・今回はいろいろ都合ありまして
読書メモから良かった本を思い起こした回でごまかしたい。
・2月末あたりは『ゼルダの伝説 大地の汽笛』とかを遊んでいたのですが
みなさまご存知の通り、今月は日本でも11日以降いろいろございまして
ばたばたしているうちにどういうゲームだったかすっかり忘れました。
いつものようにダンジョン攻略とボス戦は面白いけれど、
汽車でGOするのが面倒とかメニューいんたーふぇいすが不満とか
音量調整がソフト側でついていないとかどうでも良いことしか覚えていない。
さほど出来ばえに変わりない前作にはわりと感心したのですが
時移れば価値も変じるものである。
・とか思っていたら3月末。
このままでは7年3月続いた私的には貴重な記録が途切れてしまう。
ということで冒頭に戻る。
・さて読書の感想。
ゲームについての場合、面白いゲームを探すための手段のひとつとして、
そもそも自分が面白いと思うものはどういうところなのか、を知るために
分類付けしてみたり点数つけてみたり
ここに感想書いてみたり、をしているわけであります。
ゲームを遊んで思ったことを並べてみることで
新しく思いつくこともあるわけです。
読書の感想というものも、そういうものでありましょう。
面白かった、燃えた、感動した。あるいはつまらなかった、駄作だと思った。
では、どこがどうしてなぜそう思ったのか、メモしてみることで
あるいは自分の好みというか性向というか趣味というかを知る手がかりとなる。
・そこで、読書メモを2年ほどつけてみて
ゲームと同じく、その感想がどのようなものであるかを分類すると
それらは「感心した」「面白かった」「好みだった」の3種類。
評価というのはこの3つで出来ていると、今日現在ただいまは思います。
・2010年に発売されて読んだ本で面白かったのは『サクラダリセット』の3巻。
http://mediamarker.net/u/kodama/?asin=4044743037
こんな長文の感想を書いてしまうくらいである。
「面白かった」というのは、英語で言うとこの場合「interesting」。
興味深い。「感心」したでなく「関心」を持った。
・いったい、自分にとって何が面白いのかは、不思議に自分でもわかりがたい事。
例えば、ある本を必要に迫られてではなく買うということは
そこに程度の差はあれ何らかの興味が存在するのだけれど
それはその本屋に入り、並んでいる本を眺めるまで自らも知ることはできない。
このゲームは面白かったから、同じように面白いゲームを遊びたい、
とゲームを買いに行っても、どれが面白いのかわからない。
・関心、興味、何かを面白いと思うということはなぜか。何に因るのか。
その手がかりは、同じ本を時期を変えて再読したとき、
感じる面白さの大小にもある。
本自体は変わらないのに、読む時々でその面白さ程度が変わる。
これはごく当然のことのようである。けれど面白いことである。
例えばあるいは、ひとによって同じ本を読んでも感想が違うのは当然である。
当然、では何が違うのだろうか。
・少なくとも自分という私はひとつで連続して在るよう認識されて思える。
しかし時によってその中身は違うのだ。
日々時々に何かを見聞きし行い感じ習い思い覚え、
そして日常にその多くを変え忘れ過ぎていく。
同じひとが同じものに触れても、その取る手は常に同じであることはない。
成長も変化も忘却も必要なことである。
時に喜ばしく時に悲しいことであり、逃れられないことである。
・そういうところ。
この本を読んだ当時の私はそういうあたりに面白さを感じたのです。
関心したのです。
また、こういう思いを持たせる文章に感心もしたのです。
・ところで、「感服」とかだと土下座してひれ伏している感じですが
「感心」だと上から目線のような気がしないでもない。
「お疲れさま」と「ご苦労さま」の違いみたいなあれである。
いやしかし上から目線でなく対等視点の「お疲れさま」であったとしても
優れた作品と褒めている対象に対して対等に「感心」するのはどうなんだ、
お前はそんなに偉いのか。
・それはさておき、能書きはこれくらいにしまして以下、
面白かったり感心したり、
感心はしないけど好みな作品だったりを並べて行きたい。
これは、自分が良いと思うものを並べて自分語りをしたいからではなく
良いと思うものは、少しでもより多くのひとに知って頂きたいからである。
もちろんそうである。
読書感想メモの束は赤裸々自己紹介以外の何ものでもないなうん。
・で、抜き出すため読み返して思ったのですが
1年分のメモだけでも多すぎる。
時間の都合で大いに手抜き。
ちなみに『サクラダリセット』は「好みの分かれると思われる作品」です。
ひとに薦められる作品
・ライトノベルはライトノベルだから友達にうわさされると恥ずかしいので読まないが
身内で話題になっている作品はライトノベルだからといって馬鹿にせず読む、
というひとが好みそうな作品が多いガガガ文庫らしい作品。
http://mediamarker.net/u/kodama/?asin=4094512586
・『ハーモニー』は「未完の傑作」好きにはたまらない作者作の現在的な日本産SF。
『虐殺器官』(ISBN:9784150309848)と合わせて読みたい。
『ハムレットシンドローム』と『量子回廊』はさらにその周辺のSF。
これが現在的にはSFらしい。
(量子回廊)http://mediamarker.net/u/kodama/?asin=4488734030
・安全神話という言霊の味わい深さに今こそ酔い痴れる。
・たまたま最近読み返したので発掘。名作。
http://mediamarker.net/u/kodama/?asin=4834007529
・発掘その2。星一という怪人物の個性がとても興味深い。
この本をより楽しむための副読本として(ISBN:9784101482255)を推奨。
http://mediamarker.net/u/kodama/?asin=4101098166
・来年完結。と思ったら作者が続きを書いている。
ローマが舞台の歴史英雄物語として大変読みやすく楽しいシリーズ。
・歴史小説その2。
司馬遼太郎、塩野七生、海音寺潮五郎の3人こそ
日本の誇る万人向けに読みやすい歴史娯楽小説家の代表。
歴史小説と時代劇は別物です。
・新装版。クラークで読んでおきたいのは『幼年期の終わり』と『都市と星』。
http://mediamarker.net/u/kodama/?asin=4150117241
・本作や『僕は友達が少ない』『織田信奈の野望』といった作品に感心。
読者が求めているものを提供する文章技術もまた「文芸」。
あたまのよいひとが深く広い言い回しをしている文章だけが
優れているわけではない。と思っています。思うだけですが。
http://mediamarker.net/u/kodama/?asin=4569674607
・少女向けライトノベルはどれも癖が強いなか
続編がなく1冊でわかりやすく丁寧にまとまった1作。
少女向けライトノベルの中にある少女小説としては
『夜の虹』(ISBN:9784086013543)などで、違いは大きい。
(エフィ姫)http://mediamarker.net/u/kodama/?asin=4403541410
(夜の虹)http://mediamarker.net/u/kodama/?asin=4086013541
・マンガはこのあたりが好きでかつ薦めたくなる作品。
(空想科学X)http://mediamarker.net/u/kodama/?asin=4048688995
好みのわかれると思われる作品
http://mediamarker.net/u/kodama/?asin=4344410017
http://mediamarker.net/u/kodama/?asin=4488629067
http://mediamarker.net/u/kodama/?asin=4334745261
・完結。設定やキャラクタ以上に
地の文などにみられる書き方自体がひとを選ぶ作品。
ライトノベル度の無いSF『あなたのための物語』(ISBN:9784152090621)も
やはり読みづらいが良作。
・現在的な「学園ミステリ」として充分に良く出来た作品。
キャラクタ描写で嫌われるだろうところが興味深い。
http://mediamarker.net/u/kodama/?asin=4840138001
好みだがひとには薦められない作品
・TRPGリプレイを読んで、製作側も読者側も内向きに狭く
これは広く受け入れられないと納得したのですが
なかでもっとも惜しい読み物。
薦めづらいが、感心度合いは非常に高い。
・特に2巻における菜々子さんの駄目可愛さが魅力的。