ＰＳ２ スクウェア・エニックス ’０４/３/２５ ￥８，１９０
公式サイト http://dragonquest.square-enix.co.jp/
・いわずと知れた「ドラゴンクエスト」シリーズ、
その第５作のＳＦＣからのリメイク。
発売後すぐに１００万本以上を売り上げ
「ドラクエ」ブランドの強さをあらためて印象付けました。
・ドラゴンクエストシリーズの発売履歴は以下の通り。
１ 86.5.27 ＦＣ ￥５，５００ 以降のベースとなった作品。当時のＲＰＧの中でも出色の出来
２ 悪霊の神々 87.1.26 ＦＣ ￥５，５００ ３人パーティになり様々な面でスケールアップした正常進化版
３ そして伝説へ… 88.2.10 ＦＣ ￥５，９００ ロトシリーズの決着と抜群の完成度、ＲＰＧの頂点に立つ作品
４ 導かれし者たち 90.2.11 ＦＣ ￥８，５００ キャラクター性を強め、ＡＩ、馬車など新しいスタイルを導入
５ 天空の花嫁 92.9.27 ＳＦＣ ￥９，６００ ４の流れを受け継ぐ一作。モンスターを仲間にできるのが特徴
１・２リメイク 93.12.18 ＳＦＣ ￥９，６００ 難易度調整が行われ全体の完成度が向上、個別に独立している
６ 幻の大地 95.12.9 ＳＦＣ ￥１１，４００ 特技というＦＦのアビリティ的要素を導入、ストーリーが散漫に
３リメイク 96.12.6 ＳＦＣ ￥８，７００ ６のシステムを生かした忠実な移植作。あまり変わらないかも
１・２リメイクその２ 99.9.23 ＧＢ ￥４，９００ どこでもセーブ出来るのが嬉しいが画面が狭く見づらいのが難
７ エデンの戦士たち 00.8.26 ＰＳ ￥７，８００ 従来作の総決算。システムは６を受け継ぎ圧倒的なボリューム
３リメイクその２ 00.12.8 ＧＢＣ ￥６，４００ カラー対応で見やすく。さすがにＧＢでは能力的に無理ありか
４リメイク 01.11.22 ＰＳ ￥６，８００ ７のエンジンでのリメイク、エクストラシナリオは賛否両論
５リメイク 03.3.25 ＰＳ２ ￥８，１９０
８ 空と海と大地と呪われた姫君 未定（早くて来年度末か） ＰＳ２
・正式ナンバー版の発売間隔が空いてしまう間を埋めるように
リメイク版が発売されています。
・また、ポケモン亜流などの揶揄もあるものの独自の位置を占める
「ドラゴンクエストモンスターズ」シリーズ、
他にも、トルネコの不思議のダンジョンシリーズ、
「剣神ドラゴンクエスト」などもあり、いずれも良作。
・「ドラクエ」ブランドをしっかりと固める
見事なエニックスの戦略が
変わらぬ「ドラクエ」シリーズの売り上げへと
つながっていると言えるでしょう。
・さて、今回の「５」も安心のブランドに違わず、しっかりと作られています。
年度末の発売による急造ゆえの調整不足、
プログラム開発のハートビート、山名学さんが抜けたことなど
不安要素もありましたが杞憂だったようです。
・大きな変更点は戦闘時の人数が３人から４人になったこと。
これにより大きく戦闘要素が変わっていますが
各キャラクターの個性はそのままに、見事に再調整されています。
・ドラゴンクエストの命である、スムーズな戦闘、
成長の実感を得られるレベルアップは相変わらず。
モンスターを仲間に出来るわけですが
よほど無茶をしない限り、
どんなやり方でも各人の自由にプレイできる懐の深さがあり
それでいて難易度を上げすぎず、下げすぎず。
・ＲＰＧは「ドラクエ」しかやらない、というプレイヤーも
こだわりのやり込みプレイヤーも、共に満足させるバランス。
・敵のアニメーションなども豊かになっていますが
メッセージと同時に処理され、テンポを損ねていない。
読み込みもＳＦＣよりは長いものの、苦にならない程度。
・細かい変更点では７でもあった仲間キャラクターとの会話システムが
大きく強化されています。
シナリオの各フラグ間で世界中の街マップごと、街の人々との会話ごとに
様々な会話が埋め込まれています。
・モンスターがあまり喋ってくれないのは残念ですが
サンチョはもちろん、ＳＦＣ版では影の薄かったピピンまでもが
その意外なキャラクターを発揮。
シナリオが進むごとに、世界中の街を巡ってしまいます。
ドラクエ世界を豊かなものにする良い仕事。
統一感のある会話シナリオを埋め込むのは、なかなか大変だったことでしょう。
・プログラム面はハートビートに変わり、「トルネコ２」「３」を開発した
マトリックス（http://www.matrixsoft.co.jp）が担当したようですが
ロードまわりなど、おおむね問題ない出来。
ただ、オート戦闘で「ガンガンいこうぜ」「じゅもんつかうな」以外が
どうもあまり適当な行動を取ってくれず、使いづらいのはちょっと面倒。
賢いオート戦闘もドラクエの重要要素だったので、そこは残念です。
・「４」で名を売ったＡＩは、「８」で再び採用されたりするのでしょうか。
１から学習していくのも、独自の育てる楽しみがあったのですが
バランスをとるのが難しいのか。
むしろその方面は山名さんの新会社ジニアスソノリティ（http://www.geniussonority.co.jp/）
に期待してみましょう。
・また、ゲームの出来とは関係ないのですが
「ひとしこのみ」はなくなったものの
それに変わる大きなバグ技を発生させてしまいました。
・オープントレイ時にマップ読み込みにいかない、というもの。
復帰処理は行われる（フリーズしない）のでプレイ上は問題なく
結局、伝説の裏技ということになりそうです。
・ひょっとして「ひとしこのみ」の代わりのサービスでしょうか。
・安心して楽しめる「ドラゴンクエスト」シリーズ、
その最新作もその名を汚さぬ見事な作品でありました。
・「８」もおまけディスクの映像を見る限り
「ドラクエ」世界を感じさせる良い雰囲気。
開発担当であるレベルファイブ（http://www.level5.co.jp/)の前作、
「ダーククロニクル」のエンジンを使っているようにも見えます。
堀井さんが製作する限り、妥協せずいいものをつくってくれるでしょう。
・出来ればお早めにお願いします。
