ストライダー飛竜


ストライダー飛竜 - PS3

http://www.capcom.co.jp/strider/


2014年2月つまり先月発売と、このサイトにしては珍しい新作。
しかしながら中身は昔ながらの2Dアクションなので
現在のゲーマーなみなさまに興味持っていただけるかと余計な心配。
前回もしてたな。
オンラインでチーム組み銃撃つだけがアクションゲームでないんだぜ、
といっても
現在についていけないから昔のものありがたがっているのでないか、
という疑念もまったくあたっていないわけでなくもないかもしれない。



もとは1989年、25年ほど前、スーパーファミコンが出る前の年に
ゲームセンター用に作られた同名作を
このたび設定をそのまま一から作られたもの。
アメリカのカプコン製。
カタカナのニンジャ風な孤高の狩人、
ストライダー(strider:stride(闊歩、進歩の名詞形))」である
冷徹な主人公の飛竜さんが
「あのお方」こと「冥王グランドマスター」を抹殺するお話。
なるほどアメリカ受けしそうな造形。
スーパーファミコンよりメガドライブみたいな。

4gamer:プロデューサーインタビュー http://www.4gamer.net/games/220/G022033/20140220086/



ゲームとしてはもちろん25年前のままではなく
見た目は当然きれいになり
とれる攻撃や移動手段が増えたり
グランドマスターのもとへ辿り着くまでの道中も大幅拡張。
まっすぐ突き進めば1時間くらい、
強化や隠しアイテムを丹念に拾い隅々周れば10時間弱くらいの規模。
雑魚敵もそれなりに火力高く、囲まれ固められて蜂の巣になると
あっさりお亡くなりになれる一方、
敵の攻撃をしっかり覚えれば、最後まで運に頼るようなところはなく
世界の支配者とその配下組織を正面突撃で単身打ち破る、
流石の実力者たる飛竜さんの活躍を堪能できる様式。


明らかに手前にも奥にも移動できるスペースがあろうとも
かたくなに上下左右にしか移動しようとしない飛竜さん。
防御とかガードなどという守勢の行動もなく
容赦ない銃撃の雨中をかまわず突き進んで懐飛び込み
光剣サイファーでボコボコにいてこます活躍ぶりは
まこと頼もしいのですが
なぜか敵陣中ボス敵のもとにあるアイテムで
能力がパワーアップしたりします。
手前や奥の空間も使えば楽そうなのに
平面移動だけで最後まで強引に到達できてしまえるも合わせて、
3Dでないほうの『メトロイド』っぽい。すごくぽい。
やはりアメリカか。



溶岩だったりバイオ兵器だったり
ビームじゃないけれど敵を凍らせて足場にしたり、
2段ジャンプと空中ダッシュを組み合わせてしか行けない
画面隅の行く必要なく行けそうにないところへ
ご褒美アイテム配置してみたり。
もっともサムスさんはシャインスパーク覚えたあたりで
ゴールが見えるお約束ですが
こちらはもう少し過剰な能力を揮うに値する敵が用意されているのが
ややアクションアドベンチャーからアクション寄りなところ。
そういえばサムスさんも3Dの時と2Dでは銃の射程距離が違うところが
いろいろアクションとして慮られるところです。


現在の2Dアクションゲームにおいて、それなり一通り遊んでいただき
同じ値段で他の何十時間か遊べるゲームと並ぶには
2Dの『メトロイド』や本作のような規模の舞台づくりが適当なのかな、
とも思います。
別な表現手段として想起されるのが『メタルギアソリッド』シリーズ。
操作こそ2Dから3Dに変更されているものの
アクションゲームとして、現在に相応満足していただける程度、
量を用意できていると評価されているのではないか。
後ろに行くほど見ているだけの部分が増えていくけれども。
複雑に絡み合ったお話の面白さを表現したいわけではない場合、
それでも主人公が敵地最奥まで進行する動機付けをどうすれば良いか。
そしてその過程に、RPGなどと比べて劣らない程度に
量の満足を与えるにはどうすれば良いのか。
メタルギア』は「ソリッドの1」が、
特にその範となる大きさと思えます。
二十世紀最高のシナリオだったかどうかは存じませんが。



本作は、主人公を動かして楽しむアクションゲームとしても、
現在のアクションゲームとしての大きさ表現の面でも、
今に名を残す作品を復活させ継ぐに、相応しい出来ばえか、というと
若干力不足を感じるところのないでもない。
道中、敵基地の仕掛けを利用して能力解放しつつ
張り付いたり跳び回ったりして越えていくところは
それなりに彩りあきずに楽しめるのですが
やや中ボス敵のみなさんが印象うすい。
特に後半に行くほど力尽きたのかキャラクタの演出表現が中途半端だし
実際戦っても、個性薄いからか工夫する楽しさが薄いところあります。
雑魚の冷凍弾のほうが余程脅威だったりする。


移動中でも落下中でも溜め攻撃がためられるのは良いところですが
普通に張り付いて連打でも脅威感じるところが少ないし
スーパーモードは魅せ技としても
オプションのわかりやすい活躍の場がもう少しほしかったかも。
そんな細かい粗が浮かんでしまいますが
何より全体として、ここ、という掴みが弱い。というか無い。
あまり大きな欠点はないけれど
この作品を象徴する傑出した点も思い浮かばない。
元作品は「飛竜」という主人公の魅力にあったのかもしれませんが
この作品では、それに加えての何か、が特にないように思うわけです。
アクションとして、最後まで遊ばせてくれる出来栄えではあるし
知っている場面でも何週として飛竜さんの活躍を楽しみたくなる程度の
規模と中身を備えてはいるけれど
好みの差を越えて薦めるまで至らない。


2Dだから3Dだからというみため、
またアクションゲームだからという話ではないかもしれない。
現在は少なくとも過去に充分遊びつくせないほどの同種があって
その上で、みためきれいで
細かいところが親切丁寧に整備されている、という理由で
新作だからという理由だけで、過去の名作に克し得るのだろうか。
何か今までにない新しいものが備わっていなければ
価値がないとは言わないけれども
残念には思う次第であります。
















パペッティア

パペッティア - PS3


PS3でSCEJ(ソニーコンピュータエンタテイメントジャパン)が作った
アクションゲーム。
場合によってはアクションアドベンチャー
あるいはアクションRPGとか呼ばれるたぐいだろう種のゲーム。
英語題は『Puppeteer』。日本語直訳「人形つかい」。
ハインライン攻殻機動隊リンダキューブですが
公式サイトなどの紹介でわかるとおり、このゲームは全年齢向け。
任天堂ゼルダ』シリーズとかディズニーアニメとかあのあたりふう。


似たゲームを挙げると『風のクロノア』。
例が古いのはこのサイトの仕様です。
銃や剣や肉体言語で敵倒しながら進むアクションではなく
アスレチックコースに用意された仕掛けを跳んだり跳ねたりでかわし
軽快にゴールへ進んでいくのが主。
コース最後にはやはり様々な演出で、ボス敵が倒されるを待っている。
PS3だから当然3Dで演出されるけれど、操作は2D。
つまり画面奥や手前には移動できない形式。
主人公はダッシュとジャンプの他に、まったく攻撃できないのではなく
爆弾、フック付きロープ、リフレクトフォースに踏みつけ攻撃など
類するアクションアドベンチャー定番の仕掛け起動手段も
やはりよろしく、進行従い採れるよう用意されていますが、
本作の最たる特徴にして特長といえるのは、主装備「はさみ」。


この「はさみ」は切る事で攻撃手段として使えるだけでなく
切る動作に、切った方向への強制移動が重力より強く発生する。
ゲーム内の動きでいうと、切るものあれば連続して切り続けることで
足場なくとも上下左右いずれにも延々移動可能。
空中、ジャンプ後や高いところからの落下中など滞空時にも
このハサミアクション常時起動可能です。


つまり既存ゲーム作法でいうならば
これは2Dアクション版「空中連続ダッシュ斬り」。
足場がないところでも用意された何か切る、あるいは捕まえることで
空中を自在に跳びまわれる感味わえる、
ゲームならではのアクション様式のひとつ。
「空中連続ダッシュ斬り」が、剣で敵を斬る、
即座にたぶん敵の身体を足場にジャンプして移動、というりくつに対し
本作のりくつは、人形にされてしまった主人公が使う魔法のはさみ。
人形の軽いからだより、切り動作の推進力量のほうが大きいのである。
魔法だからしかたない。


ゼルダ』のようなアクションアドベンチャーでなく
風のクロノア』のようなアクションゲームである、
というのもここにあります。
舞台となるステージには、攻撃対象としてより移動足がかりとして、
はさみで切る切れるものが、そこかしこ用意されている。
舞い散る葉。流れる雲。漂う煙。風にたなびく旗。
魔法のはさみだからなんでも切れるのである。
むしろ全年齢向け仕様に相応しく
直接対峙する敵をはさみで切り刻んだりのほうがあまりできない。


切ることで移動補助となる対象物は
「背景に描かれた」「動くもの」で統一されていて
またみための上でも、
切れない背景、足場にできるところ、敵、敵の攻撃、といったものと
終始一貫、全ての場面で明確に区別できるようになっています。
また「連続ダッシュ切り」や『クロノア』の吸い込みジャンプ、
あるいは『ゆけトラ』の掴みフリフリ投げのように
敵は切りの対象でないため、その行動にあわせる必要がすくない。
仕掛け全てを解こうと思うと大変だが
最後までひととおり遊ぶ分には全年齢向け、誰でもできるような
本作の「難度」というものは
これらの丁寧な作りが下地にしっかりあるゆえ。


『マリオ』のジャンプ中機動や
『ボンジャック』の独特慣性ジャンプをみても
「2Dアクションで空中連続ダッシュ切り」自体は
さほど斬新というものではない。
されど謎の着脱伸縮能と異空間支点を要するワイヤーアクションでなく
3Dアクションのオートロックなればこそでもなくとも、
魔法のはさみで切る動作に、この機能をもたせたところは感心。
簡単操作でみため明解。なるほどこの手があったかと思わせます。




本作のもうひとつ特徴といえるのは
ステージ間デモというに留まらない、ほぼ常に働く豪華な演出。
アクションゲームというより
演劇舞台の合間ごとにゲーム部分があるような感じ。
3DSパルテナの鏡』でもナレーションが全場面についていましたが
こちらは比較して、声の演出に留まらず、
登場キャラクタの動き、背景美術一体となった様相。
舞台も様々次々変わって、長めの1ステージ終えるごとに満腹感。
手間かけて造られております。


ただ全体遊び終えて外観すると、やや演出過剰、
いや、場面ごとの見せ方が冗長というわけではないのですが
それぞれをまとめてひとつのお話としてみると難がある。
もっとも映画や演劇と同じような時間で
全体遊び終えてしまえるわけにはいかないのがゲームというもの。
クリアに必須でない要素ちりばめて繰り返し遊べるようするのと別に
ごく普通にひととおり最後まで行って
10時間かからないというのはそれだけで減点扱いされるのが現実。
映画や演劇は2時間半越えると非難轟々なのに。
私としてはアクションゲームなど1時間以内で
クリアできるほうが好みなのですが
ゲームの一般常識がそうなっているのは否定しがたい。


さらに余計な心配として
全年齢向け、つまり自分で選んでゲームを買って遊ぶ層だけでなく
親御さんにねだって買ってもらう層も対象としている、ということは
すなわりその層に楽しめて、それ以外でも遊べるもの、
親が子供に買い与えて遊んで欲しく思えるようなものに、
あってかつ、全年齢に受け入れられるのは
はなはだ困難ではないかという邪推です。
果たしてこの丁寧手間かけつくられた本作が
本当に相応しい対象に届いているのだろうか。
ちゃんと作った分を正等に評価されているのか。
そんなこと思ったところでどうしようもないですが。
ゲームの市場とか売り方とかそういう問題だし。
演劇や映画と比べて恵まれていないわけでもないだろうし。




そういう感じで、アクションゲームとしてなかなか楽しく
全体としてもこってりごっちゃり豪勢なたいした作品ですが
ゲーム好きなみなさんにはあまり好かれなさそうな感じの印象です。
女性の肌色とか銃撃でバリバリのほうがゲームらしいというのも
残念でもなく当然ではあるけれども。

ソリティ馬とか

前回は「基本無料」の『艦隊これくしょん』について書きましたが
今回も安価。合計900円なり。



ひとつめ『CookieClicker』。
http://orteil.dashnet.org/cookieclicker/
無料。『艦これ』と同じブラウザゲーム、というよりも
さらにより簡易なもの。ゲームなのかもそもそもあやしい。


画面左側に表示されているクッキー、らしい、を
マウス左クリックとかで押すことにより増やすのが目的。
一回たたくと一個増える。
ポケットを叩くとビスケットがふたつ。
クッキークリッカーはクッキーふたつ。


けれど連打するだけでは面白くもなんともないので
増やしたビスケットを消費し
自動でクッキーをクリックしてくれるアイテムだとか
クッキーを焼いてくれるおばあさんを雇うだとかの選択ができる。
そうすると短時間で効率良く大量のクッキーの数を
言い換えて、数値を増やしていくことができ
ただみている間にも毎秒膨大な数字が生成される。
それを起動し駆動させ、より活性化するよう調整する。


だからなんだ。
なんなんだ何が面白いんだ、というものではあるけれど
いってみれば、RPGと呼ばれる分野におけるマス目を埋める楽しさ、
時間をかけた分が着実な成果として蓄積されていく喜び、
それと同じものが、数字が増えていくだけのことにも、ある。


ただ、これはゲームなのだろうか、とはやはり思うのです。
でもそうすると、ならばゲームとはなんなのか、
RPGならなんのためにゲームをクリアする必要があるのだろう、
マップ踏破やアイテム取得やイベント消化100%と
エンディングをみることの達成感とは
どちらが上なのか、とか思うのです。


時間が経過すると数字が増える。
すこし操作するとさらに効率よく増やしたりできる。
これにお話とかエンディングとか対人対戦とか
操作の上手い下手による有利不利とかを付けたものが
ゲームと呼ばれているものなのか。どれが抜けるとどうか。
あるいはかけた時間、それに接した時間を
数値という比較換算可能な価値に変換できることが
ゲームまたはゲームのようなものの喜びのひとつなのか。




ふたつめ『魔女と勇者』

http://flyhighworks.heteml.jp/games/majyo_to_yuusya3ds/
400円。3DS用ダウンロード専用。
内容は体験版や紹介動画を見れば一目瞭然、
いわゆる「タワーディフェンス」と呼ばれる種類のもの。
画面中央にメデューサの呪いで石化してしまった魔女がいて
敵が四方から魔女を破壊すべく襲ってくる。
魔女が攻撃され壊されてしまわないよう勇者を操作し敵を倒す。


勇者は攻撃ボタンとかでなく、相手に重なると自動で戦うのですが
懐かし『イース』2までにあった「半キャラずらし」のように
敵の後方からぶつかると有利に戦える。
また敵を倒すとお金や経験値や
体力回復アイテムが入った宝箱を落としたりするけれど
宝箱は何度かぶつからないと開かない。ぶつかると大きく弾かれる。


魔女の側で敵が来るのを待っていれば良いのでなく
後方に回り込むため、守る存在から離れて動き回らねばならず
魔女が襲われる際や体力が尽きそうな危機にはすばやく対処するため
歩くより早い宝箱の弾きで移動する、というように
これらの要素がちゃんと、多数の敵を動き回って倒す意義に
成長するためのアイテムを拾うためだけにでなく、結びついている。


そういうように工夫があり
何よりヒロインの魔女を守るという設定動機付けが簡潔良く出来ていて
感心するところもある作品ではあるのですが
しょせんタワーディフェンス。単調である。
敵は勇者に目もくれず、魔女すなわち画面中央に向かって一直線。
レベルが上がって攻撃防御移動速度や魔女の防衛攻撃が強くなっても
すること同じ。敵の出現数も順序も同じ。
操作の上手さでなく、かけた時間で解けるかどうか決まるのも
この種の様式にあっては正義かもしれないが
ゲームとしては減点。


ひとつめの『CookieClicker』と比べれば
よりゲームらしいゲームです。
まだ少しだけ長いこと、新しい要素が展開していく過程を楽しめる。
かけた時間だけ着実に強くなり、
操作の工夫で効率の改善を図れるところは共通しているし
ヒロイン魔女を助けて敵を倒すというお話があるのもましと言える。


一般ふつうの、何千円かで売っているゲームと比べて
この『魔女と勇者』はどうだろう。
何が欠けていて何が足りないだろうか。
きれいなみため。飽きるまでの時間。感動のお話。
400円だったら妥当相応なのだろうか。




みっつめ『ソリティ馬http://www.gamefreak.co.jp/solitiba/
500円。同じく3DSダウンロード専用。
競走馬育成SLGではなく
ファミリージョッキー』のように騎手となってレースをするもの。
道中の位置取りと最後の直線で鞭を入れる、のではなく
レース中にソリティアをする。
その得点が高いほど馬がより良く走ってくれるゲーム。
どうしてそうなったという驚きの発想。
わけがわからないがとにかくそうなのだ。


ソリティアというのは「solitaire」と書いて
辞書の意味は「ひとりで遊ぶこと」。
超人ロック』にそういう話がありました。
もとい、つまりWindowsについているカードゲームの名前でなく
1人用ゲームはみなソリティアなのである。
より細かいことをいうと
Windowsで遊べるのは「クロンダイク」と言い
この『ソリティ馬』で使用するのは
よりその簡易なルールといえる「ゴルフ」と呼ばれているらしいもの。
らしい。


レースが始まると、ソリティアが始まってカードが配られる。
ソリティアで高得点を出すとポイントが多く得られ
そのポイントを使って脚質やレース展開に応じ位置取りを変えたり
競馬用語で言えば「足をため」たりする。
距離に応じて何度かソリティアをし
迎えた最後の直線では、「足をためた」分だけ馬が実力を発揮、
充分に道中ポイントをためていれば
能力が他馬に劣っていても勝ち負けになる。つまり勝てたりする。


ゲームフリークの作品に相応しく
みためや登場人物のキャラクタもよく出来ていて
「あざーす」「さーせん」などの主人公口調も秀逸。
引退した馬は牧場で繁殖にまわし、その子達に乗ることもできて
ソリティアをするだけではありながら、それなりに長く楽しめる。
『魔女と勇者』より100円しか違わないのがおかしく思えるほど
遊び応えに大差がある。


もっとも500円という規模の限界はあります。
騎手を操作するという立場の難しさはあるとはいえ
他の競馬を題材にした作品に比べれば、深く広く長く遊ぶのは難しい。
関わった競走馬たちへの思い入れも込めがたいし
レースプログラムにも不満は多い。


500円だから仕方ないと言うべきか。
では、このゲームが5000円で普通のゲームのように
多彩の調子であったらどうなのだろうか。




かのように、総計900円で3種類のゲームや
ゲームらしきものを遊んでみたわけですが
前回の『艦これ』も含めて
現在の最新ゲームとの対比が面白いところです。
払ったお金にふさわしいだけのみため。遊べる時間。楽しさの総量。
それぞれ作品が持つ面白さの違い。


既存の普通の作品、これら無料や低価格のものをあわせ
値段がすべて同じだったらどれが売れるだろう。
全て無料で、何時間か遊ぶごと、レベルが一定に達するごとに
お金を払う形式だったらどうだろうか。
みためが同じ程度でお話の分量や要素の種類が同じだったらどうか。
逆に『魔女と勇者』が絢爛豪華なみためと中身容量で
GTA』や『FF』シリーズが
『魔女と勇者』のようなみためであるならば。


そのゲームに即した相応の規模だとか形式だとかは当然ある。
画面がスクロールして歩いていける範囲と広がっていく世界、
登場人物とレースの種類と実在競走馬の名前。
写真と見分け付かないみためと、跳ね返り計算できる宝箱の大きさ。
クッキーが生産した数に忠実な写真のようなみためで
表現されることは重要ではないが
RPGではときにいまだにこの期に及んでも
見せ場で原画相応の一枚絵と声優の演技が求められたりする。


重厚長大に対する軽薄短小という様相の違いだけでなく
遊ばれかたも大きく違う。
テレビの前に腰を据え舞台世界に没入してじっくり遊ぶものと、
携帯機で空いた時間の隙間を埋めるようにして遊ぶもの。
ひとくぎりが短くても楽しめるものと
ある程度の単位で大きな起伏を味わえる壮大さに価値あるもの。


ソリティ馬』は、数分で1レース決着がつく。
それはさらに短いトランプカードを揃えるゲームと
競走馬を操作する部分で構成されている。
何十人もがひとつの舞台で数時間かけて作り上げる戦いの物語も
数分のソリティア
いずれも同じくゲームであるが異なって見える形式で作られている。
けれど一定のルール下で勝敗を争う競技であり
工夫が勝利を呼び運が波乱を招く。


一方で同じひとりで遊ぶゲームでも
争うことなく競うのでなく
かけた時間が評価されることの心地良いだけのものも
またゲームと呼ばれる形式の娯楽が生み出すものでもある。


そのどちらもが混然一体ゲームを形成している。
ごく小規模低価格の分野にもそれはあり
質とか好みとかでなく違いが存在して
ゲームの多様性、今までにない新しさが
まだいくらもあることを証明して
楽しませてくれるわけであるわけであります。
















 

2013年終了

今年のゲーム出来事といえばPS4Xbox Oneの発売。
のはずが日本では未発売。Xbox Oneなどは発売日未定。
海の向こうは賑やかなのに寂しい国内年末商戦。
これはもう駄目かもわからんね。



他にもPSVitaがテレビで遊べるVitaTVというものが出ました。
これはちゃんと日本で発売。というか他の国は発売日未定。
逆。
さすがガラパゴス、と書こうとしましたが
これってガラパゴス諸島に住んでおられるエクアドルのかたがたに
失礼かもしれない。
さすが日本。孤立。独奏。
孤高と独走のほうがお好みか。独創ではないですな。


VitaTVは外でゲームを遊ばない私向きな感じですが
「テレビで遊ぶゲーム」の勢いが弱い傾向は
ここのところ間違いない方向。
ゲームを売っているお店にいけば変わりないようでも
WiiでもPS3でもなくDSと3DSが売れ
そして携帯電話、スマートフォン向けゲームが見えない形で進行。
操作のしやすさにやはり問題があるようですが
それ以外に誇れる有利があまりない。
3DSの操作性とやらが良いわけでもなし。


PS4やXBOXOneも、以前ほどのわかりやすい見た目の違いがなくて
一方で基本無料のような小型ゲームが
多くのお客を獲得できたりもしている。
果たして「テレビゲーム」の名も
いつまで「テレビ」でいられることか。


ファミコンが1983年に発売されてから30年、
今年は山内溥任天堂前社長もお亡くなりになって
果たしてゲームはどこへ行くのかいかないのか。
個人的にはゲームを遊ぶ時間確保が重大。
遊びたいゲームは山とある。
けれど遊べずいる間も時は流れて今年も年末。




今年もこれまでと変わらず、今年書いたもの読み返して振り返ります。

シヴィライゼーション レボリューション

http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20130211

これを遊んでいたのは今年だったけ、というくらい忘却の彼方。
発売は2008年だし。このサイトに世間のながれとか関係ないし。
困ったものである。


この『シヴィライゼーション』シリーズのような
アクション要素の低いリアルタイム対人対戦ゲーム、
おおまかに言えば「手番制ではないボードゲーム」は
オンラインが普通へ拡がってもなかなか広く受け入れられないようす。
それともアクション要素という目にわかりやすいものがないので
外へ広がり難いだけなのだろうか。
日本製ゲームで対人対戦はRPG要素がすごく重要なのだろうか。
ピクミン3』などもあまり盛り上がっていない気がする。


いずれにせよオンライン対戦によって、
また技術向上でみためがきれいになることで、
わかりやすく恩恵を受ける種類でもあるので
今後の更なる発展が期待される分野であります。


キングダムズオブアマラー:レコニング

http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/201303

われながら「オープンワールド」という言葉に敵対的。
けれど『FF12』とかの街が
『グランドセフトオート5』並みに作りこまれていれば
より賞賛していただろう、と問われればその通り。
好みの問題なのである。
FF8』『10』『13』は駄目で『7』と『9』は許せて『12』は好き。
完全に好き嫌い。


オープンワールドが嫌いなのではなく
良いものが認められず、良くないものが過剰に褒められているとの
不快感が根にあるのかもしれない。
そこで良い悪いを決めているのは自分の好みだけれども。
グランディア1』を買わず『センチメンタルグラフティ』を買ったり
『アスカ見参』にプレミア価格がつく一方で製作会社が潰れたり
三国志大戦』も遊ばずにその年のゲームについて語るとか、
ゲーム好きと称するかたがたの見る目なさには
ほとほとがっかりだ(※ただし自分も含む)
あと古い話ばかりでまるで今についていけていないぞ。


どのゲームも一定の品質を保っているとして
どのゲームも等しく売れるかというと違います。
良いものが売れるとは限らない。
遊ぶ方の見る目がないからでもあり、売り方が下手だからでもあり、
どのゲームも同じ出来ばえではないからでもある。
インターネットで広く情報溢れても未だ容易ならざる道中途。


思い出深いゲーム

http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/201304

あっ……(白目)
というくらい存在を忘れていた、
のは嘘で覚えていたけれど
結局放置したままこの年末到ったのであった。
やはりこうなるか、と自分のことだけれど思います。


上の『シヴィライゼーション』も『アマラー』も
どういうゲームだったか、もはやおぼろげにしか覚えていない。
まして昨年に遊んだものや、数年前、十数年前だと残った印象だけ。
それはそれで残す価値はあるだろうけれど
好きなものは美化され嫌いなものは汚れて
塗り替えられていくものでもある。
完全な記憶があれば現在と正しく比較ができるかもしれないが
正しい比較をすることにどれだけ意義あるか謎。


ごたくはともかく一応少し書き換え書き加え。
http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/00000001
今後も最低限、年末に一回は更新することにしよう。
365日後にご期待ください。


デビルサマナーソウルハッカーズと真女神転生4

http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20130521
http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20130703

このふたつは抱き合わせで。
その後アトラスブランドゲーム製作部門はセガに救われ
順調に継続している模様。よかったよかった。
ペルソナ5』は素直に楽しみ。


ソウルハッカーズ』に対してさらに書くことないので『4』のほう。
前作に当る『ストレンジジャーニー』がこれまでの『真女神』に対して
かなり上手くほどほど新しく良いところをまとめていたのに対し
数字付きの『4』はそれ以上の期待を当然したけれど
思ったほどではなかった、という印象。


全体もこじんまりしているし、細かいところもいろいろ惜しい。
バロウズちゃんの優秀さに対して仲間の演出が残念。
一緒についてまわることはなかったのでは。
ラク浅すぎ。最初の一回は途中飛ばして一気に下まで落ちて
戻るために登り直すとかでよかったのに。
地上マップ雑過ぎ。東京を知っていようがいまいが魅力がない。
戦闘もお話全体の長さの割りに、どのレベルでも代わり映えしない。


『ストレンジジャーニー』ならこれでも良かったけれど
数字付き続編がこの程度で良いのかと思うのです。
話が長い。もっとルートごとの共通部分減らして
何週もさせる前提で切り揃えた方が良かった。
細かいところもそうだけれど、大元のつくりに不満があって
正直これでは次にあまり期待できない。


肩に力入れて期待しすぎかもしれません。
全体としてはそこそこ良く出来ている、
『ストレンジジャーニー』と比べて劣ってはいないだけに
難しいところです。


夏で暑いから値崩れ作品消化期間

http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20130731

ゲームの謎。
遊んで見なければ面白いかどうかわからない、というなら
作っているひとは遊んでいるから
自分が作っているものが駄作であることに気づいているはずだ。
良くしたほうが売れる可能性が期待できるのはおおむね正しいだろうに
なぜ直さないのか。
答え。時間が無いから。


なら良いけれど、いや良くなくて納得も出来ないし
理解する気になれないから次回作冷笑するだけで許してあげるのですが
作っているひとが無能だと大変困る。
なぜ困るのか、買わなければ良いだけなのでは、ではありますが
気まずい。みていて不快なのでなく、つらい。


ドラゴンズクラウン?

http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20130930

文中で引き合いに出しているタワーミスタラの方も
同時期にPS3版が出ていたもよう。(ASIN:B00CYA1EH2
アンテナ低すぎ。
この『ドラゴンズクラウン』については
桃鉄』とかと同じく
4人で一緒に遊ばなければ面白さがわかるわけないだろ、といわれて
一言も反論できません。感想書く資格なし。


ニーアレプリカンとかとかいろいろ

http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20131102

ランスシリーズは来春最新作『9』が出るらしいのですが
現在使用のいにしえノートパソコンで遊べない。
他ではまったく問題ないので
このゲームのためだけに買い換えるか、というとさすがに躊躇中。
本格的なゲーム用PCを買って
Steamとかの海外ゲームにも意欲的に手を出すべき、
という方向もあるのですが
残念ながらそんな時間はない。まったくない。
既存ある程度定評あるもの追うだけで精一杯。
また、文中話題に挙げている『闘神都市2』が3DSで出るらしい。
PC版を遊んだのは十数年前。
当時は感心したけれど、現在で果たしてどうなることやら。


逆転裁判5』は、かなりつらい。
世評は『4』よりましとのことですが、まったく同意できません。
『3』で終わっておけば良かったのに。


ニーアレプリカント』は
3Dになって以降の『ゼルダ』シリーズをもとにして
いろいろ味付けした作品。
わりと良く出来ていて評判そこそこ良いのもわかるのですが
あまりピンとこなかった。
舞台設定とかお話とか雰囲気を味わうところが主の本作と
そこを冒険してまわる『ゼルダ』と
大体の仕組みは同じようでも、結果が随分違うものです。


テラリア

http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20131130

『マインクラフト』については
とても力の入った紹介記事があるのでご覧ください。

結局のところ「Minecraft」とは何だったのか? 数々の常識を打ち破ったモンスタータイトルが指し示す,ゲームのこれまでとこれから - 4Gamer.net http://www.4gamer.net/games/126/G012627/20131225025/


『テラリア』は『マインクラフト』がもつ魅力の一端を
わかりやすく伝えてくれる作品。
ゲームはみためとか操作応答とかの技術や手間も大切だけれど
何よりもどんなゲームなのか、
何をすることで何が出来、何が楽しいのかが基本であり
そしてビデオゲーム生まれて三十年を経ても
まだまだこれまでにみつけられていなかった種類の面白さが
そこに未だあることを
『マインクラフト』やこの『テラリア』は教えてくれます。


これまでになかった新しいもの。
それこそゲームにこれまでもこれからも期待し注目し続ける理由。
また一方で、その遊ばれ方みたいなところもあるけれども。
完成品があって、あとはどう受けるか自由な他の表現作品と
そこもゲーム独自の面白さです。


艦隊これくしょん

http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20131230

長い。
基本無料(横文字でFree To Play、略してFTPというらしい)とか
ソーシャルゲームとかは
最初に書いた通り、もはやテレビゲームを押しのけ
時代を代表しているからね仕方ないね多少はね。


もっとも「売れるゲームの研究」をするつもりはさらさらなく
どうしてこの作品が売れたかとかは、妬み嫉み除けばどうでも良い。
そのゲームが、自分にとって面白いかどうか。それだけです。
けれどゲームは遊んでみなければおもしろいかわからない。
何でもかんでも遊んでみる時間はないので、世間の評判を当然参照、
みなさまのみるめに感心したり感謝したり
がっくりしたり恨んだりするわけ。
そして好み次第で評価が変わる現実と向き合って
自分は何が面白いのかをより知りたいと願うけれど、なかなか難しい。
一般の買い物と同じく、選ぶ楽しみも娯楽のひとつ、
誰かが楽しんでいるようすを共遊するのも面白さのひとつ。


『艦これ』は、ゲーム商売の面からもいろいろ話題になっている作品。
無料のわりに良く出来ているのか、
話題になっているのはそこそこ良く出来ていて無料だからなのか、
果たして最初から店頭パッケージ販売していたら売れたのかどうか。


値段はさておけば、
話題になるのは解る程度の出来ばえとは思うのですが
対人対戦とか根本的に改築したくなるような不満も
たくさんあるつくり。


実のところ今月は9月同様仕事が忙しくて
テレビの前でじっくりゲームに向き合う時間がまるでなかったので
その後のバージョンアップで多少変わっているかもしれない、
と思ってここ数日遊び直したのだった。
ただ数日ではあまり進まない。
毎日少しずつ遊んでいくつくりというのも独特かもしれない。


まとめ


今年もあまりゲームを遊べなかった。
しかも新しく遊んだもので感心したのは『テラリア』くらい。
それもすごく面白いとも違うものだし。
『艦これ』も話題となるだけの独自さがありましたが
もくもく遊ぶほどには不満あるもの。


ちなみに、ここに感想書かず継続して遊んでいるゲームもあります。
それらはSTGとかアクションとかの短時間で楽しむ種のゲーム。
短時間である程度満足するゲームにしか時間割けない、ともいう。
また9年目の『三国志大戦』も、動画サービスが終わったりして
いよいよ終焉の時が近づいて悲しい。




さて、このサイトも2004年の1月から始めて10年分。
ファミコンからなら30年の、実に三分の一。たいしたものだ。
それでもあまりにまるでも進歩ないですが
いいかげん大体身の程知って当然こんなもの。
今後も同じような程度で続けていく所存。
もっとゲームをする時間を作って
月に一作品くらいの配分で楽しめるようにはしていきたいですが。


以上で2013年終了。
このサイトはまだまだ延々続きます。
来年以降も月一度くらいの更新を目標に書いていく予定。
年に一度くらい、ごくたま思い出したころご覧ください。
2014年以降がこれまでより少しでも良いものでありますように、
私も微力ながら社会成員のひとりとつとめてまいりたいと思います。
ご覧の皆様には良いお年をお迎えくださいますように。また来年。





 


 

艦隊これくしょん


公式サイト http://www.dmm.com/netgame/feature/kancolle.html


今年2013年4月から「運営開始」のPC向け「ブラウザゲーム」。
ゲーム中身は1人用の艦隊育成シミュレーション。
公式サイト表記にある通り『艦これ』という略称も正式名称らしい。


基本無料のPC向けブラウザゲーム
あるいはソーシャルゲームとかいわれるたぐいのものについて、
このサイトで感想書くのは始めて。
ううむオンライン時代。
何を今更ではありますが
このサイトを書き始めた10年前にはなかなかなかったこと。
ドリームキャストファンタシースターオンライン』が2000年12月。
PS2版『FF11』が2002年5月。
PS33DSでのオンラインアップデートも
いつのまにやら当たり前にじわじわ浸透、ここ今至る。




まず「ブラウザゲーム」とは何かというと
ウェブブラウザ上で遊べるゲームのこと。
インターネットを見られる環境なら遊ぶことができる。
PS3とか3DSではオンライン対戦やゲームのダウンロードはできるけれど
インターネットにはつなげないので遊べません。


その特徴はお手軽さ。
ゲームソフトを手元ゲーム機とかパソコン、スマートフォン
ダウンロードしてインストールせずに
そのまま遊ぶことができる。
ゲーム買ってきてゲーム機に挿さなくても遊べる。
YAHOOメールのようなフリーメールのように
自分のパソコンでなくとも、ネットにつなげられれば
個人IDとパスワード管理でどこでも遊ぶことができる。
ゲーム本体は手元のゲームを遊ぶための機械の中でなく
ネットの向こう、ゲームを「運営」する会社の手元にある。
いわゆる「昔からあるオンラインゲーム」の簡易版のようなかたち。


お手軽さ、そのゲームを遊ぼうとするに際しての取掛かり低さを
さらに活かすのが、お金のとりかた。
アイテム課金」「基本無料」とかそういうのである。
体験版は無料でダウンロードでき、続き遊ぶならお金を払う、という
家庭用ゲーム機向けでようやく現在一部受け入れられつつある仕組みを
さらに進めて
体験版でなく、無料分で一通りを遊ぶことができるが
対戦で勝とうとしたり、より効率的あるいは快適に遊ぶには
追加でお金を払うことが必要というもの。
この『艦これ』もそういう仕組み。
ゲームソフトをダウンロードする、自分の手元に移す、
何かを「もらう」わけではなく遊べる、
だから無料であることが自然のように感じさせられるとも言える、
よくできた仕組みです。



ネット環境が整備されていなかった昔、
ゲームがお客からお金をとるには
完成品をお店で売るか、
ゲームセンターに置いて、その都度お金を払って頂くかしかなかった。
レンタルはゲーム会社のほうも乗り気でなかったので。
けれど誰もが個人ごとネットにつなげられる現在では
ゲームのお金とりかたも多様であります。


本格的にどっしり腰据えて遊ぶ大型オンラインゲームは
最初にゲームソフトを買ってもらった上、
さらに月にいくらという形でお金をとる。
最近では『ドラクエ10』とか『FF14』はこれ。
ゲームセンターのゲームは、完成品をお店で売るのに比べて
元を取るだけのお金を、その都度の積み重ねからとるために、
新しさという価値の目減りに対抗し得るだけの面白さを
初めから備えていなければ後が続きませんでしたが、
一方上記大型オンラインゲームは、ひと月単位で
お客がお金払うに値するものを提供し続けていかねばならない。
何ヶ月か払い続けてもらって利益でるよう最初からに作っているので
ゲームセンターのゲーム以上に大型規模壮大につくれるかわり
毎月ごとと、総和の要求と、それぞれともに相応しく大きい。
まさに大型ゲームであるわけなのである。


もちろん『FF11』の次に『FF14』が出ているところからし
それでも成り立ちうるもの。
社会人の大多数である私は
これらに適当なだけ遊ぶ時間をとるのが困難ですが
みている分にもまこと面白い。
遊んでみなければ何もわかりはしないとしても。


一方、基本無料で「アイテム課金」とか「条件解除」のような形で
お金をとるゲームも
オンラインゲームだからこその手軽さ。
そのゲームが気に入ったひとには
さらに追加でお金を払ってでも、もっと深く広く長く遊びたい、
という層があることの証明は
ゲームセンターが成り立っている時点で自明だけれど
その需要に対し、新しいゲームソフトを買うという手間より少なく
満たし応える手段が、オフラインでは無かったのである。
オンラインだからこそ在って提供される新しい価値。
追加でなく最初に払った以上の価値があった褒美として
お金を払ったりできることもあるならば、まこと美しい。


ゲームを作るほうにとっても、運営の手間はかかっても
その手間以上に需要をつくれるなら申し分ないし
違法コピーといった遊び手管理の面でも良い面あるけれど
けれど、もちろん良いことばかりではない。
今でもゲームソフトはお店で売っていて
オンラインにつなぐことなく全ての要素が遊べるものも
多く存在している。
中古ゲームは立派に市場を形成し
ダウンロード販路はなかなか拡充しない。


お客に追加でお金を払わせる、というのは
ゲームセンターの形でゲームその最初期からあったとはいえ
簡単なことではない。
問題の多くは、ゲームにおいては
規模が面白さの量と等しいのではないこと、
遊んでみなければ面白さがわからないこと、
遊んでみなければ、どれくらいの楽しさをどれだけの量、
どれだけの期間楽しめるのかが、
遊んでいる方も、作っている方にもわからないからにある。
これは書籍や映像作品では発生しえない、
まことゲームならではの面白いありよう。


オンラインであること、継続してゲームが「運営」されることで
不具合改善されたりすることは
最初の完成度に疑問を抱かせることでもあり
要素の追加は嬉しいことでもあり
さらにかかるお金に見合い続けるか試しあうこと。
ダウンロードコンテンツ」とか「課金アイテム」の存在は
最初に払った分だけ楽しめなければ
文句たらたらの感想をネットに書いて中古に売り飛ばすしかなかった
お客であるこちらに対して
新しい楽しさと面白さと不快や不満を与えてくれるものである。
現金が絡み、その匙加減次第で様相一変する面白さは
子供向けとしてあり続けたゲームにこれまでなかったもので
ますます今後楽しみであるのである。
どのゲーム会社も苦労しております。
そういう意味で個人的に2013年のゲームを象徴するのは
「無料で遊べちまうんだ」の一言で決まりなのだ。そうなのか。




さてようやく本題、『艦これ』というゲームの感想。
1人用艦隊育成シミュレーション。
第二次大戦ごろの軍艦を元にしたキャラクタを自軍に揃え、
戦闘を繰返して経験ためレベル上げ、武器を開発したりして育て、
さらに強い敵を倒していくゲーム。
対人対戦要素は全く無く、交換みたいなこともできない、
オンラインなのにほぼ隅々まで1人専用。


一度に戦場へ出せるのは六隻、というか6人というか、までですが
仲間はいくらでも集めることができ
精鋭一軍でできるだけ先に進み、
後から加わった新参は効率よく大量経験値得られて急成長、という
ファイアーエムブレム』とかの仲間が大勢いるSRPGのようなもの。
仲間は工廠で建造したり、戦闘に勝つと加わったりして続々増えます。
同じキャラクタが複数存在したりするのは
RPGと違い、トレーディングカードゲーム調。
実在軍艦の来歴を、性能特徴だけでなくキャラ立てにも活かしていて、
全体のお話とか設定、なぜどこで誰と戦っているのかとかは曖昧に、
各キャラクタの軍艦という戦う存在だからというところに立脚。
そういうところもトレーディングカードふう。


また海戦シミュレーションゲームでなく
艦隊育成シミュレーションであるというのは
戦闘が自動。出撃させたら見ているだけ、だからであるからして。
陣形の指示だけは出せるのあたりとか、
ダービースタリオン』のような
競走馬育成シミュレーションのレースシーンを思わせるそれ。


戦闘の勝敗、自軍の強さは、出撃した六隻の
職業のようなものでそのキャラクタごと変えられない
「戦艦」「空母」「巡洋艦」「駆逐艦」「潜水艦」のような艦種と、
各個人のレベルとで、ほぼ決まります。
攻撃があたったり外れたりクリティカルヒットしたりと
振れ幅はもちろんあるけれど
速力や攻撃範囲や索敵といった要素はかなり薄め。
戦場がマス目で区切られて移動して撃ったりとか無い。
戦艦も空母も足止め一列最前線で殴り合い。
敵の種類や強さはその戦場ごとほぼ固定。
とにかく時間かけて仲間を敵より強くすれば先に進めるゲーム。


というように書くと
提督の決断』とかの、同じく第二次大戦の海戦を素材とした
戦争シミュレーションゲームに比べて微妙では、という感じですが
題材同じだからみためもつくりも似ているけれど
もちろん相応の個性がある。
手軽さが特長の「ブラウザゲーム」に合わせた
育成部分だけ切り取った割り切り。
それがこの作品の特徴で面白いところです。




戦闘して大ダメージ受けると性能下がるので
修理して直す、というか回復と言うべきか、する必要あるのですが
そのかかる時間が、ゲーム内日数とかターン回数とかでなく実時間。
最初のうちは10分とか30分とかで全快するけれど
レベルが上がるごと時間かかるようになっていき
主力大型艦が大破したりすると2時間3時間あたりまえ。
ただし、ゲームをしていない時間も、この時間は進むのです。
ゲーム止める時に修理や時間遠征に出したり、大型艦建造したりすれば
次の日には立派に成果上がっている。
『小人の靴屋』の妖精さん像はゲームにまこと便利な存在。


他にも実時間が進行に関わる要素に
出撃や建造や修復で消費する資材の時間回復といった要素があります。

この実時間が進行を制限する形で直接関わる、というのは
使い方ひとつ違うと不快でしかない。
『艦これ』でも修理が即座完了するアイテムや、消費資材を
リアルマネー、ゲーム外側こちらがわの現金で購入できる。
ただ資材は建造へ極端に注ぎ込まなければ枯渇はしないし
修復即完了アイテムも普通に遊んでいれば充分入手できる。


実時間がゲームの進行に関わるのは
最初無料のオンラインゲームならではの呼吸。
ゲームに実時間が制限されているとも言えるし
だからこそのゲームから受ける印象もある。
軍艦みなさんや妖精さんたちは、ゲームをしていない間も働いている。
遊んでいない間もゲームは進行している。
同じことの言い換えでも、各艦がキャラクタを持っているからこそでも
それが例えば『提督の決断』にはなかった『艦これ』の特徴ではある。




戦闘では実際のように多様な艦種の様々な特性活かして艦隊組むのを、
例えば総コスト制にしたりすれば良かったのではないかと思うのですが
あえて戦艦も一隻、潜水艦も同じ一隻、と割り切っている。
そのかわり一度の戦闘を短くして
各戦闘ごと、次へ進撃するか母港撤退するかだけ判断するようにし
敵と戦場に合わせてどれ、でなく誰を当てるかの繰り返しの積み上げ、
手元カード切り方の繰り返しひとつにまとめている。
育成も、どう育てるかは重要でなく
いつまでに誰を育てるかだけに、判断するところがあって
手間さえかければ誰をどれだけ育てても良く
一方、効率を求めるなら見渡すこと出来て、工夫する余地が計れる。


戦争を素にしたゲームは、どこをどれだけ単純化して操作させ
対戦なら公平な規則下に競技化して
1人用なら越えるべき障害の高さを明示化が必要。
手間暇手塩にかけた度合いが、勝敗結果につながる殆ど全てという
戦争シミュレーションゲームから育成部分だけを極端に取り出したのが
戦場指示が出来ない、このゲームのまた特徴。


実際の戦場では能力値とかわからないし、レベルとかはないし、
経験値積んで何倍何十倍とか強くなったりしたりしなかったりする。
戦争で育成は、シミュレーションゲーム、それも1人用に限ったもの。
そこだけに焦点当てるものも有りではある。
競走馬育成ゲームでは
騎手になってレース中操作ができなければならないということはない。
サッカーチーム育成ゲームでは
全選手を操作しようと思えばもちろんゲームとしてできるだろうけれど
そうであるからといってゲームとして楽しいか疑問。
むしろ結果が明らかならば、レース場面、競技場面、戦場場面は
結果のみ表示だけだって良いはずなのだ。
結果を決めるのは実力と時の運。
果たしてそれがケームとして面白いか、
どこまで詳細に操作できればより楽しいかとの匙加減。




『艦これ』はブラウザゲーム
長時間ゲーム画面と向き合うのでなく、手軽に空き時間だけ触る、
そういう遊び方に合わせた、
戦争シミュレーションでなく
軍艦素材の育成シミュレーションというつくりが独特。
ブラウザゲームならではの仕組み、制限、規則があり
だからこそある競技性、工夫、すなわち
上手く操作することでより良い結果が得られる「ゲーム性」が
きちんと意識されて有る。
洗練とか完成の度合いは高くなく
育成の手ごたえが曖昧だし
開発や建造の仕組みはこれでよかったのかなかなか疑問であり
細かくこれができれば、こうすればという面は全面様々にあるけれど
方向は一貫整っている。


無料だから、という入り口は変わらなくあって
ではそのゲームが面白かったのか、どれだけ楽しめたか、というときに
それを遊ぶためにかけた時間とかかったお金とが
どれだけ重みを持ってくるか、印象に影響を与えるかは様々。
お金をかけて作って、みためをきれいにして、
戦場を細かく仮想再現して改造開発も分岐を増やし
多様な可能性をつくり出すことができるのが
豪華な戦争シミュレーションゲームではあるかもしれないが
それが楽しいか、面白いかといったらまた別。


ゲームの中にある遊び場は広く、きれいで、多彩多様で、
自由に何でもできる、現実以上に素晴らしいほど素晴らしい、
というのもひとつの方向としてもちろんある。
一方で、その一部分を規模小さくとも
極端に誇張してわかりやすく切り取ることもで
ゲームだからこそできるもの。
ブラウザゲームという場だからの
家庭用ゲーム機に買ってきたゲームを挿して遊ぶのとは
また違う様相のゲームも成り立つことを教えてくれる、
新しい方向の感じられる一作です。

テラリア

テラリア - PS3
PC版 http://store.steampowered.com/app/105600/
PS3・Vita版 http://www.spike-chunsoft.co.jp/terraria/


何度か書いたように
ここ何年か「オープンワールド」がはやり。
ムービーばかりでお話すすむのは冒険している感じでない。
誘導されるのでなく
広い舞台が与えられたら、あとはそこで自由に振舞うこと、
これが今までにない新機軸。
でもそれって「オンラインRPG」の1人用なのではないか。
もちろん周りのみんなが主人公だけの方を向いて
いつまでも待っていてくれるよう作り変えてはあるけれど。


そこで「オープンワールド」に変わる新しい新しさとして
このごろはやりとされるのが
砂場とかそういう意味の横文字「サンドボックス」。
オープンワールド」は縦文字日本語だと「箱庭」となり
箱は周囲壁だし、庭は日本では狭いものなので
ぜんぜん「オープン」ではないではないか、
だからなのかどうか存じませんが、今度は砂場。
広さはもはや重要ではないということを訴えたいのだろおか。




『マインクラフト』などがその「サンドボックス」代表らしい。
https://minecraft.net/
動物番長』のようなみためですが
これはどういうゲームかというと
おもちゃの『レゴブロック』。あれである。
ゲーム内主人公周囲の木や地面や動物は立方体ブロックで出来ている。
それを加工して、組み立て再配置して、いろいろなものを作るゲーム。
ゲームというか遊び。


みためが角ばったブロックで出来ているので
技術の未熟だったころのようなゲームの印象を受けるけれど
そして文化の違いを感じるけれども
『レゴブロック』が角ばって単純な形の組み合わせから成るのは
組み立てにそのほうが便利だから。
そして『マインクラフト』が
なんといっても『レゴブロック』より優れているところが
新しいブロックを追加で買う必要のないこと。
お金持ちのお子様でなくとも楽しめます。
一度買えば無料で遊べちまうんだというわけです。




本題『テラリア』は、『マインクラフト』が3Dなのに対し2D、
昔のアクションゲームみたいに横からみた画面という
大きな違いはあるけれど、中身は似たつくり。
木を斧で切ると「もくざい」になり
地面をツルハシで掘ると「土ブロック」になる。
鉱石を掘ってきて武器や防具に加工し
レンガブロックを作って家を建てる。
武器振り弓撃って敵排除しつつどんどん進んで
また新たな材料を集める。


『マインクラフト』とみためだけでなく違うのは
舞台をすみずみ探検する楽しさが主のところ。
多くの敵は「土ブロック」や「石ブロック」を通り抜けられないので
敵前に積めば隙間から攻撃したりできる。
地面を掘っていくと洞窟になっていて
洞窟の壁もどんどん掘り進められ
足場を作ったり照明を灯したりデコボコを均したり
底が抜けて落ちてくる水を防いだり溶岩池に蓋したり
未開地を探検しつつも、足元固める作業も楽しいのだ。


回復や倉庫のための拠点としての家は地面の上だけでなく
空中にも足場を積み重ねてつくれるし、地下深くにあっても良い。
舞台は自動生成で、同じキャラクタに何度でも新しく用意できる。
敵を排除することより、広くいくらでも用意された舞台を
自分の快適なように、かつ格好良く整える、
「箱庭」づくり「砂場」あそびが、楽しいゲームなのである。




ゲーム外箱には「モノづくりアクションADV」と書いてあるけれど
鉄道会社経営での都市開発シミュレーションである
A列車で行こう』のような楽しさに近いものがある。
敵の攻撃をブロック配置して防ぐのは
火の鳥 鳳凰編 我王の冒険』の鬼瓦であったし
ブロックを再配置して進んでいくのは
ソロモンの鍵』などのパズルアクションゲームで既にあった。
けれど、奇抜な何かでなく同じ仕組みを使って
地下洞窟を自分なりに整地すること、
ダンジョンの最奥を目指すアクションゲームというだけでなく
舞台を、機能とみため兼ね備えて自分のものとすること、
ダンジョンを整地育成もするアクションゲームであるところが
この作品の面白さ。


ダンジョン掘る掘るダンジョン育成アドベンチャーこと
『仙窟活龍大カオスシード』ともまた違います。
また、『大神』の「筆しらべ」とか『ひっぱりンダ』とか
3Dだと同じようなことをしようとしても難しい。
2Dで横から洞窟も断面全てを見渡せるからこそのもの。
そこが『マインクラフト』と違って
『テラリア』が2Dである必要でもある。


同じようなみための『洞窟物語』のように
操作の巧緻や解法を知ることや事前準備での有利がないところで
アクションゲームとして劣るし
「つかまりフック」の存在が特異過ぎるし
アイテム作成時の所持数表示とか細かい不満はあるし
大きく、目的に対してつくりがはっきりしている
『マインクラフト』『A列車』に比べて
いろいろできそう、さらに発展できそうに止まる作りではある。


けれど既存の名作と伍して楽しいゲームであることが何より大切。
オープンワールド」だの「サンドボックス」だのどうでもよく
従来のゲーム作法に、舞台構成物の量が加わることで
『マインクラフト』の遊びができたように
『テラリア』の楽しさも
今までに有った洞窟探検アクションともパズルアクションとも
同じだけれど活用が違う、面白いゲームであるところがえらいのです。



 



 

ニーアレプリカンとかとかいろいろ


10月に遊んだゲームはどれもあまり面白がれなかったので
感想を書くまでもないかとも思わなくなくなくもなくなもないかもと
逡巡したのですが
以下ご覧の通り、いやでもやはりとメモしておくことに。
感想書くのも義務でなければもちろん楽しい。


ランス01


まずはこちら。PC18禁ゲーム。なのでAmazonへのリンクなし。


冒険者ランスを主人公とするこのシリーズは
番号付きだけでも8作品、外伝番外編もいろいろ出ていて
作品ごとRPGだったりSLGだったり様々。
常に新しいものを開拓しようとする姿勢と
それなりに結果も出しているのが素晴らしいと思うところ。
なかでも7作目『戦国ランス』は優れもの。
信長の野望』みたいな国取りSLGですが
ちゃんと主人公の活躍するお話部分と
戦国大名なりきりゲームが絡み合っていて、まこと独自。


今回は1989年、24年くらい前に発売された1作目のリメイク。
みためだけでなくゲーム部分も変えたもの。
ただ、お話の長さとかゲーム規模は
いにしえ昔そのままにこじんまり。
街はひとつ、基本的に主人公ひとり旅、
レベルも20過ぎでクリア出来て
シリーズの1作目をお話ほぼそのままに作り直したものだという
前提があるとはいえ物足りない大きさ。
また、全体が小さいのでゲーム部分の楽しさよりも
PC18禁であるというお話表現が目立つのも、私としては面白くない。


ゲーム部分は5作目『ランス5D』ほど突飛ではないものの
一人旅RPGとしてなかなか工夫ある面白いもの。
敵の物理攻撃、魔法攻撃、防御などの行動が
ターンごと行動選択時に判るので
それに合わせ
あるターンは武器攻撃に配分度合い高めて攻勢に出、
あるターンでは盾で守りを固めて回復に努めたり。
ターン経過で一定回復する自己資産を
各戦闘毎ターンごと、どれだけ配分するか。
よくあるRPGにおいての
ダンジョン最奥のボス敵を倒すために
アイテムとMPとHPの順に計画的に消費するという行動を
敵の行動、敵の残体力を明示することで
より自覚的に楽しむことができる仕組み。
もちろんこれら仕組みを採用しているゲームはこれまでもありますが
小規模なゲームの構えに良くあっていて楽しい。


全体の進行は、お金貯め良い装備に買い換えることで
だんだん強くなっていくのが感じられる素直なRPGの楽しさですが
けれど、こじんまりしたつくりだからこそ
管理しているつもりが通用するものであるし
ゲーム進行による展開が取りえる行動幅が増えていくだけで
こではそこからの発展がない。
すでに1人旅RPGで『闘神都市2』とか『GALZOOアイランド』などあり
それらを踏まえた上では、やや残念。
昔の作品の作り直しだからであって
まったくに新しいものでなく大きくもない。
それだけの高い要求に答え得るゲームを作ってくれると
過去の実績からそこそこ信用して、次回に期待。


逆転裁判5

逆転裁判5 - 3DS

『ランス01』は面白かったけれど、不満もあり、
何より小規模、すぐ終わってしまったので次こちら。
AVG、文章を読んでたまに出る選択肢から正解を探したり
選ぶことで分岐するお話の違いを楽しんだりするゲームの
法廷バトルものシリーズ5作目。
前作『4』が、『3』までと登場人物を大幅に入れ替えたこと、
そしてその新しい展開がそれまでに比べて魅力不足だったことで
ゲームとして駄目ではないけれどなかったことにしたい、
黒歴史」よわばりされたりした次の作品。


ゲームとしては文章スキップとかヒント機能とか、
必要な情報を集め終えたら教えてくれるとか、
お話が進行する手続きを正しく踏めたら
ちゃんと丁寧にお知らせしてくれるとか等々の
とてもいたせりつくせりの充実ぶり。
お話は一本道で選択で分岐はしない作品なので
正解探しが「ゲーム」なのですが、
ここまで手取り足取りで良いのかしら。
もっとも難解で答えを教えられて納得いかないつくりであるよりは
良いのかもしれなくもないので、まあ良いのでしょう。たぶん。


問題は法廷バトル、小説でいうとミステリとして
あまり面白くないところ。2話目まではともかくそれ以降が魅力薄。
お話を書いているひとが『4』までのひとでなく
外伝の『逆転検事』を作っているひとらしいことが
影響しているのかわかりませんが
ゲーム度合いがますますうすく、
コントローラのボタン押して読みすすすめるお話がつまらなくなっては
ゲームとして出来ばえは悪くなくなってはいなくとも
面白いと言えない。
『4』までは面白かったけれど、『逆転検事』と『5』は要らない。
もう殆ど本の好みと同じような嗜好の差異で
ゲームとしてどうかとは違うところにいる作品。
AVGとかノベルゲームみたいなはだいたいそうで、
それはそれで質の底上げを達成しつつあると言えるのかもしれない。


ニーアゲシュタルト/レプリカント

ニーア ゲシュタルト(特典なし) - Xbox360 ニーア レプリカント(特典なし) - PS3

2作つづけてもうひとつ面白くなく
感想書くほどでもない作品にあたる、
などいうことはまれでなくわりとでもなくよくあること。
そしてまた出来ばえが悪いのでなく
面白くないと感じているだけなのだから困ったものである。
ゲームとしては良いことに違いなかろうけれども。


キリッと切り替えて次は、スクウェアエニックス印のRPG
主に製作したのは今は別の名前の当時キャビアという会社。
ドラッグオンドラグーン』シリーズとかがそこそこ有名らしい。
はっきり有名でないけれど無名というほど無名でもない有名。
知るひとぞ知る、知っているひとは知っているが
知らないひとは知らない程度の知名度。100点満点で50点くらい。
もとい、
PS3版が『ニーアレプリカント』、
XBOX360版が『ニーアゲシュタルト』と違う名前で出ていますが
ゲームとしては同じもの。「ゲシュタルト」の方が海外向け仕様。
お話の上で主な違いは主人公の年齢で、
レプリカントは守るべきヒロインが妹、ゲシュタルトだと娘。
なぜ子供が剣を振り回していて大人は何もしないんだ、
日本のゲームとかマンガとかアニメとかはおかしい、
という海外向けのあれ対応ゆえらしい。わからなくなくもない。


それでどういうゲームなのかというと、
アクションRPG、つまり3D化以降の『ゼルダの伝説』調。
ゼルダのように、ダンジョンのなかでアイテム手に入れ
仕掛けの謎解き試行錯誤するような要素は少なめながら
お話の進行とか目的地への誘導とか雑魚敵の群がり度合いとか
巨大ボス敵の登場場面とかそのままである。
ずごごごじゃじゃーん、何たら魔獣なんとか登場、のとき
名前字幕がゼルダのように出ないのがさびしい。


もちろんそのままではなく、アクション部分は別物の味付け。
2段ジャンプとローリング回避、
魔法弾の遠距離攻撃などを使う戦闘は
ベヨネッタ』とかのみため表現系列ふう。
敵たくさん倒してレベルを上げ
お使いこなして良い装備手に入れたりすれば
相応に強くなるけれど
ちゃんと操作すれば一直線に進んでも敵を倒せるくらいの
アクションとRPGの配分割合。


ボス敵が魔法弾を弾幕状にばらまいてきて
それをナワ跳びよろしくぴょんぴょん避けてる様は
ゼルダみたいなとは言わせない。
一方で、自分の魔法攻撃照準がカメラ方向中心にあるので
Z注目とか敵ロックオンとか難しいことはなし。
攻撃を跳んだり転がったりして避け、遠くから魔法弾でぺしぺし攻撃、
だけでもたいてい楽に進めるのですが
近づいて武器で斬りまくって無双してもやはり楽しく遊べる。
遠距離で魔法、近づいて武器攻撃、好機は溜め魔法を叩き込む、が
定式ではあるのだろうけれど
接近からの肉体言語だけ、遠くから卑怯に銃で撃つだけ、
そのどちらでもなく、どちらでも遊べるのは
日本製アクションRPGらしさの良いところかもしれません。


もっともアクションゲームとして、
様々な要素が丁寧に噛合った作品、というようなものではない。
どちらでも楽しめるというのは、
どれも使いこなさなくとも
だいたいですむ程度ですむということでもある。
敵の攻撃が突き飛ばし属性ばかりで
被攻撃後の硬直復帰時間がすべてになっているのは単調だし
せっかくRPGらしく仲間がいるのに
カメラ操作が魔法照準なので複数人で分担協力できず
とどめイベント動画でしか存在感なかったりする。


とはいえ各種魔法を使いこなせないとクリアできないとか
足をとめてきっちりガードしないとならないような
アクションゲーム程度を高くすると、RPG部分とそぐわない。
アクションゲームとして遊ぶには物足りないけれど
RPGの戦闘部分としてみるなら充分な程度。塩梅。
RPGのお話進行部分に関しては、
次のお使い先表示が常に画面上表示されるという、
上に感想書いたAVGと同じようにご丁寧なのも
現代調かと思わないでもないですが、
設定のご都合主義も他のいわゆるRPGと比べて
はなはだしいわけでもなくひっかかるところもない。


つまるところ、これといって凄いところはないけれど
悪いところもそんなにない、わりと良く出来た作品。
ゼルダの仕組みをひとつの定型として
和風のアクションRPGに転用するというのは
ありそうでなかなかなかったので、なかなかけっこう感心。
RPGのお話部分をもっとばっさり簡単にして
アクション部分をより作りこめば、さらによくなるのでなかろうか。
それにそもそもアクションゲームにも
お話部分や装備変更で展開の違いを楽しむ要素があるのだし、
分野の重なりにある様々のなかで
アクション要素をほどよく含んだRPGの位置上に
ほどほどの良いところを占める出来ばえです。



まとめ

このような感じに3作遊んだ感想としては
どれも出来悪いわけではないのに、
もうひとつ当時の自分が欲求するものとそぐわなかったり
端的にいって好みに合わなかったりするので
面白がれなかったわけである。
面白くなかったのでなく駄目だったのでなく
好きになれなかったのでもない、この微妙な加減。


いったいどのゲームが自分にそぐうのか、楽しめるのか、
あるいはこれまでにないと感心して面白がれるのか、
または出来ばえ度外視して好まれるのか、
まったくますます相変わらずさっぱりわからない様である。


安定を求めてシリーズ続編ばかり買っているのが悪いかもしれない。
でもゲームは本に比べると若干高いのが難。
面白いものにあたった時の時間割価格は安すぎるので
必要投資というものなのだろうかと今更思うのでありました。