイニングイレブン』(http://www.konami.jp/we/ac2006/)は
PS2コントローラーで殆どのかたが操作されております。
これは上のキーボードマウスによるFPS操作と同じく
PS2コントローラー操作に慣れているから、同じことができるから、であり
同じことができるならば個人が、より良い方法を選べば良い、というところによる。
PS2のほうが優れている、というのはFPSはキーボードマウスの方が優れていると
同じ程度にいえます。
・FPSの操作方法はXBOX、360の汎用コントローラーでも
キーボードマウスと同じことができる。ゆえにどちらが正しいではなく
ツインスティック式が間違っているでもなく、より良いを選べば良い。
重要なのは、そのゲーム専用コントローラーを買わなくとも
本体買えば付いてくるもので無理なく遊べること。
キーボードマウスという専用でしか遊べないゲームではないということ。
RTSはこのあたりが壁。こればかりはWiiコントローラーでもまだ無理の模様。
・操作方式の面で独自の工夫としては、移動補助手段の「アンカー」。
『ヒットラーの復活』ではなく『ゼルダ』の、えーともとい
PS2版『バイオ4』エイダ編フックショットのように用い
ほとんどの場所へ打ち込めて、奥と縦への高速移動が可能。
敵に近接した時点で攻撃もでき、操作系にも無理なく組み込まれて良し。
FPSに標準装備して良い優れた移動手段です。
・オンラインモードは経験値でランクが付けられ
何種類かの専用ステージで最大16人同時対戦。ボイスチャットが基本で対応。
個々の広さは人数、時間の兼ね合いあって適当ですがステージ数がやや少ない。
攻撃範囲、機動力が向上するモビルスーツならぬバイタルスーツの扱いも
ほどほどで悪くないです。とはいえこれも対戦方式が狭いゆえによるところもある。
・DSの無料には負けるとはいえ
最大1ヶ月\819(http://www.xbox.com/ja-JP/live/join/goldmembership.htm)と
ゲームセンターで言えば1時間分で楽しめるのは大変素晴らしい。
これはゲームと関係ないですが
現状、世界中の様々な国の方が参戦していて日本人はむしろ少ないくらいであり
ドイツ、イギリス、イタリア、フランスといったところだけでなく
台湾、アイルランド、オランダなどの名前を見ると単純に嬉しいものであります。
U.K.とかネーデルランズとか中華民国ではないのですね。
・まとめて言うと『ロストプラネット』は
FPSとして国内産海外模倣作であり
アクションシューティングとして見た目スカスカで心配になるが地は良く
国内向けTPSとして見ても、ステージ構成、難度設定など取り付きやすいが
幅や深みはそれほどなく、オンラインに飽きるとそれ以上ではなくなる発展途上。
・以上、FPS種をあまり遊ばないひとの感想であります。
本場最高峰として評判高い『ギアーズオブウォー』と比較すると
よりその姿、明確になってまいりますでしょう。
アクションゲームというものはその全容が捉えがたい。
その全体にではなく、個々過程一瞬の価値の累積にその価値があるゆえに。
・まあ、なぜ全容を捉える必要あるのですか、とも言える。
なぜならそれがこのサイトだから。そこにゲームがあるからなのであるのである、と。