「ユーゲー No.15」

kodamatsukimi2004-10-12


 発行:マイクロマガジン社 9月18日発売 ¥860

 公式サイト http://www.microgroup.co.jp/ug/

・毎度お馴染み、ユーゲーに文句をつけてばかりいる当サイトではありますが
 今回はおもしろかったので安心です。
 

・ちなみにいまさらながら、「ユーゲー」ってなんの略なのか、
 という質問がある人からありました。
 「USED GAMES」と表紙に書いてあるのですが。
 

・「ユーゲー」はユーズドゲームズの略。
 「時代を逆走する日本初の中古ゲームソフト専門誌」が
 旧ユーズドゲームズのキャッチコピー。
 同じマイクロマガジン社から出ている「ゲーム批評」は
 今号で10周年だそうですが、「ユーゲー」の歴史もなかなかのもの。
 第1号が’96年7月。既に8年の歴史があります。
 ’96年というとスクウェアがPSに参入、N64はどうなる、
 などと騒いでいた頃で、かなり昔。

・「ユーズドゲームズ」は他のゲーム雑誌が基本的に最新ゲームを扱う中で
 一世代前のゲームを取り上げる、というコンセプトで作られました。
 例えば初期なら、PS、SS、N64は取り扱わず、基本的にSFC以前。
 「中古ゲーム」となってはいますが、新品を買わずに中古を買おう、というのではなく
 ちょっと古いけど、面白いソフトを紹介しよう、というスタンスです。

・常に最新ゲームが出続け、新しい情報が扱える普通のゲーム雑誌と違い
 確かに’96年の時点でファミコン発売以来13年の歴史があるとは言え
 やがて紹介する主なゲームも底を突き
 だんだんと内容はマニアックにならざるをえません。

・そこでちょっと目先を変えて
 ’98年10月に同じ編集部によって発刊されたのが「ナイスゲームズ」。
 現行機種の中で、様々な理由から埋もれている良作ゲームを発掘し
 紹介する、というコンセプト。
 「ゲーム批評」は’94年発刊で’96年には隔月刊化されていましたが
 「ユーズド」は季刊。「ナイスゲームズ」も季刊。
 同じ編集部で交互に、実質隔月刊で発行していたわけです。

・そして’02年。DCは討死、XBOXは玉砕、GCは振るわない。
 PS2、GBAとそれ以外、という時代で
 いまさら現行機種、それ以外と分けるのも時代に合わないということか
 この2誌は合併、新しく「ユーゲー」として隔月刊化するにいたったわけです。


・現在の「ユーゲー」のキャッチフレーズは
 「新作だけがゲームじゃない! 時代を超えるゲーム専門誌」。
 ゲーム業界に新聞の投書欄よろしく「これこれはいかがなものか」と問い続ける
 「ゲーム批評」と並んで、一風違ったゲーム雑誌。
 埋もれたゲーム、知られていないゲームを取り上げるという性質上、
 どうしてもマニアックになるところもありますが
 最新ゲーム、有名ゲーム以外の何か面白そうなゲームを探す手がかりとして
 マニアでなくとも有用な雑誌としてがんばって欲しいものであります。


・と、長い前振りでしたが、今回の特集は
 「What was SEGA SATURN? セガサターン、シタ!?」
 ということで、セガサターンソフト(以下、サターン)総ざらいの総力特集。
 小特集として
 「ドラえもん ひみつゲーム大百科 」、多数出ているドラえもんゲームについて紹介。


・「ドラえもん」ゲーム、私はひとつしか遊んだことがありません。
 例によってバンダイのキャラクターゲーム、次も買おうとは思わせない出来。
 ドラえもんゲームを買おう、という年代はごく一時期。
 逆に言えば、黙っていても新しい購買層が常に生まれ、
 そして、どうしてもすぐ卒業してしまうわけですから
 一度だけ買ってもらえばいいわけで
 そのような種のものにお金と手間をかける必要はないわけです。
 さすがバンダイは正しい企業ですね。

・どの「ドラ」ゲーを買ったのかは、歳が微妙にばれるのでやめておきます。
 


・というわけで本題「サターン」特集。
 挙げられているタイトルはネタバレなので書けない、と思いきや
 公式サイト(http://www.microgroup.co.jp/ug/)にしっかり載っています。
 いいのか。

・サターンの名作、良作といわれる主だったところは網羅されており
 詳しくないかた、
 プレステのソフトも大体遊んだし、昔のゲームもやってみようかな、という人、
 ゲーマーを目指ためには昔のゲームもやっておく必要があるぜという奇特なお方、
 などにはちょうど良い特集ではないでしょうか。
 ただ、ユーゲーならではのタイトルも含まれているのでご注意を。


・こうして改めて年代ごと、リストを眺めてみると
 サターンと、そしてセガの栄枯盛衰のさまざまが思い出されます。
 初期の「バーチャファイター」で瞬間的にPS1を上回り先に100万台到達、
 「バーチャ2」はセガ初の、そしていまのところ最期のミリオンヒット140万本。
 「セガラリー」「デイトナ」など、セガの伝統ACから強引移植。
 「パンツァドラグーン」「ナイツ」「サカつく」などの従来のセガハードにない、
 コンシューマー(家庭用機)専用タイトル。
 「グランディア」「ガングリフォン」のゲームアーツ
 「サンダーフォース」のテクノソフト、「レディアンシルバーガン」のトレジャーなどの
 セガを支えたメーカーたち。
 ああ、元ぬるめセガマニアとしてはたまりません。


・とりあえず本体は中古屋にいけばソフトより安く売っているので
 目に付いたものを全部買うべし、とでも言いたいところですが
 あまりきわどいものを買って幻滅されてもサターン布教の妨げになるので
 あまりマニアックでなく、
 サターンでしか遊べないソフト、否かくれサターンだけゲーを紹介したいと思います。

・いまさら布教してどうなる、という気はしますが。

・なお、以下は私の独断と偏見によるもので
 なぜこれが入っているのか、いないのか、という意見もあると思いますが
 後容赦ください。


・「グランディア デジタルミュージアムASIN:B000069UE7

 サターンを代表するRPG「グランディア」のファンディスク。
 「グランディア」自体はPS1でも出ていますが、こちらはサターンのみ。
 ファンディスクとはいえ内容はやり応え充分。グランディアファンなら是非遊びたい本作。
 「グランディア」は唯一の欠点として戦闘後のロードがやや長め、があるものの
 あらゆる点で、とてもまっとうな大作RPG。
 戦闘もおもしろく、成長させるのが楽しく、ストーリーもキャラクターも魅力充分。
 本当に素晴らしい作品です。
 PS版なら当然PS2でも遊べるので便利ですが、高速モードでも読み込みが早くならないのが残念。
 本作は「グランディア」とのデータ連動などはありませんが、名場面セーブデータというおまけがあるので
 サターン版「グランディア」とそろえて遊びたいところ。数百円で変えますし。
 フィーナの時の門はこちらのほうが覚えさせやすいです。


・「シャイニングフォース3」ASIN:B000069T93 ASIN:B000069T9A ASIN:B000069T9F

 セガのSRPG、シャイニングフォースシリーズの3。シナリオ1から3の三部作。
 開発はゴルフとかテニスのマリオな現キャメロットhttp://www.camelot.co.jp/)。
 「ファイヤーエムブレム」に負けない良質SRPG。
 キャラクターが戦闘で敗れてもいなくならない、
 という点が「エムブレム」との大きな違い。
 それだけでずいぶん簡単に感じられます。
 他はほとんど同じ。良くできています。
 なぜかシナリオ2だけ品薄、高価なので、飛ばしていきなりシナリオ3を遊んでも
 それなりに楽しめます。 


・「バトルガレッガASIN:B000069SH4

 縦シューティング。開発は現エイティングhttp://www.8ing.net/)。
 難しい、といわれますが、まずコンティニューを繰り返してとにかくクリアしましょう。
 するとタイトルからスーパープレイが見れるようになります。
 これを見るのがこのソフトのある意味すべて。
 昨年の「ボーダーダウン」でも難易度調整を選択的に行うシステムがありましたが
 本作ではスーパープレイのはずなのに自機がわざわざ自殺して難易度を下げます。
 はたして自殺しないでクリアできる人はいないのか。
 開発者はどうやって調整したのか。謎は深まるばかりです。


・「ゲーム天国」ASIN:B000069S8X

 ジャレコの縦シューティング。開発はNMK。
 見た目はちょっとどうかも、ですが内容は良くできたシューティング。
 シンプルながら細かいところまで作られており、スコアアタックも熱い。
 暑苦しくないシューティングもたまにはいいものです。
 PS版「GUNばれ!ゲーム天国」は別物なので注意。


・「BATSUGUN」ASIN:B000069THX

 そのいかれた名前が全てを語ります。
 現在CAVE(http://www.cave.co.jp/index.html)の中にその魂を写す、
 東亜プランの最終作。当然弾幕縦シューティング。
 これに続く「怒首領蜂」はもちろん名作ですが
 この「バツグン」もそれに劣らぬ作品。
 パッケージはアニメ絵風だったりしてちょっと不安になりますが
 中身はいつものやつ。
 敵弾の嵐。それを凪ぎ払う自機の攻撃。どちらが画面を埋め尽くすかの戦いです。
 テンポよく破壊が楽しめます。
 理屈はありません。とにかく来た弾を避けて破壊。以上。


・というわけで、普段はあまり話題にしないような作品を特に選んで挙げてみました。
 もちろん「カオスシード」とか「リンダキューブ」、「サンダーフォース」、
 「シルバーガン」、「シルエットミラージュ」「……(以下延々続く)
 他にもいくらでも紹介したいものはあるのですが、またの機会に。


・今回の「ユーゲー」、基本に立ち返った楽しい内容でした。ごちそうさまです。
 早速サターンを引っ張り出して一通りさわりたいと思います。


・次は「ゲーム批評」。今回はこちらもすこぶる面白かったです。
 書くのが楽しみ。