『逆転裁判3』

kodamatsukimi2004-06-05


 ゲームボーイアドバンス カプコン '03/1/23発売 ¥4,800 
 公式サイト http://www.capcom.co.jp/saiban3/
 ASIN:B0002ZCLXC

・ややいまさらではありますが『逆転裁判3』の感想です。


・『逆転裁判3』はGBAの法廷を舞台にしたアドベンチャーゲーム
 ありそうでなかなか無い「裁判」が題材。
 
・プレイヤーは弁護士となり検察官と対決。
 証言の矛盾を探し、異議をとなえて証拠を突きつけ、事件を解決。


・もちろん実際の裁判とは違います。

 裁判官は木槌をたたいて「静粛に!」

 検察官は証拠を突きつけ「被告の罪状は明らかである!」

 弁護士は証言の矛盾を付き「異議あり!この証拠に矛盾しています!」


・リアリティよりもゲームとしての面白さを重視した世界観。
 裁判ですから犯罪が関わってくるのですが、悲壮感は無くとぼけた雰囲気。
 キャラクターたちは、それぞれ個性的な設定のクセものぞろいで
 愛嬌ある彼らの存在も含めて、一貫した楽しい手触りを持っています。
 

・謎解きミステリーものとして肝心かなめの
 ストーリーや事件のトリックも、みな良く出来ています。

・解決していく過程をこまかい段階ごとにわけ
 ひとつひとつの過程をこなしていくことで
 徐々に話が見えてくるスタイル。

・その各段階もシンプルにまとめられていて好印象ですが
 やはり圧巻は締めの裁判シーン。
 『逆転裁判』の名にふさわしく、圧倒的不利な状態から
 様々な証拠と証人の証言により
 事件の真相が劇的に明らかになる過程は見事。

・なにしろ全ての事件においてプレイヤーには事件の真相が
 裁判が始まるまで、まるでわかりません。
 誰が嘘をついているのか、あの犯人を追い詰めるにはどうしたらいいのか、
 まさに予想もし得ない、逆転に次ぐ逆転の展開。
 裁判ゲームとして実によく出来ています。


・元ネタとも言えるであろうアガサ・クリスティの『検察側の証人』、
 このミステリー史上の名作にある「逆転性」を実にうまくゲーム化した、
 そんな風にも表現できるかもしれません。


・本作『3』では、『1』『2』から続いてきたストーリーが完結。
 システム自体はさほど変わりありませんが
 既読メッセージスキップは嬉しい改良。
 ボリュームも充分。
 演出も従来通り携帯機ならではの、
 家庭用機に比べると貧弱な機能を逆手に取った個性的な演出が
 さらに光っています。
 特にこれ以上の望むべき改善点は見当たりません。


・大筋のストーリーは『1』からつながっていて
 常連キャラクターたちの過去の設定なども踏まえたものなので
 『1』『2』から順にプレイしていくのがおすすめです。

・『1』(ASIN:B00006WLIJ)は、'01/10/12、『2』(ASIN:B0001DCG44)は'02/10/18発売。
 どちらもベストプライス版が各¥2,980。ハードはGBA
 

・やや難しいところもあるので
 法廷シーンでは適時スタートボタンで中断セーブをして
 挑戦しましょう。

・攻略本が必要なほどの内容ではないのですが
 『逆転裁判3 真相解明マニュアル』(ISBN:4575164194)のシリーズは
 設定資料集的な内容で、キャラクターデザインや製作者のコメントも充実。
 キャラクターや設定が気に入った方にはおすすめです。


・シンプルで面白く、だれにでも迷わず薦められる『逆転裁判』シリーズ。
 『3』も前作、前々作を越える力作。
 『1』が楽しめた方なら間違いなく買って損はありません。

・次回作はニンテンドーDSで予定されているようです。
 このままでも充分面白いのですが
 また新しい趣向を見せてくれることでしょう。
 楽しみです。