公式サイト http://am.sega.jp/utop/news/hagyo_4/index.html
・可動から2年と半年近くなるアーケードゲーム『三国志大戦』の
3回目となる全国決勝大会が本日行われましたので
その観覧感想文。
ちなみに前回はこちら。http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20061022
・前回は11時会場セガ本社開場の2時間前に到着して
本会場入りがぎりぎりであっただけに
今回は京急蒲田駅前の貸ホールに場所を移して広くなったらしい、
とは事前に情報あったものの不安。なので開場10時の3時間前に会場へ着いてみる。
つまり朝の7時着。前の日寝たの2時。おかげをもって前目に座れたのですが
終わったのが午後6時半。その間11時間半。イスとかなくて地べた座り。
さすがに足が痛いです。しかし試合開始の12時からは
あっというまの6時間半でありました。
・とても面白かった。
前回に続き大会の模様はネットで中継もされましたが
やはり現場で体感するのは違います。すこぶるつきにやみつきです。
ゲームっていうのはまだまだこれほど面白いものなのだ。であることよ。
これこれこういう仕組みだから、対人対戦ゲームだから、と言葉にするだけでは
まったく足りず、説明できない。
面白い、というくらいにしか言葉では表現できません。
ゲームは面白いです。
・大会の内容でありますが、前回にもまして名勝負の連続。
着実に頂点を極める方々の質は上がっています。
地方代表を決めるエリア大会の時点では、袁単、八卦、多色悲哀などが目立つものの
前回大会に比べても多種多様のデッキが活躍しておりましたが
この決勝大会でも、暴虐、屍、人馬といった弱点の少ない号令で有利をとる
過去決勝の傾向と比べても、やはり様々なデッキを皆さん使用しており
カードが初期の倍以上にまで増えた現状にあっても
以前デッキバランスを保ち続けている調整の妙が窺えます。
反計、ダメージ計略が決定打とならなくて良くなり
それでもカードゲームとして成立している。よくぞ思いつくものと感心です。
・そんな中で目立ったのは徒弓号令。
馬だけ3種も専用号令があってずるいの声に答えたか
ver.2.10から加わった槍撃の追加に匹敵する弓主体デッキの新しい形で
麻痺矢と組めば単体でも速度上昇号令を無力化できたりもする、
逃げながら削れることで、従来の殲滅型号令に弓で対抗できる
新しいラインコントロールデッキです。
・トッププレイヤーが安定した勝率を誇るのは
ハンドスキルによる細やかな差の累積だけでなく
彼我の士気量や兵法を勘案して試合全体を、最終的にわずか以上自分に寄せる、
という意味での、技術があってこそ。
特にこの面で、大会で活躍されるような上位プレイヤーの方々には
進境著しいように思えます。ううむ偉そうだこいつ何様。
・もちろん前回大会で見られた槍撃追加による低コスト槍の活躍のように
多数枚、4枚より5枚、5枚より6枚の傾向はさらに強く
一騎討ちや細かいミス、事故への挽回、保険や
わずかな機会を逃がさないための攻城能力向上などで
対応力、安定感を増しているデッキが今回も主体。
その多数枚を操るための基礎となる操作技術が全体として
前回より上がっているのも間違いないところです。
飛天デッキを使いこなす方々の増加にそれを端的見ることが出来ましょう。
・準優勝、4枚八卦の馬龍☆さん、呂布ワラのPIMAさんといった方々は
デッキ性能を限界一杯まで引き出しているようにみえます。
他のひとが同じデッキを使っても結果はまったく同じ様にはならない。
今や極端な構成にすら見えてしまう5枚騎馬単神速、
いわゆるカクカク水計、最新型神速の大元師さんの
徒弓よりも極々最近流行の兆しながら強力な魅力大目蜀呉連合号令のBECK♪さんを
丁寧に押さえ込む対応力は、これも単に被迎撃を押さえた釣りと壁突撃、
というだけでは言い表せない騎馬単操作経験の成果であります。
・そんな中、コントロールデッキといえば、の5枚八卦を
少ないデッキ経験のはずながら、その今決勝大会代表格のfan114さんに勝った、、
様々なデッキ構成で勝負する麻痺矢徒弓号令で参戦の全武将が○○さんを破り
また6枚回復という不安定なデッキながら大会で安定した活躍をする勝負強さを持つ
荀銀STOさんを押さえ込んで、優勝された♪ザビ〜♪さんは
爆発力があるわけではなく対応力に優れる6枚驀進を
的確な1コストの入れ替えと兵法選択、地形や配置を活かし
相手に合わせて、遺憾なく遺漏なく操ったことによるもの、と表現できましょう。
・運の要素もあります。対するデッキの相性、連戦をミスなく連勝し続ける難しさ。
全ての試合を、もう一度同じ組み合わせで試せば
違う結果が出るものの方が多いかもしれない。
しかし勝者が弱いのではない。運が良かったのではない。
勝ったから強いのです。強いから勝ったのです。強いのです。ゲームが上手いのです。
雷帝おめでとうございます。
そして名勝負を見せてくれた全ての方々、ありがとうございます。
炎帝、雷帝ときたら次は氷帝でしょうか。
どのみち使用勢力にあっていないですけれども。
・『三国志大戦』自体は色々と問題ある駄目なゲームであります。
大抵夜の1時までしか営業していないゲームセンターへ時間内に行かなければ遊べない。
約10分で\250程度もかかる。
カードがなければ遊べないこと、また兵法レベルや
今回明らかになった上級戦器のように、蓄積要素が勝利に影響を与えてしまうこと。
上手いひとが増えただけ、これから始める人たちが入りがたくなっていく、
長く続くほど必然に現れる構造に、このゲームも陥っています。
・大会で上位に活躍されるような方々は、何千戦とこなして
現在200万円とかそういう金額をひとつこのゲームにつぎ込んでおられます。
もちろんそうしなければ勝てないわけではなく
また、そうしたからこそ強くもなれるのではあるのです。が
それだけのお金を掛ける、賭けることの是非とかどうなのか、と
パチンコやメダルゲームやギャンブルにからめて
ゲームについて憂いてしまうこともできたりもして
しかしだから、このゲームはこういう仕組みだからどうだ、というのは違う。
お金がいくらかかるかと、面白さは当たり前ながら、違うことです。
・ゲームは賭博ではなく娯楽です。
勝っても負けても金銭的見返りはない。最初から遊ぶ方は要求していない。
だから遊んで面白いかどうか、どれだけ楽しめるか、だけで選ぶのであって
またそこに賭けるのではなく、そして掛けるお金は楽しさを得る対価ではない。
その金額分、他の何倍か面白いかどうかでゲームは見ず
単純に、そのゲームが楽しめるかどうか、遊んで面白いかどうかでしかないのです。
だからこそ高くても遊ばれるのだし、高すぎて遊べない欠点もあるのだと思います。
・このゲームはこういうゲームだ、良く出来ているなあゲームって面白いなあと
次々新作を勝ってきて遊び終えるのではなく
そのゲームで遊ぶと面白いから遊ぶのだ。そういうことだと思うのです。
上手いひとたちが真剣に勝負する大会を見る。
それも間違いなくゲームの面白さの内。
ゲームの面白さはそういうものでもあるのです。
遊んで面白いかどうか。それだけではないけれど、それだけのことなのです。