『Puzzle Quest: Challenge of the Warlords』

 公式 http://www.xbox.com/ja-JP/games/p/puzzlequestchallengexboxlivearcad/
 DS,PSP版用サイト http://www.d3p.co.jp/p_quest/
 DS版(ASIN:B000T8YR0MPSP版(ASIN:B000SYDJT2)もあり。
 DSとPSPは\2,800。360のライブアーケード版は1200ポイントすなわち\1800。

・移植はシンプルシリーズのD3パブリッシャー、開発はInfinite Interactive。
 対戦パズルゲームでございます。


・対戦パズル、というと『テトリス』系列でおなじみのように
 同時に遊んでも画面を左右に分けて、同じように落ちてくるブロックを
 どちらが正確に速く積めるか、という方法が思い浮かぶのでありますが
 この『パズルクエスト』は、同じひとつの盤面上で、交互に一手ずつ指す方式。
 囲碁とか五目並べのような感じのゲームであります。
 こういうのは、なるほど、意外に今までなかったかもしれない。


・縦か横にふたつのパネル位置を入れ替える方式で、三目以上並べると消え、
 上に積まれていたブロックが落ちてくるルール。
 ようするに『ZOOKEEPER』である。
 Shockwave:ZOOKEEPER(音注意)http://www.shockwave.co.jp/games/puzzle/actionpuzzle/zookeeper/
 違うのは、一手指したら次は対戦相手が指す、という点。

・特定種類のブロックを消すと、相手にダメージを与えられる。
 色付きブロックを消すと、その消した枚数分を使って
 相手体力にダメージを与えたり、盤面の特定パネルを消したり増やしたり
 体力を回復したりの特殊行動が可能。
 また、3ブロック縦か横に並べれば消えるのだけれど
 4ブロック以上1度に並べられれば、連続行動可能。


・『ZOOKEEPER』は、とにかくにも長く続けることでハイスコアを取るというゲーム。
 『テトリス』『ぷよぷよ』も1人用モードはそうで
 最高速度でどこまで集中力を切らさずに入れるかの我慢大会である。
 DS版『ZOOKEEPER』(http://www.success-corp.co.jp/software/ds/zookeeper/ ASIN:B00068C9VE)は
 シリーズ初の対戦モード付きですが
 ようするに1人用を別々同時に始めて、先に根が尽きた方が負けというだけのもの。

・対戦相手にお邪魔を能動的に、つまり任意の機会と程度で送り込める
 『ぷよぷよ』の方が対戦ゲームルールとして採り様が多いですが
 同時でなく交互。次の一手を打つ相手が有利にならないよう、
 次の次に、次の次の次の次に、有利になるよう立ち回らなければならない、
 という点で、
 『パズルクエスト』は、さらに奥深いものとなっているというわけであります。



・4ブロック以上並べての連続行動。次に優先が相手にダメージを与えるブロック消し。
 そして色付きブロックを貯めての特殊行動を取るための行動と、取らせないための一手。
 落ちてくるブロックは、次の1ラインが見えているわけではなく、ランダムなので
 完全正解、盤面この一手といえるものがあるわけではない。必ず無い。
 失着だと思っていたら落ちてきたブロックが次々連鎖してまさかの大逆転勝利、
 などとなったときは、むしろ喜ぶより理不尽さに怒りが湧く、という手のルールです。


・CPU戦では待ち時間なしもあるのですが、上のように、
 よくよく思い巡らしたからといって、正しく答えにたどり着けるわけではないので
 制限時間をつけたほうが楽しく遊べます。
 相手に有利にならないように。次の次に打つ特殊行動を見越しての動き。
 ランダムだけれど、テトリス棒待って耐えるだけでなく
 折り返しを積み上げて全消し機会待ちするのでもなくて
 体力の削りあい、任意ターンでの特殊行動発動が可能なことが象徴するように
 待ちがなく、といって溜めがないわけでなく、常に攻めでも守りもが選べるという
 相当以上に自由な対応が可能である対戦パズルなのです。
 1ゲームに時間がかからないのも良い。
 素晴らしく良く出来たルールです。
 


・動かせる駒がなくなると、貯めていた色付きパネル数ごと盤面がリセットされるという
 ルール整備の面や
 スコア蓄積して体力を増やしたり特殊行動パターンを組み合わせたりする間口の広さ、
 長く遊んでもらうための工夫、
 1人用だと、一定時間で動かせる駒を示してくれるもうひと手間、
 アイデア一発勝負ではない製作の丁寧な仕事が窺えますが
 パズルゲームにしても割と低予算で作られていて
 絵や音、演出みな、良く言えばシンプル。

・特に、D3パブリッシャーによるローカライズはシンプルを超えて手抜きの域で
 句読点は滅茶苦茶だわ改行は何も工夫してないわ誤字脱字はどこにでも必ずあるわで
 お金を払いたくなる出来でない。これほど酷いのは見たことないです。
 最低です。


・しかしそのゲームルールは、
 寡聞にして私が知らないだけで過去に同例があったかもわかりませんが、 
 時間制限のある、つまりランダム制である対戦パズルゲームとして
 とかく連鎖待ち積み込み速度向上のみにある落ちもの系パズルに対し
 相手の次の一手を織り込まなければならないという圧倒的な違いをもって、
 『ティンクルスタースプライツ』から『旋光の輪舞』のような、というと違う気がしますが、
 『テトリス』から『ぷよぷよ』に並ぶ一大転換を成し遂げた1作であると申せましょう。
 傑作です。



・シンプルなゲームだけに以上、感想も簡潔に。
 歴史に残るゲームアイデアと簡素だが丁寧な仕事、そして最低程度の日本語版。
 パズルゲームとして遊ぶ分には問題ないので
 是非、この類を見ないゲームルールをライブアーケード体験版などで
 確認していただきたいですが
 D3パブリッシャーには、今後お金を払う気になれません。