ゲームのジャンル分類について


・今回は、前回から導入しました、タイトル横につけているタグの
 ゲームジャンル分けについてのこと。

・ここ(http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/00000000#p2)にも書いてあるのですが
 以下の通り、4つに分けております。

 [ACT]:ACTion game/アクションゲーム
    操作することの上手い下手がゲーム評価となるもの。
    STGシューティングゲーム)やRCG(レーシングゲーム)などを含む。
 [SLG]:SimuLation Game/シミュレーションゲーム
    数値を操作する工夫がゲーム評価となるもの。
    カードゲーム、ボードゲームなど非電源ゲームをテレビゲームとしたものや
    SRPGシミュレーションロールプレイングゲーム)と呼ばれるものも含む。 
 [AVG]:AdVenture Game/アドベンチャーゲーム
    用意された状況で捜査/操作して体感、読み解いていくもの。
    ノベルゲームなどを含む。
 [RPG]:Role-Playing Game/ロールプレイングゲーム
    上の3つに含まれないもの。
    また、ゲームが影響する現実の話題も含む。
    全てのゲームは役割を演じるゲームの部分である。
    人生もまた見方によっては、誰かのゲームそのものである。

・凡例に倣ったのですが、なぜアクションゲームはACGでないのだろう。
 いらつき。根掘り葉掘り問い詰めたい。

・もとい、なぜこのように分けたのか。
 次は、6つあるそれぞれの境界事例によりまして
 この分類が意味するところ説明させていただきます。
 

ACT+SLG A・SLG/アクションシミュレーションゲーム

・いきなりそんなものあるか、という感じの組み合わせですが、沢山あります。


・『シムシティ』は、どうみてもSLG。都市育成SLGです。
 しかし、ゲーム速度、ゲーム内の時間経過速度を最大に早めて、かつ
 時間内に目標を達成しなければならない、というキャンペーンマップがあったら
 そしてコマンド選択中の時間停止が不可ならばなお
 それは、かなりアクションゲームのようであります。
 そして、その効率を同じマップ内にオンライン対戦相手を置いて競う、という仕組みは
 RTS、リアルタイムシミュレーションゲームと呼ばれます。
 これはアクションか、それともシミュレーションか。どこからそうでしょうか。


・もうひとつ。パズルゲームの単純なもの、
 15パズル、ジグソーパズル、クロスワードパズル、数独ピクロスなどは
 それをテレビゲームとして画面越しに操作することに
 どれほど意味があるのか、と疑問になるほどです。
 けれど『テトリス』『ぷよぷよ』をゲーム以外で表現し得ようとは思えません。
 『テトリス』はパズルなのか。では『きね子』はゲームにする意味があるのか。
 

・この2例からも、ACTとSLGがどういうものなのか、というのが浮かび上がってきます。
 操作が主体ならアクション。それが弱ければシミュレーション。

・結局どっちなのか、の線引きは、そのゲームごと、ゲーム内のゲームモードごと、
 さらには遊び方によっても違うでしょう。
 1人で遊ぶ『テトリス』。オンライン対戦の『テトリス』。
 ひとりで遊ぶクイズゲーム。誰かと競うクイズゲーム
 同じ仕組みでも、別物です。

ACT+AVG A・AVG/アクションアドベンチャーゲーム

・一言で言うと『ゼルダ』みたいなの、であります。

・『メトロイド』はACTかAVGか。
 『メタルギア』はどうでしょうか。どれでもありそう。
 ではACT要素がない、というと語弊がありますがPSPの『アシッド』はどうか。
 『プリンスオブペルシャ』の初代はACTだけれども
 『スプリンターセル』シリーズについてはどうだろう。


AVGに重きを置いて、謎解きをする方法に、どれだけ操作の上手さが必要か、
 とすれば、ほとんどがAVGに見えてきます。
 けれど『メトロイド』がAVGなら『悪魔城ドラキュラ』もAVGなのか、
 といわれると、それは全然違う気がする。

ACT+RPG A・RPG/アクションロールプレイングゲーム

・いやいや『ゼルダ』はアクションRPGだろ、という見方もありましょう。
 ではAVGとは何か、RPGとはどう違うのか。まあそれは専門項に譲って
 ACTの比重がどの程度高ければAVGRPGでなくACTと言えるようになるか、
 SLGとの項と同様に見てみるべき。


・ACTゲームにも謎解きのあるものとないものがある、のが判ります。
 対戦格闘に謎解きはない。銃を撃ちまくるゲームに謎解きはない。
 この手でそれがあるとすれば、正解ルートを探すとき。
 つまり1人用モードです。

・どんなアクションゲームも、ひとりで遊ぶようになったとき
 もっとも効率良くクリアするための正解が決まります。
 対戦モードでは決まらない。正解はない。
 相手によって、相手のきまぐれによってそれは変わるからひとつではありえない。
 正解を、探す必要があるかどうかはともかく、それがあるかないか。
 解くことが可能である謎があるかないか。
 そこがACTとAVGの明解な分かれ目です。

SLG+AVG S・AVG/シミュレーションアドベンチャーゲーム

・そもそもアドベンチャーゲームってなんなんだ冒険なんかしないじゃんか、
 それにノベルゲームのどこが謎解きなんだ、という感じです。
 恋愛シミュレーションゲーム、『ときメモ』等の
 近傍に位置するものがここになるでしょう。
 代替現実ゲームなども当てはまります。


・人間関係をゲーム上の登場人物でシミュレートして
 遊び手にそれを操作させるゲーム。
 その舞台が学校でも軍隊だろうが、目的が異性との友好度を最高にすることだろうと
 ここまではシミュレーションゲームです。

・ではアドベンチャーはそのどこにあるのか、というと
 友好度を高める行為が、ゲームとして選択肢で用意されている以上、
 そこに正解があるから、ということになります。
 『人狼BBS』のようなゲームであれば、それはより明確。
 

・『ベストプレープロ野球』で選手データをどういじろうとそれはSLGです。
 しかし、ある制限のもと最高に強いチームでも競争馬でも、作ることを競走する、
 というようにゲームのルールを変えると、その程度によって正解をつくると
 そこには謎解き、正解にたどり着くためのゲームが生まれる。

AVGを、SLGという枠内でシミュレートしているといえましょう。
 一定条件下での目標達成ゲーム。それがAVGです。

SLG+RPG S・RPG/シミュレーションロールプレイングゲーム

SRPG、という名前で『エムブレム』みたいなの、は呼ばれています。
 これはシミュレーションAVGとはどう違うのか、は次項にまた譲って
 A・RPGとの違いは何か。
 

・ここまでで3回出てきたSLG。シミュレーション。
 本来の言意は置いて、ゲームでの使われ方は
 舞台となる背景や登場人物を、操作できる対象として、数値で表すこと、
 と言えます。
 ACTの操作対象と、SLGのそれとの違い。それは操作が難しいかどうかではなく
 直接か間接か、手動か自動か、『ウイイレ』か『サカつく』かの違い。
 『聖剣伝説』と『FFT』は全く違うゲームです。

・操作するということの目的が違う。
 上手く操作することが価値であるものと
 操作した結果が上手くいくことが価値であるもの。

・将棋だの麻雀だのボードゲームの類もみな、ゲームで言うならばSLGです。
 操作できること。それがテレビゲームの他のゲームとの違い。
 ボードゲームも操作できます。しかしボードゲームで『テトリス』はできない。
 ACTは全て再現できない。
 テレビゲームでしかできない操作するゲームがACTゲームであり
 そうでなくとも操作できるように整理してルールを定めたゲームがSLGです。  

AVG+RPG アドベンチャーロールプレイングゲーム

・では最期。AVGに対してRPGとはなんぞや、というところについて。


・一般に、RPGのような、というところは
 キャラクターが話の展開に従って成長するところ、で象徴されています。
 では、AVGで話の展開上キャラクターが成長するとどうなのか。
 そこには成長したことを実感させる演出が必要です。文章や視覚表現では駄目。
 操作できることがテレビゲームである。であれば操作することに
 その成長を実感させなければならない。
 
・他のどれより、AVGではそれが難しい。
 成長していなかったときと成長したときの差を感じさせるのが難しい。
 AVGとは、謎解きゲームです。用意された答えがあります。
 それに早く正確にたどり着いたものが勝ち、というゲーム。
 ここで成長している、経験を積んでいるということは
 答えを既に知っている2周目である、ということになる。

・それをゲーム内の数値として反映させて良いかどうか、が
 テレビゲームでみた場合のRPGAVGの違いです。
 『ゼルダ』はAVGRPGか。『不思議のダンジョン』はAVGRPGか。
 経験、成長、答えと知識、その蓄積。RPGではそれが有り。AVGでは無しです。


AVGでも、遊び手が成りきる登場人物は成長したように描かれるものもある。
 しかしそれは、ゲームを解けたかどうかの結果判定でしかなく
 数値的には蓄積で達成していても、遊び手が本当に理解しているかは判断できない。
 だからRPGの方が、成長していることがわかりやすくできる、とも言えるでしょう。

・ゲームの外、この現実は、ゲームのように達成勝利判定を誰もしてくれない。
 だからAVGではなくRPGなのです。
 知識を経験として蓄積できる。しかし本当に課題を解っていて達成できたのか。
 偶然ではなくて。見かけだけでなく実を持って成長して。
 それが判ることはない。そこがゲームでないところ。
 エンディングはありません。ゲームーオーバーはあるけれど。 
 
  




・何かをゲーム化したいと妄想する時、ACTかSLGAVGRPGか。
 このどれかで全て想定できるはずです。

・4つだけ。分類は、細かくすれば良いものではないのであります。
 雑多様々多種並んだ中に、共通するところを見つけて、順序良く並び換える。
 そういうをすることも、ゲーム好きにとってはとても面白いものなのです。


・これは10点満点で8点のゲームである。こちらと比べて優れている。
 しかしあれより劣るそれには劣るが、あれは満点とは言いがたいのだから
 あれが9点それ8点、いやでもこれ7点は、中間6に対して低すぎる、などと
 ゲームに点数を付けてみる。これもまた実に楽しい。

・ゲームにつける点数というものはなぜか
 平均とか、他と比べてどうか、で評価してしまいます。
 それは、他の小説とか音楽とかの表現様式に比べて
 客観の良し悪しがはっきりしているように映るからなのでありましょう。
 素人目にも比較検討可能である。スペックの違いがわかりやすい。
 
・それゆえに、
 このゲームを他と比べると、どうしたって出来は悪いのだけれども
 けれど悪くない、良いゲームなんだ。面白いのだ。
 だからこそ、こういうようにも言えるわけです。


・ゲームの面白さとはなんぞや。
 そんなことに思い巡らしている間があるなら、遊んでみれば良いのである。
 さすればわかる。確かにゲームは面白い。
 点数とかジャンルとか、それゆえこれは面白いのだ、となどは出てこない。
 ひとに好きなゲームを薦めるときに理屈は不要。良いから黙って遊んでみてくれ。

・しかし、不要だけど、ゲームに点数付けたり傾向で分けたりの順列付けは面白い。
 ゲームだって不要な遊びだから。
 順列付けたって面白さは変わらないから。
 それでもそれで遊ぶのは、それが面白いからなのです。