感想は常に相対的である『天外魔境Ⅲ NAMIDA』

kodamatsukimi2005-07-12


 PS2 ハドソン '05年4月14日発売 ASIN:B00076YLT8
 公式サイト http://tengai.jp/pc/
 関連リンク;天外魔境わいわいワールド http://www.h4.dion.ne.jp/~tengai/
       天外魔境FUN        http://www.fun-space.jp/tengai/ 


・何度も書いているように『天外魔境2』は自己最高のRPGです。
 大好きです。それはもう思い入れたっぷりです。
 (参照 http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20040508

・今年13年ぶりに発売されたナンバー付き続編。
 ちまたの評価は最悪。
 参照;PlayStation mk2 http://kyoichi.mods.jp/ps2/soft_05/rpg/tengai3.html
 今年発売された中でもワースト2
 「天外シリーズはこれが初めてなのですが、
  正直「天外ってこんなものか…」と感じさせてしまうような出来でした」
 ファンにとっては釣りとしか思えないご意見もぶら下がっております。


・何しろあのハドソンです。充分に期待しないで買いました。
 クリアしました。


・多いです。ロードが多いです。

・戦闘の前後は良いのです。
 『グランディアグランディアグランディア』とぶつぶつ唱えましょう。
 なんとも感じません。

・街の中が素敵です。街に入るときロードするのは良いでしょう。
 家に入るときまでロードします。2階に上がるとロードします。
 画面が暗転ナウローディング。PS2版『レリクス暗黒要塞』ですかこれは。 

・ひとに話しかけます。宝箱を開けようとします。
 反応がない。いや遅い。
 決定ボタンを押してしばらくして
 「今日はいい天気だねえ」「この仕様をつくったひとの頭の中ほどではないですねえ」

・毒舌を吐きたくなるほどに絶望的なつくり。
 けなされるわけです。売れないわけです。当然だと思います。




・ゲームマニアはひねくれものです。
 このゲームが面白くないのは、面白さを自分が理解していないからに違いない。

・トレジャーが出したのだから『ひっぱリンダ』は面白いのだ。
 ただ自分がその面白さを理解していないだけだ。
 『ガレッガ』のエイティング製、それだけで『疾風魔法大作戦』は面白いはずなのだ。
 どこかで何かを根本的に見落としてしまっているんだ。もちろん自分が。
 あれだけ製作者が自信充分だから例え前作がどうでも『我が竜を見よ』は面白いに違いないのだ。


・けれどなぜ、エンディングまでいっても面白さがまったく解らないのだろう。


・面白さが解らない。くやしいから、
 いくら時間の無駄だろうがお使い作業の繰り返しにナウローディングの嵐だろとも
 セーブファイルが飛んだらやり直し、
 理不尽に難しければ理不尽に努力して克服し
 そしてクリアする。
 『コンボイの謎』だろうが『星をみるひと』であろうとも「裏技」も使わずにクリアする。 


・や、良いゲームだった。
 皆は多分面白くないと言うだろうけど、やりこめば結構楽しめるよ。
 面白くないって言うのは、多分充分にそのゲームを遊んでいないからだよ。
 憶測でものを言っちゃあいけないな。やりもせずに批判するのはよくないよ。


・病気です。



・13年待ったのだから、最初の70時間は忘れて2週目をはじめました。
 新鮮な気持ちで遊ぶために攻略本を買ってきて、無駄なところは飛ばして
 できるだけ手早くクリアします。街に入らなければロード地獄も気にならない。



・面白い。面白い。面白いよこのゲーム。
 攻略本片手に最短フローチャート通りにイベントをこなしダンジョンを駆け抜け
 装備アイテムもアビリティ習得計画もボス戦の戦術想定すら
 ゲーム上でなく攻略本の上で考え抜いて無駄を省けば
 普通に面白い。充分に面白い。今年遊んだRPGで一番面白い。
 すくなくとも『我が竜を見よ』よりよほど面白い。

・2週目は40時間でクリアしました。
 攻略本を見ていた時間は多分その半分くらいはあるでしょう。


・いや実に面白かった。
 皆は多分面白くないと言うでしょうけれど、やりこめば結構楽しめます。
 充分にそのゲームを遊ばずに、面白くないと投げ出すのはもったいない。
 クリアもせずに投げ出したひとが批判しないで欲しい。やり方次第では面白いのだ。



・私も病気のようです。ゲーマー病。
 駄目なゲームも駄目なところに目をつぶり、面白いところだけをただひたすらに褒め讃える。


・普通のゲームです。
 どこかでみたようなゲームシステムに無駄に作りこまれた仕様。
 技や術は熟練度制で使用回数でマスターし装備しなくても使えるようになる。
 どこかでみたような。
 963種のアイテム全てにグラフックと解説がつく。
 でもムービーは見るに耐えない。

・普通。良くあるRPGです。
 ロードさえ改善されれば、おそらくGC版が出ていれば
 平凡だがそれなりに面白いゲームとして褒められるゲームです。
 時間が経って、見た目の差異が問われないようになれば、隠れた良作として名を残すでしょう。


・『天外魔境』らしさも充分にあります。
 『サクラ大戦』と他にないようなひねりのないお話。
 個性的過ぎて上滑りしているキャラクター。
 無駄に街は多く民家も多く人もセリフも多くて、だから生活観は他になく感じられる。


RPGは戦闘の面白さが何より大事です。
 ただ漫然と戦っているだけでなく、何か工夫することでよりよく勝利できる。
 その繰り返し、積み重ねが全体として快感を作り上げていく。
 戦闘勝利の結果でキャラクターは成長し、自分の力で育てた力だから
 苦戦には自分の力のなさを悔やみ、その果ての勝利に喜びをかみしめる。

・それは出来ています。
 戦闘の快感、成長の喜び、その作りだす物語。
 語られる何かでなく、自らが作りだす冒険世界。



・『天外魔境3』は駄目なゲームです。
 あらゆる良い点全てを駄目な面が圧倒して塗りつぶす駄作です。


・けれどやりかたによっては楽しめる。
 制限をつければ面白い。 

・けれどそうすれば、そうすることが許されるのならば、そのようにゲームを見るのならば
 大概のゲームは面白いといえるのではないか。
 いままで駄目なゲームとしてきたゲームは本当に面白くなかったのか。
 いままで面白いと思ってきたゲームは本当に面白かったのか。


・ゲームに感じる面白さは相対的である。
 自分という基準の中ですら絶対といえるものなどない。
 『天外魔境3』は駄目なゲームだ。
 けれど充分に面白かった。
 このゲーム感想は、私にとっては、現時点では以上です。