テラリア

テラリア - PS3
PC版 http://store.steampowered.com/app/105600/
PS3・Vita版 http://www.spike-chunsoft.co.jp/terraria/


何度か書いたように
ここ何年か「オープンワールド」がはやり。
ムービーばかりでお話すすむのは冒険している感じでない。
誘導されるのでなく
広い舞台が与えられたら、あとはそこで自由に振舞うこと、
これが今までにない新機軸。
でもそれって「オンラインRPG」の1人用なのではないか。
もちろん周りのみんなが主人公だけの方を向いて
いつまでも待っていてくれるよう作り変えてはあるけれど。


そこで「オープンワールド」に変わる新しい新しさとして
このごろはやりとされるのが
砂場とかそういう意味の横文字「サンドボックス」。
オープンワールド」は縦文字日本語だと「箱庭」となり
箱は周囲壁だし、庭は日本では狭いものなので
ぜんぜん「オープン」ではないではないか、
だからなのかどうか存じませんが、今度は砂場。
広さはもはや重要ではないということを訴えたいのだろおか。




『マインクラフト』などがその「サンドボックス」代表らしい。
https://minecraft.net/
動物番長』のようなみためですが
これはどういうゲームかというと
おもちゃの『レゴブロック』。あれである。
ゲーム内主人公周囲の木や地面や動物は立方体ブロックで出来ている。
それを加工して、組み立て再配置して、いろいろなものを作るゲーム。
ゲームというか遊び。


みためが角ばったブロックで出来ているので
技術の未熟だったころのようなゲームの印象を受けるけれど
そして文化の違いを感じるけれども
『レゴブロック』が角ばって単純な形の組み合わせから成るのは
組み立てにそのほうが便利だから。
そして『マインクラフト』が
なんといっても『レゴブロック』より優れているところが
新しいブロックを追加で買う必要のないこと。
お金持ちのお子様でなくとも楽しめます。
一度買えば無料で遊べちまうんだというわけです。




本題『テラリア』は、『マインクラフト』が3Dなのに対し2D、
昔のアクションゲームみたいに横からみた画面という
大きな違いはあるけれど、中身は似たつくり。
木を斧で切ると「もくざい」になり
地面をツルハシで掘ると「土ブロック」になる。
鉱石を掘ってきて武器や防具に加工し
レンガブロックを作って家を建てる。
武器振り弓撃って敵排除しつつどんどん進んで
また新たな材料を集める。


『マインクラフト』とみためだけでなく違うのは
舞台をすみずみ探検する楽しさが主のところ。
多くの敵は「土ブロック」や「石ブロック」を通り抜けられないので
敵前に積めば隙間から攻撃したりできる。
地面を掘っていくと洞窟になっていて
洞窟の壁もどんどん掘り進められ
足場を作ったり照明を灯したりデコボコを均したり
底が抜けて落ちてくる水を防いだり溶岩池に蓋したり
未開地を探検しつつも、足元固める作業も楽しいのだ。


回復や倉庫のための拠点としての家は地面の上だけでなく
空中にも足場を積み重ねてつくれるし、地下深くにあっても良い。
舞台は自動生成で、同じキャラクタに何度でも新しく用意できる。
敵を排除することより、広くいくらでも用意された舞台を
自分の快適なように、かつ格好良く整える、
「箱庭」づくり「砂場」あそびが、楽しいゲームなのである。




ゲーム外箱には「モノづくりアクションADV」と書いてあるけれど
鉄道会社経営での都市開発シミュレーションである
A列車で行こう』のような楽しさに近いものがある。
敵の攻撃をブロック配置して防ぐのは
火の鳥 鳳凰編 我王の冒険』の鬼瓦であったし
ブロックを再配置して進んでいくのは
ソロモンの鍵』などのパズルアクションゲームで既にあった。
けれど、奇抜な何かでなく同じ仕組みを使って
地下洞窟を自分なりに整地すること、
ダンジョンの最奥を目指すアクションゲームというだけでなく
舞台を、機能とみため兼ね備えて自分のものとすること、
ダンジョンを整地育成もするアクションゲームであるところが
この作品の面白さ。


ダンジョン掘る掘るダンジョン育成アドベンチャーこと
『仙窟活龍大カオスシード』ともまた違います。
また、『大神』の「筆しらべ」とか『ひっぱりンダ』とか
3Dだと同じようなことをしようとしても難しい。
2Dで横から洞窟も断面全てを見渡せるからこそのもの。
そこが『マインクラフト』と違って
『テラリア』が2Dである必要でもある。


同じようなみための『洞窟物語』のように
操作の巧緻や解法を知ることや事前準備での有利がないところで
アクションゲームとして劣るし
「つかまりフック」の存在が特異過ぎるし
アイテム作成時の所持数表示とか細かい不満はあるし
大きく、目的に対してつくりがはっきりしている
『マインクラフト』『A列車』に比べて
いろいろできそう、さらに発展できそうに止まる作りではある。


けれど既存の名作と伍して楽しいゲームであることが何より大切。
オープンワールド」だの「サンドボックス」だのどうでもよく
従来のゲーム作法に、舞台構成物の量が加わることで
『マインクラフト』の遊びができたように
『テラリア』の楽しさも
今までに有った洞窟探検アクションともパズルアクションとも
同じだけれど活用が違う、面白いゲームであるところがえらいのです。



 



 

ニーアレプリカンとかとかいろいろ


10月に遊んだゲームはどれもあまり面白がれなかったので
感想を書くまでもないかとも思わなくなくなくもなくなもないかもと
逡巡したのですが
以下ご覧の通り、いやでもやはりとメモしておくことに。
感想書くのも義務でなければもちろん楽しい。


ランス01


まずはこちら。PC18禁ゲーム。なのでAmazonへのリンクなし。


冒険者ランスを主人公とするこのシリーズは
番号付きだけでも8作品、外伝番外編もいろいろ出ていて
作品ごとRPGだったりSLGだったり様々。
常に新しいものを開拓しようとする姿勢と
それなりに結果も出しているのが素晴らしいと思うところ。
なかでも7作目『戦国ランス』は優れもの。
信長の野望』みたいな国取りSLGですが
ちゃんと主人公の活躍するお話部分と
戦国大名なりきりゲームが絡み合っていて、まこと独自。


今回は1989年、24年くらい前に発売された1作目のリメイク。
みためだけでなくゲーム部分も変えたもの。
ただ、お話の長さとかゲーム規模は
いにしえ昔そのままにこじんまり。
街はひとつ、基本的に主人公ひとり旅、
レベルも20過ぎでクリア出来て
シリーズの1作目をお話ほぼそのままに作り直したものだという
前提があるとはいえ物足りない大きさ。
また、全体が小さいのでゲーム部分の楽しさよりも
PC18禁であるというお話表現が目立つのも、私としては面白くない。


ゲーム部分は5作目『ランス5D』ほど突飛ではないものの
一人旅RPGとしてなかなか工夫ある面白いもの。
敵の物理攻撃、魔法攻撃、防御などの行動が
ターンごと行動選択時に判るので
それに合わせ
あるターンは武器攻撃に配分度合い高めて攻勢に出、
あるターンでは盾で守りを固めて回復に努めたり。
ターン経過で一定回復する自己資産を
各戦闘毎ターンごと、どれだけ配分するか。
よくあるRPGにおいての
ダンジョン最奥のボス敵を倒すために
アイテムとMPとHPの順に計画的に消費するという行動を
敵の行動、敵の残体力を明示することで
より自覚的に楽しむことができる仕組み。
もちろんこれら仕組みを採用しているゲームはこれまでもありますが
小規模なゲームの構えに良くあっていて楽しい。


全体の進行は、お金貯め良い装備に買い換えることで
だんだん強くなっていくのが感じられる素直なRPGの楽しさですが
けれど、こじんまりしたつくりだからこそ
管理しているつもりが通用するものであるし
ゲーム進行による展開が取りえる行動幅が増えていくだけで
こではそこからの発展がない。
すでに1人旅RPGで『闘神都市2』とか『GALZOOアイランド』などあり
それらを踏まえた上では、やや残念。
昔の作品の作り直しだからであって
まったくに新しいものでなく大きくもない。
それだけの高い要求に答え得るゲームを作ってくれると
過去の実績からそこそこ信用して、次回に期待。


逆転裁判5

逆転裁判5 - 3DS

『ランス01』は面白かったけれど、不満もあり、
何より小規模、すぐ終わってしまったので次こちら。
AVG、文章を読んでたまに出る選択肢から正解を探したり
選ぶことで分岐するお話の違いを楽しんだりするゲームの
法廷バトルものシリーズ5作目。
前作『4』が、『3』までと登場人物を大幅に入れ替えたこと、
そしてその新しい展開がそれまでに比べて魅力不足だったことで
ゲームとして駄目ではないけれどなかったことにしたい、
黒歴史」よわばりされたりした次の作品。


ゲームとしては文章スキップとかヒント機能とか、
必要な情報を集め終えたら教えてくれるとか、
お話が進行する手続きを正しく踏めたら
ちゃんと丁寧にお知らせしてくれるとか等々の
とてもいたせりつくせりの充実ぶり。
お話は一本道で選択で分岐はしない作品なので
正解探しが「ゲーム」なのですが、
ここまで手取り足取りで良いのかしら。
もっとも難解で答えを教えられて納得いかないつくりであるよりは
良いのかもしれなくもないので、まあ良いのでしょう。たぶん。


問題は法廷バトル、小説でいうとミステリとして
あまり面白くないところ。2話目まではともかくそれ以降が魅力薄。
お話を書いているひとが『4』までのひとでなく
外伝の『逆転検事』を作っているひとらしいことが
影響しているのかわかりませんが
ゲーム度合いがますますうすく、
コントローラのボタン押して読みすすすめるお話がつまらなくなっては
ゲームとして出来ばえは悪くなくなってはいなくとも
面白いと言えない。
『4』までは面白かったけれど、『逆転検事』と『5』は要らない。
もう殆ど本の好みと同じような嗜好の差異で
ゲームとしてどうかとは違うところにいる作品。
AVGとかノベルゲームみたいなはだいたいそうで、
それはそれで質の底上げを達成しつつあると言えるのかもしれない。


ニーアゲシュタルト/レプリカント

ニーア ゲシュタルト(特典なし) - Xbox360 ニーア レプリカント(特典なし) - PS3

2作つづけてもうひとつ面白くなく
感想書くほどでもない作品にあたる、
などいうことはまれでなくわりとでもなくよくあること。
そしてまた出来ばえが悪いのでなく
面白くないと感じているだけなのだから困ったものである。
ゲームとしては良いことに違いなかろうけれども。


キリッと切り替えて次は、スクウェアエニックス印のRPG
主に製作したのは今は別の名前の当時キャビアという会社。
ドラッグオンドラグーン』シリーズとかがそこそこ有名らしい。
はっきり有名でないけれど無名というほど無名でもない有名。
知るひとぞ知る、知っているひとは知っているが
知らないひとは知らない程度の知名度。100点満点で50点くらい。
もとい、
PS3版が『ニーアレプリカント』、
XBOX360版が『ニーアゲシュタルト』と違う名前で出ていますが
ゲームとしては同じもの。「ゲシュタルト」の方が海外向け仕様。
お話の上で主な違いは主人公の年齢で、
レプリカントは守るべきヒロインが妹、ゲシュタルトだと娘。
なぜ子供が剣を振り回していて大人は何もしないんだ、
日本のゲームとかマンガとかアニメとかはおかしい、
という海外向けのあれ対応ゆえらしい。わからなくなくもない。


それでどういうゲームなのかというと、
アクションRPG、つまり3D化以降の『ゼルダの伝説』調。
ゼルダのように、ダンジョンのなかでアイテム手に入れ
仕掛けの謎解き試行錯誤するような要素は少なめながら
お話の進行とか目的地への誘導とか雑魚敵の群がり度合いとか
巨大ボス敵の登場場面とかそのままである。
ずごごごじゃじゃーん、何たら魔獣なんとか登場、のとき
名前字幕がゼルダのように出ないのがさびしい。


もちろんそのままではなく、アクション部分は別物の味付け。
2段ジャンプとローリング回避、
魔法弾の遠距離攻撃などを使う戦闘は
ベヨネッタ』とかのみため表現系列ふう。
敵たくさん倒してレベルを上げ
お使いこなして良い装備手に入れたりすれば
相応に強くなるけれど
ちゃんと操作すれば一直線に進んでも敵を倒せるくらいの
アクションとRPGの配分割合。


ボス敵が魔法弾を弾幕状にばらまいてきて
それをナワ跳びよろしくぴょんぴょん避けてる様は
ゼルダみたいなとは言わせない。
一方で、自分の魔法攻撃照準がカメラ方向中心にあるので
Z注目とか敵ロックオンとか難しいことはなし。
攻撃を跳んだり転がったりして避け、遠くから魔法弾でぺしぺし攻撃、
だけでもたいてい楽に進めるのですが
近づいて武器で斬りまくって無双してもやはり楽しく遊べる。
遠距離で魔法、近づいて武器攻撃、好機は溜め魔法を叩き込む、が
定式ではあるのだろうけれど
接近からの肉体言語だけ、遠くから卑怯に銃で撃つだけ、
そのどちらでもなく、どちらでも遊べるのは
日本製アクションRPGらしさの良いところかもしれません。


もっともアクションゲームとして、
様々な要素が丁寧に噛合った作品、というようなものではない。
どちらでも楽しめるというのは、
どれも使いこなさなくとも
だいたいですむ程度ですむということでもある。
敵の攻撃が突き飛ばし属性ばかりで
被攻撃後の硬直復帰時間がすべてになっているのは単調だし
せっかくRPGらしく仲間がいるのに
カメラ操作が魔法照準なので複数人で分担協力できず
とどめイベント動画でしか存在感なかったりする。


とはいえ各種魔法を使いこなせないとクリアできないとか
足をとめてきっちりガードしないとならないような
アクションゲーム程度を高くすると、RPG部分とそぐわない。
アクションゲームとして遊ぶには物足りないけれど
RPGの戦闘部分としてみるなら充分な程度。塩梅。
RPGのお話進行部分に関しては、
次のお使い先表示が常に画面上表示されるという、
上に感想書いたAVGと同じようにご丁寧なのも
現代調かと思わないでもないですが、
設定のご都合主義も他のいわゆるRPGと比べて
はなはだしいわけでもなくひっかかるところもない。


つまるところ、これといって凄いところはないけれど
悪いところもそんなにない、わりと良く出来た作品。
ゼルダの仕組みをひとつの定型として
和風のアクションRPGに転用するというのは
ありそうでなかなかなかったので、なかなかけっこう感心。
RPGのお話部分をもっとばっさり簡単にして
アクション部分をより作りこめば、さらによくなるのでなかろうか。
それにそもそもアクションゲームにも
お話部分や装備変更で展開の違いを楽しむ要素があるのだし、
分野の重なりにある様々のなかで
アクション要素をほどよく含んだRPGの位置上に
ほどほどの良いところを占める出来ばえです。



まとめ

このような感じに3作遊んだ感想としては
どれも出来悪いわけではないのに、
もうひとつ当時の自分が欲求するものとそぐわなかったり
端的にいって好みに合わなかったりするので
面白がれなかったわけである。
面白くなかったのでなく駄目だったのでなく
好きになれなかったのでもない、この微妙な加減。


いったいどのゲームが自分にそぐうのか、楽しめるのか、
あるいはこれまでにないと感心して面白がれるのか、
または出来ばえ度外視して好まれるのか、
まったくますます相変わらずさっぱりわからない様である。


安定を求めてシリーズ続編ばかり買っているのが悪いかもしれない。
でもゲームは本に比べると若干高いのが難。
面白いものにあたった時の時間割価格は安すぎるので
必要投資というものなのだろうかと今更思うのでありました。






 

 

ドラゴンズクラウン?


ドラゴンズクラウン - PS3 ドラゴンズクラウン - PS Vita




これはあかんやつですわ。


というくらい今月は忙しくて
うんじゅうねん前ファミコンを買ってもらって以来ぶりくらいに
まったくゲームをする暇がなかったので
ドラゴンズクラウン』?
とこのサイト10年目にしてはじめて「?」を使う程度の様子に
内容すでになかばおおかた
すっかりかんかんからからに忘れているのですが
それもそれ。
これもそれもいまのそれもまたつまり
ゲームある生活のそれである。


感想文書いている暇あったらゲームを遊びたいけれど
それ以上に、生活のため暇をつくるため
することしなければならない。
感想書くのも次のまた次のゲームを遊ぶためと思えば悲しいけれど
ひとつのゲームをいつまでも遊び続けるでないのもまた事実。
製作者のインタビューを拝見するに
魂込めされたゲームなのだと伝わってきて嬉しいのですが
実際ゲームを遊んで面白がれる程度とも比例しないのは
過去から既に明らか。
ゲームは工業芸術品であり消費物でもある。
わたしもあなたの止まることない人生の物語もまた然り。



ヴァニラウェアは命がけでゲームを作る会社――クリエイター神谷盛治氏・ロングインタビュー - 4Gamer.net http://www.4gamer.net/games/134/G013480/20130521001/
ドラゴンズクラウン」は自分が一番作りたかったゲーム――ヴァニラウェアの神谷盛治氏に,完成までの道のりを聞く - 4Gamer.nethttp://www.4gamer.net/games/134/G013480/20130726117/





妄言はともかく。
ドラゴンズクラウン』はその特徴的な絵からすぐわかる通り
プリンセスクラウン』とか『朧村正』とかを作った
ヴァニラウェア製ゲーム。
前も書いたように
「プリクラ」はゲームとしてはともかく
主人公グラドリエルのデザインが当時として新しかったし
グリムグリモア』はリアルタイムストラテジーが大いに受けない中
小規模だけれど良くまとまっているし
朧村正』は対戦でないちゃんばらげーとして手ごろな出来ばえ。
と目を引く作品づくりか特徴。
あんまりすごくないし癖も強いけれど
おおむね満たされるなかなか良いゲームを作ってくれるところです。
上のインタビュー記事など読むと
一部のひとがおおよそだいたいそそられる感なかんじがうっすらかんと
伝わるかもしれません。



で今度のこれは、剣と魔法世界のベルトスクロール。
カプコン製『D&D タワーオブドゥームシャドーオーバーミスタラ
の現在版。
オンライン4人協力モードが基本で
盾、斧、投げ、弓、魔法使い2種の6職種。
オフラインでCPU操作の仲間をお供にも遊べるけれど
明らかにわざとNPC人工無能なので
一人旅のほうがむしろ楽しいくらい。
レベルがさくさくあがって力押し可能だけれど
無理押しでなくとも敵の攻撃受けなければ先に進むことは可能。



モンスターハンター』とかとの違いは
3Dでなく「ベルトスクロール」なところ。
攻撃当り判定が画面の手前と奥の前後に広くあり
無敵のローリングダッシュ回避頼りだけではない
2Dアクションとしての広がりが楽しさ。
敵の攻撃挙動とこちらの武器振り回し挙動対決判定を覚えるというより
敵の攻撃を受けない位置からべしべしざくざくするアクションゲーム。
4人で進むと、敵と背景と攻撃が多層に重なり合って迷彩効果抜群。
そういうごちゃごちゃ乱闘乱戦状態が楽しいし
昔と処理落ち程度の違いを楽しむのもわびさびのここち。
いわゆる動きの迫力のようなものは3Dの恐竜に比べるとないけれど
平面の挿絵ような画面もまた、ゲームとしてありなのである。



オンラインで協力が基本だから
戦場バリエーションが少ないのはともかく
敵の種類とかキャラクタの色違いがステータス画面に反映されないとか
Sランクアイテム拾っても嬉しくないとかルーン魔法が悲しいとか
クエストオブD』とか『ボーダーブレイク』とか
あのあたりとくらべてどうなのか、
いろいろ中途半端であるところは免れないようす。
お話の面でも、キャラクタを途中で切り替えられたり
仲間は最初から最後まで連れまわせたりできればとか
好みの分かれるところ。
朧村正』のときに同じく、
ゲームとしてお話との噛合わせが色々惜しい。
駄目ではなくて遊んでいて楽しいし、確かに魂入った作品だけど
わかりやすく欠点いくつもあるいつものヴァニラウェア製ゲーム。



私個人としての感想を申し上げるならば
いよいよオンライン協力はあかんかんじ。
1対1の対人対戦は大好きだけれど協力はだめ。
気をまわす余裕が次第にますますない。
そしてこのゲームを1人旅するなら『朧村正』の方が
そういうよう作ってあるのだから向いているに決まっているのである。
それでも例えば刀振り回すだけでなく
盾、斧、投げ、弓、魔法の手段が用意されているというだけで
あちらになかった魅力がこちらにはあるものもたくさんある。
オンライン協力だけでなく同じ素材で1人用も作って欲しいとも思うし
朧村正』をこちらよりにしてもよいし
リアルタイムストラテジー要素をいれても良いし
TRPG風にお話をひろげても良いのでないかとかと
いくらでも風呂敷は拡がるなかで
ひとつのところにきちんとまとめた作品ではあります。



ゲームというのはまこといろいろあって難しそうで面白い。
作る方にたたず、消費へ専念するにしても
まずどうであるかは遊ばなければわからない。
そして自分が何を面白がれるかがなかなか容易ににわからない。
私は未だにわかりません。
ゲームは、仕組みがそのまま絵と話をのせかえたものでなく
常に何か新しかったり古かったりあっちだったりそっちだったりを
提供しようとしてくれることが、なぜか、多いところが魅力。


欠点はあり失敗があって、迷走してばらばらになって
多くの作品は多くのひとに顧みられることなく埋もれていくけれど
それもいくつかの確実に良く出来た作品を軸に
たまに尖った個性だけを頼りにも
散りが積り、たまに新型ゲーム機の雨降って固まり、
上か下かはともかくもどこかへとは向かっていくさまを眺めるは
確かに興味深く面白く楽しいことです。








 

夏で暑いから値崩れ作品消化期間


ゲームの感想は料理の感想と似ているかもしれない。
「美味しい」と「まずい」、「良く出来ている」と「出来悪い」。
おおよそ多くが共感できる一定の基準ある一方で、
個人の好みとかその日の気分とか思い入れによって
印象が左右されたりもする。


読込待ち時間は短い方が良く、画面みやすくきれいな方が良いけれど、
操作上手さが結果に反映される程度とか
評価高めるため頭をどれくらいひねれば良いかの程度には、
共通する度合いは無いのです。
仲良くみんなで和気藹々とった食事や
暑い日渇いた喉へと落ちる冷たい飲み物がおいしさのように
初めて遊ぶ種類のゲームは、心に割り増しされて残るし
途中どんなに素晴らしくとも最後で味噌つくと、作品全体色褪せる。
人生というゲームもわりとそう。
亡くなる間際に幸せだったと思えれば良い人生というのなら
それまで幸せでも最後絶望するなら駄目な人生だったのか。



話がそれました。
ええと、けれど料理と違うところもあると思うのです。
例えば、過去の作品と同列に比べられるところ、
比べることが出来るところです。


ひとの記憶は曖昧で、深くとも浅くとも磨り減りぼやけて
輪郭あやふやになるけれど
作品自体は料理と違って完全いつも元のまま在り遊ぶことができる。
現在最新作は常に、これまで過去名作全てと比較されうる。


けれどとはいえ大抵は、思い出の中にだけある美しさに
対するだけですまされます。
例えばファミコンの「マリオ」とWii3DSの「マリオ」が
実際のところどんなふうに違うか、検討はしないものである。
マリオギャラクシー」みたいに大きく違うほうが
むしろそうされるものである。
そうしようとしても当時持った思い入れが
そうさせないところありますけれども。


ゲームは遊び道具であって、食べたら消えて無くなる料理とは違う。
購入するとき、どれがより美味しいか、楽しめそうかと比較する際、
材料と調理法が同じような感じでだいたいこのようなであるかと、
過去の名品と実際参照可能であるかないかは大きな違い。
特に、新しいほうを買ってもらわないと
作っているほうが商売していられない仕組みにおいては
なおのことなのである。
むしろその仕組み自体をどうにかしたほうが良いような気もしますが
パチンコとかメダルゲームとか携帯アプリをみると
残念どころかみたくない未来と思われるのでなかったことに。
ひとの記憶力や同時に複数の別物を比較するのが難しい能力は
時にありがたく残念でもある、変えよう無い現実です。




おおやけには『ドラゴンズクラウン』待ちと表する今回今月は、
特にこれといって遊びたいものがなかった、
というわけでなく暑いのであまり気力湧きあがらないので
ワゴン販売商品、つまり普通に売ってははけない作品のみなさんを
いろいろあれこれつまんでいてみたのでありました。


それにしても「ドラゴン」に「クラウン」とか
よくその組合せ先例商品がなかったものです。
またどうでも良いことに
なぜ待っていたそれを遊ばずこの記事を書いているかというと
仕事でいまだに遊び向き合う時間がないので。
一度出遅れたこの際多少はもう気にしない。




ゲームには出来良し悪し関係なく、売れた数というものがあります。
買ってくれるだろうと作った方が予想したより売れないと余る。
自分にとってその商品が値段分満足できるかは
ゲームの場合は実際遊んでみないとわからないのだから
その累積である売れる数とは
何十年売る商売しているひとにも時にわからないものとなるらしい。
中古だとまた話は違って
処分してしまっても再び遊びたくなるかもしれない割合に対して
惜しくなかろうな、という判断の集積結果。
曖昧で不明瞭に厳正な世間の審判を
きちんと受けた結果であるといえなくもないかもしれなくもない。



実際、ワゴン追いやられているもの中にも
「良く出来ているもの」は珍しくなくあるのです。
そして、これはなるほど処分されるもわかるものもあるのが
面白いところでもあります。


例えば『バットマン アーカムシティ』。
WARNER THE BEST バットマン:アーカム・シティ - PS3 バットマン アーカムシティ - Xbox360
バットマンになってアーカムシティに巣くう怪人と戦うアクション。
みためもロード時間も結構。
アーカムシティを例の格好でうろつきまわり
高いところから街見下ろした時の
建物の中からみる大きさと、そこからの景色との調律の妙が素晴らしい
質高い作品ですが
残念ながらここは日本なのでありました。


日本に住んでゲーム周辺を愛する皆さんの
日本ゲームメーカー製に幻滅するゆえに
隣の田圃の海の向こうの良く見える気持ちもわかるのですが、
文化の違い、すなわち
普段読んでいる週刊誌の種類、見ているテレビの番組、流行の話題、
学校で習い交わされる言葉が違う場所で、
そこむけにそこで作られた作品が
ここですんなり胸に落ちるばかりでないのもまた当然なのである。
その違いやよく知られていないと思われるところが
新しい価値と感じられるところもあるのでしょうけれども。



別の種類としては「出来ばえが不安定な作品」というのがあります。
ロード時間とかみためでなく
いったい誰に向けて作っているのか謎な作品。
ある限定された層にしか面白がられないのではなかろうかと
自分はその層でないと思っている大多数に感じられるようなもの。


そういうものにだって、だからでなくとも興味を持つひとも
確かにまったくいないわけではないのかもしれないが、
唯でさえ過去の名作に伍して一定品質達成せねばならないのに
そんなところへ開発配分割いて大丈夫なのかと
余計な心配する次第なのである。
私自身が遊んでみたわけではないので
端から見て思っているだけで本当のところわからないのですが、
商売として難しいのでなかろうか。
結果現在いるところがワゴンの中だからではなくて
そう思わせるものがある種類のゲームも
確かに未だに、多分これからいつまでも存在するのも現実であります。
マーケティングとかいう言葉自体が
多くのひとにはうさんくさい宗教の手管のように見えるのです。



さらに別の区分は、意欲あってもいろいろ残念に終わった作品。
駄目な出来は論外だけれど、一歩引いて全体みて
満遍なく良いとも言い難い微妙な案配に出来上がってしまうことは
日常の支配下に稀でなく良く存在する。
これぞ現実という名前の実態なのである。


名作として評価を得るのに、これらの作品で何が足りなかったのか。
少人数で作るのなら実力、ときっぱり斬って捨て構わないと思いますが
大勢のひとが何ヶ月何年もかかってつつきあげているのを見聞きするに
そう言ってあげるのは酷にも感ずるのであります。
つまり個々人がその能力にかかわらず努力したかどうかもともかく、
出来上がりが名作たりえなかったのは
結局結果から過程を推定しているだけなのであって、
過程がそれを成しているのは、
幾分の一かの運による選択としかいいようないのかもしれません。
いつ誰が遊んでも明確な出来ばえの差は、
原因を思えば不思議になぜかやはりあるのだから。


もっとも同じゲーム製作会社が
続けてそういう残念な感じの作品ばかりだしていると
不思議でなく固定の、どこかまずいところあるのでないか、
組織全体として欠陥があるのでないかと
世評が定まるのもむべなるかなではありましょうが。




微妙ゲームとして挙げられてしまう今回遊んだものに
アスラズラース』というのがありました。
アスラズ ラース - PS3 アスラズ ラース - Xbox360
出しているのはカプコンですが
主に作ったのは、Wiiとかでマンガ『NARUTO』のゲーム版など作っている
サイバーコネクトツーという会社。
インドの神話とかを題材にした
ゴッドオブウォー』とか『ベヨネッタ』とかの
群がる敵を圧倒的な実力で粉砕する1人用アクションゲーム。


敵をたくさん倒して強さを堪能する1人用アクションゲームというと
なんといっても三国と戦国の「無双」シリーズ。
定番作品として多くのひとに受け入れられています。
そして日本の他のゲームはこれに対して
どう違いを出していくかと、いろいろ試してみるわけです。
シャイニングフォースネオ』とか『大神』とか『Shinobi』とか
どれもその違い比較が味わい深い。


本作はお話の演出、テレビ番組風な構成が特徴付け。
カプコンの『ロストプラネット』を広い年代向けに売りたいふうな
エクストルーパーズ』もそんな感じでした。
わかりやすく少年マンガのバトルものなキャラクタ配置、
やや懐かしの「笑える熱血」な作風。
作っているひとたちが、何をつくりたいのか、
どういう層に対して訴えかけたいか伝わってくるような作りです。
場面を細かく区切って、強敵との戦いは演出も派手に用意されて、
マンガ原作作品を作ってきた会社製だからか、
キャラクタのみため配色塗りなど印象的です。


けれどワゴンにおいてある作品。
いつまでも手元においておきたい名作、
折に触れて遊び返したいと思う作品でなく
処分してまあいいかと思われる出来ばえである。
また「ある限定された層にしか面白がられないのではなかろうか」と
多くのひとに思われる、という分類にも
おそらく製作者の意図と違って含まれるような後味。


みためなどの質の部分も、アクションのゲーム部分も
頑張っているけれど
やわやかく言ってお話は微妙に外しているし、
素手で殴ることに新鮮味ない。アクションゲームの意味感じない。
ライバルとか悪の親玉とかは良いキャラクタだと思うのですが、
主人公はほぼ全編白目剥き過ぎ。中身無い。
悪人をぶっとばすのは爽快だけれど、
弱いものいじめみたいのではない。じめっとしたようす。


銃でも武器でもなく拳を武器にすること自体は良くも悪くもないけれど
結果はあまり幅あるものでもない。
過去作品が、間合い自在の刃物付きヨーヨー使ったり
ガンカタしているのは、アクションゲームとしてなぜなのか
間合いのわかりづらい武器で格好良くかつわかりやすく戦うには
どうすれば良いか、そういう段階ですら無いように見える。



というようにしごく残念な出来ばえ。
いろいろぼろぼろけなすところが出てくるのですが
箸にも棒にもかからないというほどでもなく、良いところもある。
それだけに苦しい。無念。残念。


良い出来だけれど売れないのもわかるものとか
なぜこんなものが成り立っているのかよくわからないものに比べて
こういう残念な作品は困る。もったいないのである。
ちゃんと有能な技術だか技能だか知らないけれど
例えば任天堂の偉いひとが作ってくれれば良いゲームになったろうに、
とか思えてしまう罪である。
良く出来ていて面白いものは遊び終えて満たしてくれるのだから
こういう困った作品が一番やっかいなのだ。


ええいもうどうしてくれようか、自分がゲーム製作者だったら
わかっている悪いところを直し良いものを作るのに、と思うのである。
良く出来ているんだから上物だけ載せ変えれば良いのに、と
印象に残るものもある。
けれど良くきれいに作り直されていたら、
悪いところがないからわからなくて困らないし
印象に残らないのでもなかろうか。


こちとらゲームを作る側に回る予定は今後一切なく
良いゲームは面白いと書いて、困ったゲームには愚痴るのみなである。
ゲームの楽しさは確かに個々人のその時々気分次第なのだが
安心して良いことに、比較して明らかに不満点あるこういうゲームも
なくならないと思われるので
常に現状その分野作品へと駄目な作例を提示してくれ
競争と向上を促してくれる。
みているだけのほうにはまことわかりやすくありがたい。
どうしようもなく駄目なゲームはなくて良いが
いろいろ課題を示唆してくれる作品は
ワゴンにならあっても良いのではないか。
新品で買ってしまった時のわずかばかりの救済にも
作る側に現実みてもらうためにも。


ただし私の手元に用意されるのは
面白いと思えるものだけで一向に構いませんのでお構いなくお願いいたしますです。



 

真女神転生4

真・女神転生IV (2013年5月23日発売) - 3DS

アトラス倒産。
 ITmedia ニュース http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1306/27/news117.html
倒産ではないしアトラスでもなく
インなんとかさん粉飾決算は腹黒どころか普通に犯罪で
汚いさすがネット関係の虚業会社きたない、
とかそういう細かいことはいいんである。
新作を発売日に新品で買った以上に出来ることはないのです。
どこの誰が作ろうと面白ければ良いのであります。
今回も一ヶ月と少し、二周半ほど充分楽しませていただきました。
さすがに『ソウルハッカーズ』続けて遊んだので
悪魔合体は当分いらない感じではありますけれども。




伝統の女神転生シリーズ最新作。
ドラクエ9』とか『マザー3』のように携帯ゲーム機に移って登場。
手元の小さな画面に収まるみためであり
『FF』シリーズのように「無駄に手間をかけている」と
私に書かれたりしないけれど、寂しくはあります。
東京マップは東京のひとでないとわからない貧相さで
通行できないのも違和感ありあり。
昔は良かった、ような気がするようなそうでもないようなですが
でもあまり変わってないか。
手間暇かけて広大な立体舞台をつくれば良いものでもないし
ゲームとしての規模が保てればみための大きさは許されるけれど
残念には感じます。


PS2で10年前の2003年発売『真女神3』。
4年前の2009年にDSで出た外伝扱いの前作『ストレンジジャーニー』。
それぞれの流れを受けたつくり。
デビルサマナー」「ペルソナ」「デビルサバイバー」と
「真」のつくシリーズの違いは
多分お話の壮大さにあるのだと思われます。
悪魔がいて魔法があるのだから
人間に良いように利用されているだけでなく
悪魔のみなさま側におかれましても
人間を良いよう利用しようとするのも当然なはず、というお話。


娯楽作品分類としてはSFのようなものであり
現代風の東京などを舞台に悪魔が暴れて核戦争で人類瀕死。
そんな中で、見ているだけのわれわれと同じく
波乱万丈の大冒険眺めるを好むトリックスターの思惑とか
いろいろあって主人公はその舞台ふらふらさまようのである。
絶対の神が定める秩序に従うのか、
這い寄る混沌の誘惑に流されるのか、
どちらも選ばないのか選べないのか、
果たして人類の行末如何に。
主体性のない私にはみていることしかできない壮大なお話です。


その希有壮大な意気込みはとても買われるけれども
結果としてできあがったお話筋書き満足度合いはまちまち。
別段『女神転生』だけがどうこうでなく
選択肢を選んでお話が分岐するゲームのだいたいにおいて言えることで
「どれも選ばない」も含めて、
選びたい選択肢がない場合のもどかしさ。
選んだ選択肢が何であったか忘れさせてくれない堅実さであり
曖昧な舞台役者たちの態と世界創造者が掌の広さに限りあることとと。


他の表現手段、小説とかマンガとか映画とか絵画とかTRPGとかだと
行間や幕間や画面の外に省略され描かれていないところまで
ゲームの場合みえていなくてはならないからかも知れない。
見えている範囲は行けることが価値に成り得る事もあるくらいである。
といように擁護したくもなるけれど
実際のところ壮大すなわち素材が何でもありすぎて
見ているほうが想像する範囲に収拾付かないようである。
新皇も何を恨んでいるのかさっぱりである。
といって、こじんまりでもきっちり首尾一貫しているのでは
26年にも渡って広げてきた風呂敷に見合わないのだ。
ざっくり見ているこちらに余地を投げかけても良いかもしれないけれど
その場合はシリーズ個々のつながり弱さが残念。
外伝の『ストレンジジャーニー』はあれで良かったのだし
今作も説明過剰でなくスルメな味わい。
みためふくめてもう一歩全体像が惜しかったという印象であります。




シリーズ続編であるゲームとして変わったところは
メニュー画面が開けるならどこでもセーブでき
悪魔合体もできるようになったこと。
そして主人公が戦闘不能になっても即全滅とならず
仲魔が頑張ってくれるようになったこと。
既存作における人間パートナーみなさまの立場なし。


メニュー画面でセーブロード仲魔造成まで出来るとなると
あとは買い物も出来れば「街」や「拠点」の必要がなくなります。
管理するバロウズちゃんは無茶苦茶優秀で
固定敵のいる直前ではかならず警告、
言葉の通じない悪魔とは通訳、自動弱点選択戦闘機能搭載、
主人公の経験値増幅までと、なんでもかんでもいたせりつくせり。
悪魔合体のスキル継承も含めて過去最高性能。
検索合体も今までのゲームの外にあった攻略本は
なんだったんだってな便利さです。世界が狭く感じるくらいに。
いやさ、ここまでしてくれるとなるとでは、今度次逆に言わば、
なぜいままではこうでなかったのか、
なぜ買い物はメニュー画面でできないのか、と思うわけなのです。
なんでなんだぜ。
もうバロウズちゃんさえいれば誰も何もいらなくなくないんでないか。
バロウズアプリに『真女神転生4』を入れれば完結するのはないか。


ゲームにおいてセーブがいつでも出来るわけではないのはなぜか。
例えば、なぜ本作においても戦闘中やイベント中はセーブできないか。
ひとつには詰まりの防止。
どんな手段を取ろうとも敗北が確実な状態で
セーブしてしまうとまずいから。
何がまずいかというと、「ふりだしに戻る」は楽しくないことが多く
楽しかった思い出になることもあるけれど
その場合は「ふりだしに戻る」理由に理不尽さを感じさせる要件を
わずかも満たしてはいけなくなってしまうからである。
ミスはある。なくとも二度目なら対処できる場合もある。
それを解いていくのが、
戦闘を繰り返す種のRPGと分類されるゲームというものの多くに見られる
ゲームと呼ばれる部分だからして。


他には、そういうものだと思っている、というより
思ってみないからではなかろうか。
なぜ敵を倒すとレベルが上がって強くなって
事件を解決できるようになるのか。
それがゲームというものだからである。
ゲームは娯楽であって暇つぶしであり
人生と同じく意味を求めても答えは無い。だからなのでは。


バロウズちゃんがいても、敵として悪魔が出現してくれなければ
主人公は生きていけないのである。
同様にその世界は、さまざまな理由で、
主人公に「ここは豊島区の村です」と何問われようと答えることとかで
生きているひとたちで出来ているのだ。だってゲームだし。
いやゲームとしての部分を問題にしているのでしょう
メニューとかセーブとか。


そういうわけで今回は主人公に呪殺耐性必須でなくなっただけ
ゲームとして拡がったのである。
いままでも出来だけれど、今回に出来るようになったのだ。
どこでもセーブできるようになったのです。
携帯ゲーム機だからだろうか、きっかけは何であるかを
存じ上げないけれども
大切なのは出来るけれど出来るようにしていないことの中から
何に気付いてどれを選んでゲームを、
ゲームのみためやそこに載せるお話を作っていくかである。


秩序や混沌、光と闇、賢さ愚かしさというような尺度だけで
測りきれるなら簡単だけれど、
喜ばしいことに、ものごと世の中そう単純でもない。
全体の収拾帰結を、みているほうの手でも広げられるように閉じるのは
容易なことではないけれど
そこが面白いのだし、興味深く見ているこちらも楽しいはずである。
RPGというのは大体すでに充分わりと良く出来上がっていながら
まだまだ味わい応えある代物であると感じさせてくれる
良いゲームでした。

デビルサマナーソウルハッカーズ

デビルサマナー ソウルハッカーズ - 3DS

今週『真女神転生4』が発売されるというのに
なぜか今月は去年8月に発売された
3DS版『ソウルハッカーズ』を遊んでいたのだった。
最初のセガサターン版は1997年。15年以上前。
それでもそれなりに内容覚えていて
その一方、はてこの悪魔は一度仲魔にしただろうかと
数時間内外前のことが思い出せない。
メッセージ速度と音量調整がないほかは
戦闘周りの処理がはやくなっているらしいのですが
Bボタンダッシュとは指が合わなくてレオン自工3Fが抜けられない。
いろいろ自分の劣化が困ったもの。駄目駄目であります。




女神転生』シリーズも様々に枝分かれして
いまさら15年前のこの作品がその流れにおいて
どういう位置にあるのか意味ないことでありますが
RPGの遊び方が変わり続けた先の途中にある今から見て
改めておおざっぱに言うと
進行上の鍵となるアイテムを手に入れて先の展開を思案するとか
進行により戦力などに新たな要素が加味されて用途を妄想するとか
おつかいの過程の背景奥行きも贅沢に深くて
きれいになった、と思うことです。
ひとつの迷宮にもぐって出てくれば新たな展開が待っている、が
その迷宮にも見かけの進みようがいろいろ取り揃えられている。
レベルひとつ上がることが大きな前進であったものに対し
様々な評価が過程の道しるべとして楽しませる。


この変化は、攻略情報を手に取りやすくなったからでなく
RPGは、一本道のおつかい手法に反する自由度の高さが
面白さに比例するという誤解とも関係なく
ゲームのなかでRPGと呼ばれる手段が遊ばれ重ねられてきたことで
それがだいたいどんな感じかが蓄積されて
わずかな手がかりから広がりを見えやすくなくなった、
遊んでいるこちらの変化にある。
もちろんゲーム側もきれいになっているとは思いますが。
相身互い。目的は違っても目指すところは同じです。


キャラクタの絵があって音声がついて背景が描き込まれて
ゲームを解く手段の多様さとは関係なく
同じ素材からつながり見出し、昔で言えば過剰な深読みを普通にして
ゲームを解くのでなく、様子を眺めるようになった。
ゲームをクリアするのならば時間をかければ良いのである。
では、その時間遊んでいるひとをできるだけ楽しませ続けることが
ゲームの品質。絵で音で話で、こまかな操作応対や待ち時間とらが。
解くために手をとめていろいろ試すようではなく
いろいろみて周っているうちに見えてくる方が偉いのだ。


理不尽だと感じる難しさや、誰でも楽しめ、奥深く多様にも遊べるのは
良いことである。
そうして遊んでいるうちに、遊ぶ方もゲームのほうも
いろいろ変わってきたものである。
ドラクエ』がなぜいまさらも
あれだけ昔から変わっていないのに面白いのか。
ペルソナ3』が従来に対しあの長さで何を変えてみせたか。
そうして少しずつだか着実にだかいつのまにかだかに、
15年たてばそれだけに良くなっていて、感心しました。






もうひとつ、ゲームとは関係ないところで本作面白かったのは
パラダイムX」。


1998年1月に発売された攻略本のスタッフインタビューに
こういうように書いてあります。

―― パラダイムXには素朴な疑問があるんですけど。遊ぶ側は、3Dゲームをプレーする際に、画面のなかには自分の想像力頼みで入り込むんです。でも、パラダイムXをやってる人がモニターを見てやってるという設定だとしたら、そんなに誰もが入り込めるものなのかな、って。ヒ卜ミが最初に「わあ」って見まわしますよね、見回せんのか?と。ここにも道があるから行こうよ、っていいますよね。道があるから行こうといって行けるのか?って。

金子 3Dゲームに慣れ親しんでいる人だと、そういう風に不満に思うかもしれないですけど……。

手元にも本ありますけれど
攻略サイトhttp://bmky.net/data/sh/)にテキストがありましたので
せっかくなので複写貼り付け。
サイト作成者さまには
いつぞや年賀状まで頂いておきながらご無沙汰しております。
ご覧のかたにはせっかくなのでインタビュー全文ご覧いただけると
15年の月日がいろいろ味わい深いです。
著作権は限りなく透明に近いブラック。い、引用やから……(震え声)


続き。
パラダイム(paradigm)」という言葉は
パラダイムシフト」で「みかたが変わる」という意味。
ウィッキペディアのお堅い解説によると

次の二つの特徴を持つ業績の事。
その業績は、他の対立競争する科学研究活動を棄てて、それを支持しようとする特に熱心なグループを集めるほど、前例のないユニークさを持っている。
その業績を中心として再構成された研究グループに解決すべきあらゆる種類の問題を提示してくれる。

1997年に作られて、上のスタッフインタビューにもあるように
そこから「2、3年先」をイメージして
この名前を冠せられてゲームに作られた「パラダイムX」。


では2012年と2013年現在の「パラダイムX」はどういうものだろうか。


VRバーチャルリアリティ Virtual Reality 仮想現実)の表現は
15年でなく確かに25年前くらいには現在と変わらない
ゲームの中に五感入り込んで「見回せる」ものになって欲しい想、
が既にありました。
むしろ21世紀にもなって未だに
想像の枠がそこにあるのが驚きというべきか。
オンラインゲームが思ったより思った通りだったというべきか。


けれどところが身近な現在では、マニトゥチップなくとも
一部の多くのひとは携帯機器を通して仮想現実に没入している現実。
いやいやあんなのは仮想現実でなく現実であって
本来の仮想現実は
AR(オーグメンテッドリアリティAugmented Reality 拡張現実)みたいなのだ、
みたいな論もあります。
仮想現実(二次元)のほうがが現実(三次元)より上等とか
バンダイナムコ任天堂はどちらが大正義なのかとかとか。


でも『ソウルハッカーズ』で
主人公の台詞が、音声ないころそのままにないままなので
ネミッサとヒトミが一人二役音声付一人芝居しているのを
眺めてみていて思ったのです。
パラダイムX」の外にもARと同じく仲魔は存在している。
合体素材に何かをすると召喚できなくなるが
悪魔全書登録して召喚資格を証明すれば
マグネタイトと引き換えにヴィクトルが召喚できるようにしてくれる。
神話と伝説に発生した悪魔は
女神転生』だけにも既に何十年存在している。
マグネタイトがなくとも
パラダイムX」というネット上のどこかの場所には
ソウルハッカーズ』というゲームの中でしかたどりつけなくとも
1997年の想像は現実に充分存在している。
1997年に現在が正しく想像できないように
現在から何十年か先は正しく想像はできないけれど
想像はできるし
女神転生』も仲魔も覚えていれば存在できるし
もっと身近にあると想像もできる。
正しく想像できないから想像外に日々面白がれる。
それまではこれまででも日々楽しめる。
ゲームも進歩していないししているし
良くなっているし変わっていないけれど
万全諸手に良くなるかはともかく、変わるのは間違いなく、楽しみです。
とりあえず『真女神転生4』を遊ぶとしよう。

 











 

思い出深いゲーム


今回は前年末に書いていたように
過去の思い出深い作品を振り返ってみたいの回。
過去ばかり振り返って現在とこれからをみないようではこまるけれど
遊び終えたときの感慨記録ではあっても
それを現在に活かしている記録では
このサイトまったくできていないので
こういう機会も必要と思うわけなのです。


選ぶ基準は、「現在」思い出深い作品。
遊んだことは覚えていても、良い出来でも、
現在たった今すぐ思い出せなければ駄目。
好みともまた違う。とっておいて何度も遊び返したいとも違う。
ゲームの歴史を体系だてて意義ある画期的な作品であるかとも違う。
今どのようにそのゲームを面白かったと思っているかどうか。
これまでに遊んだ他のゲームとの比較の中で。


いつもとの違いは、遊び終えたときの感想ではなく
現在現時点でその作品をどう思っているかの一覧であること。
つまり未来の現在において常に更新されるので
別ページを建て、そのとき現在にあわせて随時書き換えていくもの。
他との比較なので点数もつけてみる。
ただ、ゲームの面白さは出来の良し悪しではなく
遊ぶひとの好みとか過去に遊んだゲームとの比較とか
その時の気分によって感じられるもの。
付いた点数が他のかたにとって目安になるかは判断できません。


またいきなり過去の全てを網羅した完成一覧表を用意するのは
困難ですので
更新することが思いつかないときとかに
随時加筆修正を行っていきたいと思っています。思ってはいます。
分類とか内容もあとからどんどん変わります。予定です。


 http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/00000001