・一日遅れだが今回も例によって隔月でお送りする読書メモである。
画像もやはりいつもどおりこの2ヵ月に買った本。
・という予定だったのですが
いつものようにメモをコピー貼り付けあれこれしてみたけれども
メディアマーカー(http://mediamarker.net/u/kodama/)のメモに
あまり付け加えたりするところが思いつかない。
困った。
・ので今回は、2009年に読んだ本のなかから、良かったものを挙げてみたい。
すなわち2009年のベスト本。
年度でなく年。2009年1月1日から12月31日までに読み終えた本。
・そういうつもりでメモを読み返して、いろいろ悩みます。
良かったにもいろいろある。
出来の良し悪しとか、好みとか、印象の強さとか、ひとに薦めるならどうかとか。
読書はいろいろな思惑があってするものである。
教養として読んでおきたいもの。
前巻前作その作者の作品が読んでいて楽しかったからと手に取るもの。
ひとに薦められて読んだもの。
なんとなく手に取ったものがじんせいを左右したり。
・そこで定義を以下のようにする。
2009年に読んだ本のなかで、
読んで良かった、この作品が存在していることに気付けて良かった、というもの。
・そして以下が2010年4月1日版2009年のベスト本。
明日になればまたかわりうる。読書はそういうものである。
クレギオンシリーズ
・一冊ごと完結、全7巻のライトノベル風SF冒険小説。
ロイド、マージという視点主人公の少女メイからみた大人2人組の
軽快な生き方がとても魅力。
特別優れているわけでもなく、やるときはやるという安易さでもなく、
終わりのない上昇志向でじこけーはつの自己実現が人生の目標でもなく、
ただ有るように在る。
こういう大人になりたい。
神曲奏界ポリフォニカ ダン・サリエルシリーズ
・俺様楽師サリエルが芸事に対する才能について日々挑むお話。
スロースターターと名高い作者の魅力が2冊で理解できる貴重な作品。
『BLACK BLOOD BROTHERS』はその冊数で物語世界を構築できているので
完成されたあとで面白いのは当然ですが
本作は小編の中にも長短の特徴を見ることが出来る稀有なつくり。
ものすごく空疎なコメディと、熱く盛り上がる情景描写の二者を等分に持つその個性は
理解し難い面白さ。
空飛ぶ馬
・日常の中に合う謎を丹念に磨き上げたミステリ。
品の良いまぼろしの古き良き時代を思わせる描写が実に独特の味わい。
ミステリとは違う意味で、世界が違って見える作者の作品個性が
これまでに知らなかった驚き。
・『銃夢』作品にはいろいろ言いたいことあるが、不当に評価が低いとも言える。
13巻における恋愛と漢のロマンの戦いを、このように描ける作品もない。
『空想科学X』4コマでもここまで行ける、というのが
『遠くへ行きたい』(ISBN:9784309263120)への評言でしたが
本作はそういうえらい作品でなく、とても普通の凄さ。
『ステレオタイプ・パワープレイ』1巻が変。
それともただの失敗作がそうみえるだけなのか。
『らじかるエレメンツ』3巻の双子酔っぱらいネタが
2009年で一番腹がよじれました。
『愛気』マンガ拳法バトルの良作。無名なので作者が食べられているのか心配。
まもなく発売の新刊が楽しみ。
『駅から5分』マンガ表現の最先端。2巻なので次点。
『アリアンロッド・サガ・リプレイ・アクロス(1)』前回書いた通りに
TRPGリプレイの導入として。
・最後に正直に書いておくと、マンガを除いて全てもれなく
再読の際もメディアマーカーにメモしている。
ここに書いた紹介文がやけに短いのは
つまり、読んでから大変間が開いているので
内容を良く覚えていないからなのである。印象である。
・今これらが、読んで良かった、と思うだけで
もし読み返すと変わりうる。
そしてまた忘れて、また同じ本を読み返すとまた変わる。
また変わる。常にそれに対する感想は変わる。
世間や世間に対する評は変わらなくとも。
それが読書感想を日々メモする意義でありましょう。