ゲーム攻略とはなんだろう


・前回、ゲーム批評の記事から
 攻略本の意義について書いてみたわけですが
 そもそも「攻略本」の「攻略」とは何でしょうか。

 
・ゲームを「解くこと」「クリアすること」「エンディングをみること」。
 攻略本は、これらのための「手引書」「回答書」「解答書」。
 「攻略」はゲームをクリアすること、だけとはいえません。



・4月22日に最新作「ダービースタリオン04」が発売された
 ダビスタシリーズ。ジャンルは競走馬育成シミュレーションゲーム
 ゲームの目的は最強の競走馬を育て上げること。
 そのために、強い馬を作るにはどうすればいいかを
 把握している必要があります。


・プレイを重ねて強い馬が生まれました。
 しかし、競走馬の全盛期はわずか1〜2年。
 2歳から走り始めて多くの馬は4歳から5歳で引退。
 優秀な馬を生産しても、ゲームを続けているとすぐに引退してしまいます。

・そうなるとゲーム目的が失われる。
 最高の育成が達成された、目的を果たした、ゲームクリア。
 しかしそこで満足して
 このゲームをやめてしまうプレーヤーはいないでしょう。


・なぜなら「強い馬」という結果がゲームの楽しみではなく
 馬を育てる過程、
 ゲーム世界に浸り、より強い馬を作り出す試行錯誤こそが面白いからです。
 そしてゲームをプレイし続ければ
 より強い馬が、あるいはよい結果は残せずとも
 忘れがたい名馬に会うこともあります。


・資金というゲーム内の進度を示す目安はあるものの
 プレイヤー自身の知識のレベルアップが目的への近道。
 
・同じ状態ではじめても2度目、3度目と回数を重ねるごとに
 よりスムーズに、より高いレベルで結果を出すことができる。


・例として「ダビスタ」を挙げましたが
 これは全てのゲームにいえること。
 そのゲーム内の独自のルール、コツ、テクニックを知っているか否かで
 プレイ結果は違ってくるわけです。


・1つのゲームを終えて次のゲームに手を出すのは
 そのゲームをクリアしたか、クリアをあきらめたか、飽きたか、
 それとも攻略したから。

・クリアしても面白ければ何度もやります。
 「ダビスタ」のように終わりのないゲームは
 自分が納得するまでやり続けます。
 その目安が「攻略」し終えたかどうか。
 そのゲームの要素を自分の物とし得たかどうか。


・製作者は長くやり続けて欲しいから様々な要素を入れて攻略し難くし
 プレイヤーはより快適に、あるいはより早く攻略したいから攻略本を見る。


・ゲームの「攻略」という要素は
 面白さ、ソフトの質のレベルとはまた違うものであるといえそうです。

 
・そこに上下はありません。
 容易に攻略できるものも、何年かけても極められないものもあっていい。
 ただ、大作化、続編志向、またオンラインゲームなどは
 攻略要素の肥大化を招き
 それが近年の傾向となっているのは事実のようです。
 
 
・見落としてはならないのは
 攻略し終えたら、そのゲームをプレイしなくなるのではない、ということ。
 ゲームの答えがわかっていても、面白ければ何度でもプレイするはず。
 わかっているからこその面白さもある。
 
・例えば対戦格闘ゲーム。わかっている同士だからこそ面白い。
 また、攻略したと得心したか否かは自身の心内にある基準ですから
 各人ごと差があり、そして際限がない。
 いつまでも攻略し続け、楽しむことが出来ます。


・ゲームの攻略とは何か。
 そのゲームを十全に楽しめているかどうか、
 クリアすれば満足して戸棚に並べ、二度とプレイしないのか。
 ゲームの目的であり、
 またそのゲームの面白さを違う視点から発見できるモノサシでもあります。