『BLEACH DS 2nd』

kodamatsukimi2007-03-17



 公式(音注意)http://bleach.sega.jp/nds2/ ASIN:B000H6HZ82

 いきなり爆弾発言ですが……。
 360で開発中のオリジナルシューティングが今、ストップしている状態です。
    (『GAME SIDE』vol.5  トレジャー 前川社長インタビューより)

 な、なんだっ、以下略。


・そういえば最近トレジャーのゲームを買っていない気がする。
 http://www.treasure-inc.co.jp/products/products.html。……。
 SEGA AGES『ガンスタ』を除くと一昨年の『ガンスパ』以来買っていないではないか。
 これはまずい。

・もっともそもそも、新作があまり発売されていないというのもある。
 貢ぎたいのに貢ぐ対象がない。そんなで大丈夫なのかトレジャー。
 頼むよトレジャー、360でシューティングが遊びたいです前川先生、いや社長。
 いやPS3でもWiiでも、もちろんアーケードでも
 トレジャーSTGであれば、携帯ゲーム機でなければなんでも良いのですけれども。
 貢いだからって何とかなるものでもないのかもしれないけれども
 何とかしてくれトレジャー。

・ということで今回は、
 キャラクターゲームである。2D対戦格闘である。
 このサイトを書いているひとにして、トレジャーの名を持ってしても対象外である感の
 『ブリーチDS2』をあわてて買ってきたのでそれで。
 そもそもジャンプで連載している原作をまともに読んでいないけれどそれはそれで。
 対戦格闘は『VF4』、『サードストライク』以来久しく遊んだ覚えがないけれどそれで。
 


・さて、トレジャーの格闘ゲームというと、メガドライブの『幽遊白書 魔強統一戦』、
 そしてサターンとGBAの『ガーディアンヒーローズ』。
 『ガーディアンヒーローズ』の方でより特徴的ですが
 対戦格闘ゲーム、というより
 アクションゲームの延長で対戦ができるようにしたようなもの、
 がこれらの、純1対1形式対戦格闘との違いであります。


・『スト2』以降、ひとつのゲームに対し
 その仕組みを多人数、巧遅多様膨大な回数で試すという
 特殊な遊び方である対戦格闘ゲーム
 アクションのなかでもSTGやレースゲームともさらに格の違う、
 相当に専用化された仕組みとなっております。
 コンボ、キャンセル、複数の状態ゲージ活用。そして操作機器のあり方。
 1度のゲームにかけられる時間が、まず既に最適化されているという枠。
 双方が違う手段を用いられながら、同等条件下で比べあえなければならない枠。
 その狭い中で、どれだけのことができるのかという試行錯誤の積み重ね。

・その結果として、多くのゲームは共通の仕組み、
 対戦格闘とはこのようなことができて当然のものである、というものを共有した上で
 個々の違いをどれだけ出して様々な嗜好に答えていけるか、という変遷が
 現状である。もう20年未だ続いているのである。
 STGやRCGに終わりがないのと同じ様に変わり続け、遊ばれ続けているのである。
 私は続けていないのですけれども。


・本作『ブリーチDS2』も、対戦格闘ゲームとして
 そういう有って当然のものは当たり前に有ります。
 仮にもアクションゲームをトレジャーが製作する以上、
 そういうところにもちろん抜かりはないのでありますはい。
 携帯ゲーム機DSにあっても、使用できるキャラクター数は昔のように10や20ではなく
 オープニングアニメはついているし1人用モードも充実している。
 十字キーの操作とボタン数の少なささえ克服できれば遜色なしである。
 いつのまにやら凄いことになっているものだ。

Wi-Fiを通しての対戦が可能で、1対1、そして2対2、1対1対1対1の4人対戦。
 『魔強統一戦』『ガーヒー』でお馴染みの2ライン大乱戦。
 といってもメガドライブやサターンで当時、
 果たしてどれだけのひとが4人対戦を楽しめていたかを思えば
 いつでも無料でいくらでもそれができる今はさすが21世紀。
 これで光があと100倍位早ければタイムラグもなんとかなる。それまであと何世紀。


・上画面は普通の対戦画面、下画面はタッチパネルで1クリック必殺技発動用。
 また、あらかじめ何を使うか用意しておいての短時間の状態異常攻撃もあり。
 1クリック発動のキャンセル、連続使用はできないので万能ではなく
 対戦用手段のひとつというよりも初心者補助の意図が強め。

・このあたりが『ガーヒー』のような、というべきか、
 4人対戦におきましては、1対1における細かい読み合いではなく
 近頃の「みたいな」でいえば『スマブラ』のような展開のそれであり
 個々の性能もそういうような調整がむしろ主となっている模様。
 キャラクターは多くとも個々人の所持必殺技数は多くなく
 また入力コマンドも3D格闘を通過した後から見ると共用が多い。
 1対1ではキャンセルを駆使しての戦いも可能であり
 4人では多少の運も含めた戦局のつかみも勝敗をわける、という仕様。

・これもまた割り切りかな。
 上位レベルではどうなのか見えませんけれども
 下のほうでガチャガチャ遊んでいる分に
 Wiiの『スマブラ』までの現在として、充分最上のそれと思うそれであります。 




・高純度の対戦格闘としてどうかは、携帯機であることを抜いても
 やはりどのようにでも意見分かれるところでしょうけれども
 やはりアクションは動かしているだけで楽しい。操作したとおりに動くのが楽しい。
 そういう、一番大事なところはきちんと押さえられている作りである。
 さすがもちろんトレジャーである。当然だ。


・キャラクターゲームとして、原作がどういうようだかが
 なんとなくしか分っていないで書きますと
 要するに、個々のキャラクターを立たせて、それを動かして活躍させるマンガではなく
 例えば『ドカベン』のように、というと例が悪いかもしれないですが
 戦いそのものを魅力的に表現する目的のためにキャラクターの多様な個性がある、
 というのが『ドラゴンボール』系列の『ワンピース』『ナルト』とは違う
 原作『ブリーチ』の構造で個性である、とするならば
 剣を振るからとかではなく、対戦格闘ゲームにとても好適な素材であると言える。
 『ブラックジャック』で『カドゥケウス』をするなりに。とちょっと皮肉。


・よって、不純な動機で買った割りに楽しめている自分を発見。
 前回の『ロストレグナム』に続いて、これくらい簡易な対戦格闘もまた良いものだ。
 携帯ゲーム機の、アーケードやテレビにつなぐ機に比べ
 限られた画面と操作機器の枠の中で工夫されてダウンサイジング、
 無駄を切り落とした仕組みと言うのは
 どこが無駄なのか、無駄とは何かを問い直すという穿った見方から見ても
 その効用を再発見のこのごろ。


・しかし『ガンスタースーパーヒーローズ』の時書いた気がするように
 初めからその枠内で作るようでは、トレジャーと言えども期待できない。
 今回はWi-Fiで対戦格闘だからこそのそれ。
 だからこそ360の新作STGにもWii新作にも期待するのである。
 『三国志大戦DS』は面白いけれど
 アーケードの『三国志大戦』の方が絶対的に上なのだ。


・けれどもちろん、DSでの新作にも期待。
 なぜならトレジャーだから。
 過去の実績が、信じても良いことを、期待させてくれるからである。
 

・……全幅の信頼を置けないところが辛いところである。