『三国志大戦ver.2.11』までの感想

kodamatsukimi2007-12-09


 公式サイト http://www.sangokushi-taisen.com/
 三国志大戦wiki http://www.wikihouse.com/sangokushi/

・この'07/12/13に『三国志大戦』は3.00、
 つまり『3』にバージョンアップの予定であります。
 ゲーム誌で公開されている事前情報やロケテスト情報によれば
 『1』から『2』の時よりも大きな変化がある模様。

・今回は、どうせバージョンアップ後しばらく、
 すくなくとも年内は確実に大混雑でろくに遊べなかろうからして、
 つまり07年におけるこのゲームの区切りということで
 今年1年遊んできた『三国志大戦2』を振り返っていくのこと、でございます。
 ちなみに『1』から『2』になったのは'06/5/24。


・サイトには去年と違ってあまり書いていなかったのですが
 今年一番遊んだゲームも、やはりこのゲームでした。
 去年は1200回くらい、お値段にして30万円くらいでしたが
 今年は必死になって我慢、DS版のおかげもあって400回弱、
 10万円以内へ収めることに成功。良くした自分。
 まあそれでも他のゲームにかけたお値段とは段違いですが。

・それに遊んでいるひとからすれば
 それだけしか遊んでいないくせに感想とかアリエナイ、
 という感じであろうと思われます。
 ざっと確認できるトップクラスの方など、『1』から通算で15,000試合、
 約ですが、370万円とかそういう金額を費やしている方もおられるゲームでございます。

・そういうのは特殊例だろう、と遊んでいない面には思われるかもですが
 おおよそ5万人以上10万人以下くらいの人数は、普通に50万円以上使っています。
 「普通に」という言い方を躊躇なく使ってしまうほど本当です。そんな感じです。
 昔『バーチャ2』にのめりこむあまり筐体ごと買った、という
 「バーチャ廃人」と呼ばれる種の話がありましたが
 それ以上に使っているひとたちが数万人単位でいるゲーム。
 実に恐ろしい。


・私もとてもとても我慢したのです。禁断症状。
 去年ほどではないにせよ、少し間があくと遊びたくてたまらなくなる。
 1度始めると平気で千円札が何枚となく消えていく。
 いままで馬鹿にしておりましたが、お酒やタバコやギャンブルを
 止めたいのに止められない、という方々の気持ちがここにきてようやくわかりました。
 申しわけありません世の中甘く見ておりました。 

・しかし15,000試合遊んでいるかたというのは
 『1』の可動開始が'05/3/15、その間2年9ヶ月、1,000日ほどであることを思えば
 毎日かかさず15試合から遊んでいることになります。
 1ゲーム10分弱として、1,000日かかさず2時間半。
 これは金額以上に恐ろしいかもしれない。
 1日コーヒー一杯分です、とかいう催眠商法など
 バージョンアップすればレアカードだろうがまさに紙切れ同然になるカード排出で
 セガに騙されている我々からすれば、可愛いものなのか。



トレーディングカードゲーム、テレビゲームに関係ないほうの、は遊んだことがないので
 比較とかはできないのですが
 『三国志大戦』は『3』になると、『1』で排出されていたカードは全て使用不可になります。
 何十万かけて集めたカードが価値消滅。
 当然もう使えないカードなど、そういうカードの買取をして中古販売しているお店でも
 買取してくれません。コンプリートして飾っておくコレクター向けにしか需要がない。
 これは許せん。今まで使っていた紙幣がいきなり換金不可能になってしまうような
 独裁政府による強権発動がごとき所業ではないか、と大荒れになっているか、
 というとそういうことは全然まったくありません。

・なぜか。
 『大戦』に何十万もつぎ込んでいる方々の皆が皆、コレクターではないからです。
 何十万もかけなくとも上記のカード屋さんで全てのカードは集められる。
 もちろんその方が、金額面で見て圧倒的に効率良いのです。 
 それなのに何十万円、数年越しに遊び続ける。

・排出されるカードなど、カード屋さんで買ったほうが安いのです。
 排出されるカードがレアリティ高ければ、カード屋さんでそれなりに買い取ってくれますが
 所詮紙。食べられません。時価などというものではない。
 新バージョン可動直後ならともかく、カードを買ったお金で遊べる、
 メダルゲームのようにパチンコのようにギャンブルのようなことは、まったくない。
 全然ありません。すこしも後ろ暗くありません。
 ただセガとゲームセンターに10分\250で搾り取られているだけなのです。
 それだけ面白いのが、憎い。




・何が面白いのか、というりくつについてはこれまで書いてきたので繰返しはいたしません。
 他と比べてどうか。
 現行の『WCCF』『QoD』『ガンダムカードビルダー』『アクエリアンエイジ』だけでなく
 スクウェアエニックスから『ロード オブ ヴァーミリオン』(http://www.square-enix.co.jp/lov/)、
 『悠久の車輪』(http://yu-sha.net/)など予定されておりまして
 このアーケードゲーム向けトレーディングカードゲームという分野は
 PC用オンラインゲームと同じ様に金になる予感と空気漂う匂い。なのかもしれません。

・『三国志大戦』が、特に他と比べて私が面白いと思う、というだけでなく
 長いこと多額を掛けて遊び続けているかというと
 アクションゲームでありつつ、アクション操作が下手でもそれなりに勝てる、
 ということと、単に、新しいゲームをいちから遊ぶのは面倒である、
 という2点です。



・下手でもそれなりに勝てる、というのは私の実体験にもとづいているので間違いない。
 私はもう、それはもうここには書けないほど
 だから書きませんが、それくらいにゲームが下手です。
 ……ええ、一応例を挙げると、例えば武力8勇猛が武力1と一騎打ちになったら。
 え、いやまあそれだと多分勝てますが、普通一騎打ちだとまず負けますし
 槍撃がまともに出せないので槍は最高2枚まで。6枚以上は無理。4枚も勝てない。
 『大戦』以外でいうと『デススマイルズ』をクリアできないくらい、
 『スーパーマリオブラザーズ3』をクリアできないくらい、
 というとおわかりいただけるでしょうか。
 つまり書けないくらいに、下手なのです。

・それでもそれなりに勝てます。通算勝率4割。調子良いとき最新5割。最高9連勝。
 もちろん下手ですが、他のゲームからすれば明らかに勝てる。
 私はものすごく飽きっぽいので毎回デッキを変える、
 3連勝したら変える、2連敗しても変えるのですが、それでも勝てます。
 他の対戦ゲームの位置に照らせば、中の下まではいかないが、下の上くらいではある。


・それはこのゲームがアクションゲームでもあり、カードゲームでもあるからです。
 間違いなくアクションゲームである。
 通常5枚か6枚、最高8枚のカードを、2本の手でリアルタイムに操作する。
 ありとあらゆるゲームの中でも、もっとも忙しく操作が可能であるゲームです。
 カードゲームであるということは
 自分の使用カードだけでなく、相手のカードの能力値を知り、比べ合わせて
 かつ、相手と自分が試合の中でそれをどのように活用するかを思い巡らせ
 最終的に格闘ゲームでいうところの体力ゲージを多く削ったほうの勝ち、という
 1ゲームが終わったとき、局面ごとでは負けていても
 結果として多くチップを持っていれば勝ちである、ということ。

STGレーシングゲームでは、飽きっぽくつまり集中が続かないので
 長く遊ぶほど途中で単純なミスをし
 平均より上手くないので、1度出来た差を埋めることが出来ない。
 逆にリアルタイムでないアクション要素のない対戦ゲームにおいては
 先が読めるほど頭を回せないので場当たりに動かし、必然負ける。

・どちらも必要である、というのは、どちらも出来なければならないのではなく
 それはつまり、どちらも出来るひとが、どちらかは出来るひとより少ないからこそ
 どちらも程々でも、それなりになんとかなる、ということであるのです。



・新しいのを遊ぶのが面倒。
 これはメンタリティの面、つまりものぐさであるという意味あいでもありますが
 既に可動してしばらくたっているゲームに、初心者が入って行きやすさが
 アーケードトレーディングカードの場合、困難であることが多い、ともいえます。
 もっともこれはトレーディングカードというより
 オンラインで協力あるいは対戦できるゲーム、家庭用向けでも、言えることです。
 ひとことでいうと初心者狩り

・『大戦』を始めた2年前、可動開始から9ヶ月の時点でも
 それなりに初心者狩りと思われる方々はいらっしゃいました。
 ただそれでも現状に比べればまったく少ない。現在恐らく新規で始めると
 ほとんどは狩り、ではないにせよ初心者でないひとと対戦することになるのでは、
 と思われるほど、布教活動に中々困難をきたす状況であります。


・この現状は、まずシステムからの要請、こまかくいうと
 対戦相手をコンピューター側で決めるときの目安となるランクの昇格降格条件から
 長く続けているひとが、同じプレイヤーデータを使い続けるより
 あるいはいちからのデータで遊びなおした方が気楽に楽しめるようになっている、
 ということがあります。

・もうひとつは、単純に勝てる相手と対戦して勝つ方が
 同じくらいの上手さである相手に勝ったり負けたりするより面白いと感じるひとのほうが
 普通多いものである、ということであるといえましょう。 

・同じ金額を払って遊ぶならば、もちろん楽しい方が良いに決まっているのです。
 そしてギャンブルではない。排出カードがなくたって遊ぶひとは確実に遊びます。
 何のために。何勝何敗という戦績のため。それで付けられる全国ランキング。
 あるいは大会で得られる特殊な称号。もちろんそれらもあり
 そして1戦ごと排出されるカードだって楽しみなのですが
 何より遊んでいるとき感じられる楽しさ、オンラインの向こうにいる対戦相手に
 同等の条件下で勝利を得る楽しさが一番です。
 ゆえに負けると悔しい。すごく悔しい。
 何十万もつぎ込み、こんな深夜までゲームセンターに張り付いて
 いったい自分は何してるのか。むなしくなります。馬鹿らしくなります。
 だから勝てる相手と戦いたがるのです。

・よって初心者狩りというわけでなく、つまり初心者をいじめて遊びたいわけではなく
 負けるよりは勝ちたいから、いちからはじめたりするわけです。
 結果として新規参入の壁になっている。
 これは『大戦』に限らず、どんなオンラインゲームにも起こりうることで
 実際起こっていることでしょう。

・『大戦』の場合はまだ、新規に始めるひとに容易なほうですらあると言えます。
 始めるのにカードは何十枚も必要でない。いわゆる勝てる「デッキ」を組むのに
 5枚あれば充分。カード屋で買えば、時期にもよりますが、数千円かけずに
 全国トップクラスで使われているデッキとまったく同じものが揃えられる。
 そしてそれに追加費用はいらないのです。
 また、何よりアクションゲームであり、1対1の対戦ゲームであることで
 知識の差、経験の差を覆しやすいゲームであるといえるからです。
 積み上げた蓄積がオンラインRPGのように決定的ではない。
 ゆえに初心者ではないひとが、いちから気軽に遊び返したりもするのですが。
  


・現状、『三国志大戦』を遊んでいるのは、上位1万人くらいの上手いひと、
 数万人くらいの普通なひと、もう数万人のたまに遊ぶひと、
 という分け方でなく
 極々一部の勝ち続けることができるひと、
 数万人の勝ち負けに折り合いを付けられるひと、
 そして勝ち続けたいので負けが込んだら初めから遊びなおすひと、
 というように分かれております。

・遊びたくても都合があって止めていく、飽きて止めていくひとたちがいる一方
 長く続くほど下の年齢が始めていくわけで
 新規参入者がまったくなくなるわけではありませんが
 これはアーケードゲーム全般と同じ。
 対戦格闘ゲームをゲームセンターで遊ぶひとたちの入れ替わりの程度と
 規模こそ違え、同じ様な様相であるといえると思います。


・それでは駄目だ、とは言いません。むしろ良すぎな方です。
 アーケードのゲームは、メダル、プライズ、大型筐体、オンライン対戦、
 そしてビデオゲームです。
 このうちゲームらしいもの、というと語弊がありますが
 ゲームを毎日のように遊んでネットに感想書いているようなひとたちの遊ぶのは、
 目に入るのは、ビデオゲーム。次に大型筐体。音ゲー、RCG、ガンSTG
 そういって過言ではない。なぜか。
 それ以外はお金と時間がかかりすぎるから。
 テレビゲームが安すぎるから。
 いやもちろん、そういうアーケードゲームは高すぎるからです。




・『三国志大戦』にいま数十万つぎこんでいる数万人のひとは
 このゲームがなくなったらどうするのでしょうか。
 『QoD』を始めるのでしょうか。『戦場の絆』か『ガンダムカードビルダー』か。
 メダルゲームで時間を潰すのか、ひたすらに麻雀を遊ぶのか。
 それともいまさら対戦格闘ゲームをするのでしょうか。


・可動一年後時点でのトッププレイヤーの対戦模様がこちらで見られます。
 ファミ通.com:『三国志大戦』頂上対決 特設ムービーhttp://www.famitsu.com/sp/s_taisen/
 これと1年9ヶ月後、現在のトッププレイヤー対戦を見比べますと
 バージョンの違いはあるにしても、随分遠いところまで来た気がいたします。
 その間にプレイヤーが培った知識の集合は、今後バージョンを経るごとにさらに拡大し
 ますますその認識速度を加速して、このゲームをより明瞭にしていくことでしょう。

・2年9ヶ月。どれほど仕様を変えようとカードを変えようと、同じゲームである限り
 もうすでに知っていることだらけであり、知らないことはいままでの経験に照らして
 どんどんわかっていくことが出来るのです。
 2年前より1年前。それより今のほうが、いちから始めたひとが
 今まで遊んでいたひとたちに追いつく速度は速い。


・ゲームの面白さとは何か。私がそれを面白いと思うのはなんなのか。
 2年と40万以上の費用を尽くして自問自答しても答えは出ません。
 だからこそ、止めることなく遊び続けているのです。

・なぜだ。なんなのだ。
 けれど、その答えがでたら、そのゲームを面白く感じられなくなるのではないか。
 いままでは、それを知る前に
 より面白そうなゲームがあらわれていたからに過ぎないのではないか。
 そんなように思うのであります。


・確かなことは、いま遊んでいるゲームが確かに面白い。ということ。
 それが値段に見合っているかはあまり、その、
 どうこうと書くには重過ぎるお話でありすぎるかもしれないので
 早くも来年以降に先送りとさせていただきます。はい。





・付け足しに余談なのですが、なぜDS版で満足できなかったかというと
 1度に1部隊しか操作できないというDSタッチパネル仕様上の限界、
 画面が小さいことによる視認性、
 バージョンが古くなってしまったこと、
 対戦決定までの待ち時間や通信ラグ、マナーの悪さなど
 それぞれどれもあるのですが
 コミュニティ、『ペルソナ3』の欧米版でいうところのネット上ソーシャルネットが
 DS版の場合、アーケードのように盛り上がらなかったというのも挙げられます。

・というのは、アーケードにある頂上対決、
 センターモニターという、筐体4セットごとに必ず付いている
 観覧専用モニターで見ることが出来るトッププレイヤーの毎日更新対戦模様、
 に当たるものがDS版ではないこと。また全国ランキングも詳しくわからないこと。
 ということにより、例え自分がそこに遥か達していなくとも
 目標として皆が仰ぎ見て共有できる対象がないゆえに、
 である、というのが間違いなくあるでしょう。あるのです。

・これは他のゲームではない特長であったのですが、しかし遊ばない皆様も
 ネットのいろいろな動画サイトで、ゲームの話題を共有することを通して
 どれだけそのゲームが、ゲームで遊ぶこと以外で、それを遊ぶことで盛り上がるか
 ご存知のことかと思われます。そうなのです。


・実際、セガが50万円で『大戦』DS版専用のアーケード同様の操作ができる
 超大型DS本体を発売したとしても、全国ランキングた頂上対決がない限り
 それは売れないだろうと思います。
 でも欲しい。でも欲しいですけれども。