『ぐるみん』と『英雄伝説Ⅵ』

kodamatsukimi2006-02-03



・今回のお題は以前(http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20050807)からの宿題、
 否PC18禁、ファルコムhttp://www.falcom.co.jp/)ブランドの
 アクションゲーム『ぐるみん』とRPG英雄伝説6 空の軌跡』です。


・昨年夏から引っ張って、なぜに今頃遊ぶ気になったかといえば
 サイズが小さくなった普及版(http://www.falcom.com/gurumin/order/index.html)が
 発売されたから。

XBOXは大きいから嫌だ買わない、と言うと
 そういう奴は小さくなっても買わないのだ、そんなことを理由に誤魔化すな、
 と返されるわけですが
 大きさは重要です。ゲームは飾っておくものではない。
 遊んでしまって時々引っ張り出してまた遊ぶもの。
 大きいと邪魔です。XBOXはハードだからまだ仕方がない。
 業務用基板に比べれば小さいし。

・ところがPCゲームのパッケージにおけるあの無駄なでかさは何だ。
 ゲームは収集、コレクトして並べておく物ではないけれど
 それでも神棚に飾っておきたくも成るような面白いゲームも
 いつもいつでもどんなときでも、何度も遊ぶわけではない。だから
 やはり飾っておくことになる。でかいと邪魔である。


・というわけで、全てのディスクメディアゲームソフトはCDケースサイズで発売するように。
 そうでないと買わないぜ、と思っていたのですが
 此度ファルコムゲームを10年ぶりくらいに遊んだらば
 軽度ファルコム信者になりました。3月に出る『英雄伝説6』続編を
 でかいパッケージを気にせず買ってしまいたくなるほどに。

・いやそうでもないか迷うぞ迷うぞどうしたものか、
 ゲームだの本だのに埋もれた私の部屋空間にそのゲームを置かせるべきか。
 その程度にファルコムゲームは良く出来て面白いけれど
 もうひとつ踏み切れず微妙である。

3Dアクション『ぐるみん』の味わい

 公式サイト http://www.falcom.com/gurumin/index.html 
 (ダウンロードにベンチマークあり)
 ASIN:B000CBT5M
 GameWatchレビュー http://watch.impress.co.jp/game%2Fdocs/20041222/guru.htm
 4Gamerレビューhttp://www.4gamer.net/news.php?url=/review/guru/guru.shtml

・『ぐるみん』はPCゲームとは思えないジャンル、3Dアクションゲームです。
 公式曰く「アクロバティックどりるアクションRPG」。
 なんでもかんでもRPGと付けないように。
 「どりる」アクションです。「時代はやっぱドリル」です。どりるはなにかそそるです。


・普段慣れない、いやオンラインRPGFPSもPCで遊ばない身の我が愛機には
 初めて使用するかもしれない3D描写機能を最大限界活用。
 ゆえに古いパソコンだといきなり止まります。
 メモリ最低256M、グラフィックボードは2004年以降のものでないと
 雪のステージや最終ボス戦などできつい。
 ただ軽量モードもあるので見た目気にしなければ問題なし。
 ゲームパッド対応。アナログスティックはメニューなどの暴発があるのでいらないかも。
 キーコンフィングは初期状態から多少いじる方が使いよい。
 ちなみに私の使用コントローラーはこちら(http://www2.elecom.co.jp/peripheral/gamepad/jc-ps/index.asp)。



・3Dアクションと2Dアクションの違いは何か。
 あえていうとそれは「連続空中ダッシュ切り」があるかどうかでございます。
 『ガンバルキリー』を頂点として『チェインダイブ』や『Shinobi』。
 重力を無視して敵を次から次へ、果てしなき空の彼方まで飛んでいく。
 空を駆ける事が出来ないならば、3D、立体である必要がないではない。
 2Dアクションの見た目を3Dに変えただけだ。

・と、いうような暴論は通らないですが、けれど『ぐるみん』には空中連続攻撃がある。
 それを支える明快な操作体系とステージ構成がある。
 合格。3Dアクションとして合格です。
 敵をぼこぼこ伸しているだけで楽しい。
 ただ、せっかく「ドリル」を武器としていながら『どりるれろ』のように(http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20050923)、
 それを活かすアクションが溜め攻撃にしかないのは残念です。



・難易度設定その他雰囲気含めて『サルゲッチュ』(http://d.hatena.ne.jp/kodamatsukimi/20050809)、
 よりも上向け、『デュープリズム』(ASIN:B00005UOI6)といったところ。
 キャラクターのとぼけたやりとりが良い感じ。
 お話一周は短い。アクションだからそれで良くて
 難易度を上げ、何週と繰返し楽しむゲーム。

・良く出来ています。3Dアクションとして実に過不足ない。
 そこいらのPS2で遊べるアクションと比べてまったく引けは取りません。


・低難易度ならば回復アイテムをきちんと整えておけば容易にクリアできる。
 3Dアクションの要点、足場ジャンプも難しいところはありません。
 高難易度でのパターンつくりの楽しさ、
 コース、ボス撃破タイムアタックもしっかり手ごたえがあります。

・カメラ視点もあえて立体方向に制限をつける、2段ジャンプがない、ことで
 立ち止まり時の自動修正が必要ない適度な仕様。前方注目がやや早すぎですが
 ターゲット方向注目と切り分けられているので欠点ではない。


・アクション操作の骨組み、適度な短さ、繰返しの収集要素。
 エンディングの一方がややケチを付けたくなるところですが、全体として欠点なし。
 特に目新しいところはないが駄目ではない良く出来たアクションゲーム。

・『ぐるみん』はPCゲーマーの一部にしか味わわれない現状は勿体無いといえる、
 優れた良いアクションゲームです。 




・予想通り。ただやや予想以上でしたでしょうか。
 PCでもこれだけ3Dアクションが出来るのだなとの昔を思い出しての感慨。
 それが好印象。ファルコムやるな。ファルコムRPGばかりと甘く見ていた感。

・これがPS2XBOXGCで出ていたらばどうか。
 悪くはない。アクションゲーマーならば押さえておいて間違いないタイトルです。
 処理回りはPC性能まかせのように素人目にも見えますが、さほど問題でもない。

・以前宿題としたときにも書いたように
 なぜファルコムはPCでゲームを出すのか、と思い合わせると
 露出効果にブランドを作り出す戦略ですが、
 前提としての「新しくないが欠点のないつくり」こそがそれを支えるものであると。   
 2作遊んだだけでの決め付けではありますが。

英雄伝説6』、10年前そのまま感

 公式サイト http://www.falcom.com/ed6/index.html
 4Gamerレビュー http://www.4gamer.net/store/review/eiyuu6/eiyuu6.html


・「ウェルメイド」。
 『ぐるみん』のついでに同じくパッケージが小さくなっていたので買ってきた本作は
 このように言われております。

 ほとんどの部分は基本的に「ウェルメイドなものとして優秀なクオリティのRPGだ」、
 という程度にとどまるのですが、
   「Critique of games - メモと寸評」(http://d.hatena.ne.jp/hiyokoya/20060106)より

 とても同感。
 well-made。良く出来た、欠点の少ない、目新しいところはないが、駄目ではない。

 はやい話がぼくがゲームをやりつづける理由は、
 ある似たような楽しみを再現/量産することにあるのではなくて、
 別種の世界や別種の知覚を提示してくれるというところにこそ
 もとめられるのかもしれません。

 良く出来ている「だけ」、である『英雄伝説6』を、そこを取って良い点として評価する。
 まったく同感です。


・私も新しいゲームに、新しい面白さを求めてそれを高く「良い点」と認める態度をとっています。
 続編でも良い。良く出来ていれば良い。面白ければそれで良い。
 ただ、新鮮な、新しい面白さに出会った時はより面白く感じられるようであるし、好きだ。

・けれど『英雄伝説6』は、欠点なく良く出来ていて、面白いと思う。
 最近遊んだRPGの中で間違いなくずば抜けて良い。と感じられる。




・『英雄伝説6』は、本当に良くあるRPGです。
 このシリーズはPC98、'94年の『3』を10年以上前に遊んで以来。あえて言うなら
 まったく変わっていない。


・戦闘システム、成長システムこそよりこなれて来てはいます。
 『FF7』マテリアを改良したような魔法スロットの仕組みは
 稼ぎを共用しない範囲でほど良く組み合わせを悩ませ良い。
 かといって難しくない。基本は各個撃破で事足りるし雑魚は確実に逃げられるので
 戦う必要もそもそもない。

・そういうように来てボス戦はそこそこに手ごたえある。
 見事なバランス。アイテムでなく基本レベル準拠ながらしっかり見事。
 ただ最後の最後がきつい。これも昔風と言うべきか。心が折れそうになりました。


・見た目も3Dに。といってもPS時代、『グランディア』のようなあれです。
 中身は同じ。街の中やダンジョンにお使いを繰り返す伝統工芸『ドラクエ』方式。 
 いくらタイム、フィールドスケールが滅茶苦茶であろうとも
 「お約束」に支配された詰まることのないわかりやすい誘導は安心できて良いし
 街の人のイベントごとに切り替わる台詞や商店の品揃えから浮かび上がる、
 ゲーム「世界観」の構築手法は、ムービー置いてきぼりより関与できて愛せる。


・そしてファルコムお家芸「欠点が少ない」。
 お話の内容に突っ込みを入れたくなるところはもちろんあります。
 ただ、そうではない。
 魅力的な設定とキャラクターに程ほどのシナリオさえあれば後は見せ方次第、
 というのがRPG。細部のこだわりから作られる手作業での仕上げ。
 まとまりよく磨き上げて欠点を潰す作業。それをやらせるとファルコムは実に上手い。

・当たり前に当たり前の出来。ただ駄目なところがないだけの昔ながらのRPG
 けれどそれは、最先端のRPGよりも、10年前のゲームであっても、面白いのではないか。
 と感じてしまうのが、このゲーム。罠です。



・そもそもRPGとは何だ。『ぐるみん』もRPGらしいけど、一般的にそうは言わなくて
 『ドラクエ』とか『FF』のようなゲームのこと。
 『ウィザードリィ』にアドベンチャー要素を付け足したようなゲーム。
 戦闘と成長と、物語。その見せ方はいろいろそれぞれ違うけれど
 RPGは何かといわれれば、そういう『ドラクエ』のようなゲームというほかない。

・『英雄伝説6』も『ドラクエ』のようなゲームである。
 用意された世界に敷かれたシナリオ一本道を、キャラクターを演じながら歩いて行くゲーム。
 新しいところがまるでない。欠点がなく良く出来ている。
 それがこのゲームにいえることであるけれども
 では『ドラクエ』はどうなのだ。
 『ドラクエ』の何が何にとってどう新しいか。
 最新作『ドラクエ8』は『FF』や他の最先端RPGと比べてどこが新しくないか。


・そうしてみると、『英雄伝説6』は実に正しい。
 『ドラクエ』が今後どうなるか、どのように「新しく」なるかは、殆ど誰にもわからない。
 しかし『ウィズ』『ドラクエ』が開拓した
 コンピューターRPGという完成された仕組みは既にある。
 後はお話と設定キャラクターと見せ方を変えれば良いのだ。

・遊ぶほうだって変えて欲しくない。いや変わらなくて良い。
 新しいキャラクターやお話や世界を楽しめれば
 「別種の世界」があれば満足なのであって
 新しいRPG「別種の知覚」を求めているのは、また違うのだから。

PCゲームをどうするべきか

・PCゲームといえば、ひとり一台、圧倒的な普及台数を誇るにも関わらず
 そこにあるものは家庭用ゲーム機より貧弱である。
 であるように遊ばないひとには見える。

18禁ゲーム。オンラインゲーム。でしかできない長はある。
 けれどオンラインRPGについて行くには時間が掛かり過ぎるから、
 それはゲーマーとして苦渋の決断切り捨てるとして
 では他のゲームはどうか。


ファルコムのゲームは、それこそPCでなければいけない理由がない。
 画面解像度の問題でSLGはPCが一応有利。ハイビジョンテレビとPCどちらが高いか。
 オンライン対戦はどうか。ついていけるPCの値段とXBOX360、どちらを取るか。


・PCゲームでなければならないゲームなどはない。
 ただ強いて挙げるなら、欠点なく安定安心楽しめるブランド保障、
 ファルコムゲームが遊べること程度でございましょうか。