『戦国大戦 1560 尾張の風雲児』

 公式サイト http://www.sengoku-taisen.com/
 戦国大戦wiki http://www29.atwiki.jp/sengoku-taisen/

・4年半くらい前から稼動しているアーケードゲーム三国志大戦』。
 読んで字のごとく、その戦国時代版。2010年11月10日稼動開始。

・出てくる登場人物を変えて見ためを変えた同じゲーム、というわけではなく
 筐体も一新、細かくさまざまいろいろ違いはあるのですが
 ゲームとして基本的なところは同じです。
 日本各地のゲームセンターとオンライン対人対戦がメインモード。
 協力要素はなく1対1。
 武将を表すカードの置いてある位置を操作することで部隊を動かす形式の
 リアルタイム戦争シミュレーションゲーム
 カードすなわち部隊を動かす操作指示する技術がものを言うアクションゲーム。


・オンラインアクションゲームはチームを組んで協力して対戦、というものが
 家庭用ゲームでもアーケードゲームでもこのごろ良く見られる気がしますが
 こちらは1対1のみ。
 カードを使うゲームなので、紙をばら撒いてお金に変えるトレカ商法そのもの、
 と言われたらば、ずばりその通りなので反論できないお金のかかるゲーム。

・しかしそれでも『三国志大戦』はゲームの歴史に残る名作。
 知名度はあまり高くないけれど間違いなく傑作。
 すごく面白いゲームなのです。
 私も、遊び始めた4年前から時代を5年先取りした革新的傑作と褒めちぎり
 今でも未だに週に一度は遊び、頂上対決は毎日のように見る。
 総計費やした金額は普通のゲームソフト100本分は下らないかというほどで
 それ以上にこの4年のゲームに割く時間中かなりをこのゲームが占めている。
 それくらい私にとって合っている良いゲームなのです。
 1対1のオンライン対戦だから気を使うこともないし
 戦争シミュレーションでも将棋のように頭使うわけでなく
 操作の腕次第で全てが決まるほどアクションゲーム寄りでもないところも良い。


・大きな欠点はあります。
 ゲームの仕様からして専用筐体が必要で、それが1台何百万円もするので
 ゲームセンターでしか遊ぶことが出来ない。
 稼動しているお店が気軽に遊びに行けるところにあるひとばかりではありません。
 DS版もあるのですが、一度に1部隊しか動かせない仕様の限界がある。
 そして値段が高い。
 1時間で千円以上の勢いでお金が飛んでゆくのは
 車やお酒や賭博といった趣味に比べれば安くとも
 自分の自由になる収入のない学生には無理な金額。

・そして結果、残念ながらこれほどの作品がそれにふさわしく認められているとは
 この作品を面白いと思う身からすれば認めがたいのであります。 
 面白いのに。すごく良く出来ているのに。


・そこでこの『戦国大戦』。
 『三国志大戦』の方も今年6月にカード追加の大規模Ver.upがあり
 また同じく今年7月から、韓国、台湾、上海、香港、シンガポールとの
 海外対戦も開始して、まだまだ続いているのですが
 ここで心機一転蒔き直し。
 三国志は興味なくとも戦国時代なら、というひとや
 前から気になっていたのでこの機会に、という方も
 是非『戦国大戦』をお試しに遊んでみていただきたい。
 値段は高い。3ゲーム¥700。
 (1ゲーム¥300だが最初に¥700投入することで途中負けても3戦遊べる形式)
 (2010/12/31追記 12/24のVer.Upで¥600に変更)
 そしてもちろん近くに入荷しているゲームセンターがなければ遊べない。
 (公式サイトの設置店情報 http://www.sengoku-taisen.com/location.html
 しかしその高いハードルを越えてでも、遊ぶ価値あるゲームであります。




・ではゲーム内容の感想のほう。
 ご存知シェアードワールドの舞台として大人気の
 日本の戦国時代の武将がたくさん出てくるゲーム。
 三国志と違って鉄砲だの大砲だのも出てきます。
 地元の戦国大名勢力を使って遊べる、というのは
 確かに三国志には出来ない売りでありましょう。海外展開は無理ですが。 

・どういうゲームかは、実際ゲームの動画を見ていただくのが早いのですが
 『三国志』の方と違って公式認定ネット公開動画がいまのところない。
 リプレイ動画作成サービスもまだ開始されていない。
 非公式黙認動画はあるわけです。あるわけですが、微妙なところである。
 ネットで検索すれば見ることができるけれど
 ゲーム会社としては訪ねられたら駄目ともちろん答えるものである。
 ネット上に公開する権利は著作権法からしセガ社にしかないのである。
 むむむ。
 YouTubeニコニコ動画セガ自身が頂上対決を公開してくれれば
 何も問題ないのですが。
 せめてこういうゲームだというサンプルに
 一試合収録したものを公開しておくくらいはして欲しい。


 2010/12/31追記
 と書いていたらようやく公式の動画がひとつ公開。遅い。
 しかし公式動画がニコニコでコメントされているのは実にシュールであることよ。 
D
 R高坂昌信率いる武田単「疾風の陣デッキ」と
 R斉藤朝信+SR加藤段蔵に今川槍三本の対決。
 関口氏広「誘導」+斉藤「鍾馗の銃弾」が高坂「疾風の陣」相手に機能し難いので
 忍+騎馬である加藤の働きが鍵。
 地形も機動力に欠ける手前には嫌なところ。
 開幕伏兵踏みミスが痛いながらも、鉄砲弾補給がさすがで上手く取り返すが
 最後の大筒で高坂1人にしてやられたのが痛恨。
 「疾風の陣」の士気4の軽さと武田勢の素能力高さが利いた、良い対決でした。
 なんとなくどんな感じか伝わりましたでしょうか。
 静岡出身としては「蒲原」でなく「浦原」の誤表記はかなり不快ですよセガさん。
 セガ本社は浦田にあるのですか。


・武将カードの話題。
 これは公式サイトの武将カードランキング(http://www.sengoku-taisen.com/ranking/ranking_card.html)で
 公開されているので良いのではないか。
 戦国風だと良いではないか。ではないか。
 ネットのカードショップだと大きめの絵が見られます。
  カードショップ -遊々亭- http://yuyu-tei.jp/game_sen/sell/sell_price.php?ver=1.0&type=all
 データ面では攻略wikiを参照。
  戦国大戦wiki カードリストhttp://www29.atwiki.jp/sengoku-taisen/pages/14.html
 カードから確認できるデータだけでもいろいろ楽しい。
 勢力分けはどうなるのか、武田信玄上杉謙信の能力値はどうなるかなどなど。

・ご覧のように副題「1560 尾張の風雲児」の通り、時代は桶狭間の戦い前後。
 勢力は「織田」「武田」「上杉」「今川」「他」と今のところ5勢力。
 「他」勢力は三好、六角、斉藤、北畠、足利将軍家などの混成。

三国志は魏呉蜀とその他、というように分けやすかったものの
 戦国時代はどうしたって出したい大名家を並べるだけで
 カードゲームとして勢力色数が多すぎてしまうけれど、どうするのだろうか、
 という疑問にとりあえずの答えが出た形。

・前提として、なぜカードゲームだと勢力数がたくさんあったらいけないのか。
 逆になぜ『マジックザギャザリング』はカードに色を付けているのか。
 ゲーム理論てきにまともに書くと長くなりそうですが
 簡単に言って、色別勢力ごとの個性付けがあるほうが
 カードを組み合わせてデッキを組むカードゲームとして
 覚えやすくゲームとして幅ができ強弱調整もしやすいから、と思われます。
 同じく多勢力にならざるをえないプロサッカーの『WCCF』や
 『ベースボールヒーローズ』などと比較すると
 勢力別にわける意味がわかりやすいかも。

・他軍に斉藤親子がいるのに織田軍に西美濃三人衆がいることや、
 群雄伝という1人用のストーリーモードにおいて
 織田家の美濃攻略までが描かれていることなどから
 1560年きっかりでなく1560年前後で各勢力調整を取った設定と思われます。
 他軍に登場している勢力も勘案すれば、
 次のVer.は毛利元就北条氏康が登場できる1570年ごろから
 織田家全盛期である1582年くらいまでになると予想。
 追加は北条と毛利のみで他に浅井朝倉本願寺。松平徳川は織田軍内。
 その次では武田と織田がなくなって羽柴と柴田と徳川と島津と伊達が追加、
 長宗我部大友龍造寺最上蘆名佐竹と真田あたりが他、と妄想。
 これでも伊達北条上杉武田今川徳川織田柴田羽柴毛利島津と他で12色。
 多すぎるぞむむむ。


・とまあ妄想はともかく
 現在のVer.では今川家が一勢力として構えているのが驚きの魅力。
 太原雪斎もまだ生きていることになっておりまして
 三河の下で終わった観ある静岡中西部民には嬉しい展開かもしれない。
 今後Ver.での新規カード追加で今川家や今回その他になった勢力に
 追加があるかといえば、おそらくないでしょうけれど
 使えなくなることはない、と思われます。
 どうなるか楽しみです。

・武将それぞれをみていっても楽しい。
 最高武力が上杉謙信4コスト武力12。最高統率は3コスト太原雪斎の12。
 武田信玄が3.5コストで武力10統率11。他に11以上は上泉信綱の武力11のみ。
 なるほどなるほど。追加武将がここにどう加わってくるか。
 武力で12に並べるのがいなさそうですが、統率はSR豊臣秀吉とかかしら。

・忍び認定が加藤段蔵、出浦守清、望月千代女らに加えてなんと恭雲院。うむ。
 女性武将と言えば井伊直虎やお田鶴の方はわかるけれど
 上杉謙信の母親である虎御前とかとか今川義元の母親の寿桂尼
 このひっぱってきどころはなかなか。
 謙信は1530年、義元は1519年くらいの生まれらしいのですが
 特に後者の1560年での年齢は、と調べると早川殿を通じて忍びが放たれそうだ。



・ええ、ゲームの内容からものすごくそれているので修正。
 今度こそまともにゲームの内容にせまります。

・『三国志』とゲーム勝敗に関わる重要な変更点は
 鉄砲部隊という新兵種の追加。部隊同士が接触時に「はじき」が追加。
 戦場中央に大砲、もとい大筒が設置。攻城時に虎口攻めが追加。


・『三国志』では騎馬兵、槍兵、弓兵が3すくみの関係。
 騎馬が行軍の速さで弓の攻撃をあまり受けないうちに突撃できる、
 弓は足の遅い槍を近づいてくる間にたくさん攻撃できる、
 槍は突撃してくる騎馬を迎撃して大ダメージを与えられる、
 という処理。実際の戦争でどうしていたかはご存じないですが。

・『戦国』ではこの3兵種とほぼ同列に鉄砲部隊が追加。
 鉄砲は弓と同じく遠距離から攻撃でき、弓より攻撃ごとの威力が高い。
 その代わり弾切れがあり、再装填中は攻撃できない。
 単純に同じ武力だと瞬間的攻撃力は鉄砲と騎馬の突撃が同じくらい強い。
 騎馬は槍に迎撃されて逆に大ダメージを負う危険の見返り。
 鉄砲は弾切れ中は騎馬に突撃、槍につっつかれ弓に撃たれる無防備状態。

・カード能力値表記の知力が統率に変わったのは、語感だとか
 時代の違いによる将官に求められる軍法の違いとか
 そういうことではなく
 全種類の部隊がぶつかり合ったとき「はじき」が発生することを表すもの。
 「はじき」は『三国志』でも象兵が持っていたものに似ていますが
 『戦国』では騎馬も槍も鉄砲も敵部隊とぶつかり合うと
 率いる武将統率値の低い方が、後方にはじかれる。
 武力がどんなに高くとも、統率が低ければ前に進めない。

・と文章で長々書いても
 『三国志大戦』を遊んでいるひとにはなんとなくわかるかもしれないけれど
 公式サイトの動画付き説明を見たほうがわかりやすいに決まっているのである。
  遊び方 戦闘について http://www.sengoku-taisen.com/play/play0201.html
 ううむ明らかにわかりやすい。
 でもゲームを遊んだことが一度もないひとにはこれでもわかりにくいか。
 もちろん文章だけではなおわからないわけで
 やはり実際対戦している動画が欲しい。



・それで鉄砲が追加されたどうのこうの、大筒だのどうのでどう変わったのか、
 遊んだ感想だけ書きましょう。


・鉄砲は弓と違い、攻撃範囲が明示されるのが面白い。
 狙いを付け射撃用意態勢になると攻撃範囲が表示され
 自軍敵軍とも鉄砲の攻撃しようとしていることとその範囲が確認できる。
 射撃体勢に入ると鉄砲隊は動けなくなり、撃つ方向も変えられない。
 そしてこの範囲が表示されてから、実際弾が飛んでダメージが入るまで
 時間が止まらないのである。撃っている間に両軍とも動けるのである。
 範囲が見えてから急いで逃げれば当たらないのだ。
 全弾避けることはできなくとも命中数、ダメージ量を減らすことができる。
 鉄砲隊が敵に逃げられないよう少しでも多く当てるには
 遠距離攻撃でありながら、できるだけ敵に近づかなければならない。
 ここが、攻撃届く範囲でなるべく遠く敵と距離を保つほうが良い弓との違い。

・一度発射態勢に入れば乱戦していようが、
 騎馬の突撃以外では発射キャンセルできないので
 鉄砲に対抗するには騎馬が必須。狙わせて即逃げる囮としても重要。
 そしてその騎馬に対するには槍が必須。
 鉄砲主体のデッキ構成でない限り騎馬も必須。
 つまり槍と騎馬編成、槍と鉄砲または弓編成、
 もしくは三兵戦術諸兵科連合のいずれかになる。


・勢力の特徴として、上杉は槍が弱く、織田は騎馬が弱く、武田は鉄砲が弱い。
 槍と弓ばかりの今川は計略頼り。他はばらばらいろいろ。
 この特徴づけは、これはこれで歴史シミュレーションとして面白い表現。

・そういうなかで現状として、鉄砲がそれほど活躍できていない。
 結果武田のひとり勝ち。
 弾切れというのが大きく欠点とみられていること、
 はじきを活かした鉄砲の位置確保連携が確立していない、
 さてまた織田と上杉の総合的な武将能力の問題か、
 遊ぶ方が慣れていないので、みなが使っていないと様子見からか。
 いろいろ思惑ありましょう。最後が一番大きそうな気はしますが。

・『三国志』に比べて、はじきに対して槍の不利が少なく
 また騎馬が迎撃を取られ難いので
 使い慣れた槍騎馬編成が持てはやされている。
 ちなみに、コスト1に騎馬と鉄砲隊が存在しないのですが
 そのあたりセガも配慮したな、というおもむきであります。
 まだまだ始まったばかりの混沌只中、
 今後どうなるか五里霧中。


・大筒と虎口攻めの追加で変わったのは
 序盤の伏兵踏みと柵壊し、中盤から奥義をからめて城ゲージは士気差を作る道具、
 という『三国志』での攻防展開への変化。
 自城をとにかく守っていれば負けはない、ということがなくなり
 少なくとも戦場真ん中の敵を追い払うことはしなければならない。
 また陣計略という『三国志』になかった概念の追加も
 大筒制圧の戦いに絡めて面白いところ。

・陣計略は、計略使用者位置を基点に、強化や妨害の効果範囲を敷くもので
 計略使用部隊が動くと、効果範囲も一緒に動く。
 効果時間は変わらず計略使用者の統率値準拠なのですが
 強化ならその陣から出てしまうと強化効果を受けられないので
 計略発動時だけでなく発動中ずっと部隊配置に影響がある。
 当然妨害の陣なら敵部隊の統率値に関わらず効果がある。
 そうすると妨害において統率値の意味が無いようですが
 そこで部隊間で連携して、敵をはじいて配置を乱すことで
 低武力高統率の部隊にも、強化時の頭数や妨害計略要員だけでなく
 お役が回ってくるわけである。

・特に織田軍で、敵城へ攻城にいくのでなく
 大筒周辺に陣敷いて居座り、寄らば鉄砲で撃つ、という戦い方ができるような
 武将能力や計略が割り振られていて面白い。
 今後研究が進めば、よりいろいろ見えてくるでしょう。


・虎口攻めは、『三国志』の「一騎打ち」に代わる演出と言えるでしょうか。
 運要素があり、時に勝敗へ大きな影響を及ぼすが
 影響が少ないようデッキ構成や勝負中の立ち回りで配慮することもできる。
 対人対戦ゲームに運の絡む要素はいらない、という意見もあるわけですが
 対戦相手とのデッキ相性差という点で
 彼我の戦力がまったく同一の将棋や囲碁とは違うわけで
 その差をあるいは埋め、あるいは広げ、揺さぶるために
 ある程度振り幅は必要なのかな、とも思います。
 ただ今の演出は一試合最大2回とはいえ長過ぎるかも。
 ダメージ量なども含めて、調整の余地というより課題のひとつか。



・総じて、稼動開始1ヵ月時点では、『三国志』とそれほど変わっていない印象。
 鉄砲やはじき効果がまだまだ様子見で、
 同じような部隊運用が通用する。
 大筒占拠は目新しいけれど、士気や奥義の使いどころもそれほど変化なく。
 カード総数が少なく、デッキバリエーションが広いとはいえない、
 いや、というよりまだ、武将カードの一新による
 戦力バランスを個々人が消化することすら出来ていない段階か。

・『三国志大戦』とは、みため以上に似ているようだが
 それゆえ意外に初めから、
 稼動開始から4年半以上経つゲームと比べてさほど遜色ない。
 今後カードの充実、勢力の追加などでどう変わっていくか。
 『三国志』ともども共倒れになったりしないか。
 セガのすることですから。あまり期待できないのですが
 ゲームの面白さは本物なので、なんとしても頑張って欲しいと願うこのごろです。
 
 

自戒を込めた蛇足

・群雄伝では勝てるけれど全国では勝てない、
 対人対戦勝率5割を目標とする初心者の方への助言。

その1 デッキのこだわりは趣味と勝利の折り合いを。
 好きなカードを使うのは、値段が高いけれど面白いゲームを遊び続けるため
 自分への誤魔化しとしてとても有効ですが
 負けるよりは勝つほうが精神衛生上良いのも確か。
 ほどほどに勝負デッキと趣味デッキの折り合いを付けましょう。

その2 頂上対決を見て研究。
 より少ない予算で上達するためへの近道は、上手いひとを真似ること。
 頂上対決を繰り返し見、同じデッキを使い、同じ初期配置をし、
 同じように士気と奥義を使って徹底的に真似てみて
 なぜ上手いひとはこの場面でこうしているのか
 なぜ同じように動かして自分は真似できないのかを
 頂上対決と自身を比較して研究。ゲームセンターに行かずともゲームはできる。

その3 自分に合ったデッキを探す。
 頂上対決のデッキが皆同じでないのは、使うひとによって
 使いやすい、使っていて楽しい、勝ちやすいデッキが違うからである。
 いろいろなデッキを試して、使いやすく、使っていて楽しく、そして勝てる、
 自身の操作の癖や好みに合ったデッキを見つけることは大変重要。

その4 それでも勝てないのはなぜか。
 上手いひとと同じデッキを使い、同じように動かそうとして
 努力をしているのになぜ勝てないか。
 デッキのせいではない。環境のせいでもない。
 周囲のせいでも予算のせいでもない。
 自分の操作技術が足りないからである。
 展開を読む力、攻めるべきとき、引くべきとき、勝負をかけるべきときを
 判断することができていないからである。
 対戦相手は同じひと。同じゲームで同じ条件下でデッキを組んで
 負けるのならば自分が悪い。自分が弱い。
 勝つためには、相手より上手く操作すれば良いのである。
 言うは易し行なうは難しだけれど、実際、そういうことでしかないのです。
 
 現実とゲームでの対人対戦は
 互いの条件が公平であるという違いしかない。
 その違いがゲームで、そのためにお金を費やして足を運び、
 見知らぬどこかの誰かと、しかし同じ時に向かい合うことになった一期一会、
 10分の戦いを競う。
 勝つための努力は学問である。
 通じ合うわけではないけれど公平な競技というゲームは
 忘れていることを思いださせてくれる。