『プリンス・オブ・ペルシャ 〜時間の砂〜』

kodamatsukimi2004-09-04


 PS2 アクションアドベンチャー SCE 開発;UBISOFT 
 9月2日発売 \7,140 ASIN:B000219HRY

 あまり紹介したくない公式サイト http://www.playstation.jp/scej/title/persia/
 PlayStation mk2 http://kyoichi.mods.jp/ps2/soft_04/arpg/persia.html


・まずお詫びします。
 以前(http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20040812#p1)に
 「初代ペルシャが遊べるなら買わなければ」などと書きましたが
 すみませんでした。
 『プリンス・オブ・ペルシャ 〜時間の砂〜』は面白い。
 暇で土日と休みをよいことに、徹夜で一気にクリアしてしまいました。
 参りました。
 素晴らしい傑作です。


・上記の項にも書きましたように
 本作は'89年、15年前に発売されたアクションアドベンチャー
 『プリンス・オブ・ペルシャ』の新たなる作品。

・製作はアメリUBISOFThttp://www.ubi.com/)(ユービーアイソフト)。
 欧米での発売は昨年各ハードでそれぞれ行われており、続編が既に製作中。

・SCEJがローカライズ作業を担当。
 ソフトメーカーとしてのSCEは個性派独自路線で知られていますが
 『ジャックXダグスター』などにみるようにローカライズ作業は丁寧。
 本作もきちんとした内容で問題ありません。

・原作、監修、脚本は、その初代『ペルシャ』をほぼ一人で製作した
 Jordan Mechner(ジョーダン・メックナー)さん。
 ちなみに「カラテカ」も製作したそうです。
 見づらい公式サイトより以下のインタビュー記事が必見。

 PSWORLD 製作者インタビュー http://www.jp.playstation.com/psworld/game/interview/prince.html


・初代『ペルシャ』はサイドビューのアクションアドベンチャー
 ペルシャ宮殿地下迷宮を、プリンスが癖あるアクションで駆け抜ける。
 アドベンチャーとしての謎解きは難しいものではなく
 その独自の操作感覚をいかに操れるかのアクションが主体の魅力。

・全12ステージを合計1時間以内でクリアしなければいけないのですが
 慣れないうちには穴を飛び越えるのもままならず。3面位で時間一杯。
 その独自のアクションが身に付くほどに、実に気味良く操作できるようになり
 まさに芸術的な動きで迷宮を駆け抜けることができます。


・本作は3Dフィールドのアクション。見た目は明らかに違います。
 けれども、確かに『プリンスオブペルシャ』。
 キーボードのテンキーでも自在に操れた初代の抜群の操作性を引き継いで
 簡単な操作で華麗なアクションが楽しめます。

・動きは繰り返すほどに鮮やかに。
 操作が楽しい、上達するのが直に手に伝わってくるこの感覚。
 この点をとって、本作はその名に恥じない名作アクションといえます。


・上記インタビューでも挙げられていますが、プレイしている感じから
 日本のゲーム好きにとって、多くの類似作品を見出すことができます。
 『64ゼルダ』『ICO』『NINJA GAIDEN』『Shinobi』『ビューティフルジョー
 などなど。

・どれにも似ているし、そしてどれにも劣っていません。
 迷宮の仕掛けをパートナーと協力して解き
 壁面を駆け抜け、襲い来る敵との戦闘を華麗な殺陣アクションで切り抜ける。
 細部から、遠く遠景まで緻密に描かれた美しいペルシャ宮殿。

・謎解きは難しくありません。主観視点であたりを見渡せば答えが見えてきます。
 戦闘も簡単です。プリンスは実に軽快なアクションを誇り敵の追随を許しません。


・だからといって、単調で作業的にはなりません。
 考え抜かれた自然なダンジョンの造形、
 スローモーションなどの演出やカウンターでの一撃必殺。 
 様々な工夫をこらし、「迷宮を駆け抜けるアクション」を引き立てます。

・上記に挙げた日本の誇る良作アクションゲームの良い点を、実にうまく消化している。
 それぞれが強く自己主張することなく、『ペルシャ』の本質を助けている。


・私は正直いままで、日本のメーカー製でないゲーム、「洋ゲー」というジャンルをつくり
 そこに「完成度に劣る」とレッテルを貼っていました。
 しかし初代『ペルシャ』が例外であるように、木をみて森を見てはいけない。
 作るひとの数だけ、質は異なるものなのです。
 『プリンス・オブ・ペルシャ 〜時間の砂〜』。まさに名作。感服しました。




・その他の捕逸的なメモ。

・難易度はプレイヤーによって感じ方はさまざまですが
 プレイ時間を目安にすると
 熟練すれば3時間以内、普通に初めてプレイして10時間程度。
 制限時間はありません。
 謎解きの面で何箇所か詰まるところがあると思いますが
 理不尽でなく、適度な難易度。むしろ簡単な方でしょう。
 ちなみに私は13時間半かかりました。へたれゲーマーですから。

・本作には『ペルシャ1』が収録されていますが
 XBOX海外版には『2』も収録されています。
 海外製ソフトを手に入れれば、日本のハードでも問題なくプレイ可能とか。
 もちろん音声は英語ですが。
 機種ごとの性能差、画面の表示まわりの違いは
 2chスレッドによれば、よほどこだわる人でなければ問題ない範囲とのこと。

・収録の『ペルシャ1』は今プレイしてもこたえられない出来。
 名作はいつまでも名作。
 ただ、PC98、SFCPCエンジンのグラフィックを考えると
 違和感があるかもしれません。
 もっとも見た目が気になるようなレベルの低いゲームではありませんが。
 満足できない方はSFC版がお勧めです。

・初代がそうであったように本作もしっかりとしたストーリーがあります。
 もちろん『ペルシャ』ですから押し付けがましくなく
 その世界観を広げる一助となっています。

 ('05年3月28日追記
  『初代』のプレイ条件は
  2つめの剣(「時間のダガー」ではないほう)を入手した後、
  すぐ次のステージを抜けた先の怪しい壁を剣で壊すとメッセージが表示されて
  スタートメニューからプレイ可能。
  ファラが奥の土台の穴を抜けてプリンスが中央2つの土台を抜けていく後。
  プリンスが「古代の地下迷宮がこの下にあるんだ」どうたらと
  前後に脈絡なく言う所です。
  セーブデータで見られるストーリー進行度では丁度33%。
  初めからだと2〜3時間でたどりつけます。)


 (以下は'05年9月14日に書き加えたものです)